【感想・ネタバレ】前世は兎のレビュー

あらすじ

「狂っているのはどっちだ」と兎が突き付けてくる。我々の取り繕った世界を、皮を、作者は次々と引っ剥がす。人間の暗部を見せてくれる。――こだまさん(作家)絶賛!!(『夫のちんぽが入らない』『ここは、おしまいの地』)/▼七年余り雌兎だった記憶を持ち、雄との交尾に開け暮れた一生を送った女。現世でも常に交尾を欲し、数々の奇行に走る。そして前世でつがいだった男と再会するが、その先で遭遇した恐ろしい出来事とは――(前世は兎)。▼36歳、教員で休職中の独身女が日々「ヌッセン総合カタログ」を詳細に書き写す訳は、「スティレス」を解消する為だった。同僚が次々と部屋を訪れ、職場復帰を促すのだが――(宗教)。▼破滅を迎えた世界で、国のマラソン競技に選抜された姉。労働力として認められないものへの唯一の栄誉だが、自殺や逃亡は許されない。選手村への出発を翌日に向かえた夜、姉がとった行動とは……(ランナー)。ほか、全七話。現実感覚を揺さぶる怪作集!

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

表題作と最後の「ランナー」は変わらずのクオリティ。特に「前世は兎」の人を繰っていながら笑えない先生独特の毒が心地いい。飲酒よりも読感がドラッキーなのだ。ほかはどうにも手癖で書いてしょうもないからおち付けた感がある。が、それも芸風。

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2019年01月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

海外SFを数冊読んだ後に、好きな日本の作家を読んだので、ものすごく、ひじょーーーーーに、読みやすいと思ってしまったんやけど吉村萬壱なんやけどめちゃくちゃ読みやすいよ。
インフルエンザで篭ってたから二日で読み終わってしまった。面白かった。
短編集やけど全体的にディストピア感のある世界で、ボラード病とか、表題作なんかは初期の頃の感じを思い出した。
ヌッセンのやつと、椎間板ヘルニアでうんこ漏らす話が特に面白かったな。わしは首をヘルニアでやったことがあって、しかも夫と同時期にごきっとなって、子どもも小さかったから苦しかったなー。

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2023年12月03日

Posted by ブクログ

弱くて愚かで狂ったひとびと。
狂ってたのはどちらなのか?正解は何なのか?
自分の感性さえ分からなくなってしまうほど、その術中にはまってしまう。
作者の世界観にのまれ、するすると読み進め、吐き気がするくらいの自己嫌悪と闘う、そんな作品。

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2021年02月03日

Posted by ブクログ

面白かったです。
狂った世界に、狂った人たち。
狂った世界では、狂っている方が正常です。
「前世は兎」「沼」が好きでした。
「沼」のラストはそうきたか、と思って良かったです。
「前世は兎」と、戦争ではないのですが「ランナー」の描写は怖いです。絨毯爆撃も、ビッグレバーも怖い。。「ランナー」のマラソン大会が開催されている理由がよくわかりませんでした。
「宗教」も意味不明でゾッとしました…萬壱さんワールド、堪能しました。

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2019年08月25日

Posted by ブクログ

初の作家さん。
読書会で取り上げられたので。

前世は兎
夢をクウバク
宗教

梅核
真空土練機
ランナー

「もっと変なことしてくんないかな。」とか、
「もっと変なこと言ってー!」とか、
「もっと訳わかんない渦に飲み込まれたい。」とか、
超絶受け身で楽しむだけ。

本当は世の中に物申したいと書かれたものであろうとちょびっと察するが立ち止まれず物語に浸る読み方。

これレビューかな。
すみません。

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2019年03月25日

Posted by ブクログ

吉村萬壱先生、謎多き人である。脳をどう絞ればこんな発想が出てくるのか。あるいはなんの労力もなく、当たり前の日常からこんな発想なのか。現在大阪の閉鎖病棟で個展を開かれている。緻密で不気味な鉛筆画や、なかなか気持ちの悪い立体作品を並べておられる様はTwitter等で拝見した。会期中には行けないのが残念。

おっと、本のレビューだったことを今思い出す。どの作品も奇抜なのは言うまでもない。おそらく好きと嫌いの割合は1:9ぐらい。私は好きだった。以前「虚ろまんてっぃく」も拝読。奇才。本人が普通の人だったらどうしよう。ちょっとひく。(笑)

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2018年12月21日

Posted by ブクログ

訳わからなかったけどおもしろかった!現代の何かを批判しているのかなーと思って読んでた、パルスは原発事故のことかなとか
後味悪くなくて平和だったのは真空土練機。

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2023年11月26日

Posted by ブクログ

短編7作。
腐って汚く異臭がするくせに、キラキラと輝いているような。
言葉の選択が剥き出しなのだけど、取り繕われた言葉よりも寧ろ潔い。
素直に詳らかにすることに、向き合う言葉のその先を見るのか。

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2018年11月30日

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