河野万里子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
素敵な物語だ。ドイツの港町ハンブルグに住む黒猫のゾルバのもとに、船から投棄された原油にまみれて瀕死のカモメが墜落する。カモメは、これから卵を産み落とすという。そしてゾルバに三つの約束を誓わせる。
1.卵を食べない
2.ヒナが生まれるまで、卵の面倒を見る
3.ヒナに飛ぶことを教える
そして、ゾルバは仲間の猫たち<大佐>とその<秘書>、<博士>や<向かい風>と約束を実行すべく奮闘する。だが、三番目の約束をどうするか。猫は飛べないのだ。そしてゾルバは、タブーを破ることを提案する。
本作に登場する猫とカモメ、ネズミ、チンパンジー、そして人間。「異なる者どうし」は、どうしたらともに生きていく -
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Posted by ブクログ
ネタバレ内容だけを見るとポールやロジェにうんざりして敬遠しそうなタイプの話なのに、サガンの繊細で美しい筆致がうっとりさせながら読ませてくるからすごい。
泣きながらも祝福されたかのように走り去っていくシモンと結局はロジェを選び、諦観と物憂さの日常に帰っていくポールのラストがもうなんとも言えず良かった。
ポールの主人、あるいは所有者としての顔をするロジェに反してシモンはそんな顔しなかった。そんなシモンに心打たれながらもポールは息をするように浮気をし続けるロジェを待つ日々を選ぶ。
ポールの放った「わたしもう歳なの」これがもう答えなんだろうな。
ポールはロジェと過ごした時間が長すぎた。美貌も歳も未来もまばゆい -
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Posted by ブクログ
ネタバレ18歳になるセシルと父親レエモンは、愛人のエルザも含めた三人で、地中海沿岸の避暑地に遊びに来た。セシルはこの地で、青年シリルと出会い、愛し合うようになる。
そこへ、亡き母の友人であるアンヌが偶然やって来てレエモンは心を奪われ、エルザより夢中になる。
レエモンはアンヌとと結婚したい、と心から願うようになり、今まで関係して来た女性たちを切り捨て、アンヌにプロポーズする決意をする。
セシルは自由な父と子の生活が乱されることを恐れ、アンヌを生活から追い出そうとする。
シリルとエルザを突き合っているように見せかけて、エルザとレエモンに再び関係をもたせてしまう。ショックのあまり、アンヌは車を走らせ、事故と -
購入済み
優しい言葉づかいです
他の人の訳を読んだことがあります。この本はそれぞれのキャラクターに合った言葉づかいでした。あたたかく、切ない気持ちになりました。
訳者あとがきも良かったです。
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購入済み
歳を重ねてたまに読み返す。
読む度に印象感想が変わる
違う作品みたいだなってくらい
面白いね。また数年経ったら読もうかな
なんとなく手に取って読み返す
そのくらいの気持ちがいい
思いがけずってのが、楽しさ -
Posted by ブクログ
ネタバレ元々、小学校の学芸会で小学校6年生の次男が取り組んだ劇として知った作品。月刊ふらんす誌3月号で河野万里子さんのエッセイを読み、彼女の訳であることを知り購入。積読していたが、この度、作者のルイス・セプルべダ氏が新型コロナウィルス感染のため逝去されたことを新聞記事で知り、読み始めた。
「みんなこのときを、待ちわびていたのだ。猫だけが持ち合わせているすぐれた忍耐力のありったけで、若いカモメが飛びたいと自分から言い出すのを、待ち続けてきた。飛ぶためには、本人の決心が何より大切だということを、彼らはその叡智で知っていたからだ。」
自分にはその叡智が、忍耐力があるのか子供たちを思いながら、自問してい