角川書店のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ
じいさんの手で育てあげたのに、どうして思いのままにならないのか。
古代貴族の男女関係では、「見る」ことは特別な意味を持っていた。女性にとって、男性に姿を見られることは自分の魂を所有されることに等しかった。
いつ、だれが書いたのか、わからない
作中より
竹取物語、竹取の翁の物語、かぐや姫の物語、名称は数多く、様々なパターン、バージョンがあると言われている竹取物語の編集本。
訳文、本文、解説とチャプターごとに進行していくのでわかりやすかったです。時代によって、主人公の立て方、書き手によって、いかようにも姿が変わる古典。
それでも十分に当時の男女関係の不自由さ、反体制的なラインが読み取れます。最初は作者は女性か、それに近い性別の人間が書いたのかな、と思っていましたが、有力候補は中級貴族の男性知識人とのこと。
高貴の姫君は人ではないのね
かぐや姫の物語より
高畑勲監督の『かぐや姫の物語』でもこれを題材にされていました。女性の生きづらさ、普通に求婚を断ることの難しさがよく描かれていました。なので、姫のことを意地悪、冷酷、強か、と捉えることはどうしても思えませんでした。時代が時代で、男性の自尊心は今では想像できないほど肥大していたことでしょう。ですが、それは相手も同じです。相手も同じように自尊心を持つ人間なのだということも作品に込められたメッセージなのかな、と思いました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ吉田兼好は、晩年の爺さんが硯に向かって常に何かしら書き記してるような文藝人間のようなイメージがあったが、兼好8歳ぐらいのときのエピソードがあったり、不動産投資家みたいなとこがあったり、意外な部分もあった。
友達はいても心から話せる友達でないと、気を使ったり我慢したりして、かえって孤独感を感じるし虚しくなる。とか、読書は古今東西見知らぬ人と友達になるようなものだ。みたいな文章があって、雑誌のコラムに載ってそうな感じがする。
財産や利権にしがみつく者も、仁義や仏法にしがみつく君子や僧侶も同類で過度の執着は己の心を曇らせ、破滅を誘う、みたいな文も良かった。
女によって男は磨かれ、外見とかも取り繕おうとする。って書いてる割に、女は要らぬことまでよく喋り、利己主義で頭が回るのに、変なことを遠慮し、素直でないくだらないものと評してるのが面白い。今だったら批判されたかもしれない。
ペットを飼うことの批判とかも面白い。自由に動き回る獣や鳥を檻に閉じ込めて束縛するのは、動物のこれからを生きる喜びを奪い苦しめると言った旨だが、今のコロナ禍にも一筆書いて欲しい。いくら好きでも四六時中いたら嫌な部分も出てくるだろうし、別居してたまに会うぐらいの方がお互い新鮮で良いだろうと現代に通ずる非婚みたいなことも述べてたりする。
いろんな書籍からの教えを引用してるのを見るに結構読書家・勉強家なのかもしれない。 -
Posted by ブクログ
日本が世界に誇る文学の名作を読んでみようと思い、まずは読みやすそうな徒然草から。
今も昔も変わらない人間の本質の話や、処世術など内容は多岐にわたる。その中でも、人の無常観は印象に残った。四季の移ろいや自然の変化は人の関与できない部分であり、何人にも平等である。それに敏感になれるかは日常の豊かさに繋がる。
祭りの話で
祭りの中の一番の盛り上がりだけを見るだけではもったいなく、祭りが始まる前のドキドキ感や終わった時の虚しさなど一連の流れ、移り変わりを含めて楽しむものだ
というものがあったが、納得。
コスパを求めて盛り上がりだけ体感してしまいそうなので、移り変わりを楽しめる大人になりたいです笑 -
Posted by ブクログ
源氏物語のダイジェスト版
気になるけど長いんだよな…って方におすすめ。
私もその1人でした。
・ビキナーズ版について
各章の出来事が簡潔に網羅されています。
名場面は訳文と原文までが載ってあって、理解が深まるコラムも多く、非常に良質な本。
ただ、ダイジェスト版なので仕方ないですが、登場人物達の詳しい会話がほとんどカットされているのでそれぞれの人物像を思い描くことは難しい。
・源氏物語について
初めて源氏物語を読む私に、色事の連続はなかなかの衝撃でした。現代人の感性ではそんな光源氏に引きがちですが、当時はそれが優れた男の証だとコラムに書かれていました。なるほど、古典は現代の感性で読んでは楽しめないのだなと認識しました。
話の内容もまた曖昧でわかりにくいのです。これまた当時の価値観、奥ゆかしさ なんでしょう。
現代の感性でもすごいと思えたのは、古風で美しい日本語たちです。ついつい声に出して読みたくなりました。空蝉、朧月夜、木枯らし などなど…
光源氏の死が雲隠れとだけ書かれているのもまた、何とも粋な感じがしました。
現代の感性では良さが100%伝わりませんが、歴史的傑作であることに間違いないことは、読んで強く感じました。 -
Posted by ブクログ
田辺聖子の「鬼の女房」の題材に今昔物語の話が多く使われていたので気になって読んでみた。
安定の角川ソフィア文庫。現代語訳と原文と寸評のバランスが良いですね。話が長いものについてはあらすじが入ってるのでよりわかりやすい。
初心者が読むにはもってこいです。
インド、中国、日本の説話集。
好きな話は、「炎に飛び込み、身を焼いて食事に差し出したウサギ」。
ウサギの馬鹿真面目さが面白いしかわいそうになってくる。
普段芥川作品を読まないので、ところどころで芥川龍之介がこの話に取材して〜とあったのが新たな発見でした。
芥川作品に興味が湧いたので読んでみたいなぁと思います。
特に藪の中がどんなお話になるのか気になりすぎる、、
平定文の、恋い焦がれて死んでしまった話は崇徳院の和歌「瀬をはやみ〜」の落語にオチが似てるなあと思うと同時に、片思いで死ぬのは昔からよくある話なのかと思いました。ありがちなのかね。
そして欠巻があるということで、もしかしたら今後見つかるかもしれないですね…! -
Posted by ブクログ
ネタバレ今年、色々な有名人が亡くなったが、1番衝撃を受けたのはさくらももこ。ちびまる子ちゃんが始まったのは小学生の時で、そこら中で丸尾のマネをみんながして、青ざめたときの顔に斜線が入る事を擬音で表現して、もちろんおどるポンポコリンも誰もが歌えた。ちびまる子ちゃんを見ると、今でもそういう教室の風景を思い出す。さくらももこはまだまだ若い方だと思っていたので、そういう郷愁みたいなものと相まって、死ぬということが一番遠くにあるような作品の作者が死んだことの衝撃は大きかった。いろんな、追悼文を読む中で、さくらももこの作文を読んだ学校の先生が現代の清少納言と評したという文章に出会い、枕草子は古文を習って以来読んだことがないが、追悼の意味を込めて読んでみた。ところどころ、というか、多くは文化の背景への無理解からよくわからないところがある。これが果たしていい文章なのかはわからない。今のエッセイを読む感覚で読んではダメだと思う。ただ、ところどころ今の人と同じような感覚を持っていたんだなと感じることができ、歴史ではない、その時生きていた人の生臭さが漂い、それがおもしろい。清少納言が宮中に仕えたのは彼女が生きたと言われている60年間の中でほんの数年らしい。宮仕えの後はだいぶ貧しい生活をしていたらしい。その数年の間で、たまたま仕えていた人からもらった紙の束に書き散らかしたものが、枕草子で、それがたまたま世に出たようだ。そのほんの数年間たまたま書いていた物が、1000年の時を越えて今読めるということの事実に果てしないロマンを感じる。それが感じられただけでも読んでよかったように思う。人は1000年くらいじゃたいして考えは変わらないという人間の小ささ。変わるのは文化だけだという、大きな器が違うかどうかだけの世界でああだこうだ言いながら一生懸命生きている人間の愛らしさが好きになる1冊。徒然草でも読んでみようかな。
なんにせよ、さくらももこ、この人が年をとっておばあさんになって、そして何を書くのか、それが読みたかったな。 -
Posted by ブクログ
因幡の白兎を絵本で読んだことがあり、八俣の大蛇とか草薙の剣は名前を知っている程度の知識だが会社の方からお借りしたので読んでみた。
あれあれ?因幡の白兎を助けたのってヤマトタケルではなかったの!?子供の頃の絵本にはヤマトタケルって書いてあった気がするのに(^_^;)
これを読むとヤマトタケルは想像していた人格と乖離があった(^_^;)
一つ一つのお話のハチャメチャ振りがなかなかに興味をそそり面白かった。
しかし人物名がなかなか頭に入ってこない。
先日熊野古道を歩いたが、このヤタガラスの話を読んでいたら少しだけ旅行の楽しさも割り増しされていたかもしれない。
出雲に出かける際は是非とも再読してから旅行してみたいところ。