【感想・ネタバレ】回遊人のレビュー

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Posted by ブクログ 2021年11月08日

前半、自嘲的でユーモラスな私小説かと思いきや、途中で転調し、結末は悲劇的。この腸捻転を起こしそうな展開が様々な伏線によりまとめられている。

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Posted by ブクログ 2021年12月08日

これは和製バタフライエフェクトや!
「タイムリープ物を吉村萬壱が書いたらこうなる」っていうのが面白くて、吉村萬壱作品を初めて読む人でも楽しめるのかはわからん。
宙ぅ吉ファンにも嬉しい一冊。

序盤、主人公の息子への冷たさにヘイトが募っていて、「主人公不幸になれ」って思いながら読んでたけども他の人も巻...続きを読むき添えで不幸になるのは辛い。
ただ、そこで日和ってハッピーエンドなんかになっていたらもう吉村萬壱作品じゃないわな。

自分としては
臣女<回遊人<ボラード病
という位置付けになるくらい面白かった。
寝る前に読んじゃいけない類の本なのに夜中に目覚めて読み進めてしまって寝付けなくなってしまった。明日の生活に支障が出たらどうしてくれる。

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Posted by ブクログ 2021年10月28日

純文学畑の人がタイムリープもの…?と思いながら読んだけど、主人公がぐじぐじとしてて、なんべんやり直してもやり直したいことはなにもやり直せないのは期待通り。
こんなに自分を省みる時間があったのに、結局オリジナル人生でないときちんと反省も思いやることもできないし、浩はそこにしかおらんしね…

いやほんと...続きを読むに10年前は子どもが存在してないからね。自分ならそこでまず絶望してしまってどうしようもなくなると思うし、読みよっても浩がおらんのがつらくてもーーーそればっかり気がかりやった。
同じ人と結婚したとしても同じ子どもが産まれる確証は全くないからねこの主人公の回遊人生…

あ!あと関係ないけど、このお話は坂下宙ぅ吉がいる世界線やったのにちょっとわろた。スターシステムというほどのものではないけど、こーゆーのがあるとちょっと楽しいよね。

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Posted by ブクログ 2021年01月23日

タイムリープものを単なるタイムリープのSFとして終わらせないところが流石の吉村萬壱氏だ。
繰り返すうちに貧しさは増し、荒んでゆく人生のなかでも女性に対する愛欲だけは枯れることのない不条理。
後半の怒涛の展開は一気読み必至で、ぐるぐると目が回ってしまうような感覚だった。

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Posted by ブクログ 2020年06月27日

あとがきで、整理して書いてくれたので物語がより分かりやすかった、、

乃木坂46の橋本奈々未が「人は必要なときに必要な人に出会う」の言葉が分かる小説でした

面白かったです!また読んでみたいと思います

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Posted by ブクログ 2023年08月16日

途中分からなくなってしまう部分もあったが、後書きで作者自ら解説してくれるので理解出来た。

勝手で言い訳がましい男のタイムリープ小説。

失くして分かるものがある。手に入れないと分からないものがある。そんな物語。

面白かったが、これって自分のことじゃね?という記述があったりしてドキッとした。この作...続きを読む家の小説にはいつもそういう部分がある。

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Posted by ブクログ 2021年08月21日

あなたは10年前に戻れるなら、戻りたいと思いますか? わたしは戻りたくないです。過去を変えることは未来を変えることに繋がるから、この作品を読んで改めてそう感じました。この作品はいわゆるタイムリープがテーマになった作品で、主人公の専業作家江川が、夫婦生活といい作品が書けない、いわゆるスランプに陥って、...続きを読む過去に戻りたいと思う所から始まります。タイムリープを繰り返すうちにある事に気付く江川の心情を読んでいったら悲しくなりました。でも読み応えが良く文章のテンポもよくて、読んでみて良かったと思いました。ぜひタイムリープに興味がある方読んでみてください。

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Posted by ブクログ 2020年03月04日

アニオタにとってループものは特別な意味合いを持つ。
さらにまた、ボクとキミの関係が世界全体へというセカイ系も。
そのふたつに、そのナイーブさや作法を(おそらく)あまり知らない吉村氏が蛮勇を振るって参入してきた、というものだ。
岩井俊二が「打ち上げ花火、上から見るか? 下から見るか?」でアニメに関わっ...続きを読むてきたときには、結構複雑に感じたが、さすがに吉村氏の参入に対して目くじら立てるほど餓鬼ではない。
中華料理屋の床に落ちていた錠剤7粒という、それありきの設定を、本気参入なら、根拠不明瞭と批判するだろう。
が、本作はあくまで思考実験なのだろうて。
たぶん作者も、たとえば「シュタインズ・ゲート」を勉強することなく、ご自身のオブセッションに忠実に書き切った作品なのだろう。
この解離をあげつらうことは簡単だが、どちらも好きな身としては、吉村氏の蛮勇=気軽さを買いたい。

この人の作品で輝くのは、設定ではなく細部のモノやコトだ。
たとえば、醤油のミニボトルとか、尿瓶とか、ミニカとか、が独特な底辺感→(金子光晴の所謂)「むさい」感じ→切なさ、につながっていく。
いいんだなー。悪くないなー。まあ結構好きだなー。

あのときああしていたら、とか、いまはこうだけど別の人生もありえた、というモチベーションを想像の糧にしている作家は少なくないはず、というか多いはず。
村上春樹なんかは、その欲望をいったん抑圧した上で自分をもだます作法をスタイルにして、自己神話化の繰り言を続けているともいえる。
そこにエロゲだかアニメだかから突っ込んだのがkeyとか「AIR」とかだと思うが、そういった構図そのものを、自分の生活に近づけて考え直したのが本作、と……。
まあ、そこまで作者自身は考えていなさそうだけれど。

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