吉村萬壱のレビュー一覧

  • 回遊人

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    ネタバレ

    アニオタにとってループものは特別な意味合いを持つ。
    さらにまた、ボクとキミの関係が世界全体へというセカイ系も。
    そのふたつに、そのナイーブさや作法を(おそらく)あまり知らない吉村氏が蛮勇を振るって参入してきた、というものだ。
    岩井俊二が「打ち上げ花火、上から見るか? 下から見るか?」でアニメに関わってきたときには、結構複雑に感じたが、さすがに吉村氏の参入に対して目くじら立てるほど餓鬼ではない。
    中華料理屋の床に落ちていた錠剤7粒という、それありきの設定を、本気参入なら、根拠不明瞭と批判するだろう。
    が、本作はあくまで思考実験なのだろうて。
    たぶん作者も、たとえば「シュタインズ・ゲート」を勉強す

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    2020年03月04日
  • 虚ろまんてぃっく

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    相変わらず、というか、やっぱり、というか・・・。
    とにかく人間性を否定したいのだろうか? かろうじて普通の話に見えた作品も、わずかに文末の言葉遣いがおかしかったり。

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    2019年05月05日
  • ヤイトスエッド

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     裏表紙の紹介文「淫靡な芳香を放つ狂気」は伊達ではなく、結構強烈な描写が多くて耐性がないとまともに読めないであろう本。というか多分まともに読めてない。

     どいつもこいつも考え(思い込み?)が極端で、その極端な考えが、例えば不浄なものに聖性を見出したりするのでわからない。汚くてもいいじゃん、ならまだ分かるのだが、汚いものを貴ぶのは何だかよくわからない。「絶対にあり得ない」(p.154)。
     それでも、当の本人からすればそれが正常なわけで、その切実さを前にどうすればよいのかもさっぱり分からない。人は人、自分は自分ではあるけど、活動の幅が重なってきたらそんな正論を言っている場合ではない。この小説に

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    2019年03月21日
  • 臣女(おみおんな)

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    描写が分かりやすくて、うわぁと思いながら読み進めつつも、途中で飽きてくるところもあったので星3つ。
    結局最後はどうなったのかがはっきり知りたかったなぁ。
    それと釣り人の気持ちとか、行動がどうなったのか知りたかったなぁ。
    気がかりが多くて気になってしょうがない。

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    2019年02月24日
  • 臣女(おみおんな)

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    ネタバレ

    私は一体何を読んだのか…不思議な気持ち。
    旦那さん、自分の不倫に対する罪滅ぼしの為に奥さんを介護していくのだ…と思いきや、人間とは呼べない姿になっていっても、それでも献身的に介護をする。
    世間的には、周りの反応の方が普通なんでしょうが、そっとしといてあげて…とイライラした。
    奥さんの気持ちはどうだったんだろう…不倫に対する罰で、介護させることで自分に付きっきりになってくれるので良い気味だと思っていたのか…それとも申し訳ないと思っていたのか…。身体の巨大化の原因が、前者だとしたら恐ろしい…。でも旦那さんの理想になりたかっただけなんだな、と最後に分かるのでまぁまぁスッキリ。

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    2019年02月22日
  • 流しの下のうーちゃん

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    つげ義春との類似と、絵で表現できることを感心。さらにビジュアルがあり機で文章表現に至ることが受け取れていてより楽しい。

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    2019年01月03日
  • 臣女(おみおんな)

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    読んだことない恋愛小説だった。グロテスクだけど現実で、いろんな感情を行き来する主人公がリアルだった。

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    2018年12月04日
  • 前世は兎

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    短編7作。
    腐って汚く異臭がするくせに、キラキラと輝いているような。
    言葉の選択が剥き出しなのだけど、取り繕われた言葉よりも寧ろ潔い。
    素直に詳らかにすることに、向き合う言葉のその先を見るのか。

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    2018年11月30日
  • 臣女(おみおんな)

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    本当にダメ男なんだけど、奥さんに優しいのか何なのかなぞ。。
    でも、異様な姿になっていく奥さんを世話していくのはやはり愛があるからなのか?
    印象に残る本になりました。

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    2018年11月15日
  • ボラード病

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    なんとも言えない不快感と、気持ち悪さを感じた。
    もしやこれが作者の伝えたかった事なのか?と思うくらい、意図的な気持ち悪さ。
    何が正常で何が異常か判断できなくなるような感じでした。

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    2018年07月24日
  • 臣女(おみおんな)

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    最初から最後までグロテスクなんだけど、その中にも愛が描かれている。
    こんな状況下で配偶者を愛し続けられるか、自分だったらどうだろうと考えながら読んでしまった。
    終わりが見えないのが一番辛いだろうなぁ。

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    2018年06月19日
  • 臣女(おみおんな)

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    ネタバレ

    設定からして幸せな結末は迎えないだろうと覚悟して読み進めていったけど、孤立を極める二人が痛々しく読むのが苦しかった。

    嫌味な教師が終盤あたりで、主人公を的確に分析するところや、何となく味方になってくれそうな同僚教師も、もちろんのこと誰の肩を持つこともなく…誰も助けてくれないし、主人公自体助けてもらおうと思ってない。
    金銭的にも社会的にも追い詰められる、というか主人公自ら追い詰めてるような気がして「早く然るべき機関に助けを…」と何度も思った。

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    2018年04月01日
  • 臣女(おみおんな)

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    元気な時に読まないとダメなやつだコレ
    臭いや音が想像できてゲンナリしながらも一気に読んだ
    ハッピーエンドはありえないよな、とわかっていても最後はけっこうぐっと胸にくるものがあった
    次は爽やかな青春小説読もうっと

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    2018年03月07日
  • 流しの下のうーちゃん

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    吉村萬壱さん。
    漫画も書けるんだ。
    多才な人だなぁ。。。

    娘に、

    最近変な人(吉村萬壱さんのこと)の本読み過ぎ。
    こんな本読んでる人見かけたら、全力で逃げるわ。

    と言われた。

    その方がいいと思う。

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    2018年02月13日
  • 臣女(おみおんな)

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    夫の浮気を知り、精神的に追い詰められる奈緒美。
    そして、それは始まった。巨大化である。
    奈緒美は人相も変わり、今や身長は3メートル。
    骨の成長に伴う痛みに苦しむ彼女が気の毒になってきた。
    ダメ夫は、どこまで行ってもダメだな。と思っていたところ・・・
    後ろめたさがあるためか、巨大化した妻を献身的に介護するダメ夫がいた。
    いや、もうダメ夫ではない。
    彼を応援したくなってきた。
    なんなんだー!この真っ直ぐな夫婦の愛は。
    奈緒美は、幸せだったのかな。訊いてみたい。
    「臣女」良かった。

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    2018年02月05日
  • 流しの下のうーちゃん

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    ネタバレ

    つげ義春!?と最初は感じたが、徐々に吉村さんのいつもの世界に。
    だって「海塚市」だし「巨女」だし。

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    2017年12月24日
  • ボラード病

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    とても気味の悪い小説でしたが、面白かったです。
    右へ倣えのように皆が同じ方向を向いて、そのことが素晴らしくて、それに同調しない人は病気だと排除する…なんて怖いことなんだろうと思いました。
    人がぽろぽろ亡くなっていくところがまだ復興の最中のようですが、こんな歪な世界で、本当に復興しているのだろうか…と読んでいると、最終話でドキッとしました。どちらが病気なのか。
    時代に流れる空気感は、なんだか怖いなぁと思ってしまいます。
    何故か、村田沙耶香さんの小説と似たものを感じました。

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    2017年12月23日
  • 虚ろまんてぃっく

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    これはなんだろう?正調の胸糞悪い作品。サド侯爵も当時はこんな感じだったのだろうか?「時計じかけのオレンジ」の拷問シーンみたいな感じ。見たくないものを見る。読みたくないものを読む屈折がある。一旦、がっつり気分悪くなることでトランポリン効果はあるかもしれない。

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    2017年12月18日
  • 臣女(おみおんな)

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    ネタバレ

    アメトークで光浦靖子が紹介していて、ちょっと面白そうだったので買ってみた!

    アメトークや帯で、妻への壮絶な愛が描かれているようなことが書かれていて、この流れをどう恋愛小説としてラストへ向かっていくのかなと思いながら読んでいたのだけれど、うーん、わたしはこれを、愛とは名付けられない。もちろん、全部を愛と呼べないわけではなくって。
    依存と抑圧と、絶望と。この状況を受け入れることができてしまうという彼の心は、強いのか、あるいは諦観か。

    自分の愛する人が異形化した時、わたしはそれを受け入れられるだろうか。そして、自分以外に愛する人を救ってあげる人はいると思うだろうか。わたしは、前者に対しての答えは

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    2017年12月14日
  • ボラード病

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    いったいこれは何なのか。裏表紙を読めば、被災して蘇りつつある復興の町で暮らす少女の回想であることがわかりますが、それを読まなければ中盤までそんな町の話だということはわかりません。

    話し手は三十代の女性で、小学生の頃を思い出して綴っているみたい。彼女の家庭はものすごく貧乏で、着ているものが臭うほど。だけど彼女が暮らす町ではたいていの人が貧乏だから、臭いからといじめられるわけではない。むしろ同級生と「臭いよ」と笑い合えるぐらい。母親はいつもピリピリしていて、自分の何が母親を怒らせているのだかわからない。そんななか、同級生が立て続けに死ぬ。新鮮だと謳われている地元の魚や野菜を食べて。

    終始不穏な

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    2017年05月15日