佐川光晴のレビュー一覧

  • 昭和40年男 ~オリンポスの家族~

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    昭和40年生まれの三男、体操、オリンピック、歌謡曲、がんこ親父に専業主夫、昭和から平成の出来事てんこ盛りで、楽しく読める。
    家族のありかたもよかった。
    佐川さんの本は読みやすいけど、これは特にするする読めた。

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    2020年02月24日
  • 牛を屠る

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    一昔前の大宮と場に勤務した佐川光晴さんの体験記。と畜場作業員としては異色の経歴であった佐川さんがなぜと畜場作業員になったのか、そしてそこでどのように「働いていく」ことを自身の気持ちの中に落ち着かせていったのかということが感じられる作品でした。

    牛を屠るというタイトルから想像するほど、血なまぐさい風景が展開されるわけではなく、むしろ淡々と語られる中に、現実感が迫ってくるようでとても興味深かったです。

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    2020年01月26日
  • 昭和40年男 ~オリンポスの家族~

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    ネタバレ

    佐川光晴先生得意の主夫の話。
    すごく引き込まれましたが、読んでいる間に何度も三男(ミツオ)を三男(サンナン)と読み違え、ストレスが溜まりました。

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    2019年12月12日
  • 鉄道少年

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    ネタバレ

    物語全体を覆う謎解き、佐川作品には珍しくミステリー?かと思いきや、謎解き要素はあるものの、やはりそこは佐川光晴、上手くて読ませる職業小説であり家族小説として展開していく。

    温かい小説を読みたい鉄道ファンは是非読んでほしい。

    交通手段は生活を便利にするためにある。より早くより快適に目的地につくこと、インフラとしての鉄道はそうでなければならない。新幹線、リニア、在来線のオール電化、高速化、トンネルや架橋…そして人口が集中化する以上、過疎地域のダイヤ減少や廃線も営利企業である以上やむを得ず行われる。そして古き良き鉄道の旅の醍醐味やロマンは影をひそめ滅んでいく。

    それでも鉄道はまだまだ滅びないだ

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    2018年05月03日
  • おれのおばさん

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    主人公の男の子が、まっすぐでかっこよかった。「夫婦であり、親であるということは、そんなにも難しいものなのか」。逮捕されたお父さんが弱い人間だから、そういう弱い人って人間関係が近い家庭というものは作れないのかもしれない。

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    2016年01月10日
  • 牛を屠る

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    家畜というより、哺乳類を解体するという営みは、差別的な視線ではとても覆いきれない、ものすごく永い──人類が人類になる以前から繰り返してきた行為があるわけです。その末に辿り着いた道具の形があって、その道具に潜むポテンシャルを自分が解放できるようになった時の嬉しさといったらないですよ

    この労働観について書かれてる。
    面白い。

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    2015年12月26日
  • おれたちの青空

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    札幌の養護施設を運営する恵子おばさんと、縁により移り住むことになった陽介と卓也のその後を描くシリーズ第2弾。
    深い余韻を残すというのは、こういう作品をいうのだろう。三人の人生の選択を誇張することなく、自然な時の流れのように描かれている。個性的でありながら場面に無理がないので、読む者に一種の癒しを与えてくれる。
    シリーズはまだまだ続くようなので、三人のこれからが非常に楽しみだ。

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    2015年02月18日
  • おれたちの青空

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    「おれのおばさん」の続編。陽介、おばさん、それから同じ施設にいる卓也の視点で物語が展開する連作集です。卓也の複雑な事情はある程度すでに分かっているのですが、あらためて卓也の視点から語られると、その重みに押しつぶされそうになってしまいます。それでも生きていくことを、日々を大切に過ごすことを選んだ卓也には、幸せになってほしいと心から思いました。おばさんも陽介も、この物語に登場するすべての人たちが、かけがえのない存在でありきらきらと輝いている。彼らの行く手に幸あれと、願わずにはいられません。

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    2014年04月21日
  • ぼくたちは大人になる

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    最初は、重い本だとの印象が強かったのですが、終わりにかけてスピード感が出てきて本当に読んで良かったと思わせる一冊です、

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    2012年09月26日
  • 見えなくても王手

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    あとがきを読んで、これがフィクションだと知ってびっくりしました。
    もとになったエピソードがあったわけでもなく、将棋の教え方なんかもすべて作者が考えられたことだそうで、本当に驚きました。
    意外に将棋は視覚がい者の方がされるのに合っているのかもしれません。
    先の大会まで読みたかったです。

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    2025年05月20日
  • 駒音高く

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    めちゃくちゃ将棋の出来る男の子、女の子。奨励会目指したり、夢破れたり。将棋を巡る連作短編集。

    すごく良かった。将棋なんてやったことないのに、面白いし、考えさせられる。秀逸な将棋ドラマ

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    2025年04月28日
  • 見えなくても王手

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    国語の教科書に掲載されていそうな一作。
    目が見えない子どもたちに
    楽しみを与え、「できる」を与えた
    大人たちがすごいと思う。

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    2025年03月03日
  • 見えなくても王手

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    視覚障害者の正彦。盲学校小4の時にやって来た小倉先生から将棋を教えてもらい夢中になる。

    本当に何かに熱中することの尊さ、目が見える見えないなんて本質的な違いじゃない、目が見える俺なんて全然アカンやないか等色々考えさせてくれた傑作。中学受験の国語で出題されそう。

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    2025年03月01日
  • おれのおばさん

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    一気読み、文体も読みやすく楽しい時間だった。
    過酷な状況下で少年が大人になっていく話。少年が賢すぎ逞しすぎるけど小説だしいいか。
    なんせおばさんがパワフルでカッコ良いのに人間臭くて好き。続きが読みたい

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    2025年01月11日
  • 日の出

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    反戦、厭戦と朝鮮人差別に関する人道的立場からの反発を主眼に置いた小説。
    日清・日露の対戦から関東大震災に至る激動の時代に生きた馬橋清作と中学校の社会科教師として現代に生きる清作のひ孫・あさひの物語が交互に描かれる。
    清作は日露戦争で心身とも傷ついて帰ってきた父親の姿を見て、徴兵を忌避し、故郷・小松を捨て、岡山県美作で鍛冶職人としての人生をスタートさせる。その手配をしたのは、近所の商家の息子・幸三郎。彼は、文武両道に秀でた青年で、上級生にいじめられる清作を助けていた。
    清作は徴兵拒否を許さない兄・栄作の追っ手に怯え、筑豊の炭坑地帯へと移る。地獄と称される炭坑では、日韓併合で日本に来た朝鮮人労働者

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    2024年11月01日
  • 日の出

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    解説まで読んで一気に物語が蘇り、私もどういう生き方をしていきたいのか、今もどこかしらで続く戦争や紛争、小さな偏見や差別にどう対応していけばいいのか、非常に考えさせられるきっかけになった本でした。

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    2024年10月09日
  • 牛を屠る

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    「ここはおめえみたいな奴の来る所じゃねえっ!」怒鳴られた初日から10年間、著者は牛の解体の職に従事することになります。「職業を選ぶ」「働き続ける」とは、自分の人生にとってどういうことなのか――。




    どうも僕はこういうなんというか、他の人があんまり見向きもしないようなテーマを扱った本のほうに興味が行くようで。

    著者は北海道大学を卒業後、出版社に勤めるも、上司とそりが合わずに、ケンカして会社を辞め、転職活動の末に食肉製造の会社に転職し、そこで働いていたときのことを書いたものです。僕も一時期、スーパーの精肉部門でアルバイトしていたことがありますので、少し分野は違うかとは思いますが、本の中に描

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    2024年07月16日
  • 駒音高く

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    何となくつながっている短編集。
    全部良いが、中でも第3話「それでも、将棋が好きだ」が将棋しかやって来なかった若者の苦悩と、家族の優しさが描かれていて心に残る。

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    2024年06月18日
  • 牛を屠る

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    オーストラリアの屠殺場で働いたことがあったので、屠殺関連の小説を調べてこの本にたどり着いた。

    オーストラリアの屠殺場では、ナイフを使う事はなかったが、ナイフを巧みに使って、肉を削ぐ姿やこまめにナイフを研いでいる姿はよく目にしていた。

    屠殺場には様々な工程があり、いくつかの工程を担当した。トラックに詰め込まれた生きている羊が、エスカレーターのような機械で、1匹ずつ工場内に運ばれてくる。羊が工場内に入る手前で、電気ショッ
    クさせて1度気絶させる。これを失敗すると、次の工程担当が苦労する。羊の頸動脈を切り、後脚1本を引っ掛けて宙吊りのまま血を抜いて、首を切断する。
    それからナイフや機械で皮を剥い

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    2024年06月05日
  • 猫にならって

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    猫好きの 猫好きによる 猫好きのための小説
    猫は気高く、気負わず、威張らず、いつもありのままの姿で、大切なこと/ものにまっすぐに生きています。あぁ、猫のように生きたい。

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    2024年04月10日