【感想・ネタバレ】ポスト資本主義 科学・人間・社会の未来のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2020年08月03日

→Xマインド:環境倫理、21レッスンズ
→keynote

◯過剰による貧困(楽園のパラドックス):生産性上昇による失業ー増
◯時間再配分
◯時間政策inJapan:祝日増加←日本の空気
◯市場経済と「時間」
◯長期視座=民俗学×近代科学
◯消費〈物質→エネルギー→情報→時間〉
◯未来の収奪・過去の...続きを読む収奪

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Posted by ブクログ 2017年01月03日

人間の長年にわたる営みを資本主義、科学、宗教、などなど、色んな角度で分析しながら、人間社会が目指す望ましい姿を提案している。
序章 人類史における拡大・成長と定常化
   —ポスト資本主義をめぐる座標軸
第1部 資本主義の進化
 第1章 資本主義の意味
 第2章 科学と資本主義
 第3章 電脳資本主...続きを読む義と超(スーパー)資本主義
     vsポスト資本主義

第Ⅱ部 科学・情報・生命
 第4章 社会的関係性
 第5章 自然の内発性
第Ⅲ部 緑の福祉国家/持続可能な福祉社会
 第6章 資本主義の現在
 第7章 資本主義の社会化またはソーシャルな
     資本主義
 第8章 コミュニティ経済
終章 地球倫理の可能性
   —ポスト資本主義における科学と価値
人類の歴史、採集狩猟社会から農耕社会、そして産業革命以来の高度情報化、人工頭脳・・・
瞬時に情報が地球を駆け巡る時代だからこそ、人間本来の顔と顔の見えるコミュニティの原点に回帰する。
そこから、ガラガラポンでどういう価値観・思想を打ち立てれるのか、今後の人類に課せられたすごい課題です。

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購入済み

読むべき本

2016年01月28日

ポスト資本主義、あるいは未来学の中で文明論、人類学、経済学といった幅広い知見を横断的且つ構造構成論として、実に分かりやすく分析されている。本テーマに関心があるならば読んで損はない。

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Posted by ブクログ 2015年09月24日

昨年は、水野和夫の「資本主義の終焉と歴史の危機」や、ハーマン・デイリーの「定常経済は可能だ!」などで、機能不全に陥った資本主義の現在を学んだが、今回読んだ、「ポスト資本主義社会」は、これらの現実を踏まえつつ、資本主義を支えてきた思想の意味の分析と、それらの反省に立って、次なる社会の在り方を、既にヨー...続きを読むロッパで実現している事例も紹介しつつ、具体的なイメージを喚起させるといった意味で、非常にスリリングで、ユニークな1冊であった。
歴史的に見て、自然という資源を利用・搾取する、技術革命的なブレーク・スルーと、その方法での限界を迎えての「定常状態」は交互に発生しており、現在もそうした飽和、成熟、定常状態に入ってきているのだという。
これを克服するのは、さらなる「成長戦略」なのかといえば、利用・搾取する資源の状況を考えると、必ずしもそうではなく、やはりいかに「持続可能」な社会やそれを支えるシステムを構築するかが重要である。成長神話は、資本主義の呪縛であり、著者はブローデルを引用し、資本主義と市場経済を区別しつつ、資本主義の本質として、「拡大・成長」を志向するシステムであり、資本としての貨幣の流通が自己目的的で、グローバル経済が地球を埋め尽くした現在、利用・搾取するパイの総体自体が頭打ちした中で、社会の総体が豊かになるような、明るい未来がないことを示唆している。
ポスト資本主義社会を乗り越えるにあたって、成長がない定常化した経済・社会=フローが少なく、蓄積したストックがものをいう社会で、いかに富の分配を行い、スタート時点での平等を確保するかということと、持続可能性のために、いかにエコで、自然共生的な社会・経済システムを確立するか、といったことが課題とされる。
日本は、アメリカと並んで、経済成長信仰の著しい国であるが、ヨーロッパでは、環境や福祉をベースにした、ローカル経済を確立しつつあるとのこと。これには、それこそブータンではないが、なにを「豊かさ」を図る指標にするか、といった意識改革も必要となってくるので、一朝一夕にはいかないが、真剣な検討が必要なところであろうと思われる。
最終章は、「地球倫理の可能性」について触れられているが、いわゆる過去の定常状態を受けて生まれたとされる「普遍宗教」に対して、それらが「普遍」を標榜するがゆえに対立することを受けて、それらを超える思想や価値観の形成を提起している。昨今の、とりわけ日本人には理解しがたい、宗教に端を発する争いが絶えないことも踏まえて、社会の在り方とともに、あらたな世界観や価値の確立が必要な時代に差し掛かっていると感じた。

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Posted by ブクログ 2015年08月23日

驚いた。
広範な思考。これまで見聞き、学んだことがつながった気がする。
「なつかしい未来」としてのポスト資本主義。

要再読。

・定常期をむしろ文化的創造期としてとらえる

・無限に拡大・成長する資本主義
≠市場経済(開かれた交換)

・人間と自然、生命と非生命の理解の深化

・ストック経済の比重...続きを読むの拡大

・「時間環境政策」という概念
・労働生産性から資源生産性
・コミュニティー経済と福祉
・鎮守の杜、学校、集える場所と自然エネルギー
・歩ける中心市街地

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Posted by ブクログ 2015年07月18日

資本主義の限界と今後への提案が書かれた本。
非常にわかりやすく鋭い指摘が多く、話題のピケティ氏の議論にも通じるところがあると思います。

資本主義とはそもそも何なのか、ということの解説がとても面白かったです。そのうえで、市場主義と資本主義とは最終的には矛盾するという解説がとても新鮮でした。

今後を...続きを読む考えるうえで、人間が生きている地球や環境という生に基礎を置いて経済をとらえ、国家やコミュニティや国際経済を論じています。
最終的には、経済を地域に着地させ、定常型社会つまり持続可能な社会を実現させるべきという意見になっています。

このまま資本主義を突き詰めると21世紀はどうなっていくのか不安が募ります。そんな中で、明るい未来のための選択肢として、定常型社会というのは最も優れた姿だと思います。資本主義って人間の欲望がどんどん加速させていくものなので、実際にそれを実現させることは、非常に困難であると思いますが・・・

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Posted by ブクログ 2022年01月03日

2015年副題として科学・人間・社会の未来。
目次として 
はじめにー「ポスト・ヒューマン」と電脳資本主義 
序章 人類史における拡大・成長と定常化ーポスト資本主義をめぐる座標軸 
第1部資本主義の進化 
第1章資本主義の意味 
第2章科学と資本主義 
第3章電脳資本主義と超資本主義vsポスト資本主...続きを読む義 

第Ⅱ部科学・情報・生命 
第4章社会的関係性 
第5章自然の内発性 

第Ⅲ部緑の福祉国家/持続可能な福祉社会 
第6章資本主義の現在 
第7章資本主義の社会化または「ソーシャルな資本主義 第8章コミュニティ経済 

終章 地球倫理の可能性―ポスト資本主義における科学と価値

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Posted by ブクログ 2020年11月02日

本書は、現在の資本主義体制が、資源の枯渇や格差の問題などが現れている点を含めて、人類の幸福や精神的充足をもたらしているのかという現状を踏まえ、資本主義とパラレルに発展してきた科学技術が人間にとって何をもたらし、それの資本主義との関係性を探っていくものである。
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資本主義とは何かについてまず考察して...続きを読むおり、著者は「市場経済+限りない拡大・成長」を志向するシステム、と定義する。これは利潤の量的拡大による全体のパイの拡大が社会の利益につながるという議論が前提としてある。これを達成するために、個人が社会から独立した存在であることと、人間は自然を支配できることを思想的な出発点としている。
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このような思想を前提とした、資本主義と科学技術の発展を歴史的に概観していくと、「拡大・成長」の時代と「定常化」の時代があることがわかる。現在は第3の「定常化」の時代であり、この時代をポスト資本主義社会としている。
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この社会におけるビジョンとは、これまで考えられてきた思想(=機械的自然観・個人の独立性)が持つ外在的な考え方から、内在的な思想(=個人・コミュニティ・自然を相互依存的な観点で考えること)への変化を求めている。その上で、著者は「緑の福祉国家」または「持続可能な福祉社会」を提案している。これは、格差などの構造的な問題に対して①過剰の抑制 ②再分配の強化 ③コミュニティ経済、の方向性を持って対応する新たな社会構想として、提案し、結論としている。

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Posted by ブクログ 2016年01月11日

社会政策を専門とし、これまでにも新書版を含めて多数の著書を持つ広井良典氏が、産業革命以降200年以上に亘り続いてきた資本主義社会に綻びが見える現在、資本主義の後に来る社会を予想・提言したものである。
テーマは壮大で、各学術分野に跨る分野横断的な内容となっているが、広井氏は他の著書と同様に丁寧に論考を...続きを読む進めている。
主旨は概ね以下である。
◆人類の歴史には、人口や経済の「拡大・成長」と「定常化」を繰り返す3回の大きなサイクルがあった。第1は、約20万年前に現生人類が登場し狩猟採集が始まった段階、第2は、約1万年前に農耕社会に移った段階、第3は、18世紀の産業革命以降である。また、過去2回の定常期は、いずれも、「心のビッグバン」(=芸術作品のようなものが現れた)、「枢軸時代(精神革命)」(=仏教、儒教、ギリシャ哲学、旧約思想のような普遍的な思想が生まれた)と言われる、文化的創造の時代であった。我々は現在、第3の「定常化」の時代、即ち何らかの新しい価値原理や思想が要請される時代の入り口にいる。第4の「拡大・成長」に向かうという議論も勿論あるが、地球資源の制約を考えると、著者は懐疑的である。
◆資本主義=「市場経済」+「拡大・成長」を志向するシステムである。「市場経済」は「個人の共同体からの独立」に基づき、「拡大・成長」は「自然からの人間の独立(自然支配)」に基づくものである。しかし、「自然支配」に基づく「拡大・成長」は、今や自然環境の有限性により“外的な限界”にぶつかり、同時に、人々の需要の飽和という“内的な限界”にも直面している。また、「個人の独立」は今や様々な矛盾を呈しており、個人からコミュニティへの回帰が求められている。
◆資本主義と両輪で近代化を支えてきた近代科学の特徴は、「法則の追求」(=「自然支配(人間と自然の切断)」)、「帰納的な合理性」(=「共同体からの個人の独立」)の2点であり、資本主義と同様の構造を持っている。
◆現在の資本主義の現象面をみると、様々なレベルの格差拡大と過剰という構造的な問題があり、それへの対応として、1.過剰の抑制(需要の飽和を解消するための、労働生産性から環境効率性への生産性の概念の転換)、2.再配分の強化・再編、3.コミュニティ経済の展開が必要である。そのような社会を「緑の福祉国家」、「持続可能な福祉社会」、「定常化社会」として推進するべきである。
そして、著者は最後に、「ポスト資本主義への移行は、ここ数百年続いた「限りない拡大・成長」への志向から「定常化」への“静かな革命”であり、今後21世紀を通じて人々の意識や行動様式を変えていく ― 同時にその過程で様々な葛藤や対立や衝突も生じうる ― 真にラディカルな変化であるだろう。・・・同時にそれは、・・・もっともシンプルに言えば「歩くスピードを今よりゆっくりさせ、他者や風景などに多少の配慮を行うこと」といった、ごく日常的な意識や行動に根差すものだ」と結んでいる。
本書の中でも、ドイツやデンマークのような国々が既にそうした社会の実現に向けて舵を切っていることが紹介されているが、我々も一度立ち止まって目指すべき方向について議論する必要があることを強く認識させる良書である。
(2015年12月了)

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Posted by ブクログ 2018年10月31日

著者は、福祉などの公共政策が専門のようだが、学生時代には科学哲学を専攻していたらしい。そのためか、資本主義の歴史を科学史とのアナロジーで論じるなど、難しい部分もある。しかし、人類史を含む様々な分野の書物を紹介して俯瞰的な議論を展開しているので、学ぶところは多かった。

人類史は、拡大・成長の時代と定...続きを読む常化の時代のサイクルを繰り返してきた。農耕が始まって以降の拡大・成長期が続いた後、紀元前5世紀頃に世界各地で普遍的な思想や宗教が同時多発的に生まれたのは、農耕文明が資源・環境制約に直面したことが背景にあり、量的拡大から精神的・文化的発展へ移ったのではないかとの仮説を提示している。現在は、化石燃料を用いた工業化による拡大・成長の時代から定常化に移る分水嶺の時期にあると位置付けられ、資本主義からポスト資本主義の展開と重なる(p1-10)。

透明性や公正性がある市場経済とは異なり、資本主義は不透明、投機、巨大な利潤、独占、権力などが支配し、拡大・成長を志向するシステムと理解できる(p25-28)、ウォーラーステイン「脱=社会科学」)。近代資本主義は、ヨーロッパにおける地理的発展による空間的拡大のほかに、個人が共同体の拘束を離れて独立することができたことや、技術によって自然を開発することができるという思想によって、拡大・成長していった(p36)。

資本主義は、1929年の世界大恐慌を経験した後、経済成長は需要によってもたらされるとして、政府による公共事業や社会保障などの所得再分配を進めることを主張したケインズの修正資本主義によって、大きな成長を遂げた(p47)。GNP統計も、世界大恐慌を受けて、経済成長の指標として開発されたもの(p50)。

これまでに重視されてきた労働生産性は、人手が足りず、自然資源が十分にあることが背景にあった。現在は、人手が余り、自然資源が足りない状況になっているため、環境効率性(資源生産性)の方向に転換することが課題。ドイツでは、「労働への課税から資源消費・環境負荷への課税へ」の理念の下に、1999年にエコロジー税制改革において環境税を導入した。その税収は年金に当てて社会保険料を引き下げたことにより、企業の負担を抑えて失業率を下げて国際競争力を維持した(p145、広井「定常型社会」)。ロバートソンは、共有資源への課税の考え方から、土地やエネルギー等への課税を論じている(p175、「21世紀の経済システム展望」)。

中世に教会やギルド、都市国家など多様な主体が活動していたように、これからは国家が中心の世界から、NGO,NPOや企業など様々な主体が活躍する時代に移るようになる(p63、田中明彦「新しい中世」)。著者は、生産性の概念を転換すること、人生前半の社会保障やストックの再分配、コミュニティ経済の3つの方向をあげて、緑の福祉国家を提唱している(p206)。

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Posted by ブクログ 2018年10月19日

「資本主義」とか「社会主義」などという用語が、すでに記号としてしか理解されない時代に、それらを対置して、さも現代の重要な問題が、それらの相剋にあるような言い方は、もう古いと思う。
僕たちは、自分たちの幸福にも、地球大の環境保持にも同じように倫理的な真摯さをもっていきているのであって、◯◯主義に支配さ...続きを読むれている、と高みからいわれるようなことは、心外である。

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Posted by ブクログ 2022年03月18日

資本主義の成り立ち、どのようなものかがわかった。これからの視点も論点として述べられており、決して、資本主義に対抗するものではない

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Posted by ブクログ 2020年08月22日

科学主義に落胆し、高度成長時代の活気を経験しながらもバブル崩壊で自信を喪失し、新自由主義的資本主義にもついていけず、グローバル都市で暮らし仕事する人が、田舎(ローカル)ののんびりした互酬互助的で自然と共存するローカル・コミュニティにノスタルジーを見出したようなお話。コミュニティの維持も定住者でできず...続きを読む、コミュニティ機能も弱まり、自立ばかりを要求され、非正規雇用で凌ぐローカルの現実はどうするんだ?

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Posted by ブクログ 2019年06月01日

消費の対象は、物質からエネルギー、情報へと変化してきて、ポスト資本主義では時間になります。

それは例えばカフェなどで、あるいは自然の中で、ゆっくりとした時間を過ごす事自体への欲求や歓びだそうです

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Posted by ブクログ 2017年02月12日

ドラッカーの専門であるマネジメント分野よりも経済学に近い2016年の今であればコトラーのマーケティング3.0などを読んだ方がリアルに感じられる気がする。何にせよテーマが広すぎるので、ここから「一番重要」と思ったことを記載するのは非常に難しい。そこで「一番重要」ではなく「一番興味ある」ことを記載する。...続きを読むそれは「教育」だ。
 超高齢化社会を迎える日本において重要なテーマはいくつかある。定年の延長。労働市場の柔軟性。それらを乗り越えるために成人後の教育の重要性が謳われている。「人は、その人生のいかなる段階にいようとも、正規の教育を受け、知識労働への資格を得ることが出来なければならない(11章より抜粋)」この点で最も進んでいるがのアメリカのようだが、それでも若いうちに基礎資格を取得していないものを知識労働に受け入れることに躊躇している。日本でも近年は定年後に資格を取得する人は増えている。事実、中小企業診断試験では定年を迎えたであろう人々が多数受験している。だが勉強には高い講義費用を払わなければ独学するしかなく、ハードルは高い。少子化が進む中、学校というシステムを改めて見直す必要性があるように思えた。
 また社会セクターについても興味深い。家族だけではコミュニティとして不十分。また職場コミュニティも労働市場の柔軟性が進むと消えていくだろう。膨張する巨大都市に対して非営利組織などのコミュニティの重要性が語られていた。余談だが、先日のTVで経済学者ミルトン・フリードマンの孫(彼はGoogle技術者)が多様な社会システム、政治体制、法制度を持つ海上コミュニティの設立を進めていることを知った。今後はそういった様々なコミュニティがたちあがるのだろうか

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Posted by ブクログ 2016年07月24日

評するに難しい本。資本主義が拡大・成長するという動因から、定常化へ舵を取るべき時に来た。それがポスト資本主義だという。ただ、波長が合わなかったな。

このタイトルをつけるに当たって、ドラッカーの『ポスト資本主義社会』という書籍の存在を知らなかったという。それはどうかなと思う。

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Posted by ブクログ 2015年07月05日

「わかりやすくの話し言葉」が裏目に出ていないか。
「・・・言ったように」「・・・で述べるように」とまえがきが多すぎてぼやけてしまう。
映画の話や音楽の話も庶民迎合なのか知らないが、鑑賞していないものにとっては目くらましにすぎない。
文献の引用も必要ない。
新書版なのだから、剽窃を恐れず、自分の言葉だ...続きを読むけで述べたいことを述べる必要がある。

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