河野万里子のレビュー一覧
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購入済み
優しい言葉づかいです
他の人の訳を読んだことがあります。この本はそれぞれのキャラクターに合った言葉づかいでした。あたたかく、切ない気持ちになりました。
訳者あとがきも良かったです。
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購入済み
歳を重ねてたまに読み返す。
読む度に印象感想が変わる
違う作品みたいだなってくらい
面白いね。また数年経ったら読もうかな
なんとなく手に取って読み返す
そのくらいの気持ちがいい
思いがけずってのが、楽しさ -
Posted by ブクログ
ネタバレ元々、小学校の学芸会で小学校6年生の次男が取り組んだ劇として知った作品。月刊ふらんす誌3月号で河野万里子さんのエッセイを読み、彼女の訳であることを知り購入。積読していたが、この度、作者のルイス・セプルべダ氏が新型コロナウィルス感染のため逝去されたことを新聞記事で知り、読み始めた。
「みんなこのときを、待ちわびていたのだ。猫だけが持ち合わせているすぐれた忍耐力のありったけで、若いカモメが飛びたいと自分から言い出すのを、待ち続けてきた。飛ぶためには、本人の決心が何より大切だということを、彼らはその叡智で知っていたからだ。」
自分にはその叡智が、忍耐力があるのか子供たちを思いながら、自問している。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ優しい語り口でありながら、なにか人間の核心を鋭く突いているような物語だなと思いました。
特に「いちばんたいせつなものは目に見えない」という言葉は、印象に残りました。
終盤、王子さまがどこかの星で笑っていると思えるだけで、見上げる星空全体が愛おしく価値あるものに変わる感覚には「なるほど」と深く納得させられます。ただ星という物質を見ているのではなく、「自分にとって特別な存在がそこにいる」という思いが重なることで、世界そのものの見え方が変わる感覚は理解できます。
その「世界が価値あるものに変わったこと」自体が良いのか、それとも「そう思える自分の心」が良いのか。「目に見えないもの」については読後も深く考えさせられます。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ2017年3月頃、とある科学博物館の小さな売店に、読書を全くしてこなかった自分が珍しく聞いたことのある書名に出会い、手に取った。そこから10年弱読み返してこなかったが、気まぐれに読み返した理由はなぜなのかは自分にもわからない。
サハラ砂漠に不時着した僕が、突如空からやってきた星の王子さま("The little Prince")と数日間に渡って会話するお話。その内容は「大人について」であり、6歳の頃「大人」に言われて画家になるのを早々にやめた僕と、かけがえのないバラのある小さな星を飛び出し、6つの星で出会った変な「大人」の話をする星の王子さまは、徐々に「大人」たちが忘却の彼方に追いやった(ほんとうの)絆を育んでいくことになる。
"「きみはまだ、ぼくにとっては、ほかの十万の男の子となにも変わらない男の子だ。だからぼくは、べつにきみがいなくていい。きみも、べつにぼくがいなくていい。きみにとってもぼくは、ほかの十万のキツネとなんの変わりもない。でも、もしきみがぼくをなつかせたら、ぼくは互いになくてはならない存在になる。きみはぼくにとって、世界でひとりだけの人になる。ぼくもきみにとって、世界で一匹のキツネになる⋯⋯」"
"「例えば君が夕方の四時に来るなら、ぼくは三時からうれしくなってくる。そこから時間が進めば進むほど、どんどんうれしくなってくる。そうしてとうとう四時になると、もう、そわそわしたり、どきどきしたり。こうして、幸福の味を知るんだよ!でもきみが来るのが行きあたりばったりだと、何時に心の準備をすればいいのか、ちっともわからない⋯⋯ならわしって、大事なんだ」"
"「人間たちって」小さな王子さまが言った。「特急列車に乗ってるのに、なにをさがしているのかもうわからないんだね。だからせかせか動いたり、同じところをぐるぐるまわったり⋯⋯」"
"「ね⋯⋯ぼくの花⋯⋯ぼくはあの花に責任があるんだ!それにあの花、ほんとうに弱いんだもの!ものを知らないし。世界から身を守るのに、なんの役にも立たない四つのトゲしか持ってないし⋯⋯」"
"小さな王子さまが大好きなきみたちにとっても、僕にとっても、誰も知らないどこがで、僕らの知らないヒツジが、バラを一輪食べたか食べないかで、世界のなにもかもが、これまでとはすっかり変わってしまう"
"いちばんたいせつなことは、目に見えない"
子どもの頃を思い出そう。数字ばかり気にする大人はやっぱり嫌いだ。
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Posted by ブクログ
ネタバレ人には人の世界があってそれぞれ大切なものがある。そしてそれは特定の人やものでは無くてその間の関係性や年月のことで目に見えないのだと思った。
王さまは権威、大物気どりは自分への称賛、酒浸りの男は自分自身への恥、実業家は所有と有能さ、点灯人は指示を守ることと、前半の大人達は自分への興味や気持ちといった、アイデンティティへの固執とそれによる目的や意義の喪失が描かれているように感じた。
後半、地球に来てからの話の中で感じたのは、他者とのやり取りの中で生まれる愛着だった。
「きずな」には責任があり、その他大勢の名前が同じものとは違う、特別な存在になる。その分別れは辛いけれど、その人や物に関することやその人を思い出させるものは大切な存在になる。
色々つらつらと語った上で、純粋に、素朴に生きようと思えた作品だった! -
Posted by ブクログ
2026.51
夏のおすすめとしてSNSで紹介されており気になっていたところに、新潮社文庫50周年のプレミアムカバーが藤色で素敵だったので購入。
美しい夏を感じる描写が多く、それらがみずみずしくて、これは確かに夏にぴったりの本だなあと思った。初夏に読むべきだった。
読みやすいのは河野万里子さんの訳だからなのかもしれない。他にも河野万里子さん訳の作品があるなら読んでみたい。
巻末にある作家の小池真理子さんによる文章も素敵だった。わたしの知らない"あの頃"の雰囲気を想像しながら読んだ。
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P31 わたしはコーヒーカップとオレンジを一個持って、ゆったり石段にすわり、朝の楽しみにとりかかった。まずオレンジをかじる。口じゅうに甘い果汁がほとばしる。続いて、やけどしそうに熱いブラックコーヒーをひと口。それからまた、さわやかなオレンジ。朝の太陽がわたしの髪をあたため、肌についたシーツの跡を消していく。あと五分で泳ぎに行こう。
P38 水底にすてきな貝がらがあるのを、わたしは見つけた。実際は、バラ色とブルーの小石だった。わたしはもぐってそれを拾うと、昼食まで大事に手のひらでころがしていた。これをお守りにして、夏のあいだずっと持っていよう、とわたしは決めた。なんでもなくしてしまうわたしが、なぜこれだけはなくさなかったのか、わからない。石は今も、わたしの手のひらにある。バラ色で、あたたかみを帯びて。そうしてわたしを、泣きたくさせる。
P73 ただ明け方、パリの車が流れていく音だけを聞きながらベッドにいると、ときどき記憶がよみかえる。夏かまた、すべての思い出を連れてやってくる。アンヌ、アンヌ!闇のなかで、わたしは彼女の名前を、低い声で、長いあいだくり返す。するとなにかが胸にこみあげてきて、わたしはそれをその名のままに、目を閉じて、迎えいれる。悲しみよ、こんにちは。
P182 ヒロインを演じた当時十九歳のジーン・セバーグの髪型が、「セシル・カット」と呼ばれて大流行し、『悲しみよ こんにちは』とサガンの名前は、ますます世界じゅうに広まっていった。
P192 全国を学園紛争の嵐が吹き荒れていた時代だった。運命を掲げ、論じ、デモの隊列の中から火炎瓶を投げては、機動隊にジュラルミンの橘で押しつぶされそうになっていた学生も、うすぐらいジャズ喫茶で煙草の紫煙に包まれながら、深夜まで、どこかで聞きかじったような言葉を連ね、仲間と議論し続けていた、無精髭とぼさぼさの長髪をトレードマークにした男たちも、私の知る限り、皆、こっそり陰でサガンを読んでいた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ一文一文を読むのがとても楽しかった。綺麗でした。
最初は、夏の別荘で過ごす少女の青春小説のようなイメージで読み始めたけれど、死までつながっていくとは思わず、思っていた以上に重い話だった。セシルの行動には、悪いことをした少女の話として片付けるのではなく、自由でいたい、自分の生活を変えたくないという気持ちが、少しずつ取り返しのつかない結果につながっていくところが印象に残った。
「罪は、現代社会に残った唯一の鮮明な色彩である」という一文が印象的だった。罪そのものを肯定しているのではなく、社会の中で感情や欲望を抑えて生きる人間にとって、罪はむしろ自分の欲望や感情がむき出しになる瞬間なのかなと思った。そう考えると、セシルの自由への執着や、アンヌに対する複雑な感情も少し違って見えてきた。 -
Posted by ブクログ
タイトル「ブラームスはお好き」は、40歳を目前にした主人公ポールの青春時代を想起させ、ターニングポイントとなる大切な一言だった。
女って、身体の特徴やバイオリズムの影響もあるから、多分何歳になっても複雑で繊細かつ微妙な心の動きをする。
だから、男性が女性の気持ちを理解するのは、難しいこともあるのかもしれない(逆も然り)。
結局のところ、慎ましいポールも、その恋人で自由を愛するロジェも、「慣れ親しんだ風景が楽」なのだろう。
悲しいことに今の私は、そこに共感できてしまう年齢なので、ポールのことはなんか許せてしまった。
この作品、サガンが24歳で書いた作品とのこと。
随分と早熟だったのか…と驚いた。