あらすじ
がんばれよ。もっと、もっと強くなれ――
盲学校に通う小学4年生の及川正彦は、新任の先生から将棋を教わり、その面白さにすっかりのめりこみます。
目の見えない人でも楽しめる将棋盤と駒を使って同級生と対戦、寄宿舎の自室では詰将棋に熱中する日々。
そんな正彦の変化を、家族はあたたかく見守りますが――。
盲学校を舞台に、将棋を指す喜びを知り、それぞれに成長を遂げてゆく小学生たちとその家族、教員たちの群像劇。あたたかい読み心地の一冊です。
将棋ペンクラブ大賞文芸部門優秀賞を受賞、入試にも頻出している『駒音高く』の姉妹編。
装画/高杉千明
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
生まれつき全く見えない環境の中
誰を恨むでもなく
ひたすら現状を受け止め前へ前へと進んで行く少年に心打たれる作品です。
目が不自由でありながら将棋を指す事はハードルがかなり高いとは思いますが、プロ棋士などの話で脳内で盤を動かすなどの話を聞いたりする事もあるので、
視覚障害がある人でも楽しめるボードゲームかも知れませんね
作中の中の小倉先生の様な熱い志を持った方が実在し将棋を広めて欲しいと、観る将ファンである私の切なる願いです。
Posted by ブクログ
私は、この本のタイトルを読んだ時からびっくりしました。将棋を、目が見えなくてもするの?!と、驚きました。それで気になって読んでみると、将棋の話が多いのですが、主人公とお姉ちゃんの関係や、盲学校で、できた友達のことなども書いてあり、意外に深い話でした。
見えても、作戦や、コマの配置を考えるのが大変で難しい将棋を、見えなくてもできて、しかも強いなんて、すごいと思いました。
M
Posted by ブクログ
あとがきを読んで、これがフィクションだと知ってびっくりしました。
もとになったエピソードがあったわけでもなく、将棋の教え方なんかもすべて作者が考えられたことだそうで、本当に驚きました。
意外に将棋は視覚がい者の方がされるのに合っているのかもしれません。
先の大会まで読みたかったです。
Posted by ブクログ
視覚障害者の正彦。盲学校小4の時にやって来た小倉先生から将棋を教えてもらい夢中になる。
本当に何かに熱中することの尊さ、目が見える見えないなんて本質的な違いじゃない、目が見える俺なんて全然アカンやないか等色々考えさせてくれた傑作。中学受験の国語で出題されそう。
Posted by ブクログ
盲学校を舞台にした将棋を学ぶ子供たちのお話。
出てくる人がみんな聖人君子のようだったけど、早い段階からどうやって生きていくか真剣に考えざるを得ない人生だと精神的に早く大人になる、というのはありそう。
Posted by ブクログ
参加している読書会で紹介されていて読みたくなった本
視覚障がいを持っている人が将棋をするにはそういう風にするのか、ということがよくわかります
見えなくても楽しめる将棋という競技
私は駒の動きしか知らなく、攻め方、守り方なんて全く知らないのですがそれでも楽しんで読むことができました
まるで、ノンフィクションのようですよ
Posted by ブクログ
登場人物だけではなく、作者の将棋愛が伝わる作品だった。
将棋を題材にしている作品は何作か読んでいるが、ちゃんとルール等理解していないので改めて勉強したいと感じた。
視覚障害者も、晴眼者も、同じように将棋や好きなものに打ち込める世の中に更に進歩していって欲しい。
Posted by ブクログ
盲学校が舞台の将棋小説で、小学4年生の男の子・及川正彦の成長物語でもあります。
実は本作で初めて、目の見えない人でも楽しめる将棋盤と駒があることを知りました。
手で触って駒の種類を判別し、記憶と触ることで戦況を把握、対局を追っていく。
え、そんなこと可能なの……?と、驚きました。
記憶力、理解力、思考力がすごい。
生まれつき視覚障がいのある正彦が将棋の魅力にどっぷりハマり、世界を広げていく。ストイックなまでの努力でどんどん強く、逞しくなっていく姿から目が離せない。
子どもたちが新たに出会う世界に目をキラキラさせて楽しみながら学び、切磋琢磨しながら成長していく様子がいい。
根気強く丁寧に生徒と向き合い、寄り添ってくれる小倉先生も素敵でした。
ただ、残念だったのは対局シーン。接戦の緊迫感や攻防が、私に将棋知識がないために楽しみきれなかったこと。
温かな読後感の「将棋 × 成長物語」
また、新たな世界を知りました。
余談ですが、、、
作中で、“白杖をついていても弱視でぼんやりと見える人もいる”とありましたが、以前信号待ちで「白っぽい服を来て前を歩いてくれたので、歩きやすかった」と声をかけられたことがあります。
あれはまさにそういうことだったんですね。
実体験とつながる読書でもありました。