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富の偏在、環境・資源の限界など、なおいっそう深刻化する課題に、「成長」は解答たりうるか――。近代科学とも通底する人間観・生命観にまで遡りつつ、人類史的なスケールで資本主義の歩みと現在を吟味。定常化時代に求められる新たな価値とともに、資本主義・社会主義・エコロジーが交差する先に現れる社会像を、鮮明に描く。
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Posted by ブクログ
→Xマインド:環境倫理、21レッスンズ →keynote ◯過剰による貧困(楽園のパラドックス):生産性上昇による失業ー増 ◯時間再配分 ◯時間政策inJapan:祝日増加←日本の空気 ◯市場経済と「時間」 ◯長期視座=民俗学×近代科学 ◯消費〈物質→エネルギー→情報→時間〉 ◯未来の収奪・過去の...続きを読む収奪
人間の長年にわたる営みを資本主義、科学、宗教、などなど、色んな角度で分析しながら、人間社会が目指す望ましい姿を提案している。 序章 人類史における拡大・成長と定常化 —ポスト資本主義をめぐる座標軸 第1部 資本主義の進化 第1章 資本主義の意味 第2章 科学と資本主義 第3章 電脳資本主...続きを読む義と超(スーパー)資本主義 vsポスト資本主義 第Ⅱ部 科学・情報・生命 第4章 社会的関係性 第5章 自然の内発性 第Ⅲ部 緑の福祉国家/持続可能な福祉社会 第6章 資本主義の現在 第7章 資本主義の社会化またはソーシャルな 資本主義 第8章 コミュニティ経済 終章 地球倫理の可能性 —ポスト資本主義における科学と価値 人類の歴史、採集狩猟社会から農耕社会、そして産業革命以来の高度情報化、人工頭脳・・・ 瞬時に情報が地球を駆け巡る時代だからこそ、人間本来の顔と顔の見えるコミュニティの原点に回帰する。 そこから、ガラガラポンでどういう価値観・思想を打ち立てれるのか、今後の人類に課せられたすごい課題です。
読むべき本
ポスト資本主義、あるいは未来学の中で文明論、人類学、経済学といった幅広い知見を横断的且つ構造構成論として、実に分かりやすく分析されている。本テーマに関心があるならば読んで損はない。
昨年は、水野和夫の「資本主義の終焉と歴史の危機」や、ハーマン・デイリーの「定常経済は可能だ!」などで、機能不全に陥った資本主義の現在を学んだが、今回読んだ、「ポスト資本主義社会」は、これらの現実を踏まえつつ、資本主義を支えてきた思想の意味の分析と、それらの反省に立って、次なる社会の在り方を、既にヨー...続きを読むロッパで実現している事例も紹介しつつ、具体的なイメージを喚起させるといった意味で、非常にスリリングで、ユニークな1冊であった。 歴史的に見て、自然という資源を利用・搾取する、技術革命的なブレーク・スルーと、その方法での限界を迎えての「定常状態」は交互に発生しており、現在もそうした飽和、成熟、定常状態に入ってきているのだという。 これを克服するのは、さらなる「成長戦略」なのかといえば、利用・搾取する資源の状況を考えると、必ずしもそうではなく、やはりいかに「持続可能」な社会やそれを支えるシステムを構築するかが重要である。成長神話は、資本主義の呪縛であり、著者はブローデルを引用し、資本主義と市場経済を区別しつつ、資本主義の本質として、「拡大・成長」を志向するシステムであり、資本としての貨幣の流通が自己目的的で、グローバル経済が地球を埋め尽くした現在、利用・搾取するパイの総体自体が頭打ちした中で、社会の総体が豊かになるような、明るい未来がないことを示唆している。 ポスト資本主義社会を乗り越えるにあたって、成長がない定常化した経済・社会=フローが少なく、蓄積したストックがものをいう社会で、いかに富の分配を行い、スタート時点での平等を確保するかということと、持続可能性のために、いかにエコで、自然共生的な社会・経済システムを確立するか、といったことが課題とされる。 日本は、アメリカと並んで、経済成長信仰の著しい国であるが、ヨーロッパでは、環境や福祉をベースにした、ローカル経済を確立しつつあるとのこと。これには、それこそブータンではないが、なにを「豊かさ」を図る指標にするか、といった意識改革も必要となってくるので、一朝一夕にはいかないが、真剣な検討が必要なところであろうと思われる。 最終章は、「地球倫理の可能性」について触れられているが、いわゆる過去の定常状態を受けて生まれたとされる「普遍宗教」に対して、それらが「普遍」を標榜するがゆえに対立することを受けて、それらを超える思想や価値観の形成を提起している。昨今の、とりわけ日本人には理解しがたい、宗教に端を発する争いが絶えないことも踏まえて、社会の在り方とともに、あらたな世界観や価値の確立が必要な時代に差し掛かっていると感じた。
驚いた。 広範な思考。これまで見聞き、学んだことがつながった気がする。 「なつかしい未来」としてのポスト資本主義。 要再読。 ・定常期をむしろ文化的創造期としてとらえる ・無限に拡大・成長する資本主義 ≠市場経済(開かれた交換) ・人間と自然、生命と非生命の理解の深化 ・ストック経済の比重...続きを読むの拡大 ・「時間環境政策」という概念 ・労働生産性から資源生産性 ・コミュニティー経済と福祉 ・鎮守の杜、学校、集える場所と自然エネルギー ・歩ける中心市街地
図やグラフを用いて、筆者の資本主義の捉え方を理解できた。今の社会構造が資本主義による部分がとても大きいこと、拡大・成長を志向する時代であるということを俯瞰で見る視点をもてた。
社会政策を専門とし、これまでにも新書版を含めて多数の著書を持つ広井良典氏が、産業革命以降200年以上に亘り続いてきた資本主義社会に綻びが見える現在、資本主義の後に来る社会を予想・提言したものである。 テーマは壮大で、各学術分野に跨る分野横断的な内容となっているが、広井氏は他の著書と同様に丁寧に論考を...続きを読む進めている。 主旨は概ね以下である。 ◆人類の歴史には、人口や経済の「拡大・成長」と「定常化」を繰り返す3回の大きなサイクルがあった。第1は、約20万年前に現生人類が登場し狩猟採集が始まった段階、第2は、約1万年前に農耕社会に移った段階、第3は、18世紀の産業革命以降である。また、過去2回の定常期は、いずれも、「心のビッグバン」(=芸術作品のようなものが現れた)、「枢軸時代(精神革命)」(=仏教、儒教、ギリシャ哲学、旧約思想のような普遍的な思想が生まれた)と言われる、文化的創造の時代であった。我々は現在、第3の「定常化」の時代、即ち何らかの新しい価値原理や思想が要請される時代の入り口にいる。第4の「拡大・成長」に向かうという議論も勿論あるが、地球資源の制約を考えると、著者は懐疑的である。 ◆資本主義=「市場経済」+「拡大・成長」を志向するシステムである。「市場経済」は「個人の共同体からの独立」に基づき、「拡大・成長」は「自然からの人間の独立(自然支配)」に基づくものである。しかし、「自然支配」に基づく「拡大・成長」は、今や自然環境の有限性により“外的な限界”にぶつかり、同時に、人々の需要の飽和という“内的な限界”にも直面している。また、「個人の独立」は今や様々な矛盾を呈しており、個人からコミュニティへの回帰が求められている。 ◆資本主義と両輪で近代化を支えてきた近代科学の特徴は、「法則の追求」(=「自然支配(人間と自然の切断)」)、「帰納的な合理性」(=「共同体からの個人の独立」)の2点であり、資本主義と同様の構造を持っている。 ◆現在の資本主義の現象面をみると、様々なレベルの格差拡大と過剰という構造的な問題があり、それへの対応として、1.過剰の抑制(需要の飽和を解消するための、労働生産性から環境効率性への生産性の概念の転換)、2.再配分の強化・再編、3.コミュニティ経済の展開が必要である。そのような社会を「緑の福祉国家」、「持続可能な福祉社会」、「定常化社会」として推進するべきである。 そして、著者は最後に、「ポスト資本主義への移行は、ここ数百年続いた「限りない拡大・成長」への志向から「定常化」への“静かな革命”であり、今後21世紀を通じて人々の意識や行動様式を変えていく ― 同時にその過程で様々な葛藤や対立や衝突も生じうる ― 真にラディカルな変化であるだろう。・・・同時にそれは、・・・もっともシンプルに言えば「歩くスピードを今よりゆっくりさせ、他者や風景などに多少の配慮を行うこと」といった、ごく日常的な意識や行動に根差すものだ」と結んでいる。 本書の中でも、ドイツやデンマークのような国々が既にそうした社会の実現に向けて舵を切っていることが紹介されているが、我々も一度立ち止まって目指すべき方向について議論する必要があることを強く認識させる良書である。 (2015年12月了)
著者は、福祉などの公共政策が専門のようだが、学生時代には科学哲学を専攻していたらしい。そのためか、資本主義の歴史を科学史とのアナロジーで論じるなど、難しい部分もある。しかし、人類史を含む様々な分野の書物を紹介して俯瞰的な議論を展開しているので、学ぶところは多かった。 人類史は、拡大・成長の時代と定...続きを読む常化の時代のサイクルを繰り返してきた。農耕が始まって以降の拡大・成長期が続いた後、紀元前5世紀頃に世界各地で普遍的な思想や宗教が同時多発的に生まれたのは、農耕文明が資源・環境制約に直面したことが背景にあり、量的拡大から精神的・文化的発展へ移ったのではないかとの仮説を提示している。現在は、化石燃料を用いた工業化による拡大・成長の時代から定常化に移る分水嶺の時期にあると位置付けられ、資本主義からポスト資本主義の展開と重なる(p1-10)。 透明性や公正性がある市場経済とは異なり、資本主義は不透明、投機、巨大な利潤、独占、権力などが支配し、拡大・成長を志向するシステムと理解できる(p25-28)、ウォーラーステイン「脱=社会科学」)。近代資本主義は、ヨーロッパにおける地理的発展による空間的拡大のほかに、個人が共同体の拘束を離れて独立することができたことや、技術によって自然を開発することができるという思想によって、拡大・成長していった(p36)。 資本主義は、1929年の世界大恐慌を経験した後、経済成長は需要によってもたらされるとして、政府による公共事業や社会保障などの所得再分配を進めることを主張したケインズの修正資本主義によって、大きな成長を遂げた(p47)。GNP統計も、世界大恐慌を受けて、経済成長の指標として開発されたもの(p50)。 これまでに重視されてきた労働生産性は、人手が足りず、自然資源が十分にあることが背景にあった。現在は、人手が余り、自然資源が足りない状況になっているため、環境効率性(資源生産性)の方向に転換することが課題。ドイツでは、「労働への課税から資源消費・環境負荷への課税へ」の理念の下に、1999年にエコロジー税制改革において環境税を導入した。その税収は年金に当てて社会保険料を引き下げたことにより、企業の負担を抑えて失業率を下げて国際競争力を維持した(p145、広井「定常型社会」)。ロバートソンは、共有資源への課税の考え方から、土地やエネルギー等への課税を論じている(p175、「21世紀の経済システム展望」)。 中世に教会やギルド、都市国家など多様な主体が活動していたように、これからは国家が中心の世界から、NGO,NPOや企業など様々な主体が活躍する時代に移るようになる(p63、田中明彦「新しい中世」)。著者は、生産性の概念を転換すること、人生前半の社会保障やストックの再分配、コミュニティ経済の3つの方向をあげて、緑の福祉国家を提唱している(p206)。
「資本主義」とか「社会主義」などという用語が、すでに記号としてしか理解されない時代に、それらを対置して、さも現代の重要な問題が、それらの相剋にあるような言い方は、もう古いと思う。 僕たちは、自分たちの幸福にも、地球大の環境保持にも同じように倫理的な真摯さをもっていきているのであって、◯◯主義に支配さ...続きを読むれている、と高みからいわれるようなことは、心外である。
資本主義の成り立ち、どのようなものかがわかった。これからの視点も論点として述べられており、決して、資本主義に対抗するものではない
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