山中朝晶のレビュー一覧
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ケチをつけたい点が少なくとも二つはある。そこはかなり気に入らない。ああ、しかし。面白いんだよねえ、これが。スパイものはさほど好きではないので、なかなか手が出なかったのだけど、いやあ、2巻目からはもう一気読み。久しぶりに夜更かししてしまった。
これは良くも悪くも「ハリウッド映画」なのだと思う。実際に映画化も決まっているそうだし、作者は「マッドマックス2」の脚本家だとのこと。小難しいことは忘れて、スピード感あふれるアクションやサスペンスに身をゆだねたい気分の時には最高だろう。
しかしまあ、我ながらへそ曲がりだとは思うが、あまりにもわかりやすいのでは? テロリスト<サラセン>についてもしっかり書 -
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ネタバレ〈サラセン〉を追う〈ピルグリム〉の旅もいよいよ終焉。これまでの話が一つ一つ終着点へと向かい結びついていく…ことを期待した。結果、たしかにそうなった。しかも先が気になる展開で、まさに一気読みだった。情景が浮かぶのも、さすが元シナリオライター。しかし、最後の詰めが甘いのではないかと思った。ここまで緻密な計画を立てた〈サラセン〉があまりに簡単に出てきすぎではないか?愛に勝る者はないという話は分かるし、非常なテロリストも息子の前ではというのも分かる。しかしなんだろう、ここまで緻密に重ねられたフィクションの割には最後はそこかと少しがっかりさせられた。いやでも裏切られるかも!と思って読んだけど〈サラセン〉
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アメリカのあらゆる諜報機関の諜報員を監視する<機関>と呼ばれる組織に所属していたものの、9.11事件をきっかけに若くして現役を退いた、名前のない男である「わたし」。
敬虔で厳格なイスラム教徒であり、孤高のテロリスト「サラセン」。
三部作(三分冊)の一冊目である本作では、二人の素性が交互に行きつ戻りつ語られます。
そしてサラセンが企てる恐ろしいテロの計画が少しずつ形を見せてきます。
また、わたしの方は、わずかな手がかりから自分の正体を知り居場所を突き止めたニューヨーク市警の警部、そしてその妻と知り会います。
壮大で長いプロローグといった感じで、まだ二人が直接に絡むシーンは出てきません。
どちらか -
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孤高のエージェントと、復讐に生きるテロリストとの緊迫した鬼ごっこ。テンポよく小気味よくさくさく進むので、長いながらも飽きることはない。テロ計画が明白になった中盤からはスパイ小説全開モードで、ベタながら一気に展開する。この辺りが一番楽しかったかも。
脚本家でキャリアを積んだ作者らしく、インパクトの強い台詞が多く、またキャラ造形も抜群に巧い。ピルグリムとサラセンの過去を対比させつつ、人生を掘り下げるシーンは読み応えがあるが、遠回りになっているので、小説としての構成はほぼ破綻している。要所要所で主人公がヒーロー化する展開も”ザ・ハリウッド”なのだが、必要枠なんだと咀嚼してしまえば何てことはない。年 -
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ニューヨーク市警の刑事マクニールの妻キャロラインが遺体で発見された。死因は自殺とされたが、妻はホワイトハウス担当の記者で仕事に打ち込んでおり自殺をするとは思えなかった。マクニールは独自に調査を開始するが、ホワイトハウスやFBIに妨害され、窮地に追い詰められていく。やがて、妻の死と数年前に自殺したセレブ女性との関連に気づく。当時、真相が何者かにもみ消されたことを知ったマクニールは、刑事として法に従うか、自ら復讐を果たすか、葛藤するが…。
この内容、ポケミスで定価3,000円越えとは、と読後ため息。かつてなら、NVレーベルで出されたのではないか。