河野万里子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
一気読み。五感に残る、読むだけで南フランスを想像できる文章。18歳でこれを書いたの凄過ぎる。
十代で文学に造詣の深さができ過ぎているのを感じた。
彼女は文豪らしい、、麻薬中毒、度重なる再婚、脱税の発覚などもあった。それでも文学作品を作ることへの執念の炎は消えなかった。
所々に吹き出すくらい笑ってしまうセシルの行動もあるが、アンヌの人生の核心をつくような言葉に心が抉られたりもする。
結局若気の至りの恋って全く愛じゃないんだなぁ、、
アンヌみたいな、一途に人を愛せて自分を律する者が結局本能的に生きてる人たちから傷つけられてしまう。死にかたさえも優しかった。
人生本棚入り。さすがの名著。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ自分は過去に一回この本を読んだことがあった。
結構小さいころに読んだのでその時は正直にいうとよく分からなかった。
でも「良かった」というのだけ頭にこびりついたのを覚えている。その事を急に思い出し、読み返してみるかと思い再読。
読み終わって思ったのは本当にいいセリフが多いなと感じた。
もうキリがないくらい、いいセリフがあるが特にキツネのセリフが良かった。
「ものごとはね、心で見なくてはよく見えない。いちばんたいせつなことは、目に見えない。」
本当にその通りでしかないなと思った。
思いかえしてみれば、昔読んだときの
「良かった」という感情は目に見えない。
だけど、「良かった」と思うことが自体が大切だったのかもしれない。
色々と考えさせられる本だった。 -
Posted by ブクログ
何度でも読みたい!
挿絵も美しくて、寓話的で、読解というよりも味わって読み進められた。
王子様が旅の途中で出会う人々は、人間の愚かな側面を映し出していた。権威にしがみつく王様、称賛に酔う大物きどり、所有に執念を燃やす実業家、そして手段と目的の逆転を象徴する酒浸りの男。どの姿も、人間が陥りやすい愚かさを描いていて、滑稽ながら愛おしくも感じた。
作中に出てくるバラは、見栄っ張りで高飛車で嘘つきで、でも、王子様を愛していた。王子様はそのことを見抜くべきだったと後悔する。バラは矛盾を体現していた。矛盾を抱えたまま愛することが、生きていくうえで大切なのだと気づかされた。
キツネが王子様に「秘密」を教えてくれるシーンはとても印象深い。
「ものごとはね、心で見なくてはよく見えない。いちばんたいせつなことは、目に見えない」
大人になっていく中で私たちが忘れてしまう大切なことを思い出させてくれた。心に刻む -
Posted by ブクログ
49歳、元高級娼婦レアの色香漂う熟女の魅力が、余すところなく伝わってきます。美しい描写です。まとっている香水の香りまで漂ってきそうです。
彼女と恋人関係にあるのが、25歳のシェリ。本書のタイトルになっています。年の差恋愛というだけでも、ドキドキがとまりません。2人の6年間の馴れ合い生活の後、シェリは19歳のエドメと結婚。
シェリとエドメの新婚生活のぶつかり合いも読みどころですが、レアとシェリが別れた後の、それぞれの激しい心情の揺れの表現も、これまたスゴイ!
寄せては返す波のようにバシバシ打ち寄せてきて、夢中になって読んでしまいます。老いと若さの対比については、遠慮なしです。(レアについて、シワや白髪とか)シェリは、レアの肉体の衰えに失望しつつも、結婚後も心は彼女に引き寄せられていく。本物の恋です。
レアとシェリが対峙する最終場面は、最強にして最高の筆致でした。レアの潔さは素晴らしかった。男前ならぬ女前に、拍手です。
少し前にサラッと読んだ『ミス・サンシャイン』(吉田修一)も、年の差男女の恋で、「あらっ」と思ったのですが、1920年にこのような小説が発表されていること、衝撃です。
内容的にインパクトありですが、この小説全体が一つの絵画のようでした。文章表現から溢れ出る美しさに、最後までうっとり。
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Posted by ブクログ
素敵な物語だ。ドイツの港町ハンブルグに住む黒猫のゾルバのもとに、船から投棄された原油にまみれて瀕死のカモメが墜落する。カモメは、これから卵を産み落とすという。そしてゾルバに三つの約束を誓わせる。
1.卵を食べない
2.ヒナが生まれるまで、卵の面倒を見る
3.ヒナに飛ぶことを教える
そして、ゾルバは仲間の猫たち<大佐>とその<秘書>、<博士>や<向かい風>と約束を実行すべく奮闘する。だが、三番目の約束をどうするか。猫は飛べないのだ。そしてゾルバは、タブーを破ることを提案する。
本作に登場する猫とカモメ、ネズミ、チンパンジー、そして人間。「異なる者どうし」は、どうしたらともに生きていくことができるか。「異なる者どうし」は、心を通わせることが可能か。これは人間にもあてはまる。我々はこの世界で、思想、宗教、文化、民族等々を乗り越えて共存していけるのだろうか。ウクライナや中東で戦争がある現在、考えさせられる。