岡本綺堂のレビュー一覧

  • 探偵夜話 岡本綺堂読物集四

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    一見怪奇な事件に思えるけれど、それなりの理屈を付ければきちんと解決のできる、しかしやはり奇妙な読み心地の物語を集めた短篇集。どれもが奇妙で不気味で、そして魅力的です。
    お気に入りは「椰子の実」。シンガポールで起こった奇妙な事件の物語。ミステリとして考えられそうだけれどまったくもってどういうことなのか、と思いきや、真相がわかってみると案外と単純で納得なんだよなあ。しかしただただ不運というか、やりきれない哀切さも印象的です。
    「有喜世新聞の話」も面白いなあ。入り組んだ男女の関係から発生してしまった事件の真相。それははっきりと解き明かされないままに終わるものの、だからこそ印象的な気がしました。
    「剣

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    2022年02月14日
  • 青蛙堂鬼談 岡本綺堂読物集二

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    古き良き怪談。
    そうそう、こういうのが良いんだよ。綺麗事で終わらせない、不思議は不思議と割り切って読むと、一つ一つの作品の余韻が感じられる。

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    2021年10月20日
  • 玉藻の前

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    ネタバレ

    九尾の狐、玉藻の前伝説と平安時代末期の藤原氏の身内争いを上手く結びつけている。千代松との恋愛を絡めたところは物語の単なる妖異さだけてはなく、悲哀さを加え、物語としての話の厚みを増す。
    最後に、石の中で2人は穏やかに過ごせたのであろうか。

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    2020年10月17日
  • 半七捕物帳―江戸探偵怪異譚―(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    横溝さんの人形左吉は読んでいたけど、岡本綺堂さんはハードルが高くて読まなかったのですだ。
    激しく後悔!
    今、読んでも遜色ないです。
    先ずは青空文庫からかな。

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    2020年01月26日
  • 三浦老人昔話 岡本綺堂読物集一

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    ふとしたきっかけで陥ってしまう狂気と、それに巻き込まれる理不尽。とても異様に思えるのに、それを自然に描いてしまうとこが怖いのですが、そういうものに自分が行き合ったら普通の反応しちゃうのものなのか。

    時代小説って…宮部みゆきかしゃばけか壬生義士伝しか読んだことないと思うのですが…武士と町人の普段のくらしの中の境界やら折り合いの難しさが実際的とゆーか身につまされるとゆうか。あちゃー、と言いたくなるとゆうか…武士って大変なんだなぁ。

    春色梅ごよみ。
    同情の涙でした…お近さん、かわいそーで。今ならさしずめ運動部に青春かけてた子が、引退してこれまでと違う友達からやおいの世界を知り自分でも書き始め受験

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    2020年01月23日
  • 近代異妖篇 岡本綺堂読物集三

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    「鬼談」や「奇談」を集めた短編集。当然カテゴライズするならそのどれもが「怪談」にはなるのですが。恐ろしく感じるもの、少し不思議に思うもの、様々です。
    お気に入りは「水鬼」。因縁の物語もさながら、絡みつく幽霊藻のビジュアルがイメージとして思い浮かぶと、美しく感じると同時にぞっとさせられます。そして呪いだの祟りだのが本当に存在したのか、それとも病んだ神経の生み出したものだったのか、という部分も考えれば考えるほどに恐ろしくって。
    「木曾の旅人」「影を踏まれた女」「指輪一つ」は再読だけれど、こういうのって再読の方がじわじわ来るかも。再読だから知っているんだけれど……ぞくぞく来るなあ。

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    2019年08月27日
  • 青蛙堂鬼談 岡本綺堂読物集二

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    ひっそりとした恐怖と不可思議が存分に感じられる怪談集。恐ろしい因縁のあるもの、その逆にはっきりとした因縁のわからないもの、いろいろありますが。どれにもぐぐっと惹き込まれます。
    お気に入りは「清水の井」。怖くもあるけれど、ひどく幻想的でなんとも美しく思えた物語でもありました。
    一番恐ろしく思えたのは「猿の眼」。これははっきりとした因縁の物語がわからないだけになお恐ろしいです。何が起こっていたのか結局わからないところも、また。

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    2019年01月26日
  • 怪獣 岡本綺堂読物集七

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    岡本綺堂読物集。この巻で最終との事。

    今回は、動物や道具を媒介に、異界と交わるものたちを描いた好評妖異譚ということで、数々の不思議で少しゾワっとする話を堪能させて頂きました。
    個人的に「経帷子の秘密」「深見夫人の死」が印象に残りました。

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    2018年12月07日
  • 女魔術師

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    日経の書評で星5つだったので、久しぶりに読んでみた小説ですが、なかなか面白く読み進められた。いい歴史小説でした。
    「山のお客様は気が暴いと一口に云うけれども、彼らは罰もあれば利生もある。憎まれたら怖ろしい敵になると同時に、可愛がられたら頼もしい味方になってくれるのが彼らの習いである」p209

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    2018年10月24日
  • 異妖新篇 岡本綺堂読物集六

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    岡本綺堂読物集・第六弾となる、“妖異譚”

    不思議な話の数々を、お馴染みのレトロな文体で楽しませて頂きました。
    この読物集は、謎を謎のままで終わらすところにある意味趣きがあるのですが、今回も「白髪鬼」「鰻に呪はれた男」等のように、もうちょい突き詰めれば真相が垣間見えそうな話も、結局“わからん”まま終話しています。
    ところで、このシリーズの魅力の一つが、山本タカトさんの素敵な表紙&口絵なのですが、本書の口絵はかなり怖かったので、あまり見ないようにして開いていました(苦笑)。

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    2018年07月15日
  • 今古探偵十話 岡本綺堂読物集五

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    古今東西、探偵趣味の横溢する短篇拾遺集。

    今回も面白く読ませていただきました。
    霊鳥の飼育を巡る確執から、何とも悲しい結末の「慈悲心鳥」。謎の“海馬”騒ぎと、その裏で起こった痴情の縺れが滑稽な「馬妖記」が印象に残りました。

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    2018年07月12日
  • 近代異妖篇 岡本綺堂読物集三

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    「青蛙堂鬼談」の拾遺集ともいえる怪談・奇談集。

    レトロな文体が雰囲気出しています。

    個人的に印象に残ったのは、「水鬼」「木曽の旅人」「離魂病」です。
    あと、「百物語」は、普通に考えればすごく怖い状況だと思うのですが、滑稽な感じにも取れてしまうのが、また味わい深く思いました。

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    2018年06月28日
  • 青蛙堂鬼談 岡本綺堂読物集二

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    「青蛙堂」に招かれた客人たちが、百物語のように次々と怪談奇談を語っていく展開。
    レトロな文体が味わい深く、この不思議な物語にすごく合っていて雰囲気出しています。
    本書は“岡本綺堂読物集“の二弾だったようで、一弾の「三浦老人昔話」も読みたくなりました。

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    2018年06月07日
  • 青蛙堂鬼談 岡本綺堂読物集二

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    大正時代に流行った怪談会。その体裁をとった十二篇の怪談と、付録として単行本未収録の短編二篇。
    冒頭の導入がとても好きで何度も読み返してる「青蛙堂鬼談」。既に別の本を持ってますが、おまけ2篇目当てで購入。

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    2018年02月08日
  • 半七捕物帳 海坊主

    購入済み

    結構はまる


     1話の長さがちょうどよく、内容もあまり入り込んでなくて、感の悪い私でも楽しく推理して、昼休みのちょっとした時間でもたのしみにして読んでいます。

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    2017年09月11日
  • 岡本綺堂 怪談選集(小学館文庫)

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    初めましての作家さん。
    「利根の渡」「猿の目」「蛇精」「清水の井」「蟹」
    「一本足の女」「笛塚」「影を踏まれた女」「白髪鬼」
    「妖婆」「兜」「鰻に呪われた男」「くろん坊」の
    13本を収録。

    現代の怖がらせるための話ではなく、読み終わってから、
    読み手に想像させて、それって怖いわぁ~と、思わせる
    不可思議な話が怪談なんだと思ってみたり。
    だからホラー系の怖さはないです。
    涼を求めるなら、ホラーではなく、清く正しい
    「怪談」ですね♪

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    2017年08月28日
  • 西郷星

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    奇譚集。収録作品は、俳諧師鬼貫/不孝者/水野十郎左衛門/吉田家滅亡/大森彦七/新長恨歌/心中の味/埋れ木/黒狐/西郷星。

    一つ一つの物語は読み進む手が止まらない、魅力にあふれた文章なのだが、余韻が後を引く作品は多くなかった。綱吉治世下、奴組を率いて世に悪名を轟かせた水野成之にまつわる挿話「水野十郎左衛門」。アイヌの誇り高き戦士が、市井に慎ましく生きる道を選ぶに至った物語「黒狐」。「西郷星」は、西南の役を起こした西郷隆盛に共振するかの如き運命を辿った男を描く。

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    2017年07月11日
  • ちくま日本文学全集岡本綺堂

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    何回読んでもあんまり覚えてないが
    歯切れのいい江戸弁が気持ちよくて
    読むの大好き。
    三浦老人のはちゃんと読んだことないから
    探して読もう。
    最後の戯曲は読んだことなかったけど
    イマイチポイントわからなかった。
    言葉が豊かで細かで美しいのがいい。

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    2016年07月20日
  • 半七捕物帳 巻の一

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    シャーロック・ホームズもそうですが。
    原初、オリジナル、先駆者、パイオニア…そう言った作品に独特の、風格というか、大人の雰囲気っていうのがあります。
    細かい、飽きさせない芸とか、どぎついツカミとか、引っ張りとか、業界ものみたいな詳しさとか、そういうことではなくって。
    実に堂々とゆったりと。そして、その舞台の街の息遣いが聞こえてくるような、ハっとするような瑞々しさ。

    半七捕物帳。岡本綺堂。恥ずかしながら初めてでした。

    「面白いよ」と、前々から聞いていて。
    渋好み、歴史時代小説通、近代日本文学好き、読書マニア…そんな人たちから、評判は聞いたり読んだり。
    電子書籍になってるので、ふと読んでみまし

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    2016年06月23日
  • 蜘蛛の夢

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    収録作品は、火薬庫/蜘蛛の夢/放し鰻/平造とお鶴/穴/有喜世新聞の話/慈悲心鳥/女俠伝/馬妖記/廿九日の牡丹餅/真鬼偽鬼/恨みの栄螺。

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    2016年05月24日