NHK取材班のレビュー一覧
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NHKスペシャルの書籍化。世界を席巻していた日本のゲーム産業が、世界の中でかつてのような圧倒的な存在感を失っている現状を様々な観点で紹介する。
最近でこそ、”ソーシャルゲームの台頭→ゲーム産業の危機?”のような報道を良く目にするようになったが、本書はそのような一面的な議論ではない。
他業種と比べゲーム業界の動向に関する本は少ないが、本書はその中では広い視野で解説された、貴重な一冊である。
下記のテーマが興味深かった。
・欧米のゲーム開発の現場で進む「オープン化・標準化」の取り組みが、飛躍的にゲームの開発スピード、コスト、質を向上させつつある。(日本はそのような領域で存在感がない)
・これまで同 -
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NHK取材班著「自動車革命」NHK出版(2011)
IT技術の発展により今の世の中、非常に速い速度で変化していっている。今、我々が目の当たりにしている様々な分野の激変は、大きく言うとつながっているように感じる。長年多くの人々、あるいは人類が常識としてきたこと、そうする事が正しいのだと信じてきた事を根本から買え、新しいものを築かないといけない大きな時代の説目が訪れているように思える。政治や社会の仕組み、経済、エネルギーまで。いったん染み付いた常識を取り払う事は難しいが、電気自動車が普及するには必要なことだと個人的に考えている。
*リチウムイオン電池は、リチウムという元素にコバルトやマンガン、 -
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本書は、NHKスペシャルの「スモール・ハンドレッド 新たな挑戦者たち」と「次世代カー 電池をめぐる闘い」の内容を中心にまとめた取材記。
本書を読んで、真っ先に感じたことは、中国を始めとする国々のベンチャー電気自動車メーカーの勢いのすごさだ。
電気自動車はこれまでのガソリン自動車とは違い、構造もシンプルで部品数も少ない。
さらに、中国は国家規模で電気自動車産業を後押ししている。
これらの理由から、中国では今や何百という数のベンチャー電気自動車メーカーが生まれている。
その中で、特に注目すべきは、BYDと山東宝雅電気自動車とEモーター。
元々リチウムイオン電池メーカーだったBYDは2009年の上 -
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本書は、2009年10月に放送されたNHKスペシャル、自動車革命シリーズの2本目「スモール・ハンドレッド 新たな挑戦者たち」と、2010年5月放送の「次世代カー 電池をめぐる闘い」の内容を中心にまとめたもの。取材とともに展開される想像をはるかに超えた進化のスピードと、桁外れの中国のパワーに驚かされる。
アメリカと中国の連携の前に、果たして日本はどう世界市場での地位を確立していくのか、といったまるで映画かドラマのような緊迫感は、思わず引き込まれるものがある。それは、液晶や太陽エネルギーなど、かつては日本がリードしていた分野が、あっという間に後塵を拝すというお決まりの負けパターンが、ちらりと脳裏を -
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2012年にNHKが制作したドキュメント、「巨大戦艦大和」の記録。
番組を制作したディレクターによってまとめられた、大和の生存者たちの証言集。
日本帝国海軍の最大の戦艦大和が、沖縄特攻に向かい沈没した時に、その事実は隠された。300名に満たなかった生存者の記憶は隠され、彼らが表で語ることはなかった。
平成に入り、その記憶を残そうと考えた時には、もうその事実からは長い年月が過ぎていた。しかし、戦艦大和に乗り組み、闘い、沈められ、運よく生き残った兵隊たちは語った、その事実を。
番組は生存者を探したが、話を聞くことができたのは、当時比較的歳若かった一般の兵隊のみ。
だからこそ、正式な記録、公式な記 -
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再開発に関わるNHKの番組を元に編集された本。都市部だけでなく地方も含め、タワーマンションに象徴される再開発の様々な問題、失敗、成功の事例を掘り下げている。
前半は失敗例、後半は成功例で構成されている。国からの再開発への補助の仕組みはタワマンや商業施設を作るインセンティブとなり、結果どこの再開発も金太郎飴的になりがち。また令和の今でも残る地上げや、建築費の高騰によって再開発に賛成した後に「梯子を外される」などの問題提起している。
逆に成功事例。タワマンや商業施設ありきではなく、その地方・地域に合った開発の在り方を将来像まで含めて練り上げ作り上げたことが要因になっている。
巨額な資金と長期