あらすじ
近年、皇族数の減少が続いている。象徴天皇制は国民の間で広く定着しているが、この問題を放置すれば皇室制度の存続そのものが危ぶまれる事態になりかねない。それにもかかわらず、安定的な皇位継承策を巡る議論は一向に進んでいないのが実状だ。
そんな淀んだ空気を打破するように、岸田文雄総理が2023年1月、国会で「衆参両院議長の下で検討される」と答弁。翌月の党大会でも「先送りの許されない課題で国会での検討を進めていく」と強く主張したこともあって、皇位の安定継承を巡る議論が再び動き出しそうな気配となっている。
だが、この問題はすでに結論が出ている。2000年代半ばに当時の小泉純一郎政権が皇室典範改正に向けて立ち上げた有識者会議が出した最終報告がそれだ。
■女性天皇および女系天皇(母系天皇)を認める。
■皇位継承順位は男女を問わず第1子を優先とする。
■女性天皇および女性皇族の配偶者になる男性も皇族とする(女性宮家の設立を認める)。
このときは、秋篠宮紀子さまが悠仁さまをご懐妊されたことで議論は立ち消えとなり、答申を受けた法案の提出も見送られることになる。
だが当然のことながら、悠仁さまのご誕生をもって皇位の安定継承の問題が解消されたわけではない。なぜなら、126代にわたる歴代天皇のうち約半数が「側室」の子であったため制度は長年維持できたものの、大正天皇の御代に事実上廃止となった側室制度を現代に復活させることは不可能であり、皇族がお一人増えたからといって皇位の安定継承にはつながらないからだ。
ではなぜ、議論は立ち消えとなったのか?
それは、男系継承を絶対とする「自称・保守派」の面々が、故・安倍晋三元総理の後ろ盾となり握りつぶしたからにほかならない――。
歴史を遡って「八方十代」(10代にわたって8人)いた女性天皇を「中継ぎにすぎなかった」と言い放つ彼ら「男系固執派」は、1947年(昭和22年)に皇籍を離脱した旧皇族の末裔に当たる結婚適齢期の男子(生まれながらの一般国民)を「準皇族」扱いしてもてはやし、あろうとことか、皇室典範で禁じられている現皇族との養子縁組みを行い、ゆくゆくは愛子内親王殿下と結ばれるよう画策しているのだ。
これは、愛子さまの意思をないがしろにした謀略であり、何より憲法第14条(法の下の平等)の定めた「門地」による差別に当たる。
しかも、彼ら保守を自認する「男系固執派」は、この旧皇族の末裔に当たる男子が「複数人存在する」と言い張り、そればかりか、彼らのうちの何人かは「いざというときのために覚悟はできている」(皇統断絶の危機に瀕するようなことがあれば自ら名乗り出るつもりだ)と証言している、と何の根拠も示さずに主張しているのだ。
共同通信が2021年3~4月に行った世論調査では、女性・女系天皇を容認する声は実に80%以上にのぼっている。にもかかわらず、誰がそれをかたくなに阻んでいるのか……?
『ゴーマニズム宣言SPECIAL 天皇論』(小学館=2009年6月)をはじめ、『新天皇論』(同=2010年10月)、『昭和天皇論』(幻冬舎=2010年3月)、『天皇論 平成29年』(同=2017年2月)を次々と上梓し、天皇という国体そのものを深く探究し続けてきた漫画家・小林よしのりが突きつける衝撃の問題作。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
皇室の皇位継承問題や愛子さまのことで議論されてるけどよく分からない、なんか入門書ないかと思う人にオススメ
現在天皇の継承は男系男子に限るとするきつい縛りがもうけられ、それで将来の皇位継承者が悠仁さまお一人になるという危機にある
国民は女性天皇も女系天皇も女性宮家にも賛成多数だが、しかしどういうわけか男系男子に強硬に固執する人たちがおり、その人たちの力で皇室典範の改正が遅々として進まなかった
その流れは、皇籍に復帰したい旧皇族の方々がいるんだというウソと、それを信じて騙された人たちと、また皇室を滅ぼしたい勢力のタッグにより強固になった
男系男子の論理の破綻
・Y染色体
性別を確定させるのはY染色体ではない。Y染色体はただの運び屋。Y染色体など男性ならだれでも所有しており、そんなものにありがたみはない。男系男子に固執してる人の論拠はだいたいこれなので、これが何の価値もないとすれば彼らの論理は全部崩壊する。このY染色体理論をいまだに布教してる竹内久美子さんは、睾丸が小さいと左翼になりやすいとトンデモえせ科学を言い出したり、レイプを容認する発言をしたことがある…
・旧皇族
旧皇族などという地位は存在しない。あるのは天皇と国民だけであり、そんな一部の国民を特権階級扱いして旧皇族などと呼ばわり、あまつさえ皇籍を取得させてあげるなんてのは、憲法違反である(14条)。またこの考えは容易にナチズムのような血統主義と結びつき、作者の報告によると竹田恒泰さんが罹患しておられるようだ。皇室の方々が尊いのはその血にあるのではなく、豊かな教養と私を捨て公に尽くすその姿勢とそういう教育にある
・それで復帰したい旧皇族とやらはいるの?
いない。そんな人はいない!10年以上前からいるいると言われているが、未だに現れない。小林よしのりにネッシーや宇宙人や河童に例えられている。登場させられないとか言い訳して会見もしない。いや出てきてくれないと話が先に進まないんですけどー!?それで10年以上皇室典範の話は先送りにされたわけだ。どうもこのウソの出所は竹田恒泰さんのようだがどうすんのかね、こんなに多くの人を騙して。みんなが男系男子に固執するのは、復帰したい旧皇族がいるって信じて安心してるからだろう?いつか結局ウソでしたって分かったところで、皇室の方々は全員いなくなり手遅れなんだけど
・易姓革命で王朝が変わる!
中国でいう姓とは特定の男子を祖先とする男系継承の一族のことであり、日本でいう苗字のことではない。中国が夫婦別姓なのは尊いのは男の血だけで女の血は入れないという徹底した男尊女卑の差別がある。この姓は現在の日本の制度にはないし、天皇にも姓はない。そして民間人が皇室に入れば苗字は消えるので王朝交代など起きえない。女性天皇になると革命があああああと騒ぐ人は確実に無知か分かって言ってる極左だ
・それでも政府は復帰したい旧皇族を探している
探してない。もうとっくに諦めてる。旧皇族の復帰など不可能だと分かっててみんなを騙してたわけだ。その種の発言も安倍総理も菅官房長官もしている。もう典範改正して女系天皇と女性宮家を認めるしかないんだが、それはせず逃げ回ってる
・医療制度が整ってるんだから乳幼児死亡率は低くなった、だから側室がなくてもいける
医療制度が整ったのは今に始まったことじゃないし、それでも現在悠仁様ひとりしかいないんだから、死亡率低下と男子女子の生まれる運命は全然別の話。側室こそが伝統と言ってもいいぐらい大事な制度だったが、そんなものはもうない。側室という真の伝統が消滅したんだから男系男子に拘る必要もない
・反日カルト統一教会との親和性
どういうわけか男系固執派は韓国の反日カルト統一教会との親和性が高い。著名な男系派は全員統一教会系の団体で講演した経験があるし、何しろ男系固執派の権化ともいえる安倍晋三その人の家そのものがこの宗教とずぶずぶだった。両者には男尊女卑思想の維持拡散という目的が一致しているが、それにしても天皇・皇室を侮辱してるカルトと保守派が結び付くとは。これが判明した現在、今後男系男子固執派の主張が持ち出されても、常に「統一教会側の信者の皇室を滅ぼすための工作じゃないか?」と疑う必要が出てきたが、これは致命的だろう
内容としてはこのようなもの。はっきり言って男系男子固執派はとっくに破綻してんだけど、全然典範改正が先に進まなかったのは本当に腹立たしい。韓国の反日カルト統一教会に男系男子派の面々が何らかの形でかかわってたことも暴露されてる。反日カルトだから皇室を滅ぼそうと男系男子縛りが正しいとそれらの人に協力するのは何も不思議なことじゃない。保守の鑑と思われた安倍総理がそうだったんだからもう目を覚ませといいたい。それと現上皇上皇后両陛下も女系天皇と女性宮家実現を望んでいたのに、男系男子カルトの安倍総理に白紙に戻された。ひどい。これこそ逆賊だろう。そもそも皇室のことを皇室の方々が決められないっておかしい、これは完全に作者に同意する。それで皇室に愛着などない、嘘に騙されてる素人かカルトと関わってる無知な政治家に決められてんだ、おかしいだろこれ
竹田恒泰氏はもう終わってるな。愛子さまをウ〇コ呼ばわりとは。論理破綻してる上に性根も下劣なのは常に男系固執派だった。主張はともかく彼の本はいくつか読んで勉強にもなってたので残念だ。復帰したい旧皇族はいるなんて言って皆を騙してどう後始末つけるんだろう。間違ってたなら間違ってましたすいませんていえばいいだけなのに。「復帰を望む皇族が20人ぐらいいるんでしょ?だから悠仁様しかいなくても安心じゃん。知らんけど」男系男子で大丈夫という人の根拠はみんなこれなんだけど、全部竹田氏のウソだと知らないとか阿呆にもほどがあるだろ・・・。作者だって最初は男系男子派だったと普通に認めてるし、天皇論を書き直した後も以前とは主張が変わった、わしが間違っていたと普通に認めてる。年が経てば考え方が変わるなんて当たり前なのにそれができない男系固執派
この本を読めば男系固執連中の人権無視具合や非人間的な言動にものすごい違和感を抱くと思う。でその原因が16章で描かれている。彼らは戦前の特に昭和10年代の日本が全体主義と軍国主義にのまれていった頃の時代を理想とし、あれが日本の伝統だと思い込んでいる。それで北朝鮮や中国韓国を偏狭なナショナリズムと嫌悪しながら、日本の愛国心の強制には賛成しているというわけだ。強制は今の北朝鮮やロシアのようになるだけなのでしない方がいい。自分みたいな天邪鬼もいるので、そういうやつは強制されると嫌いになる笑。男系固執連中の言動が浮いてるのは彼らは常に戦時中であり、目的のためなら手段はとわないという極左の革命理論とも一致してるから。カルトも極右も極左もバランス感覚というものがない
あと一つ作者にいいたいのは「わしの寿命はもう長くないだろう。だから愛子皇太子を見られたら満足じゃ」とか言ってるんだけど、諦めんな!長生きしなさい!とりあえずアイスとカップ麺を食うのを止めなさい。あんなのただの毒だから。そして運動すること。だめだあなたが死んでは。ちゃんと愛子天皇を見るんだ
Posted by ブクログ
過去に刊行された『天皇論』を全部読んでいたので、購入しました。表紙にあるとおり、男系継承を批判しています。論点は、旧宮家の人々が皇室に入るのは、憲法違反か否か、皇室は男系の血統を本当に維持してきたのか、女系天皇になることは易姓革命であり、別王朝になるのか、そもそも旧宮家の、愛子さんと同年代の男性はいるのか、というところである。2つ目から4つ目までは筆者の主張は論理的に納得できるところはある。問題は、一つ目の、旧宮家の人々が皇室に入るのは、憲法十四条の門地による差別にあたるのかどうかである。筆者の主張は理解できるものの、この憲法解釈は本当に正しいのか、他の解釈があるのか、判断がつかなかった。本書の主張だけを鵜呑みにせず、他の学説も調べた上で判断したい。ただ、皇室典範にある、男系男子という規定は、かなり厳しい条件である。私自身は、過去に女性天皇は何人もいたのだから、せめて男子という規定ははずし、愛子さんも天皇になれるようにはするべきだと思っていた。あえて皇室消滅のリスクをとりながら、男系男子維持を目指すのか、女系天皇も認め、イギリス王室のような形で、皇室維持をしやすい方向に進めていくのか、日本国民全体が向き合っていくテーマだと思います。皇室について考えを深めたい人におすすめです。