佐川光晴のレビュー一覧

  • おれたちの約束
    札幌の養護施設を離れて仙台の進学校に進んだ陽介。新しい友人との出会いや出所した父との再会、そして未曾有の大地震発生。夢と挫折、様々な葛藤を描く「おれのおばさん」シリーズ第3弾。
    人間って急成長するものじゃない。今日一日、地道にいろんな経験を重ねて明日を迎える。陽介の瞬時の判断が、自身の経験を糧に為さ...続きを読む
  • 牛を屠る
     「働く」ということを教えてくれた。そのとおりだなぁと思うと同時にそんなふうにオイラは毎日を過ごしているかなと振り返らせてくれた。オイラの好きな言葉に「何をしたかよりも、誰としたのかが大切だ」がある。定年を迎えた父親が息子に向けたラジオ番組への投稿だった。定年までいろんなことがあったけど、記憶に残っ...続きを読む
  • おれのおばさん
    第26回坪田謙治文学賞受賞作。

    名門中学に通ってた陽介の父親が横領で逮捕。
    母のおばさんが営む児童養護施設で、暮らすように。
    朝は基礎英語を聴き、種に交わらないようこつこつ勉強。
    読みやすく人情味もあって好きな本だった。
  • おれたちの青空
    おれのおばさんシリーズで一番好き。卓也目線での短編に泣けた。陽介や卓也の成長を見守る母の気持ちになる。恵子さんサイコー!
  • 牛を屠る
    知らない世界で面白く読めた。屠殺場での刃物を使っての仕事…危険この上ないけどお給料はたくさん貰ってるのかな…ありがたい事です。お肉は残さず食べようと思った。
  • あたらしい家族
    昨年「おれのおばさんシリーズ」を3冊ほど読んではまった。
    本作の元の主題は家族芝居というタイトルで、シリーズが生まれるよりも10年前の作品とのこと。
    おれのおばさんの内では登場は僅かながらも、
    善男という人間のインパクトは強かったので
    彼が独り身になってからと、家を存続させていく様が見られたのでとて...続きを読む
  • おれたちの約束
    「おれのおばさん」シリーズ3作目。
    陽介も高校生となり、仙台での寮生活と新しい友達との話が物語の中心に。
    そして東日本大震災に遭遇。
    また成長するのだなー、たくましいぞ、陽介。
    おばさんがあまり出てこなくて残念。
  • おれたちの青空
    前作のおれのおばさんの続編というかスピンオフ中編&短編集かな?

    まずは、陽介とは仲良しコンビの卓也の過去がわかる中編。
    うーん、卓也デカいぞ!w 出自に負けるな!頑張れ!!

    そして、おばさんの過去を書いた中編・・・離婚しちゃったおばさんだけど、今でも好きなのね~。。。これは、可愛いというべきなん...続きを読む
  • おれのおばさん
    物語の舞台は札幌にある児童養護施設『魴鮄舎』
    主人公は、父親が愛人に貢ぐために横領して逮捕されたせいで名門中学を退学し、母親とも別れて暮らさなければならなくなった陽介。
    『魴鮄舎』は母親の姉ではあるが、パワフルすぎてアンタッチャブルで疎遠になっている恵子おばさんが経営してるのだった。。。じゃじゃーん...続きを読む
  • おれたちの青空
    今作の主人公も陽介君だと思って読み始めたら、
    ???
    あれ?

    卓也じゃん!
    と、正直ショックだった。
    が、卓也の生い立ち、魴鮄舎で暮らす経緯が綴られていて、それがまた泣ける話で。

    で、次の章で主人公が変わり、
    恵子おばさん。
    彼女の人生もまた、山あり谷ありで泣ける。
    けど、救いもあって、間違って...続きを読む
  • おれのおばさん
    主人公、中2の陽介が、父親が横領で逮捕された為、突然の幸せな生活から、児童養護施設へ。母親は住込みで一人、働きに出る事に。それでも、グレずに力強く生きてゆく物語。ストーリーにドンドン引き込まれ、一気に読んだ。
    色々あるけど、頑張れよ、、と応援したくなった。
  • 牛を屠る
    大卒の著者が出版社を退社してついた仕事は家畜の解体。差別的な目で見られる仕事を、ただひらめきで、なんとなく、と理由のつかないまま職業安定所で探し、就職。ナイフがうまくつかいこなせたる嬉しさ、たくましくなる肉体、1日の解体分が終われば昼で退社できること、など、仕事の誇らしさが描かれている。世の中にはよ...続きを読む
  • おれのおばさん
    陽介は名門中学で勉強に勤しむ14才。過保護気味の母と銀行員の父と3人で破綻の無い人生を送っていたはずだった。
    ある日父が業務上横領で逮捕される。3,500万円を着服し、愛人に1,000万円のマンションを購入。残った2,500万円を運用し穴埋めしようと画策するもリーマンショックの影響で全て水の泡と変わ...続きを読む
  • 主夫になろうよ!
    小説家でもあり、主夫でもある、兼業主夫を営む著者。

    ここ最近、女性の活躍に関する話題や育児世代を対象としたキュレーションサイトの増加から、「主夫」に関する記事や記述も多くみられるようになり、「主夫」本も多く発行されるようになっています。

    この著者もずいぶん前から「主夫」だったと思うのですが、たぶ...続きを読む
  • 主夫になろうよ!
    これは楽しい!「牛を屠る」が面白かったので、タイトルにもひかれて読む気になった。肩肘張らない書き方で、すんなり読んでいける。「おれのおばさん」シリーズ作者による「主夫生活のすすめ」はとても具体的で、実践の中から出てくる言葉がしみじみあたたかい。

    小学校の先生である妻と二人の息子、四人家族の家事をほ...続きを読む
  • おれのおばさん
    銀行員の父親が横領で逮捕され、母親とも離れ、母の姉が経営する札幌の養護施設に入ることになった中学生・陽介。元舞台女優のおばさんと施設の友人たちと暮らしていくなかで、大事なこと大切なものを知っていく。
    何より、おかれた状況はドン底なのに、前向きな姿勢を失わない陽介に共感する。相手が善い人でもそうでない...続きを読む
  • おれのおばさん
    中学2年生の陽介がいいのです
    いい子ちゃんじゃないけど、根性あって
    素直というか正直で、まさに青春真っ只中の男の子
    こんなこと起こっちゃって、
    でも、グレる暇もめげる暇もなく怒涛の展開で
    一歩ずつ知らない間に成長している姿が
    清々しくて、応援したくなりました
  • おれのおばさん
    父親が横領で逮捕され、名門中学退学を余儀なくされた陽介。
    母の姉である児童養護施設を運営するおばさんに預けられる。
    そこで出会った仲間たちに助けられながら、色々なこと学びながら、将来の夢も諦めない陽介はたくましい。
    作中の『人と人はお互いの何もかもを知らなくてもつきあっていけるのだし、だからこそ、い...続きを読む
  • ぼくたちは大人になる
    まっすぐではなく、屈折した高3男子の成長物語。頭がよく、顔もよく、スポーツもできるけど、人間関係に不器用な達大が不器用なりに人と関わっていくのがリアルでよかった。
  • 牛を屠る
    屠畜場での就労経験に基づいた興味深いエピソードの数々。毎日のように肉を口にしながら屠畜に関する知識に乏しい読者にとって現場の描写は衝撃的だ。決して快適とはいえない労働環境や被差別部落に対する偏見が影を落とす職場にあって働くことの本質が見えてくる。