NHK取材班のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2011年初めに放送された同名の番組の内容をまとめた本。
番組を見た人にとっては、それほど読む価値は無いかもしれないが、番組に登場したゲーム・クリエーター水口氏のインタビュー・対談集は、番組では放映されなかった部分で、これは読むべき価値がある。特にMITのミンスキー教授との対談は、今後のゲームのあり方を示唆していておもしろかった。日本のゲームは、現状やや凋落傾向にあって、ローカル化が進んでいる。その中で、日本のゲームがどうあるべきか、ゲームは社会に対してどのような役割を果たせるかを研究している人達がいる。
個人的には、あまりゲームには興味が無いけれど、この本に登場するゲームに親しんだ人達が作る社会が、今後どのように変わっていくのかには興味がある。
○ミンスキー教授の言葉
「子供はゲームで楽しく遊ぶ。もっと学術的で役に立つスキルを子供たちに教えるゲームが作れるはず。教育者は、子供がゲームに興じる姿から何も学んでいない。教育者たちが教えたくなるものをゲームにすれば良い。」 -
Posted by ブクログ
借りたもの。
ネット広告における“犯罪”についてをまとめたもの。
それは詐欺広告であったり、アフィリエイターが広告を掲示していない(ように見せて実は表示させ)のに広告費をかすめとるもの等。
詐欺バナー制作者や詐欺動画の出演者、元制作会社の証言による生々しい導入から、その実態をうつす。
詐欺バナー(怪しいサプリに意味のない情報商材)は広告代理店が発注したものではなく、怪しいアフィリエイターが作成したもので、画像の無断転用が横行していた。そこにはネットや他広告の集客技術が悪用されていた。それらが正規のバナーと混在して表示される不愉快さ。
バナー広告枠の今後の展望、ユーザーにとって求められる広告の在り方、“無料サービス”が広告料金によって成り立っているビジネスモデルの在り方の、限界と新しいビジネスモデルの在り方の模索について書いてあるかと思ったら、違った……
しかしネット広告業界で問題視されている“闇”や、20年弱の新興業界であるネットのグレーゾーンの問題点について提唱している点で興味深い。
びっくりしたのは取材班が転送サーバーIPアドレス等の解析から世界のサービス会社を巡っていた事!
「それする必要あるの?」と思いつつ…TV的なリアリティという画の必要からなのか、電話口では埒があかないからか……
推理サスペンスドラマっぽくて読んでいてハラハラした。
漫画村の管理人が捕まる前の話だった。
ネットの世界の性善説は、どんどん終わりを迎えている… -
Posted by ブクログ
とても参考になる内容ではあったのだけど、この本で紹介されている例はアルツハイマー型認知症が主で、幻視や妄想のあるレビー小体型認知症の場合とか、うつ病も併発している場合など、より心理的精神的に大変な症状のある高齢者に対して、ユマニチュードのケアを行う上で工夫すべき点などはあるのかということにも触れてほしかった。
また、基本は同じであると思うけど、看護師さんや介護士さんのようなあくまでも仕事として接するプロと、何十年にわたっていろんな感情をお互いが抱いてきた家族とでは、やはり違いはありそうだし…。そういう点も気になった。
まあ、新書にそこまで期待するのは酷というものか…もっと詳しい本で勉強するべきですね。 -
Posted by ブクログ
知っているようで知らない「軍法会議」。特に、旧日本軍の軍法会議について知られていないのは、終戦時に書類が廃棄されたことと、軍の法務関係者が戦後の法曹界で一定の役割を果たしつつ、軍法会議については沈黙を守ったことが一因であるらしい。
本書は、NHKの取材班がドキュメンタリーとして番組を制作する中で得られた情報、資料等を書籍にまとめたもの。世の中にほとんど知られていなかった資料が明るみに出るなど、一定の役割が果たされたと思う。
太平洋戦争までの戦争体験を持つ人が80歳、90歳という老境に入り、生の証言を得る時間的限界を迎えている。そういう意味では、数は少ないが、関係者の貴重なインタビューが取れたなど、後世に残る仕事といえるだろう。 -
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一番初めに、皆さんご存知「アンパンマンのマーチ」の歌詞が載っていて、これを見ていたら鼻の奥がツーンとしてきた。やなせたかしさんが来し方を振り返ったり、アンパンマンに込めた思いを語っているのを読み進めていく間も、ずっと鼻はツーンとしたまんま。西原理恵子さんがやなせ先生の思い出を書いている所で、あ~ダメだ、とうとう涙が出た。
テレビや雑誌で見るやなせ先生はいつも笑顔だった。身内との縁が薄く、辛いことの多い人生だったというのは、亡くなって初めて知った。長いこと売れなくて、アンパンマンのヒットは七十近くなってからということも、いつも笑いのネタにされていた。本書を読むと、どこまでもサービス精神旺盛で、偉ぶらず、明るくふるまっていた先生の姿が、生き生きと浮かんでくる。同時に、秘められていた悲しみの深さを知り、粛然とした気持ちになる。
学生の頃だったか、「詩とメルヘン」を毎号買っていた時期があった。なんといっても生意気盛りだった頃のこと、タイトルといい優しげな絵柄といい、買うのがちょっと恥ずかしく、ましてや持ってるのを友人に見られるなんて論外で、本棚の隅っこでママコ扱いしてたのを覚えている(ひーん、先生ごめんなさい)。今にして思えば、難しいところのないやさしい語り口の文や、温かい絵のタッチに、「通俗的」と斬って捨てることのできない真実味を感じていたのだろう。いつ頃か処分してしまって、これはとても悔やんでいる。
アンパンマンについては、もう語るまでもない。うちの子二人も大好きで、保育園のお昼寝布団、トレーナー、パンツ、靴、スリッパ、お絵かき帳…、とにかくみんなアンパンマン、なんて時もあった。親子ともにお気に入りだったのは、元祖フレーベル館の絵本で、なんとも渋い色合いが良かった。今でも大事にしている。きっと、これからもずっと、幼い子(とその親)に愛されていくに違いない。
西原さんの文章から。
「辛いとき、悲しいときにこそ、身近な所に小さなロウソクを灯すクセ。小さな希望や、小さな楽しみを見つけて、それに火を灯す。その小さな炎の小さな力で、持たされてしまった負のカードを、明るく楽しいカードへと交換していく」「戦争、飢餓、孤独、別離…そういう負のカードすべてを、とても楽しいお話に変えることで、幸せのカードにしてしまった」「先生、あなたの悲しみは、それはそれはきれいな花になって、今、あちこちで咲き誇っています」 -
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ネタバレNHK取材班・北博昭『戦場の軍法会議 日本兵はなぜ処刑されたのか』NHK出版。海軍法務官から資料や日記を託された北博昭氏の協力で本書は、これまで殆ど明らかにされなかった戦場の軍法会議の実像を明らかにする。戦争末期、士気の低下と食糧不足は相次ぐ逃亡を招くが、いずれも極刑をもって見せしめとされた。
例えば…。飢餓での戦線離脱は最大7年以下の懲役で死刑には当たらない。しかし手続きを変え、死刑が適用される(「奔敵未遂」)。また特攻の強要もたび重ねられたという。前線で兵隊の数が減ることは本来不利な筈なのに、軍法会議関係者はそれを「口減らし」ととらえた。
本書は法の正義が形骸化していた事実を明らかにする。無謀な作戦の責任を取らない軍と高級将校。その責任を末端の兵士に転化する法務官…。軍と司法の歪んだ癒着関係は、戦後日本の体質にも継承されている。戦後裁判官に転じた人間は多いという。
初めて公開された各種文書、そして関係者への丹念な聞き取り調査から、戦時下日本における陸海軍の軍法会議の欺瞞のメカニズムを明らかにする労作。戦争の根源的な矛盾を説得力を持って示す一冊といえよう。
※番組を見ていないのが残念。