山中朝晶のレビュー一覧

  • ピルグリム〔3〕 遠くの敵

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    なんて壮大なスケールなんだろう!読み終わった今〈ピルグリム〉に心から感謝している。もう少し余韻に浸っていたい。優れた本て、こういうこと。読後の余韻が心を満たし、元気にさせる。息つく間もない展開に、心臓は早鐘のようにドキドキしっぱなしだったけど、読者としての旅は終わった。お疲れ様〈ピルグリム〉。あなたが背負わされたもの、あなたが奪われた〝当たり前の生活〟。あなたが犠牲にしてきたものの数々が、まぎれもなく世界を救っているのだということ。そして現実の世界にいる〈ピルグリム〉達に敬意を表して。私達は見えない所でこういう人に救われていたんだ。ありがとう!ピルグリム。

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    2022年01月31日
  • 眠る狼

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    グレン・エリック・ハミルトン『眠る狼』ハヤカワ文庫。

    タイトルに惹かれて購入。帯に書かれたリー・チャイルドの『初球ホームランだ!』という言葉が、この作品の全てを見事なまでに表現している。デビュー作とは思えない程の巧みなプロット、伏線、予想外の結末と、驚く程の完成度なのである。作品全体の雰囲気としては、リー・チャイルドのジャック・リーチャー・シリーズの第1弾『キリング・フロアー』を彷彿とさせる。

    10年前に故郷を離れ、海外で軍務に就いていたバン・ショウの元に祖父のドノから『家に帰ってきてほしい』という弱気な手紙が届く。急ぎ帰郷したバンを待ち受けていたのは銃撃を受け、死の淵をさまよう祖父の姿だ

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    2017年04月14日
  • ピルグリム〔1〕 名前のない男たち

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    ネタバレ

    全3巻のまだ1巻目。ここでは主人公の生い立ちと、彼の書いた本が縁で知り合った、9.11貿易センターでの出来事がトラウマになった警察官との交友などが描かれる。同時進行で父親をサウジアラビアで処刑された14歳の少年がテロリストになる様を克明に綴っていく。世界を舞台にこれから何が起こるのか。読んだ後すぐに2巻目を手にしたくなるはずだ。

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    2016年07月23日
  • ピルグリム〔3〕 遠くの敵

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    近年のスパイ/冒険小説の衰退に憤りを感じていたファンの渇きを一気に癒やす紛れも無き傑作。三分冊の大長編にも関わらず、中弛みや無駄なエピソードの類は一切無く、凄まじいテンションを保ったまま終盤まで疾走する。散りばめられた枝葉が最終的には全てが関連付けられて永い年輪を重ねた巨木へと収束し、その緻密で鮮やかな構成美によって読み手を魅了する。巻を措く能わず、最終ページに辿り着いてしまうことが惜しいと思うほどの幸福な読書体験は本当に久しぶりだ。

    褒め上げれば切りがないのだが、本作が最も優れている点とは、世界を震撼させるテロの恐怖を主題にしながらも、天才的頭脳を持ったスペシャリストによる1対1の闘いに焦

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    2016年05月31日
  • ピルグリム〔3〕 遠くの敵

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    評判に違わず、面白かった。
    ただ、ミレニアムとの比較は、少し違うかなという感じ。
    それほど残虐なシーンもなく、安心して読めました。

    後半、行先の変更を伝えたときの、パイロットの「ボドルムってどこだ?」が、おかしかった。
    ボドルム、ほんとどこにあるのか調べてみよう。

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    2016年02月22日
  • ピルグリム〔1〕 名前のない男たち

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    CIAでもFBIでもない政府機関に所属し若くしてその世界のトップに居た私「ピルグリム」が、一度は引退して普通に暮らそうとたものの、911のテロやその後の世の中の混乱によって、否応なく諜報の世界に戻ることになり、非常に緻密で慎重で手強い相手「サラセン」を追うお話。もともとは映画の脚本家をしていたという著者の初めての小説だそうです。元脚本家というだけあり、複雑な情勢、人間関係、ピルグリムやサラセンを形作った過去の出来事に彼らの心の動きを、短い文章を連ねることによって見事に書き出していて、とても読みやすかったです。現在のことから過去に飛んだり、(全体が回顧録なので)途中で予言めいたことが出て来たりも

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    2016年01月28日
  • ピルグリム〔3〕 遠くの敵

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    近年読んだスパイ小説では最高かもしれない。特にこの3巻目の迫力は凄かった。このスピード感とリアリティを出すために、前2巻をあえて抑えた表現にとどめたのではないかと思えるほどだ。往年のスパイ小説好きには文句なしにお勧めだと思う。

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    2015年05月05日
  • ピルグリム〔3〕 遠くの敵

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    面白かった!場面がリアルに感じられて、さすが脚本家です。展開も見事でした。サラセンが出てくる場面以降は、こんなにあっけなくていいのか、とは思いましたが、イスラムの戒律がそうさせたのでしょう。たいへん読み応えのある、素晴らしい作品でした。

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    2015年04月17日
  • ピルグリム〔2〕 ダーク・ウィンター

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    周辺からだんだん核心に近づいていく感じ。本が閉じられず困ります。人物をたいへんしっかり描いているので、事件の重さの割になかなか進まず焦れったくなるほど。

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    2015年04月17日
  • ピルグリム〔3〕 遠くの敵

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    ピルグリム、《死のささやき》、義父ビル、テロを企てる《サラセン》など。

    集中して読めて嬉しい。
    ピルグリムがカッコ良くて嬉しい。

    ストーリーは緊張感があるし、
    各章が短く集中が途切れない。

    それからストーリーとは関係のない
    「バート・シンプソンにでも相談した方がまし」とか「シャナイア・トゥエインのDVD」とか懐かしい感じの小技もリアルだ。

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    2015年04月17日
  • ピルグリム〔1〕 名前のない男たち

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    人物をしっかり描いていて、これから先が期待できます。まだ事件の入り口にも入ってない感じですが、壮大かつエグい事件が起きていきそう。

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    2015年04月14日
  • ピルグリム〔3〕 遠くの敵

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    ネタバレ

    はらはらドキドキ、送別会の後、一眠りしてからの読書。通勤途中の読書。一気に読んだおかげで、おもしろかった。いや、面白いおかげでイッキ読みできた。
    まぁ、ニューヨークでの殺人にはちょいムリがあるけど、今後続編もある見たいやし、絡んでくるやろなぁ。
    次も楽しみ。

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    2015年03月20日
  • ピルグリム〔3〕 遠くの敵

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    孤独なテロリストとそれを追う秘密機関の元エースの戦い。心理戦。相手の心理にどこまで迫れるのかが、読んでいて面白かった。迂回しながらも、じわじわと真相に近づいていく元エースの鋭敏さと、それを見越して自らの足跡を徹底的に(それはもう入念に)消し去っていくテロリスト。最後の対峙の場面は、ページをめくる手が止まらなかった。独特の時間軸が多少読みにくさを感じさせたが、それすらも登場人物のバックグラウンドとなり、そのバックグラウンドを知れば知るほど感情移入してしまう。読書って面白いなーと改めて実感できる作品。

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    2015年03月19日
  • ピルグリム〔3〕 遠くの敵

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    テロと諜報員の話。
    それに殺人事件が絡む。
    テロ犯との直接の絡みは数十ページ。
    話が映画的でサクサク進む。余分なことがない。
    そこに至るまでの背景が濃い。
    ちょっと伏線の入れ方がワンパターンな気もする。

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    2015年02月20日
  • ピルグリム〔3〕 遠くの敵

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    <サラセン>の正体をつかんだと思ったのも束の間、彼は死んだことになっており、彼を追う手がかりは途絶えてしまいます。
    絶望に打ちひしがれる中で、<ピルグリム>が閃いた逆転の発想。そして訪れる対峙の時。彼は<サラセン>の悪魔的な計画を阻止できるのか。
    本当にハラハラしっぱなしでした。
    いくらアメリカ政府の最先端のテクノロジーと諜報網があっても、たった一人の前科のない孤高のテロリストを突き止めるのは、奇跡を通り越して荒唐無稽にすらなりかねません。
    しかし、そうは感じさせずに物語にぐんぐんと引き込まれる面白さでした。
    作者の構想では、この物語は三部作構想の一作目とのこと。
    続きが楽しみです。

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    2015年02月02日
  • ピルグリム〔2〕 ダーク・ウィンター

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    ふとしたことから、テロリスト<サラセン>の企みがアメリカの知るところとなり、アメリカ政府は、<わたし>にテロリスト捜索の命をくだします。
    コードネーム<ピルグリム>となった<わたし>は、わずかな手がかりを頼りにトルコの地で捜索を始めます。
    少しずつ少しずつではありますが、ピルグリムがサラセンに近づいて行く展開はスリルに満ち溢れ、飽きを感じさせません。
    次はいよいよ最終巻です。

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    2015年02月02日
  • ピルグリム〔2〕 ダーク・ウィンター

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    第2巻に突入!『サラセン』のテロ計画を知ったアメリカの国家情報長官は、テロを阻止するために引退した諜報員の『私』を指名する。そして、過去も名前も捨てた『私』に与えられた暗号名は『ピルグリム(放浪者)』であった…

    第2巻になり、いよいよ『ピルグリム』が本格的に動き出し、ドキドキするような展開が続く。テロの実行を着実に進める『サラセン』と僅かな手掛かりから少しずつ『サラセン』に迫る『ピルグリム』の対比描写がスリルを煽る。また、二人の描写に加え、様々な伏線や枝葉が単調になりがちなストーリーにスパイスを効かせている。

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    2015年01月07日
  • ピルグリム〔1〕 名前のない男たち

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    全3巻から成るスパイ冒険小説。噂に違わず、非常に面白い。第1巻から濃厚な描写に物語に深く引き込まれた。

    この巻では、アメリカの諜報機関を引退した『私』と孤高のテロリスト『サラセン』の過去と背景が交互に描かれ、これから展開されるであろう二人の闘いを大いに期待させる内容だった。

    テロの標的をアメリカに定めた『サラセン』、期せずしてアメリカへのテロ攻撃を阻止するために過激な闘いの場に復帰した『私』。二人の闘いの結末は…

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    2015年01月05日
  • ピルグリム〔2〕 ダーク・ウィンター

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    とにかく話がでかい。面白い。うまい。面白いだけで読ませるのは、一番すごい。読んじゃうんだよなぁー。世界をまたにかけたはなし、イスラム教に関する情報、全てが面白い。古典と違って今生きてる人間がリアルタイムで書いている臨場感もある。ワールドスタンタードのエンターテイメント。しりの穴がでかい。が、少しずつ話が着地点に迫っていくのが、まぁしゃーないけど残念と言えば残念。広がっていくときのこうようかんは半端じゃない。

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    2014年11月27日
  • ピルグリム〔2〕 ダーク・ウィンター

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    いよいよ本格的に始まった、テロリスト「サラセン」と諜報員「ピルグリム」との戦い。
    物語のテンポの良さが、お互いに見えない敵への、命をかけた挑戦の緊張感を上手く読者に伝えていると思います。

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    2014年10月26日