日明恩のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
幽霊の見える少年:明生と、過去の出来事がきっかけで職を辞した須賀原。現世に未練がある幽霊の想いを汲み取り、送り出していく連作ものである。明生の腕に触れることで須賀原は幽霊を見ることができる。
ホラー要素というより、人生の後悔や生きている人、亡くなっている人双方の心情に迫った内容。
犬や池で亡くなった少女のように同情するエピソードもあるが、圭子のエピソードのように、読んでいるこちらが恥ずかしくなるような「死に方」もあり、飽きずに読み進められた。
終章では須賀原本人の過去の伏線回収に至る。心がギュッとなるような思いだった。
坂木司『和菓子のアンソロジー』に参加した作家であり、こちらの作者がその本で -
Posted by ブクログ
ネタバレ幽霊が見える桧山光希くん、18歳の誕生日に分籍届を出すことを目標に、九州から家出して上京。
両親との確執、いじめ、親友の死など、色々辛いことを経験し、かなり弱っているところ、足場工事会社「須田SAFETY STEP」の社長に助けられ、そこに身をおくことになる。
主人公の光希くんが、社長や先輩社員や色んな人達と関わっていくことで、辛い過去を乗り越えていくお話。
日明恩さんの本、久しぶりに読んだ。
多少、出来すぎな感じもするけど、スラスラと楽しく読めた。
登場する人が、基本的にみんな好い人で、読んでいて安心する。
浩太郎くん、良いキャラクターで好き。亡くなってしまっているのが残念だ。
金髪で資産 -
Posted by ブクログ
憧れて手に入れた仕事にも嫌な事はある。
こんな仕事辞めてやる!という仕事の中に、
笑顔になる一瞬がある。
生活の為に働くのだから割り切る、
という考えもある意味正解だと思うし、
この仕事が天職だと思っていたのに、
向いてないって挫折する事も多分ある。
大変そうだね、と言われる仕事に、
笑顔で楽しげに関わる人もいる一方で、
誰もが羨む職業に就いているのに、
人知れず悩んで塞いでいる人も多分いる。
早期退職に憧れた時期もあったけど、
社会の片方にしかいられない人生が楽しいのか、
自信がなくなってきた。
助け合って社会を作って生きていく上では、
誰もが自分の役割を「ちゃんと」する事が、
大事なの