吉本ばななのレビュー一覧

  • イヤシノウタ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    吉本ばななさんの思ったままを書き上げた随筆集。おい大丈夫かよと思うような語りも彼女らしさというところか。巻末の吉本隆明との対談は隆明の娘を思う暖かな言葉が胸を打つ。「たやすく人には告げられないような何かが入っていないと、一級品にはならない」「傍から見ても、そばへ寄って話を聞いても、このうちは本当にいいな。いい夫婦だな。子供もいいなという家庭を目的として、それで一生終わりにできたら、それはもう立派なことであって、文句なしですよ」こんな珠玉の言葉を娘に送れるそれも大病の後、死去2年前に話せる吉本隆明はやはり同時代に生きた傑出した人だったなと感慨深い。

    0
    2024年09月26日
  • ミトンとふびん

    Posted by ブクログ

    何か(主に誰か)を失い傷を負った女性たちが旅に出るなどして小さな幸せを見つける物語。6編の短編が収録されていて、表題作の「ミトンとふびん」と「珊瑚のリング」が良かった。

    自分も同じような状況にあれば大きな救いになったかもしれないが、幸いにも今はそうではないこと、ところどころ登場人物の台詞回しが気になったり、あだ名が気になったりと、違和感を感じる作品もあったことでトータルでは星3つ。

    あとがきは良かったものの、文庫版あとがきで作者のマイナスの感情が語られているのが作品に合わない印象を受け読後感が良くなかったのもマイナス。

    でもいつか救いを求めたい時が来たらまた手に取り好きな短編を読むことも

    0
    2024年09月23日
  • 「違うこと」をしないこと

    Posted by ブクログ

    吉本ぱななさんの本は、どことなくフワッとしてつかみどころのない登場人物がでてきたり、スピリチュアルというか、ちょっとふしぎな話が多くて、好きだったが、ご本人も霊感が強いらしい。

    "宇宙マッサージ"は、なんとも怪しげな響きだが、本来の自分を生きるには、「違うことをしないこと」が大事。
    人が"何か違う"と感じる直感は信じていいということ。

    "社会の仕組みに腹を立てるより、自分のための小さくとも無限の自由と快適を追求した方がいい。"

    0
    2024年09月05日
  • 小説家としての生き方 100箇条

    Posted by ブクログ

    最後のあとがき、必要だったかな?
    誰に対しての言い訳だったのか?

    っていうのが最後に来て、本文残らなかった。。。

    2024.8.26
    131

    0
    2024年08月26日
  • 哀しい予感

    Posted by ブクログ

    初版は1988年か。随分昔になるのですね。吉本ばななの初期の頃の作品の1つを、十数年ぶりくらいに読み返しました。この頃の著者の作品に共通してある、独特な透明感やみずみずしさ、優しい人たち、そして血縁関係や家族の形や死や超自然現象的な力といったテーマが散りばめられています。

    若い頃に読むと、すごく共鳴するところがあるんですよね。残念ながら、読み返して気づいたのは、もうあの頃のような感動を受け取れなくなっているということでした。どんな本にも、読むべきちょうどよい年齢ってありますよねー。
    若い10代20代のうちに読んでほしい本でした。
    自分がこの本の読書適齢期を明らかに過ぎてしまっていてそんなに心

    0
    2024年07月19日
  • 吉本ばななが友だちの悩みについてこたえる

    Posted by ブクログ

    友だち関係に難しさを感じる私に、いい意味で割り切った、シンプルな考え方を下さったように感じた。「学校や職場は友だち作りの場ではない」「お金が絡むと人間関係が歪む」等は印象的な言葉で、ちょっと楽に生きられそうな気がした。

    0
    2024年07月06日
  • ふなふな船橋

    Posted by ブクログ

    船橋とふなっしーを愛する花の生活
    ばななさんの本はどこか幻想的で夢の中のような感覚になる
    船橋という現実的な場所なのに夢の中のような感じ
    実在するお店も沢山出て来て調べるのもまた楽しかった
    この頃には『推し』という言葉は無かったけど、『推し』がいる世界はそれだけで強く明るい世界になれるんだろうな

    0
    2024年06月14日
  • 哀しい予感

    Posted by ブクログ

    欠けた幼い頃の記憶、叔母へのシンパシー__19歳の夏、弥生はその理由を知ることとなる。変わり者と言われる叔母だけど、人を惹きつける不思議な魅力がある...その存在に翻弄される3人がまたいい。ばななさんの柔らかな表現が好きでした。

    0
    2024年06月09日
  • おとなになるってどんなこと?

    Posted by ブクログ

    おとなになるってどういうことか、世間的にはじゅうぶんおとなといわれる年齢になってもよくわからないものだよね。

    0
    2024年06月07日
  • とかげ

    Posted by ブクログ

     何度目かな?
    何度も読み返してる。
    中高生の時に読んでたからか、文章も含めて懐かしく感じる。今まではあまり印象に残ってなかったけど、『キムチの夢』が良かった。

    0
    2024年06月06日
  • とかげ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    過去や停滞と、大いなる運命と変化の渦に巻き込まれるような短編達。
    個人的には長年小説の方が描写に感情移入しやすいので好みだけれど、より短編の方が詩的な印象。
    最後の川の話が一番好きだった。
    明日目が覚めたら新しい日が来るといいなと願って。

    0
    2024年05月18日
  • 「違うこと」をしないこと

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    タイトルと文章全体からほんとうの自分に却って生きよというメッセージを受け取った。私は何か作品に触れるたびTwitter等の媒体を通して他の人の感想を調べてしまう。
    自分で自分の感想を言語化する前に誰かの言葉や感性を探すことでほんとうの自分を押し殺している気がする。私はスピリチュアルな話はとても苦手で読むのにちょうど3ヶ月かかった。想像がしづらいしそういったものを体感的に知らないからどうしても苦手だ。でもスピリチュアルな話の多い宇宙マッサージの人のお話でひとつだけ刺さるところがあった。
    「一人インタビュー」の話だ。
    悶々考えるのではなくひたすら答えていく。
    おもしろそうだしやってみたいな。飽きっ

    0
    2024年05月12日
  • 「違うこと」をしないこと

    Posted by ブクログ

    正直途中のスピリチュアルなところはあまり理解しづらかったが、読み進めるうちに言葉がスッと入ってくるようになった。自分にとって違うことだなって思っていてもそれを止める方がめんどくさかったりするけど、自分の気持ちに正直になろうと思った。違うけどなんか継続してしまうのも後から考えると意味があるんだなと思った。ばななさんにとっての茶道部は私にとってのピアノだった。自分に向いてないけど続けた。続けた方がいいと思った。

    0
    2024年05月08日
  • ミトンとふびん

    Posted by ブクログ

    相変わらずだった。
    男も女も子供も年寄りも
    誰も彼もが美しくてモテモテで
    恋人ふたりだけの清らかな世界に
    けっ!と嘆きつつ
    このぼんやりとあたたかく
    春の陽だまりにまどろむような感じは
    まさに吉本ばななだなー
    と久しぶりに読んで思った。唯一無二。
    そして、やっぱり死人が多い。
    台北の賑わいやヘルシンキの凍える空気
    八丈島の海風なんかをまざまざと感じ
    ちょっと旅に出たくなったりした。

    0
    2024年05月04日
  • 「違うこと」をしないこと

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    吉本ばななさん、小学生の時に読んで以来。かと思ったら、アンソロジーで感動したんだった。

    やわらかく、たんぽぽの綿毛のように軽やかな文体。そっとこころをつつんでくれる。

    いろんな人の価値観や考え方に触れることができた。共感しにくいところもあったけれど、ほー!と思いながら読んだ。ばななさんの文章はやさしい。

    0
    2024年05月02日
  • 哀しい予感

    Posted by ブクログ

    表紙絵好き。
    やっぱり文章の書き方大好きだなあと再確認。
    近親相姦やレズビアンに焦点を当てるバナナさんとのことやけど、私は設定を気持ち悪く感じてしまった。(たぶん私も弟と距離感が近かったからかな)
    お姉さん(ゆきのさん)がどんな姿なのか気になる。

    0
    2024年04月12日
  • とかげ

    Posted by ブクログ

    今回が吉本ばななさんの小説2作目。まだまだ私は吉本ばななさんの表現に理解が追いつかないことがあり、進んでは戻りを繰り返してなんとか読み終えた。少し暗い話が多い中で、個人的には本名である「とかげ」よりも「キムチの夢」が好きだった。同じ空間で同じものを食べて同じ匂いをかぐ。ともに生活していると同じ夢をみることが私と夫にもよくある。寝ている時も同じことを共有できることって幸せだなぁとふと思った。

    0
    2024年04月09日
  • 生活を創る(コロナ期) どくだみちゃんとふしばな9

    Posted by ブクログ

    乙女心を持ちつつしっかり現実を生きてる。
    いろいろなトラブルがありながら、(大家さんと裁判沙汰になったり動物虐待を疑われてのりこまれたり)ブレずに大切な人やペットたちを大事にしながら生活している。
    愛犬が毎回、ちぎれるほど尻尾を振って迎えてくれる。
    そんな毎日が永遠に続いてほしい、あの世でも続いてほしいってわかるわぁ。
    永遠じゃないってわかっているからこそ愛おしい。
    義父を92歳で見送って、もう4人の親たちはいなくなってしまったと…。
    私もひとりだけいる義母を大事に寄り添ってこうと思った。

    0
    2024年03月29日
  • とかげ

    Posted by ブクログ

    よしもとばななさんの本は好きで
    たまに読みたくなる。
    今回のは少し読みにくい感じがしたが
    細かて繊細な感覚の表現が素敵だった。
    少し暗くて重い感じの話が多かったなぁ。
    春になったから次は少し軽やかな本が読みたいな。

    0
    2024年03月19日
  • 吉本ばななが友だちの悩みについてこたえる

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    旅のお供として。吉本ばななのエッセイって初めて読んだかも。つーか、吉本ばなな自体、超久々に読んだわ。題名のとおり、友達に関する相談に答えるという形。これをエッセイとは言わないのかもしれんな。あとがきによると厳しすぎて全部読めない、という人もいたそうだ。全然そうは思わなかったな。私も率直に生きたいと思ってはいるけど、やっぱ難しい。でも他人からは比較的正直にものを言う人として見られていると思う。あと、結婚について、経済をともにすることであるというのが強調されてて、なるほど、と思った。やっぱ金が絡むといろいろあるよね。私もあのお金が返ってくるとは思えないし。

    0
    2024年03月04日