広井良典のレビュー一覧
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ドラッカーの専門であるマネジメント分野よりも経済学に近い2016年の今であればコトラーのマーケティング3.0などを読んだ方がリアルに感じられる気がする。何にせよテーマが広すぎるので、ここから「一番重要」と思ったことを記載するのは非常に難しい。そこで「一番重要」ではなく「一番興味ある」ことを記載する。それは「教育」だ。
超高齢化社会を迎える日本において重要なテーマはいくつかある。定年の延長。労働市場の柔軟性。それらを乗り越えるために成人後の教育の重要性が謳われている。「人は、その人生のいかなる段階にいようとも、正規の教育を受け、知識労働への資格を得ることが出来なければならない(11章より抜粋 -
Posted by ブクログ
キーワードは定常化社会。
定常という言葉には、安定感とともに変化しないといった印象もある。
が、変化しないとは、ざっくり良いことなのか?良くないことなのか?
どの程度の時間軸の大きさで定常化を定義するのか?
また、立ち止まってその成熟とも言える飽和した状態を見直すというミカタもあろう。
成長とは、スパイラルに変化するというイメージを持つとき、ある意味で一見定常とも言える状態を異なったミカタで見直すことの繰り返しであるかもしれないと思うのである。
そのような視点で、ここから先の社会構造を見直すとき、回帰したミカタを考える一冊である。
社会とは、内側での豊かさを外側にさらに大きく広げる欲 -
Posted by ブクログ
タイトルそのままで、コミュニティーとは何か?必要なのか?どうして今重要なのか?を語る一冊。
キーワードの1つである”定常化社会”すなわち成熟した経済社会の本質的な人間の価値の見直しと、そこにこそ本質的な価値創造性がある。本来、いずれの社会であっても、本質的な人間としての社会的価値創造が在るべきであるが、定常化社会であるからこそ、そこに気づかねばならなくなったという逆説的な現在なのかもしれない。
歴史的な社会構造の変化は、パイの分配への競争に向かい、そしてそこからの脱出という繰り返しがある。簡単に言えば、モノの消費から時間・空間の体感、言い換えると、欲望の見せびらかしから幸せという内的な感覚 -
Posted by ブクログ
会社や家族といった共同体が変化しつつある中、これからの日本社会にはどのようなコミュニティが求められるのかを論じている。
著者は本書の中で「持続可能な福祉都市」というものを提唱している。日本の都市(特に地方都市)は車での移動が基本なので、高齢者や障害者が徒歩中心の生活を送るのに適していない。これは車社会であるアメリカでも同じ。最近は若い人でも車を持たない人が増えているから、車中心の社会を見直してもいいかも知れない。
いいことは言っているんだけど、抽象的な部分が少なくないので、少し難しい印象を受けた。ある程度社会学の知識があった方が読めるかも。