岡本綺堂のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『青蛙堂鬼談』の捨遺集。大正10年~15年にいろんな雑誌、新聞へ発表した奇談を集めたもの。
作品の舞台は、江戸~大正といろんな時代のモノが混在してますが、『聞き書き』の様式による端正な語り口ですいすい読ませる。作品によっては、舞台を現代に置き換えただけでそのまま最近の作品として成立するぐらい、モダンなホラーになってます。
印象深いのは、綺堂の描くドッペルゲンガーものである『離魂病』(当時、この自分のそっくりさんに出会う系の怪談、流行ったんですかね? この時代のいろんな作家さんの作品でみかける……)、関東大震災と絡めた『指輪一つ』辺りかな。 -
購入済み
実話に基づく
怪談話・因縁話である。そんなに怖くはない。昔風の価値観・道具立てで、のんびりした気持ちで読める。
やはり綺堂さんはどことなく風流で良い。
因みに、作中に登場する病弱の「梶井」は、基次郎ではない。 -
Posted by ブクログ
青蛙堂鬼談ぜんぶと付録二話。
新字旧かな遣いなのがまったく気にならない美文。
付録以外のものは青蛙堂鬼談と題された本で読むのは初めてだけど全部読んだことあった。
内容はいいけど本としてはあまり好きじゃない。買うなら別のだな。
編者のあとがきが感じ悪い。
近頃中国にいったら青蛙(というか三本脚の蛙がお金をくわえた意匠)の土産物をよく見かけたらしい。
昔は見なかったのに今の拝金主義は云々とあった。
日本の土産物屋に跋扈する小判を持った猫を知らないんだろうかこの人。
付録2つは創作よりも記録よりの伝説。子泣き石は聞いたことある。
梟娘は赤ん坊のころから光にあたるのを嫌がるので暗い部屋で育てられた -
購入済み
100年近くも前に書かれた作
100年近くも前に書かれた作品にしては読みやすい。語り口は平易だが、肝心の推理小説としての内容ははっきり言って食い足りない。伏線やトリックがあるわけではなく、山椒魚の怪異さと桔梗の怖さが印象に残っただけである。