吉本ばななのレビュー一覧
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表題作「とかげ」の最後のフレーズが好きです。
子どもというのは大人が考えているよりも繊細で、自分で物事を考えているので、思わぬところで負った傷が大人になっても消えずに残ったままというのはよくありますよね。些細なことも含めるなら、こういうトラウマのようなものを抱えて生きている人は実際に多いと思います。
大人になってからその傷を癒すことで、子どもの頃の自分を抱きしめてあげられるような気がします。
また、その傷が他人に簡単に癒せるとは思いませんが、似た寂しさを抱えた人同士だとわかりあえることはあるんだと思います。作中の2人の場合、それが互いの癒しに繋がるのではないかなと思いました。
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Posted by ブクログ
ネタバレ
「本当に気の入った人と人同士はいつもこんなふうに追いかけっこをしている。タイミングは永遠に合わない。
そのほうがいい。二人で泣いて何になる。」
スピリチュアル要素が多くて、頁数の割になかなか読むのに時間がかかったけど、日本の自然、インドの自然、街、ビルや人の色彩が鮮やかに浮かんでくる素敵な文章だった。
お母さんと、祖母の遺骨と一緒に定食を食べて2人で泣くシーン、そして最後の小さな家族会議がなんとも言えない辛さと空虚さで泣きたくなった。
夜遅くのミスドであったハチと、一生分かり合えないと思って、それでも一緒に家から逃げたお母さんと、でもやっぱりもう一緒に暮らすことは、生涯ない二人とマオち -
Posted by ブクログ
浅井リョウさんが勧めてたのと表紙の絵が綺麗で印象に残っていて読んだ。
この著者、学生時代にも夏休みの課題図書になったりして読んだけど、悔しいけどどうも自分には合わないみたいだ。
読んでると、どうやったらこんな登場人物みたいに素敵な大人に育つ事が出来るんだろう、とひねた見方をしてしまい自分の性格の悪さみたいなものを突きつけられるようで辛い。あとこの著者の著作を絶賛する人たちも自分には眩しく見えて辛い。
でも多分これが普通の感性で良識ってやつなんだ、という教科書にはなるかもしれない。表紙も綺麗だし時々立ち止まって、良識あるすてき、というものを確認するのに本棚に置いておいても良いかも。 -
Posted by ブクログ
朝井リョウさんが出版区というYouTube で勧めていた本で、『難しい言葉を一切使わずかかれていて染みる。』とコメントされていて、読んだ。
金沢、台北、ローマ、八丈島で悲しみが小さな幸せに変わるまでがかかれている。という短編。亡くなった人について、“鬼籍に入られた”ていう表現を読んで知った。
悲しみが小さな幸せに変わるまで。と書いてあったけど?がそこそこ普通に悲しくて落ち込む。染みるというか、私は落ち込んだ。笑。毎日ちゃんと暮らして来なかったのかとか。心を許せる人をもう少し増やさないといけないんじゃないかとか。笑。
ローマの話はそのなかでもカジュアルなほうで?イタリア人の良いところがでてい