吉本ばななのレビュー一覧
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吉本ばななさんの思ったままを書き上げた随筆集。おい大丈夫かよと思うような語りも彼女らしさというところか。巻末の吉本隆明との対談は隆明の娘を思う暖かな言葉が胸を打つ。「たやすく人には告げられないような何かが入っていないと、一級品にはならない」「傍から見ても、そばへ寄って話を聞いても、このうちは本当にいいな。いい夫婦だな。子供もいいなという家庭を目的として、それで一生終わりにできたら、それはもう立派なことであって、文句なしですよ」こんな珠玉の言葉を娘に送れるそれも大病の後、死去2年前に話せる吉本隆明はやはり同時代に生きた傑出した人だったなと感慨深い。
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Posted by ブクログ
何か(主に誰か)を失い傷を負った女性たちが旅に出るなどして小さな幸せを見つける物語。6編の短編が収録されていて、表題作の「ミトンとふびん」と「珊瑚のリング」が良かった。
自分も同じような状況にあれば大きな救いになったかもしれないが、幸いにも今はそうではないこと、ところどころ登場人物の台詞回しが気になったり、あだ名が気になったりと、違和感を感じる作品もあったことでトータルでは星3つ。
あとがきは良かったものの、文庫版あとがきで作者のマイナスの感情が語られているのが作品に合わない印象を受け読後感が良くなかったのもマイナス。
でもいつか救いを求めたい時が来たらまた手に取り好きな短編を読むことも -
Posted by ブクログ
初版は1988年か。随分昔になるのですね。吉本ばななの初期の頃の作品の1つを、十数年ぶりくらいに読み返しました。この頃の著者の作品に共通してある、独特な透明感やみずみずしさ、優しい人たち、そして血縁関係や家族の形や死や超自然現象的な力といったテーマが散りばめられています。
若い頃に読むと、すごく共鳴するところがあるんですよね。残念ながら、読み返して気づいたのは、もうあの頃のような感動を受け取れなくなっているということでした。どんな本にも、読むべきちょうどよい年齢ってありますよねー。
若い10代20代のうちに読んでほしい本でした。
自分がこの本の読書適齢期を明らかに過ぎてしまっていてそんなに心 -
Posted by ブクログ
ネタバレタイトルと文章全体からほんとうの自分に却って生きよというメッセージを受け取った。私は何か作品に触れるたびTwitter等の媒体を通して他の人の感想を調べてしまう。
自分で自分の感想を言語化する前に誰かの言葉や感性を探すことでほんとうの自分を押し殺している気がする。私はスピリチュアルな話はとても苦手で読むのにちょうど3ヶ月かかった。想像がしづらいしそういったものを体感的に知らないからどうしても苦手だ。でもスピリチュアルな話の多い宇宙マッサージの人のお話でひとつだけ刺さるところがあった。
「一人インタビュー」の話だ。
悶々考えるのではなくひたすら答えていく。
おもしろそうだしやってみたいな。飽きっ -
Posted by ブクログ
ネタバレ旅のお供として。吉本ばななのエッセイって初めて読んだかも。つーか、吉本ばなな自体、超久々に読んだわ。題名のとおり、友達に関する相談に答えるという形。これをエッセイとは言わないのかもしれんな。あとがきによると厳しすぎて全部読めない、という人もいたそうだ。全然そうは思わなかったな。私も率直に生きたいと思ってはいるけど、やっぱ難しい。でも他人からは比較的正直にものを言う人として見られていると思う。あと、結婚について、経済をともにすることであるというのが強調されてて、なるほど、と思った。やっぱ金が絡むといろいろあるよね。私もあのお金が返ってくるとは思えないし。