君塚直隆のレビュー一覧
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19世紀後半のイギリス史は保守党と自由党の政権争い、アイルランド問題に選挙法改正、帝国主義と覇権主義とが複雑に絡み合い非常にわかりづらい時代でもあります。それを理解しやすくするためには一本の基軸を用意するのが重要なのですが、その軸となりうるのが同時代を統治し続けたヴィクトリア女王であることは間違いないでしょう。また、彼女を基軸とすることによってそれまで教科書で語られてきたようなイギリス史に別の視点からアプローチされることとなり、新たな一面を見せてくれます。例えば教科書では帝国主義的な保守党のディズレーリ内閣と自由主義的な自由党のグラッドストン内閣という構図が、ヨーロッパの勢力均衡を図り安定と平
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大学の講義を2年分くらい受けたような情報量。
内容が濃く、リラックスして読み進めるよりは、真剣に歴史を教えていただいた様な印象。
大人の自分でも結構時間がかかったので、お若すぎる方には少々難しいかも。
エリザベス女王が、ただのお飾りではなく、公文書全てに目を通し理解されているくらい聡明な事、若くして女王の座につかれたが、ご自分の立場を良く理解し、国益とのバランスを取りながら、時代の変化にも対応していった事など、国民の事を考えてカラースーツを着て手を振られたり、パディントンの映画に出演されたりなどお茶目で優しい印象があったので、エリザベス女王の事が、ますます好印象を持ちました。
故ダイアナ妃につ -
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ネタバレ名誉革命とかクロムウェルとか、オレンジ公ウィリアムとか中学生の世界史で出てきたなあなんて懐かしく読んでいました。
メインテーマは、なぜイングランドは「絶対君主制」にならず「立憲君主制」にはならなかったのか?それは、王様たちが議会と相談して政治を進めていたから。そのままだね。
天皇陛下とイギリス国王の比較が興味深かったです。イギリス国王は、国軍の最高司令官であり、イングランド国教会の最高首長を兼ねている。 イギリスの君主は現実政治に関わる権限があり、首相と定期的な会見が開催されているとのこと。それは、サッチャー元首相によると、エリザベス女王とはかなり政治深い政治的議論であったと述べている。 -
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エリザベス2世の逝去を受けて読んだ一冊。立憲君主制の中で王室のあり方を模索し続け、英国に尽くした女王の生涯(この本が書かれた時点ではまだ在位中だが)が書かれており、Netflixドラマ「クラウン」とリンクしている部分も多く、伝記物としても読みやすい。
長きにわたる在位の間に時代は変わり、チャーチルからはじまった国内の老獪な政治家との折衝や、コモンウェルズとの連携など、難しい舵取りをされてきたのだと感じるとともに、女王を筆頭とする王室のソフト外交の重要性がよくわかった。
そんななかで、立憲君主という立場の似ている昭和天皇とのエピソードが沁みた。
時代のうねりの中で、沈みゆく大英帝国を目の当 -
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“悪いやつら”が、時代を動かす。
数々の悪徳を犯した一方で、偉大な業績を残し、人々から支持されたイギリスの「悪党」たちの実像に迫る書籍。
テューダー王朝2代目の君主ヘンリ8世(在位1509~47年)は、「好色漢」で、「残虐性」「浪費癖」もすさまじかった。
その一方、ヨーロッパ国際政治において、戦争・外交両面で影響力を行使した。
・ヘンリ8世は海軍を整備し、勢力拡大を進めた。しかし、スコットランド侵攻に失敗し、対仏戦争でも惨敗を喫した。さらに、戦費がかさんだことで、宮廷は破産寸前となった。
・ヘンリ8世は、結果的にはイングランドの強国化に失敗した。しかし、ローマ教皇庁と決別して教会を国家の下に -
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下巻は、清教徒革命から2012年のエリザベス2世在位60周年まで(キャメロン政権)。
小学校のとき、イギリスの正式名称が「グレートブリテン及び北部アイルランド連合王国」だと知って、その名前の長さにテンション上がったが(今になって思うと日本語で議論してもしょうがない話題…)、どうして「連合王国」なのかよく分かる。
清教徒革命で一時は共和制になったものの、すぐに王室が復活するので、フランスや日本と違ってこれぞというイベントがないまま、本を読んでいてもどこが転換点か分からない感じで議会が発展していったのはイギリス特有のように思う。
著者自身が言っているように、本国中心に書かれているので、植民地 -
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NETFLIXでエリザベス女王のドラマを見つけた。エリザベス女王の知識を入れておいた方がドラマを見るのに楽しいだろうと思い購入。
まだご存命のエリザベス女王の人生を振り返ることは、そのまま第二次世界大戦後のイギリスを中心とした世界の歴史を紐解くことにつながるということで、本の流れはイギリスの歴史とエリザベス女王の人生を一緒に追っていくようになっている。
まだ女王はご存命であるので、人物評価が難しく、史料も少ない中出版された本なので、ちょっと内容が淡々としていてダレるところは正直ある。
それでも、、上流階級に対して敬いの気持ちが昔と比べて薄れている今の時代で、王室が時代にあわせて変化 -
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た1952年に25歳で英国の王位に即いたエリザベス女王(1926~)。カナダ、オーストラリアなど16ヵ国の元首でもある。ウィンストン・チャーチル、サッチャー、ジョンソンら十数人の首相が仕え「政治経験が長く保てる唯一の政治家」と評される彼女は、決して”お飾り”ではない。70年近い在位の間には、ダイアナの死をはじめ、数多くの事件に遭遇、政治に関与し、20世紀末には強い批判も受けた。本書はイリス現代史を辿りつつ、幾多の試練を乗り越えた女王の人生を描く。
類稀な博識さと努力によって王室を守り続け、盛り立ててきた女王。イギリス好きだしロイヤルファミリーも好きな私はつい好意的に見ているけれど、日本と異なり -
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EU離脱問題を巡って英国が揺れています。メイ首相がEU側とまとめた離脱合意案は先月、下院で歴史的大差で否決されました。来月末の「合意なき離脱」が現実のものとなる可能性が高まり、どのような影響が生じるのか誰も予測がつきません。
本書は、イギリスの歴史を議会と王権の関わりを中心に論じた概説書。下巻はエリザベス1世の死去、ジェームズ1世の即位から、21世紀初頭のキャメロン政権成立まで。
私たち日本人からは、彼の国は同じ島国、アングロサクソンで大陸諸国とは一定の距離を置くジェントルマンの国、といった印象しかありませんが、本書を読むとその内実は様々な対立を抱えていたことがわかります。
一つ目は宗教上