山中朝晶のレビュー一覧

  • レッド・スパロー(上)

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    日曜日 のめり込むように読んでいたら テレビからソフトバンクとSVRのスパイ疑惑のニュースが⁉️
    ますます のめり込むように。 
    私には興味深々、しかし自分とは関係ない⁈とも思える現代。

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    2020年02月03日
  • 眠る狼

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    ネタバレ

    カテゴリは”ハードボイルト”と迷わず選べる、カチカチのハードボイルト。
    最近は、サイコ的な味付けや派手なアクション場面がウリの作品が多くなってきて、それはそれでいいのだけどこういう硬派な作品が少なくなってきているので嬉しい一作。

    10年ぶりに祖父の連絡で軍から帰省してきた主人公の目の前で祖父が襲われる。重体になった祖父を襲った犯人は…。
    プロットは一見単純なんだけど、実は良く練ってあってラストまで全く飽きない。しかし、メインプロットと同等、もしくはそれ以上に味わい深いのが主人公と祖父の関係。

    現在の物語と交互に描かれるのが、主人公の幼少時代から祖父から逃げるように入隊するまでの日々で、孤独であった二人が反目しながらも関係を築いていく姿はあまりにも切なく厳しく、そして仄かに暖かい。
    こういう背景がしっかり描かれているからこそ、どこまでも犯人を追う主人公の姿に共感できるし、ハードボイルトとして成り立っている。

    脇の人間の描きこみも過不足なく、安易なシリーズ化は難しかもしれないが、この作者の次作は楽しみ。

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    2017年09月19日
  • ピルグリム〔3〕 遠くの敵

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    なんて壮大なスケールなんだろう!読み終わった今〈ピルグリム〉に心から感謝している。もう少し余韻に浸っていたい。優れた本て、こういうこと。読後の余韻が心を満たし、元気にさせる。息つく間もない展開に、心臓は早鐘のようにドキドキしっぱなしだったけど、読者としての旅は終わった。お疲れ様〈ピルグリム〉。あなたが背負わされたもの、あなたが奪われた〝当たり前の生活〟。あなたが犠牲にしてきたものの数々が、まぎれもなく世界を救っているのだということ。そして現実の世界にいる〈ピルグリム〉達に敬意を表して。私達は見えない所でこういう人に救われていたんだ。ありがとう!ピルグリム。

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    2022年01月31日
  • ピルグリム〔1〕 名前のない男たち

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    ネタバレ

    全3巻のまだ1巻目。ここでは主人公の生い立ちと、彼の書いた本が縁で知り合った、9.11貿易センターでの出来事がトラウマになった警察官との交友などが描かれる。同時進行で父親をサウジアラビアで処刑された14歳の少年がテロリストになる様を克明に綴っていく。世界を舞台にこれから何が起こるのか。読んだ後すぐに2巻目を手にしたくなるはずだ。

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    2016年07月23日
  • ピルグリム〔3〕 遠くの敵

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    近年のスパイ/冒険小説の衰退に憤りを感じていたファンの渇きを一気に癒やす紛れも無き傑作。三分冊の大長編にも関わらず、中弛みや無駄なエピソードの類は一切無く、凄まじいテンションを保ったまま終盤まで疾走する。散りばめられた枝葉が最終的には全てが関連付けられて永い年輪を重ねた巨木へと収束し、その緻密で鮮やかな構成美によって読み手を魅了する。巻を措く能わず、最終ページに辿り着いてしまうことが惜しいと思うほどの幸福な読書体験は本当に久しぶりだ。

    褒め上げれば切りがないのだが、本作が最も優れている点とは、世界を震撼させるテロの恐怖を主題にしながらも、天才的頭脳を持ったスペシャリストによる1対1の闘いに焦点を絞っていることにある。共に「放浪者」を意味する仮の名を持つ二人。アメリカ合衆国の傀儡である王族支配のサウジアラビアで父親を公開処刑され、覇権国家壊滅を単独で目論むテロリスト〈サラセン〉。一方は、過去にアメリカ諜報機関を監視する極秘組織に所属、先鋭的な分析/調査能力で追跡/捜査のエキスパートとなった伝説の男。あとに暗号名〈ピルグリム〉を名乗り、潜伏した〈サラセン〉を炙り出していくことになるのだが、マンハッタンの陰惨な殺人事件から幕を開ける物語は、失われた過去を紐解きつつ過酷な運命に翻弄されながらも、強固な信念のもとにターゲットに向かって前進する二人の道程を辿っていく。

    対局にありながらも実は似通った点の多い〈サラセン〉と〈ピルグリム〉の“喪失と再生”が極めて劇的に描かれており、奥の深い謎解きと至極のサスペンスを盛り込んだ秀逸なエンターテイメントであるばかりでなく、人生の機微さえも感じさせてくれる陰影に富んだ作品となっている。しかも、端役ひとりひとりの造形も見事で、二人に関わる個性豊かな人物らとの挿話が、しっかりと結末へと繋がり、感動を高めていることにも瞠目する。

    時に哀切に満ちたヒューマニズムが非情なテロリズムに怯える世界に希望の火を灯し、数多の試練に立ち向かう〈ピルグリム〉の眼前を照らす。

    長い旅路の果て、〈サラセン〉と〈ピルグリム〉が対峙する怒濤のクライマックス。大海原の船上で、全てを終えた〈ピルグリム〉の万感胸に迫るモノローグ。なんて熱いエピローグだろうか。

    「ピルグリム」は三部作となる構想が既に発表されている。第一部となる本作があまりにも完璧な仕上がりで否が応でも次作への期待が高まる。テリー・ヘイズは、現代最高のスパイ/冒険小説の書き手であると断言する。

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    2016年05月31日
  • ピルグリム〔3〕 遠くの敵

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    評判に違わず、面白かった。
    ただ、ミレニアムとの比較は、少し違うかなという感じ。
    それほど残虐なシーンもなく、安心して読めました。

    後半、行先の変更を伝えたときの、パイロットの「ボドルムってどこだ?」が、おかしかった。
    ボドルム、ほんとどこにあるのか調べてみよう。

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    2016年02月22日
  • ピルグリム〔1〕 名前のない男たち

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    CIAでもFBIでもない政府機関に所属し若くしてその世界のトップに居た私「ピルグリム」が、一度は引退して普通に暮らそうとたものの、911のテロやその後の世の中の混乱によって、否応なく諜報の世界に戻ることになり、非常に緻密で慎重で手強い相手「サラセン」を追うお話。もともとは映画の脚本家をしていたという著者の初めての小説だそうです。元脚本家というだけあり、複雑な情勢、人間関係、ピルグリムやサラセンを形作った過去の出来事に彼らの心の動きを、短い文章を連ねることによって見事に書き出していて、とても読みやすかったです。現在のことから過去に飛んだり、(全体が回顧録なので)途中で予言めいたことが出て来たりもするのですが、技巧でごちゃごちゃになることもなく3冊もある長編小説なのにサーッと読んでしまいました。大変面白かったです。

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    2016年01月28日
  • ピルグリム〔3〕 遠くの敵

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    近年読んだスパイ小説では最高かもしれない。特にこの3巻目の迫力は凄かった。このスピード感とリアリティを出すために、前2巻をあえて抑えた表現にとどめたのではないかと思えるほどだ。往年のスパイ小説好きには文句なしにお勧めだと思う。

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    2015年05月05日
  • ピルグリム〔3〕 遠くの敵

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    面白かった!場面がリアルに感じられて、さすが脚本家です。展開も見事でした。サラセンが出てくる場面以降は、こんなにあっけなくていいのか、とは思いましたが、イスラムの戒律がそうさせたのでしょう。たいへん読み応えのある、素晴らしい作品でした。

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    2015年04月17日
  • ピルグリム〔2〕 ダーク・ウィンター

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    周辺からだんだん核心に近づいていく感じ。本が閉じられず困ります。人物をたいへんしっかり描いているので、事件の重さの割になかなか進まず焦れったくなるほど。

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    2015年04月17日
  • ピルグリム〔3〕 遠くの敵

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    ピルグリム、《死のささやき》、義父ビル、テロを企てる《サラセン》など。

    集中して読めて嬉しい。
    ピルグリムがカッコ良くて嬉しい。

    ストーリーは緊張感があるし、
    各章が短く集中が途切れない。

    それからストーリーとは関係のない
    「バート・シンプソンにでも相談した方がまし」とか「シャナイア・トゥエインのDVD」とか懐かしい感じの小技もリアルだ。

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    2015年04月17日
  • ピルグリム〔1〕 名前のない男たち

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    人物をしっかり描いていて、これから先が期待できます。まだ事件の入り口にも入ってない感じですが、壮大かつエグい事件が起きていきそう。

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    2015年04月14日
  • ピルグリム〔3〕 遠くの敵

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    ネタバレ

    はらはらドキドキ、送別会の後、一眠りしてからの読書。通勤途中の読書。一気に読んだおかげで、おもしろかった。いや、面白いおかげでイッキ読みできた。
    まぁ、ニューヨークでの殺人にはちょいムリがあるけど、今後続編もある見たいやし、絡んでくるやろなぁ。
    次も楽しみ。

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    2015年03月20日
  • ピルグリム〔3〕 遠くの敵

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    孤独なテロリストとそれを追う秘密機関の元エースの戦い。心理戦。相手の心理にどこまで迫れるのかが、読んでいて面白かった。迂回しながらも、じわじわと真相に近づいていく元エースの鋭敏さと、それを見越して自らの足跡を徹底的に(それはもう入念に)消し去っていくテロリスト。最後の対峙の場面は、ページをめくる手が止まらなかった。独特の時間軸が多少読みにくさを感じさせたが、それすらも登場人物のバックグラウンドとなり、そのバックグラウンドを知れば知るほど感情移入してしまう。読書って面白いなーと改めて実感できる作品。

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    2015年03月19日
  • ピルグリム〔3〕 遠くの敵

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    テロと諜報員の話。
    それに殺人事件が絡む。
    テロ犯との直接の絡みは数十ページ。
    話が映画的でサクサク進む。余分なことがない。
    そこに至るまでの背景が濃い。
    ちょっと伏線の入れ方がワンパターンな気もする。

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    2015年02月20日
  • ピルグリム〔2〕 ダーク・ウィンター

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    ふとしたことから、テロリスト<サラセン>の企みがアメリカの知るところとなり、アメリカ政府は、<わたし>にテロリスト捜索の命をくだします。
    コードネーム<ピルグリム>となった<わたし>は、わずかな手がかりを頼りにトルコの地で捜索を始めます。
    少しずつ少しずつではありますが、ピルグリムがサラセンに近づいて行く展開はスリルに満ち溢れ、飽きを感じさせません。
    次はいよいよ最終巻です。

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    2015年02月02日
  • ピルグリム〔2〕 ダーク・ウィンター

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    とにかく話がでかい。面白い。うまい。面白いだけで読ませるのは、一番すごい。読んじゃうんだよなぁー。世界をまたにかけたはなし、イスラム教に関する情報、全てが面白い。古典と違って今生きてる人間がリアルタイムで書いている臨場感もある。ワールドスタンタードのエンターテイメント。しりの穴がでかい。が、少しずつ話が着地点に迫っていくのが、まぁしゃーないけど残念と言えば残念。広がっていくときのこうようかんは半端じゃない。

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    2014年11月27日
  • ピルグリム〔2〕 ダーク・ウィンター

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    いよいよ本格的に始まった、テロリスト「サラセン」と諜報員「ピルグリム」との戦い。
    物語のテンポの良さが、お互いに見えない敵への、命をかけた挑戦の緊張感を上手く読者に伝えていると思います。

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    2014年10月26日
  • ピルグリム〔1〕 名前のない男たち

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    Pilgrim = 巡礼者。
    元諜報員と敬虔なイスラム教徒の宿命といってもいいようなこれからの展開が気になってしょうがない。

    謎がちりばめられたスピード感たっぷりの壮大なプロローグといった感じで、読むのがやめられなくなります。

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    2014年10月26日
  • ピルグリム〔1〕 名前のない男たち

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     全3巻の1巻目を読んだだけで感想を書きたくはなかったが、書かずにはいられない。

     「これだけは保証しておこう。本書の出来は、あなたの予想を超えている」。というミステリマガジンの絶賛レビューに期待して読み始め、少し疑いを持ち始めたところで、片足を引きずったニューヨーク市警の黒人警部補ベン・ブラッドリーが主人公の「わたし」を探し当ててパリを訪れる。ブラッドリーは「わたし」に米同時テロのある悲痛なエピソードを話してこう言う。

    「彼らの命を奪ったのは降り注ぐ瓦礫や火災ではない。彼らは他人の命を救おうなどと考えたから死んだ。そのことにわたしは怒っているんだ。いったい、この話のどこに正義がある?」
     彼は気持ちを落ち着かせようと、ひと呼吸置いて言った。「わたしはこんな世界で暮らしたいとは思っていなかった」

     ブラッドリーは罪のない人々がテロによって不当に殺される世界に異議をとなえ、それを何とかしたいと思って「わたし」を探し当てたのだ。だからこれは正義や理想を「青臭い」と片付けてしまう人には無縁の小説である。そうじゃない人、冒険小説を好きな人は読み逃してはいけないだろう。

     全体的なプロットはトマス・ハリスの傑作「ブラック・サンデー」を想起させる。テロリストが用意した兵器の威力を試すために日本人を殺す場面も共通する。違うのは登場人物たちが9.11の大きな影響を受けていることだ。「9.11を経た『ブラック・サンデー』、しかもそれを大きく超えている」というのが1巻を読み終わってのとりあえず感想になる。

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    2014年10月06日