吉村萬壱のレビュー一覧

  • 流しの下のうーちゃん

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    何か人を不安にさせるような絵、ストーリーでしたが…割と退屈せずに読めましたね! 著者の小説はまだ一冊も読んだことがないのですが、これを機に一つくらい読んでみましょうかね…。

    ヽ(・ω・)/ズコー

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    2021年04月19日
  • ボラード病

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    主人公の少女時代の回想として語られる海辺の復興の町。統制された町。幻想のディストピア。病気なのはどちらなのか?狂っているのは誰なのか?苦しくってぎゅうぎゅうする。薄気味悪くってぞわぞわする。どう生きるのが正しくって、どう生きるのが幸せなのか?エンディングも読後感も悪い。作者の術中に嵌っている。

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    2021年02月18日
  • 前世は兎

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    弱くて愚かで狂ったひとびと。
    狂ってたのはどちらなのか?正解は何なのか?
    自分の感性さえ分からなくなってしまうほど、その術中にはまってしまう。
    作者の世界観にのまれ、するすると読み進め、吐き気がするくらいの自己嫌悪と闘う、そんな作品。

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    2021年02月03日
  • 回遊人

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    タイムリープものを単なるタイムリープのSFとして終わらせないところが流石の吉村萬壱氏だ。
    繰り返すうちに貧しさは増し、荒んでゆく人生のなかでも女性に対する愛欲だけは枯れることのない不条理。
    後半の怒涛の展開は一気読み必至で、ぐるぐると目が回ってしまうような感覚だった。

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    2021年01月23日
  • ハリガネムシ

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    自分より頭の弱い者を虐める心理かなあ。虐め(残酷な扱い)はどんどんエスカレートする。小石を詰められて指で掻き出すシーンは、女には痛みを伴う描写だと思う。読み終えて1ヶ月以上経っているが強烈に残っている場面。

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    2020年11月06日
  • 臣女(おみおんな)

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    エグい内容だけど夫婦の愛情を感じる話だった。
    旦那は間違いをおかしてしまったけど、妻のことを愛し続ける。
    どんどん人間ではなくなってゆく妻の醜く汚い部分を受け止めながらも昔の妻を思いだし自分の限界を奮い立たせてる旦那も、全てを受け止めてもらってる妻の心情もなんだか切なくなった。グロくて汚い話盛りだくさんだけど切ない。夫婦の掛け合いはちょっと微笑ましかった。

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    2020年10月19日
  • 回遊人

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    あとがきで、整理して書いてくれたので物語がより分かりやすかった、、

    乃木坂46の橋本奈々未が「人は必要なときに必要な人に出会う」の言葉が分かる小説でした

    面白かったです!また読んでみたいと思います

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    2020年06月27日
  • ヤイトスエッド

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    文庫化おめでとうおめでとう。
    本編は以前単行本で読んでるので、出てすぐ文庫を買っておいてそのままになってたんだけど、書き下ろしの三つ編み腋毛を読みました。
    本文は案の定気持ち悪かったし、選評がめちゃくちゃ面白かった。イナセ一戸建てを読み返そうかな。あと独居45の文庫化早よ。

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    2020年01月29日
  • ハリガネムシ

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    グロデスクな描写と登場人物達の気持ち悪さが際立っていた。面白そうなタイトルだったので読んでみたが、後悔した。もう読まない

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    2020年01月10日
  • ヤイトスエッド

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    この作者の書いた文章を読んでいると、自分が一週間以上風呂に入っていないような、垢と泥で皮膚がべたべたとしていて頭からは皮脂の臭いがいるような感覚を味わうことができて、シャワーを浴びたくなる。
    どの作品も面白いから皆に薦めたいけれど、村八分にあうかもしれないので職場の人とかには言えない。

    表題作の『ヤイトスエッド』は、これまで読んできた吉村萬壱作品とは毛色が違って面白かった。少し、町田康を思わせる。
    『B39-Ⅱ』のラストが衝撃的だったが、『ボラード病』と通じるところがある。

    「坂下宙ぅ吉」を描いた作品があるそうだが、単行本は絶版になっており、文庫化もされていないとのこと。残念。

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    2019年08月25日
  • 前世は兎

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    面白かったです。
    狂った世界に、狂った人たち。
    狂った世界では、狂っている方が正常です。
    「前世は兎」「沼」が好きでした。
    「沼」のラストはそうきたか、と思って良かったです。
    「前世は兎」と、戦争ではないのですが「ランナー」の描写は怖いです。絨毯爆撃も、ビッグレバーも怖い。。「ランナー」のマラソン大会が開催されている理由がよくわかりませんでした。
    「宗教」も意味不明でゾッとしました…萬壱さんワールド、堪能しました。

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    2019年08月25日
  • ボラード病

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    不愉快な感覚が読んでいる間ずっと続いていた。
    小説内では全てが明らかにされないが、それもまたリアル。
    自分の見ている世界はある意味簡単に変わりうるし、宗教のように思考を委ねることは楽なんだろうな。
    海塚町の閉塞感は昔ながらの共同体の閉塞感というより、なかったことにしよう・自分たちは素晴らしいという新しい未来に向けての同調であり、リアリティを感じた。

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    2019年04月07日
  • 前世は兎

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    初の作家さん。
    読書会で取り上げられたので。

    前世は兎
    夢をクウバク
    宗教

    梅核
    真空土練機
    ランナー

    「もっと変なことしてくんないかな。」とか、
    「もっと変なこと言ってー!」とか、
    「もっと訳わかんない渦に飲み込まれたい。」とか、
    超絶受け身で楽しむだけ。

    本当は世の中に物申したいと書かれたものであろうとちょびっと察するが立ち止まれず物語に浸る読み方。

    これレビューかな。
    すみません。

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    2019年03月25日
  • ボラード病

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    不穏な描写が続き、なんとも言えない不気味な展開が続く。ディストピア小説として下手なSFじゃなく、震災後の延長上に存在しそうな世界観だったのは良かった。

    多和田葉子の『献灯使』という同じく震災後のディストピア小説も読むと、文学界にも東日本大震災や原発事故が多大な影響を与えていることに気づく。

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    2019年02月26日
  • 臣女(おみおんな)

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    ネタバレ

    おもしろい。心に不満がたまると巨大化していく妻と、その妻の看病をする男の話。ずっと読みたいと思っていたもののなんとなく後回しにしていた。この作者の新刊が読みたく、その前に読んでおこうと思い、やっと読んだ。もっと早く読んでおけばよかった。作者の変態性、歪み、純真さ、すべてが好み。

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    2019年01月07日
  • 前世は兎

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    吉村萬壱先生、謎多き人である。脳をどう絞ればこんな発想が出てくるのか。あるいはなんの労力もなく、当たり前の日常からこんな発想なのか。現在大阪の閉鎖病棟で個展を開かれている。緻密で不気味な鉛筆画や、なかなか気持ちの悪い立体作品を並べておられる様はTwitter等で拝見した。会期中には行けないのが残念。

    おっと、本のレビューだったことを今思い出す。どの作品も奇抜なのは言うまでもない。おそらく好きと嫌いの割合は1:9ぐらい。私は好きだった。以前「虚ろまんてっぃく」も拝読。奇才。本人が普通の人だったらどうしよう。ちょっとひく。(笑)

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    2018年12月21日
  • 臣女(おみおんな)

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    夫の浮気を知った妻は身体が巨大化していった。絶望感と罪悪感に苛まれながら、夫は異形のものと化していく妻を世間の目から隠して懸命に介護する。しかし、大量の食料を必要とし、大量の排泄を続ける妻の存在はいつしか隠しきれなくなり、夫はひとつの決断を迫られることに。

    すごい内容。衝撃的。
    しかも便とか吐瀉物とかの表現が山ほど出てくる。半分以上それだと言ってもいい。
    けれどなぜか綺麗というか崇高さがあるというか…
    夫は浮気はするし狡猾さもあるしでまっすぐに愛することは到底できないキャラクターなのに、ある種の純粋さを捨てきれないところが嫌いになれない。

    「失ってみて気づくこと」とはよく言うけれど、この物

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    2018年07月18日
  • ヤイトスエッド

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    ネタバレ

    清潔と不潔。
    浄と不浄。
    きれいはきたない、きたないはきれい。
    下種は聖。
    これらはつまり極端は対極に転じ得るということだ。
    (中島らもと通ずると思うが、ふたりを並べた論は見たことがない。)

    男は女を犯すとき、女になって男に犯されたいと夢想する。
    女はマゾヒスティックな殉教を夢見る。
    すなわち男とは別文脈で受け容れる(ように見える)。
    男も女も、対する女と男に、過剰な願望を押し付けて、それが裏切られては怒り失望するしかないのだ。

    「B39」と「B39-Ⅱ」の関係は連作の極北。
    大げさではなく世界が反転するんだもの。びっくりした。

    ところでかつて「ハリガネムシ」でウンコを握り潰す場面を読ん

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    2018年05月24日
  • 臣女(おみおんな)

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    「グロ」と「夫婦愛」の融合。
    家畜人ヤプー以来の奇作です。

    内容は、夫の不倫を知った妻が突如、5mになるまで巨大化。
    日常生活もままならなくなる中、懺悔と愛情の入り混じった心境で介護し続ける夫の戦いの物語です。

    戦いといっても、大半が妻の食事や排泄処理。
    排泄の描写は、スカトロファンにはたまらないのではないでしょうか?

    一方で得体の知れない激痛に苦しみ、言葉もままならぬなくなっていく妻を見捨てず、最後まで添い遂げる様が夫婦の純愛小説として評価される所以でしょう。

    奇天烈な設定ですが、夫婦という裏も表もある一筋縄でいかない関係を考えると、意外とまともなテーマなのかな?と思いました。

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    2018年05月03日
  • ボラード病

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    ここはB県海塚。新鮮な魚や野菜が手に入るこの町で、町民は心を一つに支え合いながら生活し、子ども達は自主性を重んじる学校に通いのびのびと育つ。同級生の急死が若干多い点はさて置き、理想的な共同体から外れまいと必死に努力する主人公の少女だがー。モダンディストピア小説と聞き、真っ先に手に取った本作。ポスト3.11の日本を痛烈に揶揄した、薄いながらもインパクト大の一冊でした。最初から最後まで不穏な空気満載で、先が気になり気になりページを繰る手が止まらない。明らかに子どもがナレーションしている分、『向日葵の咲かない夏』のような「信頼できない語り手」のトリックには引っ掛からないぞ~!と構えていたものの、ラス

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    2017年10月06日