小林よしのりのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
愛子天皇論の続編ということで、購入しました。皇統は本当に男系男子で継承されてきたのか、女系天皇は本当に易姓革命で、認めるべきでないのか、旧宮家の皇籍復帰は憲法14条違反なのか、そもそもそのような方はいらっしゃるのか、この論点で本書も描かれています。筆者の主張は概ね理解できますが、女系天皇を認めると、今までとは別の皇室になってしまうという思いもあるし、男系に固執すると、皇統断絶してしまうという思いもあり、判断が難しいです。自分は、筆者は批判していますが、皇室典範の「男系男子」の男子を無くして、愛子さんも天皇になれるようにすることを、まず速やかにやるべきだと思います。また、天皇論とは関係ないですが
-
Posted by ブクログ
もはや日本にはA級戦犯などいない、彼らは国内法においては犯罪者でない という認識が国民の了解事項になった。 昭和28年8月 当時の国会議員が社会・共産党も含めた全会一致で決めた。このことは正しい?
「病死の松岡洋右まで靖国神社に祀るのか」と昭和天皇は言われたようだが、巣鴨プリズンで亡くなったからにはねぇ。東京裁判の結果を受け入れるとは言ったが、「判決は履行する」の意味で、侵略をしていたという歴史観まで強要されるのはおかしい。これは当時は全国民の常識だった。降伏を決めた最後の御前会議の出席者の大半や文官で死刑になった広田弘毅など皆、我が身を捨て国を維持しようとした。ポツダム宣言受諾は軍隊の停止で -
Posted by ブクログ
2022年から始まったロシアの侵攻、はっきりNOだが、本書は背景や理由を整理し明確にしてくれた。
ロシアは「国際法を無視しすぎている。軍事目標以外への攻撃、必要性を超える以上の破壊や殺戮」
力の支配を許していれば、力の支配→核保有国の優位になる。仮にロシアの行為を見過ごし、国際法が無力になったら、次は中国が台湾に侵攻するだろうし、次々と領土を広くすることが予想される。
国際法が効力を持つかは、軍事力が弱い日本にとって死活問題。それをロシアは崩そうとしている。他の国と連携して、侵攻を止めさせる大切さを再認識。気候変動や環境問題で取り組むべき地球規模の問題は沢山あるのに、何面倒起こしてく -
Posted by ブクログ
扶桑社の『SPA!』誌に平成五年11月10日号から翌年2月16日号まで連載された分、第76章から89章までを書籍化。筒井康隆氏による断筆宣言に端を発する差別表現の自主規制問題から被差別部落問題に踏み込み、とうとう解放同盟の書記長で衆議院議員の小森龍邦氏との対談に臨むことになる作者。その模様を漫画化の上、対談を掲載。さらに「自主規制」をめぐって討論番組「朝まで生テレビ」に初めて出演。その感想が率直で面白い。作者の初めての朝ナマは思うようにいかなかったようである。
この頃、作者がかましはじめたゴーマンには大変な反響があり、多くの知的な若者に火をつけることになった。「おたく世代の行動の原動力となる -
Posted by ブクログ
扶桑社の『SPA!』誌に平成5年8月4日号から11月3日号まで連載された分の、第63章から75章までを書籍化したもの。本編のほかに新右翼・鈴木邦男氏との対談「"皇室タブー"と表現の不自由」のほか、『SPA!』から掲載を拒否され今はなき『ガロ』に作者が持ち込んだことで話題になった『カバ焼きの日』が掲載されている。『SPA!』に連載の「旧ゴー宣」は幻冬舎から全巻文庫化されているが、単行本と異なり、欄外の書き込みがカットされている。残されているものは、どれも文庫化の際に新たに書き込んだものだ。作者の了承のうえだろうが、残しておいても良かったのではないか。
『カバ焼きの日』の非掲 -
Posted by ブクログ
扶桑社の『SPA!』誌に平成五年4月14日号から同年7月28日号まで連載された分、第49章から62章までを書籍化。実はこの間に掲載されなかった一章がある。それが「カバ焼きの日」で、物議を醸すことを恐れた『SPA!』誌がボツにしたのだ。その辺は第62章で少し触れている。結局この章はあの『ガロ』に持ち込まれ、後に掲載される。
本巻から現在と同じく一章分が8ページとなる。この頃は何かひとつのテーマを追うというのではなく時事ネタが中心である。ニュースや身近な出来事などから社会や政治、国際情勢にゴーマンをかますというスタイル。今よりはるかにギャグテイストが色濃く、エロ描写もふんだん。こうしてみると硬い -
Posted by ブクログ
過去に刊行された『天皇論』を全部読んでいたので、購入しました。表紙にあるとおり、男系継承を批判しています。論点は、旧宮家の人々が皇室に入るのは、憲法違反か否か、皇室は男系の血統を本当に維持してきたのか、女系天皇になることは易姓革命であり、別王朝になるのか、そもそも旧宮家の、愛子さんと同年代の男性はいるのか、というところである。2つ目から4つ目までは筆者の主張は論理的に納得できるところはある。問題は、一つ目の、旧宮家の人々が皇室に入るのは、憲法十四条の門地による差別にあたるのかどうかである。筆者の主張は理解できるものの、この憲法解釈は本当に正しいのか、他の解釈があるのか、判断がつかなかった。本書
-
Posted by ブクログ
前作に引き続き、購入しました。前作同様、どっちもどっち論に与せず、どこから見てもロシアが圧倒的に悪いと主張しています。ロシアは現在も、学校、病院、原発など、インフラをミサイル攻撃し、市民を虐殺し、子供を拉致し、市民の財産を強奪しています。理解できないのは、そのロシアを擁護する日本の政治家、知識人がいることです。本書では、平和ボケ日本人を五つに分類しています。親ロ派、反米主義者、平和主義の人々、陰謀論者、操作論的な人です。面白い分析だと思いました。また、NATO加盟を決定したフィンランドについて記述がありました。主要な建物では全て地下シェルターの設置が義務づけられていて、全人口の八割、440万を
-
Posted by ブクログ
これを書いている時点でロシアによるウクライナ侵略から半年とちょっとが経過している。
開戦当初ははロシアが数日で首都キーウを陥落させるだろうと言われていたのに、ウクライナ軍の大健闘によって、今では完全にロシア劣勢、侵略された地域の奪還が進んでいるというニュースが毎日流れている状況だ。
いい意味で大方の戦局予測が外れた理由は色々あるんだろうけど、やっぱり一番大きいのはウクライナの予想以上の士気の高さだと思う。
士気の高さはもちろんナショナリズムに由来しているのだけど、本書ではウクライナでそのナショナリズムが芽生えた経緯、根底にあった数百年にわたるロシアとの対峙の歴史が詳しく描かれており、やっぱり国