山中朝晶のレビュー一覧
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川が干上がるオーストラリアのリバーセンドという街で、牧師が突然、銃で5人を殺害する事件が発生。その1年後にジャーナリストのマーティンが事件のその後を取材に訪れた。マーティンはそこで新たに発生する事件に巻き込まれながらも牧師の大量殺人の真相に迫る。ジャーナリストと警察と諜報機関が入り混じって、何が真実なのか分からなくなってくるのが、現実に起こっていることのようでリアルさが増している。登場人物や発生する事件が多いが、複雑すぎることもないし、著者が読者をリードしているかのように読みやすい。最初の牧師の事件の描写からラストまで中弛みせずに楽しんで読めた。
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★5 豪州で発生した銃乱射事件を取材していくと… 愛情と正義、業と欲望を重く描いた傑作 #渇きの地
■あらすじ
オーストラリア内陸部にある街の教会で事件が発生。牧師であった男が銃を乱射し、住民五人を殺害。犯人も射殺された。
一年後、主人公である新聞記者のマーティンは、事件の取材するために街を訪れる。街の住民たちの証言では、凶行に及ぶような牧師ではないらしく、犯行の理由がわからない。その後、取材を重ねるために街に滞在していると、さらなる事件が発生し…
■きっと読みたくなるレビュー
ジャーナリズムのあり方とはなんなのか?
もともと民主主義の国においては、主権者が正しく判断ができるように、真実 -
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はい、というわけでハヤカワ・ポケット・ミステリ70周年記念作品第一弾となるオーストレイリア発ミステリ『渇きの地』です
ハヤカワ・ポケット・ミステリとは?
早川書房初代社長の故・早川清が、GHQの兵隊がペイパーバックを尻ポケットに挿して持ち運んでいるのを見て、気軽に楽しめる大衆文学を届けたいという気持ちで作った世界最大のミステリ専門叢書。1953年9月のミッキー・スピレイン/清水俊二訳『大いなる殺人』(ハヤカワ・ミステリ101)の刊行から今年9月で創刊70年を迎え、来年2月には通巻2000番を迎える。(早川書房のプレスリリースより引用)
ミステリ好きなら避けては通れないレーベルですよね! -
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ネタバレジェイムズ・ケストレル初読。おそらく初翻訳?
別名義の作品があるらしく、もしかしたら別名義の作品はあるのかも。
ミステリ、警察小説、ロマンス、戦記、ロードノベルなどなど、色々な要素がこれでもかと詰め込まれた贅沢で重厚な作品。
根っこにあるのは、ホノルルで若い男女が拷問されて殺された事件が起こり、その犯人を追うもの。ただそれだけでは終わらず、日本軍の真珠湾攻撃により様相がガラリと変わる。
最初と最後はしっかりとした警察小説かつミステリ。中盤が戦争に絡んで色々な姿を見せる小説となっている。
ラストは結構意外な着地点。綺麗なエンディング。
色々な人が書いてますが、やっぱり主人公のマグレディがモテ -
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ネタバレピルグリム最終巻。
スピード感がぐっと増し、まさに手に汗握る展開。
無理か?無理なのか⁈とハラハラさせておいて
ギリギリのところでつながりホッとしたり、
痛い痛い、もうやめてー!と叫んだりと、
忙しい最終巻。
映像にしたらさぞかし映えるだろうなぁ。
緊迫した中でも愛嬌を感じるバトルボイや
ダウン症のサラセンの息子に癒された。
彼らや彼らを取り巻く人々に幸あれと願う。
サラセンとの対決の場面で、
自分の名を「ピルグリム…」と伝えるシーンは胸熱。
第1巻の最初の事件もきれいに回収され、
余韻の残るフィナーレにも満足。
そして訳者あとがきで、この物語、
まだ続くのだと知り、さらに楽しみが広が -
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物語はあの9.11同時多発テロが発端となっています
主人公『ピルグリム』は、「最高の諜報員」と評されいましたが、アメリカ本土への大規模テロを防げなかったことを諜報機関の完全なる敗北と捉え30代の初めにも関わらず引退を決意します
一方彼のパートナーとなる、50代のニューヨーク市警の警部補ベンは、いち早く現場に駆けつけ大いなる勇気を持って人命救助のためにビルに飛び込み、車椅子の避難者を救助しますが、ビルの倒壊により自らも重傷となり、また救えなかった人々を思い大きなトラウマを抱えることになります
しかし妻マーシーの支えにより立ち直った彼は再び災厄が訪れたときに、より多くの命を救うために、警察官た -
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つまりは第2巻です
『ピルグリム』とは名前のない男に与えられたコードネームでした
ふと『I am Pilgrim』という原題が目に留まる
うん、知ってたよ、『ピルグリム』って主人公のことに決まってるじゃん!なんだろう?なんて一瞬たりとも思わなかったよ(認めない人)
はい、物語はじっくりコトコト進みます
第2巻が終るところでもまだ『ピルグリム』はテロリスト〈サラセン〉と顔を合わせていません
3,000kmくらい離れてます
少しずつ少しずつ距離を詰める第2巻なんですが、不思議なスピード感に包まれています
じっくりコトコトなのにダレない
この不思議さは回顧録のように語られる文体とかなり頻繁には -
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邦題が良くないな〜
なんかお金儲け臭がね
ま、お金儲けは当然のことなんで、そのために知恵を絞った結果なんだろうけど
ちょっとセンスないかも
「真珠湾」のネームヴァリューに頼りたい気持ちも分かるんだけどね
中身にあってないと思うんですよね
はいじゃその中身です
第二次大戦中の物語なんですが、その割に日本人が好意的に描かれていて
やっぱり好感を持っちゃいますよね
なぜかというとこう見えてワタクシ日本人なので(どっからどう見ても日本人だろ!)
別にナショナリストでもないし、特に第二次大戦に於いては、反省すべき点は多々あるにしても、親切で忠義に厚い日本人という描かれ方をしている海外の作品を読む -
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スケールの大きさに圧倒された。
犯罪だけを追う警察小説だけではない、スパイ絡みであったり、恋愛などの要素もある。
それが戦争を挟んで繰り広げられる。
国を行き来しながら…である。
しばし、物語の世界に没入してしまい何も手につかないほど。
まるで予想がつかないラストは見事。
1941年、ハワイで惨殺事件が起きその真相を明らかにし、犯人を追うのがマグレディ刑事。
だがその最中に太平洋戦争が開戦する。
香港で身動きの取れない状態だったマグレディが、囚人たちと乗せられた船で着いた先は横浜。
東京で匿われた理由も惨殺事件の被害者と関係がある。
日本が敗戦し、マグレディ刑事が4年を経て戻ってからも事件 -
購入済み
間違いない!
一気に読んでしまいました。
駅を乗り過ごすところでした。
特に戦闘部分では分かりやすく、頭にイメージしやすかったです。わからない戦闘車両や潜水艦はネットで調べてイメージ膨らませました。 -
購入済み
手に汗にぎる
上巻より面白かった。物語の展開スピード、迫力、ともに申し分なく、どんどんストーリーに引き込
まれていく。老朽化した原潜で次々に発生するトラブルに全力で立ち向かう乗組員の姿に感動した。
とくに危険な原子炉内での修理作業では思わず力が入ってしまった。これだけ原潜について詳細に
書けるのはさすがだと思う。苦難、逆境を乗り越え、たとえわずかな可能性しかなくても決してあき
らめないところが素晴らしい。続編も出ているようなので、ぜひ読みたい。
どうでもいいことかもしれないが、作品には「コーヒー」という単語があちこちに出てくるのはなぜ
だろう?作者はよほどコーヒー好きなのだろうか。 -
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Posted by ブクログ
ネタバレカテゴリは”ハードボイルト”と迷わず選べる、カチカチのハードボイルト。
最近は、サイコ的な味付けや派手なアクション場面がウリの作品が多くなってきて、それはそれでいいのだけどこういう硬派な作品が少なくなってきているので嬉しい一作。
10年ぶりに祖父の連絡で軍から帰省してきた主人公の目の前で祖父が襲われる。重体になった祖父を襲った犯人は…。
プロットは一見単純なんだけど、実は良く練ってあってラストまで全く飽きない。しかし、メインプロットと同等、もしくはそれ以上に味わい深いのが主人公と祖父の関係。
現在の物語と交互に描かれるのが、主人公の幼少時代から祖父から逃げるように入隊するまでの日々で、孤独