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巨大産業に変貌しつつあるゲーム開発。かつては「日本のお家芸」とまでいわれたが、いまや国策としてゲーム産業を推し進めるカナダやアメリカに大きくおくれをとっている。巻き返しはなるのか。日本の天才ゲーム・クリエイターや北米のゲーム関連企業の最前線を追い、コンピュータ・サイエンスと連動するゲームの可能性と衝撃の未来像を探る。
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Posted by ブクログ
これはNHKスぺシャルで大反響があった番組を書籍化したものです。『お家芸』のお株を奪われてしまった日本と国策でゲーム開発をおし進める欧米諸国との対比が面白かったです。 この本は先日放送されたNHKスペシャルを書籍化したものです。僕は今はほとんどゲームをやらないので、最近のゲームに関する動向はまった...続きを読むくわからなかったんですけれど、この本の元になった番組を見てショックでしたね。かつて、日本の「お家芸」とまで言われたゲーム産業はほぼ欧米にシェアを奪われ、その中でもアメリカやカナダでは国策の一環としてゲーム産業を推し進めているという現実と、マイクロソフトなどの巨大なテクノロジーを扱う会社が人間の知覚や感覚を元に操作できるゲームを開発する様子などが記されていて、非常に面白く読めました。 僕はこの番組および本を読むまで知らなかったんですけれど、日本のゲーム製作会社の「レベルファイブ」がスタジオジブリと共同で製作した「二ノ国」というRPGゲームの狂気じみた製作現場が描写されていて、モノをつくる人間の「業」というものを感じさせました。そして、次に僕が驚いたのは、あっちのほうでは、ゲームのユーザビリティーを測る専門の会社があって、そこではプロのゲーマーが一日中ゲームをしているそうです。これには唖然としましたね。子供には理想の環境なのかもしれませんが…。 その部門を統括する上司が 「できないなんていわせないぞ、もっと続けろ!」 「ゲームは感情がないからな、われわれが電源を切るまでゲームは続くんだ!」 と檄を飛ばす場面が、『フルメタル・ジャケット』の訓練風景を連想させました。この産業は巨大な利益を生むので、こういうことが実際にあるということを見せ付けられると、僕もゲームそのものは嫌いじゃないので、複雑なものを感じます。
読み始めは日本と海外の現状のゲーム制作の過程の話で終止それで終わってしまうと思っていましたが、私もずっと思っていた『ゲームって今のままでいいのかな?』へのちょっとした進化が見えておもしろかったです。 日野さんと水口さんをフィーチャーする部分は評価が分かれますが、最後の水口さんと色んな方々へのインタ...続きを読むビューは興味がありました。 結局そういうことなのかよと言われればそうなんですが、いい加減日本の古い考え方をしている開発者&ユーザは気がついて欲しいんです。 モンハン3Pで夜中に一緒にクエストに興じたり、ネトゲで一緒に遊んだりするのって楽しいですよね?だからみんなやっているんですよね? それがこの本の一番の主題と言うか、これからゲームが向かう(向かい始めている)道だと思います。 あとは、ゲームがもっと人の為になる兆しも掲載されていて、ちょっと嬉しかったです。
2010年末から2011年3月ごろのNHKスペシャルでの取材を元にした本。前半は世界のゲーム産業の潮流、後半は従来のゲームの外にあるものとの融合、特に現実世界とゲームとの融合がテーマ。前半では欧米流の開発プロセスに日本の敗因を探り、しかし彼らの真似ではなく日本らしい作り込みから突破口を開けるのではな...続きを読むいか、後半ではゲームが現実世界にも影響を与え、それが良い未来に進んでいくという論が印象に残る。元の取材から2年が経過しているが、当時の最新技術の展望以外はそれほど外れてはいないかと思う。
NHKスペシャルの書籍化。世界を席巻していた日本のゲーム産業が、世界の中でかつてのような圧倒的な存在感を失っている現状を様々な観点で紹介する。 最近でこそ、”ソーシャルゲームの台頭→ゲーム産業の危機?”のような報道を良く目にするようになったが、本書はそのような一面的な議論ではない。 他業種と比べゲー...続きを読むム業界の動向に関する本は少ないが、本書はその中では広い視野で解説された、貴重な一冊である。 下記のテーマが興味深かった。 ・欧米のゲーム開発の現場で進む「オープン化・標準化」の取り組みが、飛躍的にゲームの開発スピード、コスト、質を向上させつつある。(日本はそのような領域で存在感がない) ・これまで同様、天才クリエイターの職人芸によって生みだされる日本のゲームの世界を、二人の天才クリエイター(水口、日野)の仕事を通して紹介する。 ・政策によってゲーム業界の集積に成功した、カナダの事例。 ・ゲームの作る仮想現実と現実との距離を、さらに縮める研究途上の技術。
日本と世界のゲームの今。 フレッシュな話題が多く、読んでいてとても楽しかった。 個人的には、やはり任天堂に親しみがあるので、 頑張ってほしいと思う。 また、ゲームが様々な分野に進出していて、 実に未来性のあるものだと感じた。
海外のゲーム産業の躍進、日本のゲーム産業の凋落、テクノロジーの可能性、産学連携の実情について赤裸裸に語っている内容で好感が持てる。 それでもゲームの可能性と光を見据えている、とても骨のある語り口。 日本の長所と短所を率直に捉えているのが良い。
"ゲームは我々の欲求や夢の鏡なのだ" 現実逃避でも暇つぶしでもない。ゲームは未来を築く原動力にしていけるはず。
2011年初めに放送された同名の番組の内容をまとめた本。 番組を見た人にとっては、それほど読む価値は無いかもしれないが、番組に登場したゲーム・クリエーター水口氏のインタビュー・対談集は、番組では放映されなかった部分で、これは読むべき価値がある。特にMITのミンスキー教授との対談は、今後のゲームのあり...続きを読む方を示唆していておもしろかった。日本のゲームは、現状やや凋落傾向にあって、ローカル化が進んでいる。その中で、日本のゲームがどうあるべきか、ゲームは社会に対してどのような役割を果たせるかを研究している人達がいる。 個人的には、あまりゲームには興味が無いけれど、この本に登場するゲームに親しんだ人達が作る社会が、今後どのように変わっていくのかには興味がある。 ○ミンスキー教授の言葉 「子供はゲームで楽しく遊ぶ。もっと学術的で役に立つスキルを子供たちに教えるゲームが作れるはず。教育者は、子供がゲームに興じる姿から何も学んでいない。教育者たちが教えたくなるものをゲームにすれば良い。」
ゲーム業界の今が垣間見えるドキュメンタリー本です。 まったく業界を知らない人がぱらぱら読んでも、 それなりに楽しめる作りにはなってます。 ただおもしろいネタはちらほら入っているのですが、 ドキュメンタリーなためか人の物語に終始しているところがあり、 もったいないなと思いました。 なにか学びを得...続きを読むたいと思い読み始めた身としては、 属人的な話ではなく構造的な変化という視点からまとめて欲しかったですね。 その辺はちょっと古臭いというかNHK的なところがあります。 いやでも悪い本じゃないです。おもしろいですよ。
読書メモ:『REALITY IS BROKEN』(Jane Mcgonigal)『Society of Mind』(Marvin Minsky)
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