岡本綺堂のレビュー一覧
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購入済み
ちっとも古さを感じさせない。
今から100年近くも前の作品なのに、回顧談という枠組みのその語り口や話の組み立て方はちっとも古さを感じさせない。テレビで放送された数多くの時代劇の元ネタ本的な位置づけを占めていると思う。文書のあちこちに溢れてくる江戸情緒がなんとも言えずいい。もっとも、推理小説としての純粋な出来はそれほど優れているわけではないが。
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明治五年生まれの著者だから、江戸時代はついこの間。江戸時代を生きてきた人もたくさん存命中だったろうし、時代の呼び名が変わっても、中身はすぐに変わる訳じゃない。明治もかなり江戸時代のまんまだっただろう。
だから、江戸もの「番町皿屋敷」がリアルなのは納得。
しかし鎌倉時代の「修善寺物語」、平安時代の「玉藻の前」も、(その時代を生きたわけではないからこう言うのもヘンだけど)とてもリアルに感じた。もちろん本物の平安時代の人が読んだら「違う!」ってところもあるのだろうけど、考え方、行動様式なども、その時代だったらそうだったんじゃないかなと思える。
現代の作家だって鎌倉時代、平安時代を舞台にした小説は書け -
Posted by ブクログ
岡本綺堂「三浦老人昔話」は捕物帳の話をしてくれる半七老人の友人、大久保に住む三浦老人が語る昔あった話。今の世の中は新しい話ばかりが溢れている。昔の面白い話を老人から聞くようなことも無くなってしまった。ネット登場以降でほぼ全滅である。明治の頃に老人から聞く話は江戸期のこと。半七捕物帳で語られるミステリでもなく青蛙堂鬼談で語られる怪談話とも違う、それ以外の因縁話や人情話、ちょっとしたエピソードである。武家の奥様がご贔屓の女形役者を内密で下屋敷に招くが恐ろしいことに…「下屋敷」。江戸時代の藩主や旗本の家は家族の住む上屋敷、隠居などが住む中屋敷、蔵屋敷とも言われ荷物を置くための下屋敷に分かれる。「むか
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購入済み
じっとりとした恐怖
文章はやや固め。信号手という職業を知らなかったので、
読み進めるまで何が起こっているのかよくわかりませんでした。
最後にじっとりとした恐怖があって満足しました。 -
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「山窩」と呼ばれているが単なる名称に過ぎない。
山窩じゃない人々がつけただけの名前。
昭和30年頃に姿を消した実際に日本の山に住んでいた漂流の民。
そんな山窩の話をまとめた短編集。
ある時は非民賎民と呼ばれ蔑まれながら
そしてまたある時は日本古来の自由の民だ、原日本の末裔だと呼ばれているが
実際どうだったのか等全ては闇の中。
独自の言語を使い、自ら採ったものや作ったものを
里や村の人と物々交換で暮らし、各山々を転々と暮らす。
家系図なんてない、山窩の人口が何人くらいだったのかも分からない。
もちろん皆が全て良い人かと言われれば
そうではないというのも当たり前だと思う
そしてこの本、描写がとても -
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(全巻合わせた感想)
ともかく面白かった。ストーリは単純で強引な推理と捕物ではあるが、それよりも何よりも江戸の描写が活き活きと表現され、江戸を生きていた人達と身近に接した時代の人でなければ書けない本だと感嘆する。
江戸時代の情景が浮かんでその世界にどっぷりと浸り酔いしれるという読書は初めてで充分堪能できた。更にこの本は文末にその話に関係する地図(昭和初期の地図に江戸の図割を追加したもの)があり、挿入画も江戸時代の物を書き起こしたものである。
描写例
「卯の花くだしの雨が三日も四日も降りつづいて」
「八百屋にも薄や枝豆がたくさん積んであった」
「あしたが池上のお会式(えしき)という日の朝」
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(全巻合わせた感想)
ともかく面白かった。ストーリは単純で強引な推理と捕物ではあるが、それよりも何よりも江戸の描写が活き活きと表現され、江戸を生きていた人達と身近に接した時代の人でなければ書けない本だと感嘆する。
江戸時代の情景が浮かんでその世界にどっぷりと浸り酔いしれるという読書は初めてで充分堪能できた。更にこの本は文末にその話に関係する地図(昭和初期の地図に江戸の図割を追加したもの)があり、挿入画も江戸時代の物を書き起こしたものである。
描写例
「卯の花くだしの雨が三日も四日も降りつづいて」
「八百屋にも薄や枝豆がたくさん積んであった」
「あしたが池上のお会式(えしき)という日の朝」
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(全巻合わせた感想)
ともかく面白かった。ストーリは単純で強引な推理と捕物ではあるが、それよりも何よりも江戸の描写が活き活きと表現され、江戸を生きていた人達と身近に接した時代の人でなければ書けない本だと感嘆する。
江戸時代の情景が浮かんでその世界にどっぷりと浸り酔いしれるという読書は初めてで充分堪能できた。更にこの本は文末にその話に関係する地図(昭和初期の地図に江戸の図割を追加したもの)があり、挿入画も江戸時代の物を書き起こしたものである。
描写例
「卯の花くだしの雨が三日も四日も降りつづいて」
「八百屋にも薄や枝豆がたくさん積んであった」
「あしたが池上のお会式(えしき)という日の朝」
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(全巻合わせた感想)
ともかく面白かった。ストーリは単純で強引な推理と捕物ではあるが、それよりも何よりも江戸の描写が活き活きと表現され、江戸を生きていた人達と身近に接した時代の人でなければ書けない本だと感嘆する。
江戸時代の情景が浮かんでその世界にどっぷりと浸り酔いしれるという読書は初めてで充分堪能できた。更にこの本は文末にその話に関係する地図(昭和初期の地図に江戸の図割を追加したもの)があり、挿入画も江戸時代の物を書き起こしたものである。
描写例
「卯の花くだしの雨が三日も四日も降りつづいて」
「八百屋にも薄や枝豆がたくさん積んであった」
「あしたが池上のお会式(えしき)という日の朝」