山中朝晶のレビュー一覧
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ネタバレ昔ながらのハードボイルド小説だと思ったーースーパーマンではない主人公が愚直に、ボロボロになりながらも忠義や信念を貫き通し、時には良い関係になれるのではと期待された「女」とも別れ、「子」とも人生が交わりながら深く関わることなく、孤独の中でただ生きていく。
みたいな、一昔前の懐かしきボガードの香りがするぜ、「君の瞳に乾杯(カサブランカより)」
とはいえ本作は旧ソ連の関係者が鮨詰め状態なので、最後まで登場人物一覧を見返し「君、だれだっけ」の繰り返しであった。そこを加味しても結構最近にはない伏線や物語の組み立てで面白かった。
途中から「推理小説じゃないなこれ」と思ったので純粋にストーリー展開を楽しん -
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ワシントン・ポー・シリーズが面白かったので読んでみた。ミステリーではなく、アクション小説。文庫本で600ページを超えるので飽きるかなぁと思っていたが、読み切れた。
伏線が最後にきちんと回収されストーリーも単純のようで単純でないとこは流石。
主人公は、連邦保安官の特殊部隊にいた経歴を持つが、怪我から恐怖を感じなくなる特殊な病気。シリーズものになるからか?キャラとして不明な部分も残して終わった。
ポー・シリーズではポーを取り巻く女性とのやり取りが楽しいが、主人公の同僚のジェンとの会話は刺々しく、「くそったれ」的は発言で、読み進むと段々ユーモアを感じさせるが、ジョークは面白くない。
残念なのは、B級 -
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ウルバッハ-ビーテ病という病ゆえ、恐怖に対しての反応が麻痺してしまうという症状が現れてしまった男、ベン・ケーニング。
拉致され行方不明となった元上司の娘の救出に乗り出す。病ゆえ、周りを危険に巻き込みながら、自らも危機の中に飛び込み、ドンパチを繰り広げるアクション小説。
ポー&ティリーコンビの掛け合いは大好きだが、刺激強めが好みの私としては、新シリーズのこちらの方が気に入った。
ウルバッハ-ビーテ病という病が実際に存在し、イラクやアフガニスタンの戦闘から帰還し、極度のPTSDにより社会生活が送れなくなってしまった兵士の治療に活用できるのではないか、と研究されていることを知り驚いた。 -
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色々と忙しく、なかなか感想を書く時間がない。読んだ先から忘れていくことが得意な私なので、あまり間があくと書くことが億劫になってしまう。
ケストレルの著書は初めて読んだ。そういう人が少なくないと思うが、本書を手にしたのはタイトルが目についたからである。ただし、この邦題はミスリードで、ほとんど内容とマッチしていない。原題は「Five Decembers」なのだから当然である。おそらく、歴史好きの読者も取り込もうと、編集部が狙ったのではないだろうか。
物語はある殺人事件に端を発し、原題の通り、5回の12月を経る。ハワイ、香港、東京と、時間のみならず、地理的にも壮大なスケールで展開する圧巻の物語で -
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ネタバレ水面下では真珠湾攻撃が忍び寄る1941年11月のホノルル。
軍上がりの刑事、ジョー・マグレディは上司から署長の知人宅離れで発見された惨殺死体の調査を命ぜられる。
死体の身元を調べていくうちに、ぞんざいには扱えない縁故を持った被害者であることがわかると共に、犯人と思われる輩の足取りも思わぬ方向に表れて、俄然多方面の筋からの事件への注目度が増していく。
猟奇殺人をめぐる骨太警察もののような出だしから、香港に飛び、運と巡り合いの力で戦時下を身ひとつで生き延びるアジアンテイスト色濃い戦争小説めいたものとなり、大戦が開けると喪失の果てに失うものはない冷めた心を携え、寄りつく女達にも芯の通ったスタンス -
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ネタバレ・あらすじ
旱魃に苦しむオーストラリア内陸の町リバーサイドが舞台。
その町では1年前牧師による銃の乱射事件が起きた。記者であるマーティンが取材を行った住民の殆どは牧師に対して好意的な様子…。
人気があり敬虔な牧師がなぜ銃乱射事件を起こしたのか。
・感想
牧師の動機を探るうちに色んな要素や過去が判明するタイプのストーリー。
個人的には戦地取材でPTSDとなったマーティンがこの事件の取材を通して「ジャーナリズムとは」と己の仕事、やるべき事を見つめ直していくリハビリの過程が面白かった。
どこまでも客観的にものごとを見て、書いてきたマーティン。
初めて当事者になる事で今までの自分の無感覚や「真実以