NHK取材班のレビュー一覧
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2012年にNHKが制作したドキュメント、「巨大戦艦大和」の記録。
番組を制作したディレクターによってまとめられた、大和の生存者たちの証言集。
日本帝国海軍の最大の戦艦大和が、沖縄特攻に向かい沈没した時に、その事実は隠された。300名に満たなかった生存者の記憶は隠され、彼らが表で語ることはなかった。
平成に入り、その記憶を残そうと考えた時には、もうその事実からは長い年月が過ぎていた。しかし、戦艦大和に乗り組み、闘い、沈められ、運よく生き残った兵隊たちは語った、その事実を。
番組は生存者を探したが、話を聞くことができたのは、当時比較的歳若かった一般の兵隊のみ。
だからこそ、正式な記録、公式な記録ではなく、あるがままの証言集になっていると思う。
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Posted by ブクログ
再開発に関わるNHKの番組を元に編集された本。都市部だけでなく地方も含め、タワーマンションに象徴される再開発の様々な問題、失敗、成功の事例を掘り下げている。
前半は失敗例、後半は成功例で構成されている。国からの再開発への補助の仕組みはタワマンや商業施設を作るインセンティブとなり、結果どこの再開発も金太郎飴的になりがち。また令和の今でも残る地上げや、建築費の高騰によって再開発に賛成した後に「梯子を外される」などの問題提起している。
逆に成功事例。タワマンや商業施設ありきではなく、その地方・地域に合った開発の在り方を将来像まで含めて練り上げ作り上げたことが要因になっている。
巨額な資金と長期的な視野が不可欠な仕事。よほどノウハウと思想がないと後世に巨大な負債を残してしまうし、大きく街を発展させることもできる。 -
Posted by ブクログ
2021年、レッドブル・ホンダが30年ぶりにチャンピオンに輝くまでの取材記録。
※正確にはホンダエンジン搭載のマシンに乗ったドライバーが、ドライバーズチャンピオンを取ったのが30年ぶり。
マックスとルイス、同ポイントで最終戦の最終ラップで決まったチャンピオン。
こんな劇的な決まり方は小説で書くと嘘くさくなるほどの展開だった。事実は小説よりも奇なり。
ホンダはジェット部門など他部門も巻き込んで、オールホンダで戦い頂点にたったというのは、日本人にとって大好きなストーリーじゃないかな。
おそらく25年まではレッドブルが有利だと思うから、アストンにエンジンを乗せる26年からどうなるか楽しみである。レギュレーションも変わるし。
1~2年で撤退とか言わないで欲しい -
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2017年1月発行の新書です。トランプ政権の動きと日本への影響をどう見るか、という点について広く浅く書かれています。興味深かったのは世界中の有識者へのインタビューでした。たとえばジャック・アタリやロバート・ライシュ氏へのインタビューは興味深く読みました。そのほかにもトランプを支持した米国人へのインタビューもあり、なるほどこういう人達が支持していたのか、というのはわかるような資料でした。肝心の日米関係ですが、これは本書を読んでも正直わからないし、不確実性が増したとしか有識者も述べていません。しかし今回のトランプ当選にあたっては、いかにメディアや「有識者」の見方が間違っていたかが浮き彫りになったこともあって、個人的には、「有識者」あるいは「専門家」と呼ばれる人たちの権威が凋落した選挙だった気もしています。
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世界的知性の4人によるAIについての見識を語った本。
意識、マサチューセッツ工科大教授マックス・デグマーク氏。アシロマAI 23原則に見られる安全性への配慮が印象的。
倫理、倫理学者ウェンデル・ウォラック氏。AIも道徳を学ぶ必要がある。話にあったジョン・サールの思考実験「中国語の部屋」に人間とAIの違いがある指摘には頷ける。
自律、哲学者ダニエル・デネット氏。漸進性の重要さ。少しずつの積み重ねが理解につながる事で理解になるという事。
進化、編集者ケヴィン・ケリー氏。氏の話す新しい五感については未来でどうなっていくか想像も付かないが面白い。
終章は筆者によるまとめ。 -
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引き取り手のない遺骨が急増している、という問題を入口に、旧民法の家長祭祀に由来する「家」単位の葬送と墓が崩壊している現状と、「無縁」を避けるための行政や葬祭業者や市民活動の取り組みを取材している。ほとんど他の著作(小谷みどり『〈ひとり死〉時代のお葬式とお墓』や井上理津子『いまどきの納骨堂』など)で既出の内容だったが、「終活」ビジネス(特に墓・墓地の売買をめぐる)に関するトラブルについては、広告収入のないNHKならではで(墓園広告を大口顧客とする新聞社では腰が引ける)、商業メディアが仕掛けた「終活」ブームの負の側面を明示している。
とにかく行くところどこでも、たとえ追い詰められていても「迷惑をかけたくない」「頼りたくない」という声のオンパレードで、この国の「(自己決定なき)自己責任・自力救済」論の執拗さに改めて呆れる。本書では台湾での行政主導による「自然葬」と公営墓地にオルタナティブを見出しているが、日本では「制度化された与党」自民党にとって家父長制(祖先信仰と天皇制を下敷きとする)は日米安保体制と並ぶ最重要の柱であり、むしろ行政の関与の強化は「家」制度の再建と連動する可能性が高い。もちろん現在の社会構造・産業構造ではそんなことは不可能なので、結局のところまたしても「自己責任」として放置されていくことになる。そもそも遺骨の「無縁」化の根本的原因は、高度成長で解体した「ムラ」共同体に代わる「個」を単位とした共同体の形成がこの国では政治的に阻害されたことにあり、宗教の社会的基盤の貧弱さや、新自由主義政策による貧困・孤立化と合わせて、いよいよ長年の矛盾が取り返しのつかない状況になったと言えよう。 -
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今、コロナ惨禍により外国人技能実習生が日本に入って来られず、日本農業が壊滅打撃を被っている。農業の担い手である外国人労働者がいないため、せっかく育てた野菜を大量に廃棄しなければならない。なんと茨木県における20~30代の農業従事者の外国人依存率は約3割。いまや外国人労働者が日本の台所を支えている。その他の産業も多かれ少なかれ依存率は年々高まっている。他方、浜松のある保育園では10歳にもかかわらず保育園にとどまっている少年がいる。一瞬耳を疑うが事実だ。義務教育の対象はあくまでも国民であって外国人は除かれるからである。コロナの波をもろに被っているのが日本を底辺から支えてくれている外国人。蔑ろにすればブーメランのように自らに跳ね返ってくる。
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最近はコロナショックのせいで、多くのニュースが消えてしまっているように思いますが、その一つが次世代技術と騒がれていた人工知能(AI)があると思います。この本はコロナ騒動が起きる前に、もう懐かしい思い出になりつつありますが電車通勤していたときに読み終わったものです。
今後、人工知能がどのように進歩していくのか、そして人間はどのように付き合うべきかを感がなければいけない時期に来ているようです。コロナ騒動が収まるのは時間がかかると思いますが、収束した暁には多くの場所で新しい世界が広がっていることでしょう。そのときにもう既に人工知能が働いているかもしれません。
在宅勤務をしていると通勤時間、移動時間がない分、考える時間が増えたと思います。数年後の仕事の進め方に、人工知能とどのように共存していけば良いか、今年のGWは普段の活動ができずステイホームということになりそうなので、自分なりに考えてみよう思いました。
以下は気になったポイントです。
・未来のAIの計算速度は私たちよりはるかに速いので、人間の動きはスローモーションのように感じられるだろう。ハエを叩き殺そうとしてもハエの方が先に飛んでしまう。体が小さいため脳の動きがとても速い。ハエにとっては、人間の手はとてもゆっくり近づいてくる(p39)
・AIによって人間はどうなるのだろうか、と問うのは間違えで「どうなりたいか」を問うべき(p43)
・仕事が私たちにもたらす3つのもの、収入・目的・友達は必要である。そこで、AIによって生み出される富のすべてを確実に人類が共有し、誰もがより豊かになるようになる方法を考えなければならない(p45)
・人間とAIの決定的な違い、1)意識を持たせることができない、2)感情がない、3)計画と想像する能力無い、人間はこの3つが合わさることで、物事に意味を見出し、相手を理解することができる、意味付けと理解する能力の有無が基本的な相違である(p80)
・私たちがAIにできないことに専念したら、人間はもっと賢くなるだろう、ただしその代償として、今はできて当然と思っている多くのことができなくなるだろう(p116)
・私たちは多くのAIの中から選択することになる、さまざまなAIが市場で競争するようになる、様々な型の車やカメラがあるように(p139)
・AIは人間が作り出したものの中で最も強力な発明品である、なぜなら人間そのものを変えてしまうから。AIによって私たちは変化し、社会も変化する(p140)
・医療においても碁の世界においても、人間とAIの両方が組んだチームが最強となる、双方が違う知性を持ち、異なる考え方をするから(p153)
・AI以後は、ある朝劇的に変化している光景ではない、いつの間にか変わっているのだ、あなたが気がつかないだけで。その変化の連続性に私たちは、日々目を凝らして見逃さないようにしなければならない。それは、ささやかな生活の一場面にあり、また思いもよらぬ身近な場で出合う存在の抱える「他者性」に気づくこと。(p195)
・感性の微分こそが多様性との対話を可能にし、その積分が社会を作る(p195)
2020年4月25日作成 -
Posted by ブクログ
アメリカで民主主義が歪められていた実態はよく分かった。日本においても政策決定過程で民意が反映されていないと感じられるのに、日本の現状についてはほとんど触れられていない。自民党ネットサポーターズクラブとか、削除されたけどJCの宇予くんとかの実態にももっと迫ってもらいたかった。
終盤、プライバシー権を憲法上の人権として位置付けるべきのと意見には賛成できるが、表現の自由を含めた自由権の自己統治の価値について著者(NHK取材班)がうまく消化できてないように思える。日本におけるプライバシー権の議論と日本における民主主義の現状、あり方の議論とを、もう少しリンクさせて論じて欲しかった。
今の閉塞感を破れるきっかけになりそうな議論を含んでいるのに、もったいないと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ<目次>
序章 AIは誘導する
第1章 激変する情報環境
第2章 恐るべき告発
第3章 偏向情報が拡散するメカニズム
第4章 世論操作の効果と影響
第5章 デジタル選挙戦略の最前線
終章 私たちは民主主義を守れるか
<内容>
NHKのクローズアップ現代+「知られざるトランプ流SNS戦略」を書籍化したもの。アメリカ大統領選挙のソーシャルメディア戦略やイギリスのEU離脱などの様子を追っかけたもの。しっかり取材している。トランプ陣営そのものには行けていないようだが…。そしてわかるのは、どうも人間は心理的に、そのとき好きなモノの情報は取り込むが、それ以外には見向きもしない傾向があり、SNS(特にFacebook)は、それを巧みに利用して、利用者の傾向をデータ化し、データを商品としていること。GAABのデータ利用は、一般の人の人智を超えているので、予想外に我々は踊らされているのではないか?ということ。怖い時代になったものだし、そこで我々はいかに自ら学び、判断できるようにするか、ということだろう。