あらすじ
急成長を遂げ、年間売上1兆8000億円に迫ろうとするネット広告市場。近いうちに、地上波テレビを追い抜き、「広告の王者」になると目されている。
しかしその巨大市場の奥底で、ネット広告特有の複雑な仕組みを逆手に取って、不正に金儲けを行う者が存在する。広告費はいったいどこに消え、儲けは誰の手にどれだけ渡っているのか―――。
「クローズアップ現代+」取材班が、現在のネットビジネスが抱える問題点をあぶり出す!
NHKクローズアップ現代+「追跡! 脅威の“海賊版”漫画サイト」「追跡! ネット広告の“闇”」「追跡! “フェイク”ネット広告の闇」、ネット広告の“闇”を探るシリーズが待望の出版化!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
クローズアップ現代の焼き直しの書籍か?と侮って、読む始めましたが、この先入観について反省します。
ウェブ広告の課題が非常に細かく検証されていて、分かりやすくまとめられている良書だと思いました!
いわゆる「運用型広告」に触れる人間は、必読の書です!
Posted by ブクログ
直近に検索したものや住んでいる市町村の分譲マンションの紹介などが表示されてわずらわしい程度にしか思っていなかった、ネット広告の闇に迫った本書。アドフラウドという広告詐欺があることを初めて知った。対策を講じてもすぐに抜け道を作り出していきイタチごっことなるのだろうが、諦めず取り締まりを強化することが重要。
普段スマホで漫画を読まないので、漫画村事件については知らなかったが、昨年運営者に実刑判決が出たとのこと。詐欺に遭う・遭わないだけでなく、知らないうちに荷担しないよう情報リテラシーの習得が大事。
Posted by ブクログ
誰もがみたことがあるだろう怪しいネット広告、それを解析し出所を探りインタビューする、かなり気合の入ったルポ。
漫画村についてのルポはかなり面白かった。
いたちごっこではあるのだけど、このように探り取材に出かけ、マスコミで問題提起することで、ひとつでも不当に利益を得る業者をつぶす力になっていることがよくわかる。
NHKの丁寧な取材には頭が下がる。素直にすごい、と思える本。
Posted by ブクログ
丹念な取材を基にネット広告の実態をわかりやすく解説した書。ネットの発展を支えてきたネット広告ではあるが、他方、アドフラウドなどが蔓延している状況にある。ネットの健全な発展のためにどうすればよいのかを考えさせられた。
Posted by ブクログ
クローズアップ現代を観ていたので、それを文字で追った感じ。追加の情報はあまりなかったように思えるが、いくつか追加インプット先を知れたので、収穫あり。
Posted by ブクログ
NHKクローズアップ現代+の「追跡! 脅威の“海賊版”漫画サイト」「追跡! ネット広告の“闇”」「追跡! “フェイク”ネット広告の闇」、ネット広告の“闇”を探るシリーズをまとめたものです。
ネット広告がタイトルなのに漫画村の話題がこんなにあるのか不思議でしたが、これまで漫画の違法ダウンロードだけで成り立つのかと思ってました。
広告絡みでも複雑な仕組みで収益を上げてる実態が暴かれる過程を見ると、NHKの調査は価値があるでしょう。
広告が売れないせいで、電通も赤字になるような状況ですから孫請けにして少しでも安くというのでしょうけど、孫請けを管理できないと巡り巡ってテレビや広告代理店に影響は返ってきてさらに経営が苦しくなるの無限ループに入っていきかねないと思いました。
金払って自分で広告を出せる仕組みもありますし、依頼主が管理できない状況になりかねないとなると、Googleなどが広告の管理の精度を上げていくしかないでしょう。
Posted by ブクログ
アドネットワークもPMPも広告主とメディアを繋ぐ仕組みは本来ほとんど同じなはず。
PMPもこれから取り扱いメディアの規模が大きくなり過ぎると、アドネットワーク化して、悪質なメディアが紛れ込む可能性が出てきそう。
全然関係ないけど、NHKの取材力というか粘り強さが強いなと思った。
Posted by ブクログ
”漫画村”騒動はデジタル時代における著作権の問題を浮き彫りにしただけではない。なぜあのような違法サイトが運営を続けられたか。それは端的に言って、違法サイトにネット広告を掲載することで、多額の収益を得られるからだ。
本書は、”漫画村”騒動が浮き彫りにしたネット広告の問題点を、NHKクローズアップ現代取材班の極めて精緻な取材によりまとめあげた一冊。
昨今のネット広告は、金融におけるIT技術を流用して開発された様々な”アドテクノロジー”と呼ばれる技術が用いられている。私自身、これまでアドテク界隈についてはかなり調べたことがあるが、あまりにも技術の進展のスピードが速い上に、本書で提示されるような表面化されない特有の暗部があることから、正確な姿を把握するのにかなり苦労した記憶がある。本書では、サイバーセキュリティの専門家集団などの助力を得つつ、NHK取材班の極めて愚直な取材活動を通じて、いかに現代のネット広告において、広告主から広告費を掠め取る不正が行き渡っているかが明らかにされる。
私自身、ここ1-2年間くらいで、ネスレやP&G、ユニリーバなどグローバルの消費財メーカーがネット広告におけるブランドセーフティを声高に叫ぶようになってきた背景がようやくしっかり理解できたように思う。特に、広告主としてネット広告に少しでも関わる人であれば、間違いなく読む価値がある良書。
Posted by ブクログ
2025年に読んだので少し古新聞感有りましたが、
状況は相変わらず。
むしろ、動画投稿サイトでは有名人のディープフェイク動画による情報商材詐欺CMなどが次々と出稿され、それらがばら撒く広告マネーにを目当てに群がるPV稼ぎアカウントが知財権無視のコンテンツを投稿しまくる、という状態にも見え、広告業界の健全性って、大分危なそうにも。
その辺りも追いかけて、続編?増補版?を出してくれないかなぁ
Posted by ブクログ
ネット広告の闇について。
広告を出したい人と受け取る人の間に、たくさんの人の思惑が挟まっていること、そしてその闇の深さが伝わってきました。
もちろん、悪意に対し、安全を守るための動きもあるのだけれど、一人のユーザーとして自衛したり、誰かの権利が阻害されている状態に関与していかない選択をすることの必要性も感じました。
本書の出版から何年も経つので、おそらく今はさらに巧妙になっていることと思います。
知識のアップデート、大切だなと思いました。
Posted by ブクログ
借りたもの。
ネット広告における“犯罪”についてをまとめたもの。
それは詐欺広告であったり、アフィリエイターが広告を掲示していない(ように見せて実は表示させ)のに広告費をかすめとるもの等。
詐欺バナー制作者や詐欺動画の出演者、元制作会社の証言による生々しい導入から、その実態をうつす。
詐欺バナー(怪しいサプリに意味のない情報商材)は広告代理店が発注したものではなく、怪しいアフィリエイターが作成したもので、画像の無断転用が横行していた。そこにはネットや他広告の集客技術が悪用されていた。それらが正規のバナーと混在して表示される不愉快さ。
バナー広告枠の今後の展望、ユーザーにとって求められる広告の在り方、“無料サービス”が広告料金によって成り立っているビジネスモデルの在り方の、限界と新しいビジネスモデルの在り方の模索について書いてあるかと思ったら、違った……
しかしネット広告業界で問題視されている“闇”や、20年弱の新興業界であるネットのグレーゾーンの問題点について提唱している点で興味深い。
びっくりしたのは取材班が転送サーバーIPアドレス等の解析から世界のサービス会社を巡っていた事!
「それする必要あるの?」と思いつつ…TV的なリアリティという画の必要からなのか、電話口では埒があかないからか……
推理サスペンスドラマっぽくて読んでいてハラハラした。
漫画村の管理人が捕まる前の話だった。
ネットの世界の性善説は、どんどん終わりを迎えている…