広井良典のレビュー一覧

  • 科学と資本主義の未来―<せめぎ合いの時代>を超えて

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    『資本主義の次に来る未来』の方法論を日本に当てはめたらどうなる的な本でむちゃくちゃ面白かった

    昭和を生きてきたおじいちゃん政治家はこんな考え方しないからあと20年くらいしたら自然とこうなる気もするがそれまで日本が持つかどうか

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    2024年06月12日
  • 科学と資本主義の未来―<せめぎ合いの時代>を超えて

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    非常に面白い。
    第三の定常化という観点で、無制限の資本主義を考え直す視点は私にとって新しかった。情報と生命のあたりもそんな大局観があるのかと気づきがあった。

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    2024年04月13日
  • 人口減少社会のデザイン

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    本書は、今後確実に進んでいく人口減少の中で、どのような社会の形をとるべきかという議論である。
    印象に残った点は、人口減少の原因が、未婚化・晩婚化にあり、結婚している世帯の出生率自体はそこまで落ちていない点。
    そして、未婚化・晩婚化の原因として、若者の所得については、非正規雇用の増加等も原因となり、1980年代ごろから低下していると言う点である。それゆえ、広井氏は人生前半=若者への社会保障の拡充をまず訴える。
    また、広井氏はコミュニティ論の大家として知られるが、冒頭の人口減少や格差の増大と並列して、「社会的孤立」の指標を取り上げていた点が印象深かった。日本は先進国の中で社会的孤立の指標が相対的に

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    2024年02月03日
  • 人口減少社会のデザイン

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    タイトルだけで、淡白で薄っぺらい内容を想像したが全くそんな事はない示唆に富んだ本。データに基づき現象を正しく分析するだけではなく、守備範囲も広い。多々、学びがあった。

    社交のための関係性を持たない「社会的孤立」の度合いが、日本は先進国の中では飛び抜けて高い。それ故に、出会いも少なく、未婚率も増え、出生率は低下。引退後の無気力を招き、孤独死、あるいは死ぬ時は病院で。

    日本人はいつから、他人に対してこんなにも線を引くようになったのだろう。同じ車輌に押し込まれた悲しい勤め人なのに、目も合わせない。空間を共にしても、会話をする事は稀。コミニティー空間や居場所がない。昔は、教会や神社がコミニティーの

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    2024年01月27日
  • 人口減少社会のデザイン

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    これからの日本社会はどうあるべきか、多くの視点から問題提起、議論されており、頭の整理が進む。将来世代への借金の押し付けは、若者世代が日本を見限る原因になり、国の崩壊に繋がっていくというのが、さして遠くない未来に起こり得るのを考えると、子供達に自衛のためにどうするか、どう伝えるのがよいか考えさせられる。

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    2023年11月18日
  • 無と意識の人類史―私たちはどこへ向かうのか

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    中身を消化できてはいない。けど、「環境、経済、社会」と哲学に加えて物理学という普段統合して考えてこなかったことを書いてくださっている。
    何か明示的な結論が与えられるものではないが、これから思考する方向性に広がりをくれた本。
    またいつか読み直す必要が出そう。か、広井先生の続編を読むだろうな。

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    2023年10月28日
  • 科学と資本主義の未来―<せめぎ合いの時代>を超えて

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    分野横断的で面白かった。物質、エネルギー、情報と来て、これからは生命、ケア。要素還元より関係性。資源が枯渇すると思想の時代になる。社会保障と環境問題はつながっている。というあたりが特に響いた。

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    2023年05月31日
  • ケアを問いなおす ――「深層の時間」と高齢化社会

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    かなり前の本でありながら、私に取っては示唆に富む内容だった。
    筆者の(多岐にわたる、そしてカタイ)専門分野がありながら、もっと深いライフワークだったり本当に心からの疑問について真摯に向き合っているということ(特に6章とエピローグ)が尊い。

    備忘

    ・冒頭のアインシュタインの話

    ・私たちは遺伝子の乗り物で過ぎないということ

    ・生殖を終えた後の寿命が長いから固体が大事で、それは社会性=ケアの中で生まれる。人間はケアする動物。

    ・日本では今は死に向き合ったこころの拠り所は空白状態。死についてしっかり教わっていない、考えられていない。

    ・モノ不足の時代が終わったあとは、モノの消費ではなく、商

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    2022年08月18日
  • 定常型社会 新しい「豊かさ」の構想

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    ネタバレ

    内容:
    「(経済)成長」・「物質的な富の拡大」という目標が機能しなくなった現代において、「定常型社会」という新しいコンセプトを提示する

    MEMO:
    ・定常型社会
    ① マテリアルな(物質・エネルギーの)消費が一定となる社会
    ② (経済の)量的拡大を基本的な価値・目的としない社会
    ③ <変化しないもの>に価値をおける社会

    ・情報の消費から、時間の消費。
    ・ひいては、経済とは離れて、時間自体を楽しむこと。

    ・福祉政策が需要の増加(経済の拡大)に寄与する点をあらためて認識できて面白かった;

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    2022年07月13日
  • 人口減少社会のデザイン

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    表題は「人口減少社会の」となっているが、扱っていることは、これからの世界、そして日本社会が考えなければならないこと、今すぐにでも取り組まなければならないことが、その時間軸を長く取って、人類史からとらえ直して提唱されている。多くの具体的な資料が提示されていて、たいへん説得力に富む。

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    2022年04月15日
  • 人口減少社会のデザイン

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    非常に面白い本でした。医療についても言及されています。複雑系としての病にたいしては、健康の社会決定要因に目を向けることが大切。
    拡大、成長の限界 地域への着陸 都市政策と福祉政策の融合 歩いて楽しめる空間づくり 情報から生活へ 複雑系としての病 持続可能な福祉社会

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    2022年02月24日
  • 人口減少社会のデザイン

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    2度目に読んで、ようやく単なる人口減少とか社会保障の危機を訴えているだけのものではなかったのだなと理解。政策が成功した結果としての東京一極集中とか、参考になる視点が散りばめられていた。
    でも、持続性のあるローカライゼーションのため何をしていけばよいのか。難しい課題である。

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    2022年02月07日
  • 無と意識の人類史―私たちはどこへ向かうのか

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    エントロピーの増大に抗い、外に開放されながら、「定常的」であること。

    エントロピーと自己組織化の奇跡的な均衡が、人間の体という境界線で起こっているということなのか!

    さらには、
    一個の人間を基軸にしたとき、その内側、つまり器官から細胞、分子に至るまで、同様のことが起こっており、その外側、つまりコミュニティから社会、地球、宇宙に至ってもまた、同様のことが起こっているのだ。

    複雑極まりないことを、シンプルに解き明かし、まるで「解った!!」かのように勘違いさせてくれる、この手の本が大好きだ。

    ここでは書ききれないほどの無数の「アハ」体験。
    この本はヤバい。

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    2022年01月23日
  • 人口減少社会のデザイン

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    サクッと読み。
    グローバルな視点からローカルな視点まで落とし込んで書いてあって面白かった。
    死生観のところとかは、ほんと?と思ったけど面白い見方で良かった。

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    2022年01月20日
  • 無と意識の人類史―私たちはどこへ向かうのか

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    まず、この先生が取り上げているテーマが普段自分が考えていることが多く、考え方も自分とよく似ていることに驚かされた。
    取り上げられている事は、有と無について、宇宙誕生レベルの大きな視点からの人類史(ビッグストーリー)、死生観についてなどであった。
    これらのテーマについて自然科学、人文科学、宗教をミックスして統合して論じていた。
    現代社会は消費と生産を拡大していく資本主義の限界に直面しており、それは地球の有限性からくるもので、今後拡大路線から定常状態に移っていくこと、その際に物質的な生産ではなく精神的な創造に移っていくだろうという意見には納得させられた。現実にも、日本においては車や家電などが大きな

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    2022年01月11日
  • 人口減少社会のデザイン

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    全体的にデータに基づいて説得力のある文章だと感じた。

    人口減少は避けられないが、どこかで下げ止まった後、定常状態をいかに持続可能にするかが重要。そのためには、若者への人生前半の社会保障による少子化対策が有効。その財源として、税金や社会保障による国民の負担増を考える必要がある。高福祉高負担を選択したヨーロッパ、低福祉低負担を選択したアメリカに対して、日本は高福祉でありながら負担増の議論を先送りしてきた。負担増を考えるとき、家族以外への扶助の精神がないという現代日本人の孤立感が問題となる。そこで、コミュニティ感を高めるための都市デザインが重要となる。

    今後の展望として、著者は多極集中が良いと考

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    2021年11月07日
  • 人口減少社会のデザイン

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    どうしたら幸福な社会、人生を創れるか。
    そのスタートにつくためには20世紀と21世紀の向かうべき社会、死生観、環境などの現状を理解する必要がある。

    経済、環境、福祉、なぜこの3つがサステナビリティやCSRで論じられるか?

    日本はいかに未来世代の選択肢を削って、犠牲にして先送りを続けているか

    コンパクトシティと多機能自立分散のシナリオの選択と猶予期間。

    ムラ社会とマチ社会の特性と今後向かうところは?

    バーチャルとリアリティのグラデーション、生と死のグラデーション

    これらのテーマを個別でなく統合的に解説してくれている。

    対話や議論を行う前の共通認識を整えるに最適な一冊。

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    2021年08月12日
  • コミュニティを問いなおす ――つながり・都市・日本社会の未来

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    コミュニティを問いなおす

    非常に面白い本であった。改めて広井先生の社会福祉論の面白さに触れた。前半は増田四郎などに触れ、中世ヨーロッパの知見を援用し、社会学的な考察を行ったのち、広井先生の持論であるストックの再配分などに触れ、最後に多様な人々を結びつける共通基盤としての思想、哲学に議論が及んでいく。1冊の本の中で3冊分の知見を得たような気もする。

    前半の日本社会論は非常に明快であり、個人的にも納得した。社会には都市型と農村型、テンニースの言うゲゼルシャフトとゲマインシャフト的な二分法がある。都市型は異なる人々が、規範をもとに個人をベースにした公共性の高いコミュニティを形成する。一方、農村型

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    2021年08月04日
  • 無と意識の人類史―私たちはどこへ向かうのか

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    広井良典(1961年~)氏は、東大教養学部卒、東大大学院総合文化研究科修士課程修了、厚生省勤務、米MIT客員研究員、東大先端科学技術研究センター客員教授、千葉大学法経学部教授などを経て、京都大学こころの未来研究センター教授。専攻は公共政策、科学哲学。社会保障、医療、環境、都市・地域等に関する政策研究から、ケア、死生観、時間、コミュニティ等についての哲学的考察まで、幅広い活動を行っている。
    私はこれまでに著者の『死生観を問いなおす』(2001年)、『ポスト資本主義~科学・人間・社会の未来』(2015年)等を読んできたが、前者で書かれている「輪をなす時間/重層的時間モデル」(生は生で完結。“現在が

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    2021年06月09日
  • 創造的福祉社会 ――「成長」後の社会構想と人間・地域・価値

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    変化は時間軸から、空間軸へ。
    第三の定常化で、環境効率の時代へ。
    人間の本質としてのケアコミュニティへ。

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    2020年04月03日