岡本綺堂のレビュー一覧

  • 西郷星

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    奇譚集。収録作品は、俳諧師鬼貫/不孝者/水野十郎左衛門/吉田家滅亡/大森彦七/新長恨歌/心中の味/埋れ木/黒狐/西郷星。

    一つ一つの物語は読み進む手が止まらない、魅力にあふれた文章なのだが、余韻が後を引く作品は多くなかった。綱吉治世下、奴組を率いて世に悪名を轟かせた水野成之にまつわる挿話「水野十郎左衛門」。アイヌの誇り高き戦士が、市井に慎ましく生きる道を選ぶに至った物語「黒狐」。「西郷星」は、西南の役を起こした西郷隆盛に共振するかの如き運命を辿った男を描く。

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    2017年07月11日
  • ちくま日本文学全集岡本綺堂

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    何回読んでもあんまり覚えてないが
    歯切れのいい江戸弁が気持ちよくて
    読むの大好き。
    三浦老人のはちゃんと読んだことないから
    探して読もう。
    最後の戯曲は読んだことなかったけど
    イマイチポイントわからなかった。
    言葉が豊かで細かで美しいのがいい。

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    2016年07月20日
  • 半七捕物帳 巻の一

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    シャーロック・ホームズもそうですが。
    原初、オリジナル、先駆者、パイオニア…そう言った作品に独特の、風格というか、大人の雰囲気っていうのがあります。
    細かい、飽きさせない芸とか、どぎついツカミとか、引っ張りとか、業界ものみたいな詳しさとか、そういうことではなくって。
    実に堂々とゆったりと。そして、その舞台の街の息遣いが聞こえてくるような、ハっとするような瑞々しさ。

    半七捕物帳。岡本綺堂。恥ずかしながら初めてでした。

    「面白いよ」と、前々から聞いていて。
    渋好み、歴史時代小説通、近代日本文学好き、読書マニア…そんな人たちから、評判は聞いたり読んだり。
    電子書籍になってるので、ふと読んでみました。

    江戸の岡っ引きの「半七親分」。幕末に活躍した設定。
    仕組みとしては、明治に入ってから、とある青年が、老人・半七から往時の話を聴く、というスタイルをとっています。

    ちょっとおどろどろしい趣の話がありつつ、人の業というか、欲と色との破滅劇を淡々と見守る視線。
    池波正太郎さんに受け継がれたんだなあ、と感じました。

    幕末の江戸時代の、街の匂いというか、風俗が、実に気負わず、するっとさらっと、味わいたっぷりに書かれています。
    むしろその、市井の人々の名も無き背中のぬくもりを感じるのが、いちばんの魅力とも言えます。

    無論のこと、岡本綺堂さんはシャーロック・ホームズなどを意識して書いて居るのだと思います。
    そうなんだけど、それが見事に、江戸の街中に溶け込んだ感じが。
    当時のロンドンと、勝るとも劣らぬ大都会だった江戸。
    そんな微妙に、自分の親、祖父母、故郷を、ささやかに密やかに誇らしく愉しむような、そんな読書でした。

    渋い。








    ※
    以下、各話の個人的な備忘録。


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    ●お文の魂
    女好きの悪党坊主がいた。
    ある奥方様と幼い娘が、言いくるめられた。
    草草紙に出てくる「おふみ」という女の幽霊が出るぞ、出るぞ、と。
    信じ込んでいた母娘を、半七が助ける。

    ●石灯籠
    死んだはずの娘が、屋敷に戻ってきた。またいなくなった。
    石灯籠の足跡?から、身軽な女が化けている、と暴いた。
    犯人は軽業師の女。

    ●勘平の死
    素人芝居で忠臣蔵。
    勘平自害の場面で、若旦那が本当の刀で切腹、死んでしまった。
    恋敵になっていた使用人が、刀を入れ替えていた。

    ●湯屋の二階
    湯屋の二階、という、喫茶店とキャバクラの間みたいな場所。
    そこに入り浸る謎の武士たち。
    実は、敵討ちの使命を帯びた不良侍だった。

    ●お化師匠
    若い娘をいじめ抜いて、「お化け師匠」と呼ばれる中年女が死んだ。
    蛇が首に巻きついていた。
    犯人は、若い娘の恋人の男だった。

    ●半鐘の怪
    半鐘が勝手になりだす事件があった。
    犯人は猿。
    犯人と誤解された不良少年がいたずらしたりして、混乱した。

    ●奥女中
    大名の奥方様。娘が死んだ。気が触れた。
    よく似た町娘を拉致して、身代わりにしていた。
    それを知った悪党が、成り代わってゆすろうとしていた

    ●帯取の池
    心中の男女。
    女が死んでから、男は怖くなり、帯だけもって逃げ出して、
    池に帯を捨てていた。

    ●春の雪解
    妾が、恋敵を殺していた。
    きっかけは、盲人が「あの家はなんとなく怖いから」と。


    ●広重と川獺
    武家屋敷の屋根に少女の死体。
    鷲が運んでいた。

    川獺がヒトを襲うことがある。
    川獺に襲われた人が、自分の女の間男に襲われたことにして、訴える。
    川獺があがって、それが露見する。

    ●朝顔屋敷
    子供の塾のようなところ。大身の息子が、ひょんなことからいじめに合う。
    それを回避するために、登校拒否。
    神隠し、ということにして屋敷内に隠れていた。
    渡り中間みたいな悪党がそれをネタに金を取っていた。

    ●猫騒動
    猫好きな老女が、近所に責められて猫を手放す。
    だが、猫が乗り移ったようになり、殺される。

    ●弁天娘
    金持ちの商家の娘が、使用人とデキていた。
    遊びで針をついて、男は病死。
    ネタにゆすられて金を払う娘の両親。
    ゆすった悪党の女は、亭主も殺す。

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    2016年06月23日
  • 蜘蛛の夢

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    収録作品は、火薬庫/蜘蛛の夢/放し鰻/平造とお鶴/穴/有喜世新聞の話/慈悲心鳥/女俠伝/馬妖記/廿九日の牡丹餅/真鬼偽鬼/恨みの栄螺。

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    2016年05月24日
  • 今古探偵十話 岡本綺堂読物集五

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    収録作品は、
    今古探偵十話: ぬけ毛/女俠伝/蜘蛛の夢/慈悲心鳥/馬妖記/山椒魚/麻畑の一夜/放し鰻/雪女/平造とお鶴、
    附録: その女/三国の大八。

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    2016年05月18日
  • 探偵夜話 岡本綺堂読物集四

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    収録作品は、
    探偵夜話: 火薬庫/剣魚/医師の家/椰子の実/山の秘密/蛔虫/有喜世新聞の話/娘義太夫/穴/狸尼/狸の皮/百年前の黒手組、
    附録: 女教師/密漁。

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    2016年05月18日
  • 近代異妖篇 岡本綺堂読物集三

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    収録作品は、
    近代異妖篇: こま犬/異妖編/月の夜がたり/水鬼/馬来俳優の死/停車場の少女/木曽の旅人/影を踏まれた女/鐘ヶ淵/河鹿/父の怪談/指輪一つ/離魂病/百物語、
    附録: 雨夜の怪談/赤い杭。

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    2016年05月18日
  • 半七捕物帳(一)

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    ネタバレ

    「月光夜噺」において、なにやら絶賛されていたので
    気になって手に取ってみる。

    いや、なにこれ、おもしろい。
    大正時代に書かれただって?全然古くない。
    なんだか、話の上手いひとが、ひっじょーに分かりやすく
    事件のあらましを説明してくれているようで、
    まさしく、作品の在り方が、聞き書きなわけだが、
    その真骨頂って感じ。
    無駄がない。
    かといって、事務的ってわけではなく、そこに確かに江戸の人たちが生きている。
    こーゆーことがあったんでさあっと半七老人の昔話を本当にそのまんま閉じ込めたよう。
    これは、全六巻読んでみるべし。

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    2015年10月05日
  • 青蛙堂鬼談 岡本綺堂読物集二

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    嗚呼、私怪談会に呼ばれても持ちネタないなぁ(溜息)、と残念に思う程素晴らしく素敵な話の数々。
    江戸時代にして、「残穢」みたいな土地の記憶やら、それを辿っていったりだとか。
    そして安房が舞台!ちょっと主人最低だな、と思いつつ、屍鬼か白暮か、といった趣。
    ふとした瞬間に陥りそうな狂った感覚が自然で。
    うーん、最近読んだ中で一番で、本当綺堂すごいなぁ、と感心。

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    2015年09月15日
  • サンカの民を追って

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    山窩小説傑作選。田山花袋、堺利彦、小栗風葉、岡本綺堂、国枝史郎、中村吉蔵、椋鳩十、葉山嘉樹、井伏鱒二、細島喜美の10名の作家の作品を収録。

    果たして、山窩は実在したのか…10名の作家の作品を読むと山窩の存在を身近に感じる。

    田山花袋の『帰国』、小栗風葉の『世間師』、岡本綺堂の『山の秘密』の3編が特に面白かった。

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    2015年03月09日
  • 今古探偵十話 岡本綺堂読物集五

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    本屋で見かけ、ジャケ買いしてしまいました。
    着物の知的眼鏡(伏し目がち)は卑怯だ!
    他の巻も買います。

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    2014年09月03日
  • 雪の一日

    購入済み

    素直な胸の内を吐露した

    日記のような随筆である。雪から信州、信州から知人、知人から世界中の日本人へと、連想の糸が繋がって、ものを書く上での心構えを新たにする。綺堂氏の真面目な人柄が偲ばれて、雪のように清々しい読後感が良い。

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    2014年06月15日
  • 三浦老人昔話 岡本綺堂読物集一

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    明治の半ばに著者と知り合った三浦老人が、江戸末期の昔話を語る、という設定。三浦老人は半七捕物帳の主人公である半七老人の友人で、半七より更に年上。家主をしていた。怪談、不思議譚、哀話が語られる。身分制の不条理にまつわる話はいたたまれない。断ち切られたような結末にリアリティを感じる。三浦老人昔話に加えて、2つの小篇が収録されている。本版は旧仮名遣いだが、読みにくさは感じない。

    収録作品は三浦老人昔話として、桐畑の太夫、鎧櫃の血、人参、置いてけ堀、落城の譜、権十郎の芝居、春色梅ごよみ、旗本の師匠、刺青の話、雷見舞、下屋敷、矢がすり。小篇は、黄八丈の小袖、赤膏薬。

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    2014年02月18日
  • 青蛙堂鬼談 岡本綺堂読物集二

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     百物語形式の怪談集。本文は歴史的仮名遣い、踊り字が発行当時そのままの状態で収録されている。怪談といっても恐怖を覚えるようなものではなく”不思議な話”が集められている。中には怪異を扱ったものもあったが、語り口が柔らかいこともあって”不思議な話”に落ち着いていた。それもあってちょっと薄味な感じがした。

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    2012年12月20日
  • 三浦老人昔話 岡本綺堂読物集一

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    下屋敷の、結局どうしてどうなったのかわからないのが良い。

    踊り字そのままの歴史的かなづかいなのにするする読める。表紙口絵がまた良い。
    デザインはミルキィ・イソベ、口絵は山本タカトだそうで。

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    2012年08月03日
  • ちくま日本文学全集岡本綺堂

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    ネタバレ

    初めて読んだ岡本綺堂の本。

    大きな話があるわけではなく、淡々と江戸の小話が続く内容です。
    江戸~明治初期の雰囲気を現代文で味わえます。

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    2012年07月18日
  • 綺堂むかし語り

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    「この春、インフルエンザが流行した」とか「フランス行ったらストライキで困った」とか「麻布十番人多すぎ、いや道玄坂も」とか、ん?現代?なんて思わず思ってしまうけれどこの岡本綺堂、生まれは明治。これも明治末期から昭和初期くらいのエッセイです。

    「何でも見てやろう」がバックパッカーの合言葉になってたこともあるようですが、生まれた時代によっては何でも見てやろうどころじゃない。綺堂の記憶には西南戦争時の暴動、日清戦争、日露戦争(従軍記者として参加)、一次大戦直後のフランス(しかもヴェルサイユ会議の年)、関東大震災…。不謹慎だけど生まれたのが当たり年なんでしょうね。「何でも見てやろう」の連中なんてどんなに悔しくても敵わないかと。

    西郷関連商品が大ヒットしてたことや、フランスの元戦場でドイツ兵のヘルメットを模したお土産が売られていたこと、日清戦争と日露戦争での従軍記者の様子(日清戦争では子規も従軍記者だったね)とか参考になること多すぎです。書ききれない。この時代の随筆はやっぱり発見が多々。

    麻布十番狸が通る、子供の歌。

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    2012年02月05日
  • 半七捕物帳 巻の三

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    「雪達磨」南京玉って何?と調べたら,ビーズのことなんですね。今のビーズと同じくらいの大きさなら,話が納得できる。

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    2013年04月08日
  • 半七捕物帳 巻の二

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    このシリーズは,作品ごとに丁寧な註釈や解説がついているのですが,当時の浮世絵などをもとにした挿絵も的確で助かります。百聞は一見にしかず,といったところ。

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    2013年04月08日
  • 半七捕物帳 巻の一

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    捕り物帳では,古典中の古典と若干敬遠していたけれど,読みやすくてびっくり。90年以上前に書かれたとは思えない。歯切れのいい江戸言葉が心地よい。

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    2013年04月08日