吉本ばななのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ役に立ちたい、認められたい、特別だと思われたい。社会人になってから、今まで感じてこなかった感情や欲望と出会って、うまく付き合えずに戸惑っていたけれど、なかったことにしなくていいんだと思ったら、ちょっと楽になった。
・大人になんかならなくっていい、ただ自分になっていってください
・(病院の検査についてきてくれた父と祖母に対して)私だけではない、このついてきてくれたふたりにとっても、今日は自分のしたいことができる一日だった
・大人になるということは、子どもの自分をないことにせず、ちゃんと抱えながら、大人を生きるということ
・私は人間はそんなに器用だったりたくさんことができる存在ではないように思います
・人生にはいろいろな形の友情があります。型にはめていかないでどれをも味わって大切にしたら、やっぱり人生は豊かに彩られる、そう思いませんか? -
Posted by ブクログ
死者は、やさしい面影だけを心に広げる。
でもそれは本人じゃないから、昔のこととはいえもっと遠くなる。もう見えないくらいはるかに遠い。手を振っている。笑っている。でもよく見えない。
その人がその人であることは、壊れて行く自由も含めてこんなにも美しい、人に決めてもらえることなんて何一つ本当じゃないんだな、としみじみ光るように生きる彼女を見ていて私はよく思った。
各家庭に、はたからみると考えられないような問題があって、それでも食事したり、そうじしたりするのには何の支障もなくて毎日がすぎて行って、どんなに異常な状態にも慣れてしまったり、他人にはわからないその家だけの約束事があって、どろどろになっても、まだいっしょにいたりするのよね。
ある種の愛が家庭を存続させるのに必要、なのよ。愛ってね、形や言葉ではなく、あるひとつの状態なの。発散する力のあり方なの。求める力じゃなくて、与えるほうの力を全員が出してないとだめ。
そういうときって、あると思うよ。ずうっと、家にいるときとか、考え事が止まらなくてじぶんがみじめになるときとか。大きくなってもあるよ。なんでも出来るようないい気分になる時と同じくらい、あるはずだよ。そういうのくりかえして、時間が過ぎて行くんだよ。誰もこのくらいで、おまえを決めたりしないよ。
誰かのために自分の本当に楽しいことを削って、あの子のせいでつまらない思いをしているのを見せつけるより、きれいで幸せでいたほうが、結局はあの子のためだと思う。
私は彼の傷ついた分量を知らない。
彼がそれを癒すのにどのくらいかかるかを測れない。
人間が自分や他人にしてやれることの話よ。それが、愛、でしょ?どこまで信じ切れるか、でしょ?でもそれをやろうとすることのほうが、考えたり話し合うよりどれだけ大変か。どれだけエネルギーを使い、不安か。 -
Posted by ブクログ
よしもとばななの『ハネムーン』を手に取ったのは妻が病気を患ったのがきっかけでした。
タイトルの『ハネムーン』を見て、妻との楽しかった思い出を懐かしく思ったからです。
と思って読み進めたら、おや思ってたのと違うぞと!
義父のカルト宗教問題とか想像していた明るく楽しい新婚旅行の甘い物語はどこへ行ってしまったのか?これでは逆効果じゃないかと。
そういえば、ばななさんの本は「喪失と再生」の話が多い、それに加えカルト宗教か!
でも、そんななかでも心に刺さるメッセージがありました。
在り来たりかもしれないけれど、何でもないような何気ない日常が、いかに掛け替えのない大切なものであるか、ということ。
妻の病気をきっかけに、もし大切な人を失ってしまったらと、胸が苦しく涙が止まらず底知れない恐怖と悲しさに襲われました。
その時思い浮かぶのは普段かけてくれる言葉や笑顔、日常の事ばかり。
本書は大切な人と過ごすifの恐怖と共存している今ある日常という時間を大切に育む物語だと感じました。
特に心に残ったのは最後、イルカが黒い海から出てくるシーンなんだけど、一見辛そうに見えているが泳ぐイルカ達の姿は希望に満ちていて今ある日常と家族の大切さを教えてくれているように感じた。
本書は忙しさにかまけて忘れがちな日常の大切さと家族の愛しさを改めて気づかせてくれる心温まる物語だった。
これからは毎日を大切に想い、たくさんの良い思い出を作っていきたい。後悔しないように、喜んで貰えるように大切な人のために。