あらすじ
パリに暮らすインテリアデザイナーのポールは、離婚歴のある39歳。美しいがもう若くないことを自覚している。恋人のロジェを愛しているけれど、移り気な彼との関係に孤独を感じていた。そして出会った美貌の青年、シモン。ポールの悲しげな雰囲気に一目惚れした彼は、14歳年上の彼女に一途な愛を捧げるが――。二人の男の間で揺れる大人の女の感情を繊細に描く、洒脱で哀切な恋愛小説の名品。
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Posted by ブクログ
ブラームスのコンサートに行ったので、本も読んでみようかと
『美しくあろうと情熱を傾け「若い女性」から「若々しい女性」へ女としてのカテゴリーが変わっていくことに抵抗していた』と言う一文を気に入って買った。サガン24歳の時の作品!でも、モーツァルトもそうだけど、一緒に暮らしたくないタイプってAIに言ったら「だからこそ、読むのが一番!聴くのが一番!笑 」って言われた
Posted by ブクログ
恋や愛の最高に甘く幸せな瞬間や
逃れられない孤独と安心
ひとつのことから生まれる
たくさんの感情を味わいました。
25歳って
なにかピークなのかも。
Posted by ブクログ
いやぁ〜…やっぱりいい!溜め息漏れます。
サガンの文章、なんでこんなに美しいのでしょう。
悲しみよこんにちはで稲妻に打たれたが、今回再販の新訳で読みました。本当に所々、ポストイットする部分あり、個人的に海外文学得意じゃないのに、良い読書堪能しました。話的になんか谷崎の痴人の愛を少しだけ思いだしながら。正直ポールに苛々しながら読んだが、実はポールの選択って最後すこ〜しだけ理解できた。そしてオチは悪夢?サガンの他作品も読みたい!マジで。
Posted by ブクログ
内容だけを見るとポールやロジェにうんざりして敬遠しそうなタイプの話なのに、サガンの繊細で美しい筆致がうっとりさせながら読ませてくるからすごい。
泣きながらも祝福されたかのように走り去っていくシモンと結局はロジェを選び、諦観と物憂さの日常に帰っていくポールのラストがもうなんとも言えず良かった。
ポールの主人、あるいは所有者としての顔をするロジェに反してシモンはそんな顔しなかった。そんなシモンに心打たれながらもポールは息をするように浮気をし続けるロジェを待つ日々を選ぶ。
ポールの放った「わたしもう歳なの」これがもう答えなんだろうな。
ポールはロジェと過ごした時間が長すぎた。美貌も歳も未来もまばゆいシモンとどうなるかわからない明日にワクワクするよりも不安のほうがずっと漂っていたから、長い時間を過ごした理解のある相手との停滞した日常を選ぶ未来は読みながらなんとなくわかってた。でもやっぱりそれが美しい。
はぁ〜〜〜堪能したわ。サガンの他の本も再販してくれないかな。いまものすごくサガンを読み耽りたい。
Posted by ブクログ
美しい。あまりにも緻密に、繊細に、恋が、恋の愚かさと美しさが、描かれている。
文体がとても好きだった。翻訳本でここまで文体を魅力的に感じたのは初めてだ。翻訳者さんが素晴らしいというのもあるのだろう。
ラストシーンといい、恋とはいかに滑稽なものか、という。
147 それでも彼女はシモンと暮らし、夜は彼の腕のなかで吐息を漏らし、時には自分から彼を抱きしめた。子供か、でなければ技巧に長けた愛人たちにしかできないような抱きしめ方で。所有欲にあふれながらも、所有というもののはかなさに怯えるあまり、その激しさに気づいていないような抱きしめ方で。
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先述の森瑤子の『情事』があまりに読後感が悪いというかしっくりこなかったので似て非なるこちらを。
これなのよ、これ。
この小説は1959年に23歳のサガンによって書かれたもの。23歳という若さで39歳という若くもかといって老いてもいるわけでもない女性ポールの心理をつぶさに描いている。
その心理のキーとなるのは同年代の粗野で浮気性な恋人ロジェと、25歳の裕福な家庭に生まれ、ポールに一途な思いを寄せるぼんぼんシモン。
長年結婚にも同棲にも踏み切らず、時に寂しい思いをさせられながらも、育んできた時間や愛着からなかなか気持ちを剥がすことができない恋愛と、瑞々しくて照れてしまうようなまっすぐさで求愛してくる若い男との新しい恋愛の間で揺れ動くポールの気持ち。
刻一刻と変わる心理描写が、ただの愛だの恋だのからではなく、女の賞味期限が切れかけているのでは…という不安が相まっていることが切なくて。
明らかに時代背景も設定もセリフの古いのに、ましてや外国文学なのに、でも文章はまったく古くない!これは訳者さんも素晴らしのだろうけど、原文なくして、なのだから。
こういうものを名著って呼ぶのだなと納得。
Posted by ブクログ
サガンの文章は非常に美しく、
その描写は風景や情景を鮮やかに目の前に浮かび上がらせる。
読むだけで心が満たされるような感覚を覚えた。
物語には悲しさと切なさが漂っているが、
それこそが孤独と愛の本質なのだろうかと考えさせられる。
Posted by ブクログ
サガンが恋愛と孤独をテーマにしているということがよくわかった。24歳でこれを書いたのってすごい。
涙で視界が滲んだ時にワイパーを使うっていうユーモアがお洒落だなと思った。
Posted by ブクログ
『悲しみよこんにちは』の煌めきには劣る気がするが、やはり恋愛小説の極地とも言うべきか。時代と国は違えど、女性が恋愛に際して感じる苦しみはかなり似通っているし、シモンの口説き文句が友達の口調に似ていて笑った。ロジェの行動が愛ゆえでなく所有者ゆえの行動であることや、恋愛をしていても人間がどこまでも孤独であることとか。何度も読み返したい小説。
Posted by ブクログ
おもしろかった。恋愛小説だが、恋愛要素そのものは「いかにもフランス」ぽさがあって、良い意味で感情移入しなくて済み、純粋に人間模様として読めてよかった。共感性羞恥の恥ずかしいとか裏切られてつらいとかそういうのがない。いっぽうで年齢や人生におけるパートナー、その安定と不安定、みたいな視点は普遍的だと思うし、描写が丁寧で感心した。そして書いた当時作者のサガンは24歳ということで、よくその歳でこれが書けるな…
Posted by ブクログ
恋愛小説を読んでみたいなと思い
初めて海外が舞台となってる小説を
読みました。
シモンの一途さが心に残ります。舞台が
パリなので想像力を働かせました!笑
少し難しい部分もありましたが大人の恋愛も
なかなか大変だなあと感じます。
Posted by ブクログ
使われてる言葉がとても綺麗で''フランス''を感じまくりの1冊でした。
ただ私にはまだちょっと早かったかな、、、?と思ったのでもう少し歳を重ねてもう一度読んでみたいと思いました。
Posted by ブクログ
ずっと読みたかった作品の新訳版が登場。1961年に公開された映画『さよならをもう一度』の原作だ。観たはずだという記憶しかないが……。
パリを舞台に、39歳バツイチのインテリアデザイナー・ポールと、その恋人であるロジェ、彼に紹介された顧客の息子で25歳のシモンの三角関係を描く。
奔放な恋愛模様かと思いきや、発表されたのが1959年という時代ゆえか男尊女卑そのものでちょっと引いた。6年付き合ったが浮気者の男と、14歳も下だが一途な若者の間で揺れるポールが痛かった。
Posted by ブクログ
上白石萌音ちゃんが帯を書いていたので手にとる
おもしろい
タイトルで、自分が長年の恋人を本当に好きなのか、と自問する
最後の最後でそうくるかと
孤独、恋愛
どうしようもない気持ち
揺れ動く気持ち
気持ちや風景の情景が美しくて何度も読みたい
Posted by ブクログ
立ち寄った本屋でふと目につき、そう言えば、題名は良く聞くけど読んだことなかったよなあと思い、買ってみた。この年になると、死ぬ時に「そう言えば、あの作品ってどんな話だったんだろう・・・」なんて考えることになったら嫌だなと思うのだ。
ポールは39歳の女性インテリアデザイナー。離婚歴があり、今はロジェという恋人がいるが、彼は遊び人でポールはいつも孤独を感じていた。
そんな時、ポールはクライアントの息子、25歳の美青年シモンと知り合う。シモンはポールに熱烈な恋をし、ポールは年齢差もあって最初は軽くいなしていたものの、やがてシモンの情熱に押され、心の隙間を埋めるようにその気持ちを受け入れ始める・・・。
想像していた通りお洒落な作品で、揺れ動くポールの気持ちにスリルを感じたものの、女性目線での物語ということもあってで感情移入には至らず。
知らなかったのだが、解説を見たらイングリッド・バーグマン、イブ・モンタン、アンソニー・パーキンスという豪華キャストで映画化もされていたので、そっちが気になる。