河野万里子のレビュー一覧

  • シェリ

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    高級娼婦がどんな職業だったのか、鹿島茂さんの本で予習してから読んだのでよくわかった。
    それにしても今日でも50歳手前は、若作りしても無理が出てくる年齢なのに、美しいとはいえ20歳以上も歳の離れた年下と付き合うのは、なかなか自尊心を保つのが厳しく辛いことだろうと思った。恋愛に慣れているレアとはいえ。最後のシーンは特に辛い。
    美しい情景描写が得意のコレット。青い麦の方がハーブが香るような爽やかさがあって好きだけど、どちらも爽やかではないフランス独特の、年の差恋愛レッスン文化が背景にある話し。

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    2026年05月05日
  • 悲しみよ こんにちは(新潮文庫)

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    文章が綺麗すぎる。
    ダラダラと比喩が続いてたりする気だるい感じが好き。
    主人公と父親の軽やかな明るさとアンヌの落ち着きようが対照的で面白い。

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    2026年04月05日
  • カモメに飛ぶことを教えた猫

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    瀕死のカモメが
    たまたま居合わせた猫のゾルダに
    すべてを託す
    卵を産むけれど食べないで
    生まれてくるまで育てて
    そして
    飛ぶことを教えて欲しい

    ガッテン承知とばかり
    ゾルダは卵を温め始める
    雛が生まれると
    エサを探して食べさせる
    危険が迫ると仲間に助けを求め
    やがて飛ぶことを教える時が
    やってきた
    はたして猫たちは
    カモメのフォルトゥナータに
    飛ぶことを教えることができるのか?
    猫の中の猫ゾルダの逞しさと
    約束を守ろうとする意思の強さ
    たとえ種類が違っても
    愛することの素晴らしさ
    いろんなことを教えてくれるお話

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    2026年03月23日
  • 青い麦

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    海辺の風、ラヴェンダーの香り、洋服のローズ色、ヴァンカの青色の眼など、色彩や香りがとても美しく感じられる文章。
    若者の大げさな心の動きが青々しすぎて、まさにタイトルの青に通じる。
    白い服の女はいかがなものか?と思ったけど、鹿島茂さんの解説が見事にフランスの文化的背景で説明してくれる。さらに、ヴァンカが、作者コレットの育った環境を表していることもわかる。解説を読んであらためて深い納得感が得られる。
    読後の余韻が思いのほか長く、子どもの頃いろんな経験をして少し成長したような夏の終わりの虚脱感に似た感覚も思い出した。

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    2026年03月21日
  • 青い麦

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    結婚まで何年もあること、大人ではないから身動きがとれないこと、共感できる苦悩もあれば、その方向で苦悩するのね、というところもあって、よかった。花々の描写がとっても綺麗で嬉しい。堕落したいという気持ち、愛する人のために死のうとする気持ち、どれも仰々しくなることなく、自然なのが素晴らしい。

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    2026年03月16日
  • ブラームスはお好き(新潮文庫)

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    海外文学は今までほとんど読んだことがなく、おそらくフランス文学を読むのははじめて。
    雑貨屋さんでたまたま見つけ、おしゃれな表紙に惹かれて購入。

    主人公のポールは39歳。
    「「若い女性」から「若々しい女性」へ女としてのカテゴリーが変わっていく・・」とは、
    今年でまさに39歳になる私にとって、
    心中穏やかでいられないフレーズ。

    ロジェとシモン。二人の間で揺れるポール。
    歳を重ねるにつれて、
    色々なものでがんじがらめになってしまって
    (それが、社会的なものなのか、
    自分の意思なのか、なんなのか)、
    うまく動けないさまが、
    おしゃれな文章とともに語られていて、
    あぁ、心がモヤモヤしたり、ドキドキし

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    2026年02月08日
  • 悲しみよ こんにちは(新潮文庫)

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     父親の恋愛をまるで自分のことのように捉え、無意識のうちにコントロールしてしまう。自分とは価値観が異なる人間を、制御できない異物のように感じて遠ざけてしまいたくなる瞬間。手放したいけど自分のせいで失うのは耐えられない。刹那の感情に振り回され、先々の実感しにくい幸福を自ら捨ててしまう。そういった少女から女性へと移り変わっていく時期の心理描写が見事だった。

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    2026年02月07日
  • カモメに飛ぶことを教えた猫

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    ーー八歳から八十八歳までの若者のための小説
    と、あとがきにあるとおりのハートウォーミングなお話だった。何よりもタイトルが心ときめかせてくれるかわいいタイトルで良かった。大人が読んで楽しめる童話みたいな話っていうのは心安らぐ。

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    2026年01月31日
  • カモメに飛ぶことを教えた猫

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    一匹の猫が飛ぶことを教えるのではなかった 仲間や他者、生きることの尊さが胸に響く 劇団四季の舞台は素晴らしいのだろうな

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    2026年01月18日
  • 悲しみよ こんにちは(新潮文庫)

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    身も蓋もない言い方をすれば、フランス映画が好きならこの作品も好きだと思う。(本当に身も蓋もない)
    詳しくないなりにギヨーム・ブラック作品とかレオンとか君の名前で僕を呼んでとか好む人間なので、この小説とも相性は悪くなかった。

    フランス映画でよく観る【太陽の光と水面と日焼けする人間と…】みたいな典型的なバカンスの匂いをさせつつも話の雰囲気はどこか仄暗く、気づいたら緊張感のある展開になっていくので退屈しない。

    この作品をサガンは18で書いたというのでおったまげる。瀬戸内寂聴が40歳の時に書きましたと言われても私はたぶん信じたと思う。知らんけど。

    ものすごーく平たく言えば愛とか恋に狂った人間たち

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    2026年01月15日
  • 悲しみよ こんにちは(新潮文庫)

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    この文章を18歳の少女が書いたということは本当に凄いの一言なんだけど、逆に18歳だからこそ書けた文章という気もする。
    日々刻々と移り行くセシルの心情はまさに思春期そのもので、痛々しい程の全能感に酔いしれたと思ったら、アンヌへの畏れや自らの青さへの恥によって縮こまったり卑屈になったり、それがひとときの恋愛によって簡単に慰められたり。

    何気にフランス文学は初読だったのだけど、原題の「Bonjour Tristesse」という響きの美しさよ。

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    2026年01月01日
  • 悲しみよ こんにちは(新潮文庫)

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    これ18歳の女の子が書いたのすごいな。すっごい読みやすかった。そして誰もいなくなったと舞台が似てて、あっちにも主人公みたいな女の子とアンヌみたいな大人の女性が出てきた気がする。
    てか超セクシーでモテモテでかっこよくて危なっかしいお父さんとか憧れすぎるだろ。フルハウスのジェシーおいたんでイメージして読んだらぴったりすぎた。アンヌはアンハサウェイ。

    小説っていつもは語り手から語られたことが全てとして読んじゃうけど、これはいい意味で語り手が信用できないというか、若い未熟な女の子から見たできごとの数々でしかないと感じさせられるのが面白かった(この感覚、アルジャーノンに花束と少し似てるかも)。きっとこ

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    2026年01月06日
  • 悲しみよ こんにちは(新潮文庫)

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    ネタバレ

    めちゃくちゃフランスリアリズムを感じた。内容は全然違うけどモーパッサンの「女の一生」に似たものを感じた。何かしら系統とかあるのかな。
    いやー世間知らずの女の子が父の再婚相手の束縛に耐えきれず、罠に嵌めて追い出そうという物語だが、セシルがどんどんアンヌの良さに気づいて好きになっていって、罠にかけた後には手遅れというシナリオ、セシルの後悔は心に来る。来月もう一回読もう。失敗を乗り越えて大人になる過程を表した青春小説かと思いきや、セシルもレイモンも何も学習せずに放蕩生活に戻っていく。このもどかしさ、やはり古典は素晴らしい。

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    2025年12月28日
  • カモメに飛ぶことを教えた猫

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    昔一度読んだことがあって、どんな話か忘れてしまってたんだけど、タイトル通りのストーリーだった(笑)
    でも、この本の猫たちは優しさと威厳に溢れていて、周りの冷たい目や困難に奮闘しながら、約束を果たすために試行錯誤する。とても強い心のキャットだった。
    諦めそうなとき、何かに挑戦するときに思い出したい本。

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    2025年08月17日
  • ブラームスはお好き(新潮文庫)

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    先述の森瑤子の『情事』があまりに読後感が悪いというかしっくりこなかったので似て非なるこちらを。

    これなのよ、これ。
    この小説は1959年に23歳のサガンによって書かれたもの。23歳という若さで39歳という若くもかといって老いてもいるわけでもない女性ポールの心理をつぶさに描いている。
    その心理のキーとなるのは同年代の粗野で浮気性な恋人ロジェと、25歳の裕福な家庭に生まれ、ポールに一途な思いを寄せるぼんぼんシモン。
    長年結婚にも同棲にも踏み切らず、時に寂しい思いをさせられながらも、育んできた時間や愛着からなかなか気持ちを剥がすことができない恋愛と、瑞々しくて照れてしまうようなまっすぐさで求愛して

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    2025年06月27日
  • カモメに飛ぶことを教えた猫

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    「飛ぶことができるのは、心の底からそうしたいと願った者が、全力で挑戦したときだけだ」
    的を得た言葉だよな。
    ここにルーティーン的なものを追加出来るとさらに高く飛ぶことができるんだろう。

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    2025年06月13日
  • カモメに飛ぶことを教えた猫

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    ネタバレ

    中1の読書感想文で読んだ本。当時は、この本の持つ力が分からなかったが、コロナ禍で再び手にしてみた。すると、このカモメとネコという異なる生き物の組み合わせが感動や学びをもたらすのに最適であるということが分かった。人間がもたらす環境破壊、異なる他者との出会い、そして愛するということ…
    石油まみれという人間の活動によって母親を知れなかったカモメ。海の街で人間と生活をするネコ。本の中でも書いてあるように、相手と話してみなければどんな人かは分からない。もし、母カモメが生き延びたとしたら、母カモメも子カモメも人間を憎むしかなかっただろう。人間に命を救われたという過去を持つ猫から、人間がしたように愛情を注が

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    2025年03月15日
  • ブラームスはお好き(新潮文庫)

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    サガンの文章は非常に美しく、
    その描写は風景や情景を鮮やかに目の前に浮かび上がらせる。
    読むだけで心が満たされるような感覚を覚えた。
    物語には悲しさと切なさが漂っているが、
    それこそが孤独と愛の本質なのだろうかと考えさせられる。

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    2024年11月27日
  • シンプルとウサギのパンパンくん

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    タイトルがとても小さい子向けのように感じられるので、少し損しているような気もしないではないけど、完全にYA。いわゆる「ヤングケアラー」の物語に、若者たちの恋愛模様をからめつつ、それでいて昔ふうのラブコメみたいな、取り違えとかすれ違いの笑いもつっこんでくる。同じような題材を扱った英米のYAとすごく感触がちがっていてびっくりしたし、おもしろかった。シンプルの純真さが周囲の人びとの心をいつのまにか温めていく様子が無理なく伝わってくるのが好き。

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    2024年11月15日
  • カモメに飛ぶことを教えた猫

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    心温まるストーリーだった。
    とても読みやすい本だし内容も前向きだからぜひ子どもに読んでほしいけどけど大人が読んでも心が浄化されてポジティブな気持ちになれると思う。

    作中の猫たちのやりとりが可愛くて、もしかしたら街中にいる猫たちも彼らと同じように掟やコミュニティがあるのかなって思わず考えた

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    2024年10月22日