あらすじ
日本で働く外国人の数が、2016年に初めて100万人を超えた。飲食業や建設業をはじめ、低賃金・重労働の業種ほど日本人が集まらず、外国人の労働力なくしては、もはや日本の産業は成り立たない。一方で、日本人の雇用が奪われるのではないかと懸念する声もある。外国人たちの悲惨な「奴隷労働」の実態や、識者や企業への取材をふまえて、これからの「共存」のあり方について多角的な視点でまとめる。
NHK「無縁社会」「ワーキングプア」制作陣による渾身のルポ。
[内容]
はじめに
第一章 最下層労働者たちの実態──シェルターで見た奴隷労働
1 「使い捨て」の実態
2 人権を無視した「奴隷制度」
3 国際社会からの糾弾
第二章 外国人受け入れの建前と矛盾──それでも日本で働きたい?
1 技能実習制度の矛盾
2 変貌する「外国人労働」の現場
3 アジア人材争奪戦における日本
4 人手不足を補う実習生
第三章 「共生」社会を目指して──二〇二〇年の労働力 どうなる?
1 見直される外国人受け入れの指針
2 新しい“格差”──多重格差社会
3 外国人と「共に暮らす」社会へ
おわりに
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Posted by ブクログ
1993年に始まった外国人実習制度。その受入の奴隷労働とまで称される過酷な労働、保証金制度、逃亡、労災隠しと強制帰国、こうした状況に追い込まれる外国人実習生を救うべく活動するユニオン、シェルターなど、NHK番組取材班によって、その実態が綴られている。外国人労働者の子どもたちが直面する貧困、多重格差社会の現状も。しかし、その一方で日本人の労働者が集まらなない人口減少地=過疎地でも、外国人技能実習生を受け入れたことによって、グローバルな経営展開など新たな好循環が生まれている事例なども紹介されている。
2017年から新設された「外国人技能実習機構」が、どこまで機能し、違法労働や違法企業の防波堤となるのか・・・。
Posted by ブクログ
素晴らしい取材と洞察。外国人労働者にきちんと権利を与えてほしいと思っていた。今後も現状と同じことを続ければ国は破綻するのではないか。フランスと同じ道を歩むのではないか、等。自分の住んでいる国で働いた人たちが、良い印象を持って帰ってほしいものです。気に入って住んでもらうのも歓迎。そんな気持ちを言い表してくれているような内容。
Posted by ブクログ
マクロミクロ両方がよく分かる良本。搾取する経営者は本当に許せないが、そうではなくwinwinな事例もあって少しホッとする。やる気のある人が正当な対価と機会を生み出し、少しづつでも正と愛のスパイラルを回していくことが必要。その意味で機会と意義が大きい
Posted by ブクログ
本の帯がちょっと過剰表現じゃないか?って思って読み進めたが、これが衝撃的内容だった。読んでいて日本人としてこの問題を早く解決しないといけないと思った。
そのためには、
・人々の外国人労働者に対しての認識を変えること
→使い捨ての道具ではなく、事業発展の戦力
・長期間滞在しやすい制度づくり。
→家族での移住を可能にするとか。
・日本語教育をもっと自由に受けられるようにする
→オンラインでの教育。
・不当な企業の取締を厳しくする。特に中小の小さい企業。