河野万里子のレビュー一覧

  • 悲しみよ こんにちは(新潮文庫)

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    セシルは恋人を利用し、エルザの父への未練を利用し、父の女たらしを利用し、アンヌを結果的に追い出した。
    誰にもそんなことは気取られないよう実行し、そして思い通りになった。
    愛している生活を守るために、正攻法ではかなわないアンヌにセシルのやり方で戦いを挑んだ。そういう小説だったかなと思う。よく18歳でこんな心理をここまで描けたものだ。

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    2024年08月18日
  • ブラームスはお好き(新潮文庫)

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    『悲しみよこんにちは』の煌めきには劣る気がするが、やはり恋愛小説の極地とも言うべきか。時代と国は違えど、女性が恋愛に際して感じる苦しみはかなり似通っているし、シモンの口説き文句が友達の口調に似ていて笑った。ロジェの行動が愛ゆえでなく所有者ゆえの行動であることや、恋愛をしていても人間がどこまでも孤独であることとか。何度も読み返したい小説。

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    2024年08月11日
  • ブラームスはお好き(新潮文庫)

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    おもしろかった。恋愛小説だが、恋愛要素そのものは「いかにもフランス」ぽさがあって、良い意味で感情移入しなくて済み、純粋に人間模様として読めてよかった。共感性羞恥の恥ずかしいとか裏切られてつらいとかそういうのがない。いっぽうで年齢や人生におけるパートナー、その安定と不安定、みたいな視点は普遍的だと思うし、描写が丁寧で感心した。そして書いた当時作者のサガンは24歳ということで、よくその歳でこれが書けるな…

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    2024年06月02日
  • シェリ

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    ネタバレ

    言葉の流れが優雅でオシャレだった。
    高級娼婦という特別な立場だが、レアの気持ちは女性なら誰もが一度は体験するのではないだろうか。

    シェリが去ってゆくラストシーンは悲しい。

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    2021年03月23日
  • カモメに飛ぶことを教えた猫

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    猫に限らずかもしれないけど、猫と暮らしている人はよく「何々と言っているように聞こえる」ではなく、「何々と言っていた」という言い方をする。自分もいつか猫と会話できるように、いや、会話して頂ける人間になれるように精進していかないといけない。

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    2021年02月16日
  • 悲しみよ こんにちは(新潮文庫)

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    繊細な気持ちを表現 一人の少女の目まぐるしく動くひと夏の心の動きが非常に生き生きと描かれていて、引き込まれる。

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    2026年01月12日
  • カモメに飛ぶことを教えた猫

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    じわじわと言葉がしみこんでくる、いい物語だった。猫が飛べないカモメに語る言葉がいい。

    全力で信じたものだけが飛べる。ちょうどそれを伝える物語を探していた。言いたかったことを言ってくれて、じわじわとしびれた。

    海外ものだからか、どこかユーモラス。あとは人間をこきおろす。あとは、みんながどこか夢見がちなところがいい。猫の奮闘する物語は、イッパイアッテナで大好きだったので、それもあって懐かしかった。

    本が読めてしゃべれる猫というのがいい、実際そうなんじゃないかと思わせる猫の何かがある。

    カモメの女の子が可愛い。
    詩人もいい、雨を感じたいということ、空に飛び出したときの気持ちよさは、きっとカモ

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    2019年07月29日
  • 青い麦

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    友情から恋愛へと発展していく過程で生じる苦しみについて描かれている本。
    風景描写に力点を置き過ぎているきらいがある。もう少し、詳細な心理描写が欲しかった。

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    2019年07月24日
  • 青い麦

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    最初は正直フィリップの青さにすごくイライラした。けれど最初薄っぺらいと思っていたヴァンカがストーリーを追うごとにすごく面白くなった。最後の方はとくによかった。あとはちょいちょい訳の言葉遣いが気になったのでフランス語をもっと勉強して自分で原書を読んでみたい。

    p.134「だって、わたしにいじわる言ってるあいだは、そこにいるでしょう、あなた……」

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    2015年10月25日
  • 星の王子さま

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    2025/12/31 再読 ★4
    学生時代に語学の授業の課題で読んで以来、久しぶりの再読。改めて読んだら思いのほか読みやすかった。けど感想を書こうと思うと何を書いていいやら、まだあんまり咀嚼できていないような、なんとなくわかったような気でいるだけな感じ。


    2014/5/31 ★5
    5年後にまた読みたい。
    目に見えないものこそ、大事。

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    2026年01月08日
  • 青い麦

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    光文社古典新訳文庫シリーズの特徴は、奔放な翻訳と優れた解説、この二点だと個人的に思っている。

    その意味で、コレットの『青い麦』を河野訳で読むことの面白さは、彼女の明快な解説と共に評価するのがよいと思う。彼女の解説は、若い男女の恋愛を描いた『青い麦』のテーマは、いかにもありふれて見えるのに、なぜ仏文史上「新しい」ものだったかを、コレットの伝記的事実も交えながら、分かりやすく、興味深く説明している。

    本作を読んでまず目にとまるのが、夏の海辺の家を背景にした爽やさな情景。そして、十代の男女恋愛がもつ苦々しさを繊細に描いた巧みな心理描写である。謎の三十女が登場する展開は、フランス文学のおなじみのも

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    2011年12月19日
  • 青い麦

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    少年少女の初めての性の前後における心身の繊細な描写と避暑地の風景。
    大人は影。少年に初めての性を教える年上の女性も影。
    少年と少女にもだんだんと影が差していく。

    そしてまだ残る童心の輝きや色彩豊かな風景と、迫り来る影とのコントラストの中に切なさ、甘酸っぱさがあるんだろうな。

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    2011年05月08日
  • 青い麦

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    あまり期待していなかったが、意外と面白かった。幼なじみの15歳の少女と16歳の少年がお互いを意識し始めた。そこに年上の若い女性が現れた。よくありそうなテーマです。各々の心の動きがうまく描かれていました。
    また、解説の第一次世界大戦前のフランスにおける恋のパターンがフランス文学を読むのに参考になりました。6パターン分けされていました。ぜひご一読を。

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    2010年12月26日
  • 悲しみよ こんにちは(新潮文庫)

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    ネタバレ

    子供なのに大人のようなそんな風に感じた序盤の主人公
    でもそれは彼女の主観としての景色だったから
    実際はそんなことはなくて
    子供でいい意味でも悪い意味でも無垢な少女

    ただその無垢さに父親の奔放さが長年の蓄積で
    価値観として埋め込まれているような気がして
    そんな考えの主人公とそんな主人公と長年過ごした父親
    今回は悪い意味で父親は主人公に曝け出しすぎていた

    曝け出すということは手品と同じで
    手に取るように動きや考えが分かってしまう
    だから主人公の行動はあまりにも子供だったにも関わらず
    父親はその手のひらのうえで転がされ
    その父親はどうなったかというとあんな結末

    落ちるなら一人で落ちればよかった

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    2026年01月05日
  • 星の王子さま

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    始めあたりはよく分からないというのが本音…。

    1番大切なものは目に見えない。子どもの方が本質を見えているのは往々してあると思う。

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    2026年01月01日
  • 星の王子さま

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    ネタバレ

    いつだったか一度読んだことがあったのだが、
    機会があったので改めて読んでみた。

    個人的には、不思議な話だなぁと
    そのまま受け取る部分が多くて、
    あまり裏を読むような読み方をせずに進んだ。
    ただただファンタジー作品として面白いし、
    そうして読んでみたとしても
    深い部分で作者が最も伝えたいことが
    目に見えずとも伝わってくる気がする。

    もう大人なので裏を描いて読んでみるか!!
    とも思ったけれど、そうなると途中途中で
    汲み取るのが難しい部分も多々あって、
    どこの部分で裏を読めば良いのか考えるのが
    結構大変だなぁと(他人事のように笑)感じた!

    果たして、私は帽子だと答えるだろうか?







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    2025年11月28日
  • 星の王子さま

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    2回目だが、まだ私の経験ではしっかりと理解できていないと感じた。年齢を重ねる事に読むと味がわかるんやろな

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    2025年11月18日
  • ブラームスはお好き(新潮文庫)

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    ネタバレ

    美しい。あまりにも緻密に、繊細に、恋が、恋の愚かさと美しさが、描かれている。
    文体がとても好きだった。翻訳本でここまで文体を魅力的に感じたのは初めてだ。翻訳者さんが素晴らしいというのもあるのだろう。
    ラストシーンといい、恋とはいかに滑稽なものか、という。

    147 それでも彼女はシモンと暮らし、夜は彼の腕のなかで吐息を漏らし、時には自分から彼を抱きしめた。子供か、でなければ技巧に長けた愛人たちにしかできないような抱きしめ方で。所有欲にあふれながらも、所有というもののはかなさに怯えるあまり、その激しさに気づいていないような抱きしめ方で。

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    2025年11月16日
  • 悲しみよ こんにちは(新潮文庫)

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    なんか……フランスっぽい話だった。お父さんがかなりの放蕩ぶりだけど娘がそこまで嫌そうじゃないのは愛の国フランスだからなのか?私が読んだのは文学全集みたいなやつで、解説で「当時の中高年女性は汚れた本だとして年頃の子供には勧めなかった」と書いていたけど、まあそうだろうな……という感じはする。こんなに救いのない終わりだとは思わなかった。海外文学はやはり翻訳特有の読みづらさがあり、慣れないとなかなかスッと読めないなーと思った。あと、避暑地モノって映画でも良くあるけど、私は富裕層ではないので避暑地で過ごすバカンスに縁遠く、なんだか物凄く遠い話のように感じてしまうなーと思った。

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    2025年05月26日
  • 悲しみよ こんにちは(新潮文庫)

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    解説に書いてあるとおり1960年代の学生運動が盛んな時期、血気盛んな学生たちは男女問わずサガンを読んでいたというのだから、当時の時代にマッチした小説だったのだろうと思う。自分はセシルのような女性の考えを上手く咀嚼できなかった(読む年齢によっても違うのかもしれない)。
    終盤アンヌが激怒し出ていった時、父に「ばか、ばか!」ととんでもない難癖をつけ、「手紙を書きましょうよ!」と言う神経が全く理解できないけど面白くもあった。(父は「それはいい!」とか言うんだから、似たもの親子だな!と思いながら…)

    ところどころに出てくるセシルのセンチメンタルな感情と、それにともなう描写は綺麗ですーっと引き込まれてし

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    2025年04月28日