河野万里子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
49歳、元高級娼婦レアの色香漂う熟女の魅力が、余すところなく伝わってきます。美しい描写です。まとっている香水の香りまで漂ってきそうです。
彼女と恋人関係にあるのが、25歳のシェリ。本書のタイトルになっています。年の差恋愛というだけでも、ドキドキがとまりません。2人の6年間の馴れ合い生活の後、シェリは19歳のエドメと結婚。
シェリとエドメの新婚生活のぶつかり合いも読みどころですが、レアとシェリが別れた後の、それぞれの激しい心情の揺れの表現も、これまたスゴイ!
寄せては返す波のようにバシバシ打ち寄せてきて、夢中になって読んでしまいます。老いと若さの対比については、遠慮なしです。(レアについて -
Posted by ブクログ
セシルは血のつながった父を一人の男性として意識している。そこに亡き母の代替となりうるアンヌが現れ、大きな脅威となった。エルザのような軽い女性は許容できるという対比が、アンヌの存在をより際立たせている。
さらに行間を読み、セシルとレエモンに肉体関係があったと解釈することで、セシルの行動や心理がより深刻で病的なものとして映り、アンヌへの敵意が絶望的な抵抗として響いてくる。
1950年代のフランス文学作品でありながら、そこに描かれた複雑な愛情、嫉妬、所有欲は時代を超えて共通する感情であることを改めて確認した。正統派解釈と享楽的解釈の両方で楽しむことで、文学の醍醐味を存分に味わえる傑作である。 -
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Posted by ブクログ
自分を可哀想に思うのは気持ちよくて、それが当たり前のように書かれていて、そういう説明のない観念的な人間の本能、矛盾と情熱と快楽が混ざっていて、命なんていくつあってもきっと足りないようなストレスと刺激、美しい日々が描かれていた。フランス人の激しい恋愛はこんな感じか〜と思うと羨ましさと同時に自分では絶対にこなせないだろうなという感じがする。果たして幸せなのはどっちなのだろうか?神なき人間の悲惨さなのだろうか?
全体的な雰囲気が映画 “Call me by your name” のように美しく、読んでいて鮮明に景色が浮かび上がり優雅な気持ちになれる、その世界にずっと浸れる感じが気持ちよかった。 -
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Posted by ブクログ
素敵な物語だ。ドイツの港町ハンブルグに住む黒猫のゾルバのもとに、船から投棄された原油にまみれて瀕死のカモメが墜落する。カモメは、これから卵を産み落とすという。そしてゾルバに三つの約束を誓わせる。
1.卵を食べない
2.ヒナが生まれるまで、卵の面倒を見る
3.ヒナに飛ぶことを教える
そして、ゾルバは仲間の猫たち<大佐>とその<秘書>、<博士>や<向かい風>と約束を実行すべく奮闘する。だが、三番目の約束をどうするか。猫は飛べないのだ。そしてゾルバは、タブーを破ることを提案する。
本作に登場する猫とカモメ、ネズミ、チンパンジー、そして人間。「異なる者どうし」は、どうしたらともに生きていく -
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Posted by ブクログ
ネタバレ内容だけを見るとポールやロジェにうんざりして敬遠しそうなタイプの話なのに、サガンの繊細で美しい筆致がうっとりさせながら読ませてくるからすごい。
泣きながらも祝福されたかのように走り去っていくシモンと結局はロジェを選び、諦観と物憂さの日常に帰っていくポールのラストがもうなんとも言えず良かった。
ポールの主人、あるいは所有者としての顔をするロジェに反してシモンはそんな顔しなかった。そんなシモンに心打たれながらもポールは息をするように浮気をし続けるロジェを待つ日々を選ぶ。
ポールの放った「わたしもう歳なの」これがもう答えなんだろうな。
ポールはロジェと過ごした時間が長すぎた。美貌も歳も未来もまばゆい -