山中朝晶のレビュー一覧
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ウルバッハ-ビーテ病という病ゆえ、恐怖に対しての反応が麻痺してしまうという症状が現れてしまった男、ベン・ケーニング。
拉致され行方不明となった元上司の娘の救出に乗り出す。病ゆえ、周りを危険に巻き込みながら、自らも危機の中に飛び込み、ドンパチを繰り広げるアクション小説。
ポー&ティリーコンビの掛け合いは大好きだが、刺激強めが好みの私としては、新シリーズのこちらの方が気に入った。
ウルバッハ-ビーテ病という病が実際に存在し、イラクやアフガニスタンの戦闘から帰還し、極度のPTSDにより社会生活が送れなくなってしまった兵士の治療に活用できるのではないか、と研究されていることを知り驚いた。
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色々と忙しく、なかなか感想を書く時間がない。読んだ先から忘れていくことが得意な私なので、あまり間があくと書くことが億劫になってしまう。
ケストレルの著書は初めて読んだ。そういう人が少なくないと思うが、本書を手にしたのはタイトルが目についたからである。ただし、この邦題はミスリードで、ほとんど内容とマッチしていない。原題は「Five Decembers」なのだから当然である。おそらく、歴史好きの読者も取り込もうと、編集部が狙ったのではないだろうか。
物語はある殺人事件に端を発し、原題の通り、5回の12月を経る。ハワイ、香港、東京と、時間のみならず、地理的にも壮大なスケールで展開する圧巻の物語である。主人公は元軍人の刑事マグレディ。タフで優しく、女性にモテる。フィリップ・マーロウの系統に属するキャラだ。私自身はあまりこの主人公に感情移入することができなかったが、とても面白く読んだ。他の多くの方が指摘されているようにラストが美しい。
タイトルに真珠湾と入れたことで、逆に色がついてしまったようにも感じる。そこは惑わされずに、原題で興味を覚えた方は手に取ってみては? 抜群の没入感が味わえると思う。 -
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ネタバレ水面下では真珠湾攻撃が忍び寄る1941年11月のホノルル。
軍上がりの刑事、ジョー・マグレディは上司から署長の知人宅離れで発見された惨殺死体の調査を命ぜられる。
死体の身元を調べていくうちに、ぞんざいには扱えない縁故を持った被害者であることがわかると共に、犯人と思われる輩の足取りも思わぬ方向に表れて、俄然多方面の筋からの事件への注目度が増していく。
猟奇殺人をめぐる骨太警察もののような出だしから、香港に飛び、運と巡り合いの力で戦時下を身ひとつで生き延びるアジアンテイスト色濃い戦争小説めいたものとなり、大戦が開けると喪失の果てに失うものはない冷めた心を携え、寄りつく女達にも芯の通ったスタンスを崩さない主人公然がもはやハードボイルドとなる目まぐるしいまでのジャンル融合小説だった。
結末は1945年12月(原題〈Five Decembers〉でもある五回目を迎える12月)。
いくつもの出来事、関係を犠牲、置き去りにして今日に至る中で、結局のところ因縁のあの事件の犯人探しに帰結していく展開と、「もしもあのとき…」の歴史の分岐点の夢想を主軸に、戦争がもたらす混沌、悲運、空虚さが刺さる壮大なミステリ。
この書きぶり、この目線の作品にエドガー賞が与えられるとは米国ミステリ文壇も捨てたもんじゃないですね。 -
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ネタバレ・あらすじ
旱魃に苦しむオーストラリア内陸の町リバーサイドが舞台。
その町では1年前牧師による銃の乱射事件が起きた。記者であるマーティンが取材を行った住民の殆どは牧師に対して好意的な様子…。
人気があり敬虔な牧師がなぜ銃乱射事件を起こしたのか。
・感想
牧師の動機を探るうちに色んな要素や過去が判明するタイプのストーリー。
個人的には戦地取材でPTSDとなったマーティンがこの事件の取材を通して「ジャーナリズムとは」と己の仕事、やるべき事を見つめ直していくリハビリの過程が面白かった。
どこまでも客観的にものごとを見て、書いてきたマーティン。
初めて当事者になる事で今までの自分の無感覚や「真実以外への無関心さ」を自覚するくだりは良かった。
(本邦のマス◯ミは真実とかどうでも良いらしいけど)「真実を知る権利」ってなんだろう?
それを錦の御旗に横暴なことしてる印象あるからあんまりあの手の人たちは好ましくないけど、この作品は作者自身がジャーナリストだったらしく葛藤や矛盾などが書かれていて面白かった。
三部作らしく解説に残りのあらすじ載ってたけどなんか意外な展開になりそう。
オーストラリア舞台の作品は初めて読んだけど、日本の公安的立ち位置のキャラが結構いい味出してた! -
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オーストラリア内陸の町リバーセンドの教会で、牧師が銃を乱射し五人を殺害する事件が起きた。一年後、町へ取材に訪れた新聞記者のマーティンは、住民が牧師を庇う証言をすることに気づく。だが、町外れに住む男だけは、住民の言葉を信用するなと警告するのだった。そんな中、山火事が町を襲い、火災現場からかつて行方不明になった観光客の他殺体が発見される。この事件にも牧師が関わっていたのか―?牧師の過去と、彼が事件を起こした真の理由とは。
オーストラリアの暑く乾いた田舎町のブックカフェから始まる物語。報道内容が二転三転して、トラブルになること間違いなし。推理の過程で主人公があれこれ悩み過ぎ。だからこの厚さになったのか。
先日の神保町ブックフェスティバルの話の続き。HPB70周年記念のトートバッグを販売していた。ポケミスが70冊入るのが売りだが、社員さんによれば、80冊は入るそうだ。他のグッズについてたずねたところ、ブックカバーの案が出ているとのこと。楽しみです。 -
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ネタバレいよいよピルグリムと言う名前を得た「わたし」の、
サラセンを探す旅が始まった。
顔も名前もわからない犯人に対して、わずかなヒントを元にひたひたと近づいていく。途方もないことに感じるのに、確実に距離は縮まっていく。
少ししっくりこないのが、このピルグリムと言う人物、
あまりにもノーマルでごく普通の感情を備えた人のように描かれていること。
凄腕の諜報員にしては非情さに欠けているような。。
わたしのイメージの中の諜報員はもっと冷徹で判断を誤らない。
この先、彼がどんな行動でどんな手際でサラセンを追い詰めていくのか、気になる。
- - - - - ここからネタバレ- - - - -
それにしても船小屋から通じる隠し通路の存在には
かなりわくわく!