佐川光晴のレビュー一覧

  • おれのおばさん

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    主人公、中2の陽介が、父親が横領で逮捕された為、突然の幸せな生活から、児童養護施設へ。母親は住込みで一人、働きに出る事に。それでも、グレずに力強く生きてゆく物語。ストーリーにドンドン引き込まれ、一気に読んだ。
    色々あるけど、頑張れよ、、と応援したくなった。

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    2016年04月20日
  • 牛を屠る

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    大卒の著者が出版社を退社してついた仕事は家畜の解体。差別的な目で見られる仕事を、ただひらめきで、なんとなく、と理由のつかないまま職業安定所で探し、就職。ナイフがうまくつかいこなせたる嬉しさ、たくましくなる肉体、1日の解体分が終われば昼で退社できること、など、仕事の誇らしさが描かれている。世の中にはよそうできないほどのいろんな仕事があるけれど、選んだ仕事が何であろうと、一生懸命な人は輝く、と思った。いろんな世界のいろんな仕事をもっと知りたい。

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    2015年11月20日
  • おれのおばさん

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    陽介は名門中学で勉強に勤しむ14才。過保護気味の母と銀行員の父と3人で破綻の無い人生を送っていたはずだった。
    ある日父が業務上横領で逮捕される。3,500万円を着服し、愛人に1,000万円のマンションを購入。残った2,500万円を運用し穴埋めしようと画策するもリーマンショックの影響で全て水の泡と変わった。

    陽介は母と犬猿の仲の叔母に預けられる。
    叔母は北海道で児童養護施設の寮母をしている。
    叔母は穏やかで上品な母と違い、とにかく豪快でユニーク。
    寮生と野球拳をやろうとして止められたり、ミスで割れてしまった卵を使ってホットケーキ大食い大会を開催するなど豪放な人物。
    かつては医大を中退し劇団を立

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    2015年09月21日
  • 主夫になろうよ!

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    小説家でもあり、主夫でもある、兼業主夫を営む著者。

    ここ最近、女性の活躍に関する話題や育児世代を対象としたキュレーションサイトの増加から、「主夫」に関する記事や記述も多くみられるようになり、「主夫」本も多く発行されるようになっています。

    この著者もずいぶん前から「主夫」だったと思うのですが、たぶん、以前から主夫という存在もまた社会のマイノリティとして影を潜めていて、ようやく少しずつ表舞台に出られるようになってきた(需要が高まってきた)ということなのかもしれません。


    長年、主夫を営んでいるだけあって、佐川さんの言葉はどれも説得力のあるものになっています。
    主夫のお悩み相談室と題した最初の

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    2015年06月14日
  • 主夫になろうよ!

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    これは楽しい!「牛を屠る」が面白かったので、タイトルにもひかれて読む気になった。肩肘張らない書き方で、すんなり読んでいける。「おれのおばさん」シリーズ作者による「主夫生活のすすめ」はとても具体的で、実践の中から出てくる言葉がしみじみあたたかい。

    小学校の先生である妻と二人の息子、四人家族の家事をほとんどすべてやってきたのだそうだ。時には同じ敷地内に住む奥さんのご両親にもごはんを持っていくという。その姿は、ほんとにありふれたごく普通の「主婦」と同じ。そこがいいなあと思う。

    「男のナントカ」的にあれこれ能書きを垂れるのでなく、家事を煩わしいものとして「合理化」のワザを語るのでもなく、「丁寧でエ

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    2015年05月12日
  • おれのおばさん

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    銀行員の父親が横領で逮捕され、母親とも離れ、母の姉が経営する札幌の養護施設に入ることになった中学生・陽介。元舞台女優のおばさんと施設の友人たちと暮らしていくなかで、大事なこと大切なものを知っていく。
    何より、おかれた状況はドン底なのに、前向きな姿勢を失わない陽介に共感する。相手が善い人でもそうでない人、ましてや愛人に貢ぐために罪を犯した父親からも、何かを学ぼうとする気持ちが立派である。逞しく明るく生きていくという、出来そうでなかなか出来ないことだけど、今日から私も前を向いて歩いていこう。

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    2015年01月13日
  • おれのおばさん

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    ネタバレ

    中学2年生の陽介がいいのです
    いい子ちゃんじゃないけど、根性あって
    素直というか正直で、まさに青春真っ只中の男の子
    こんなこと起こっちゃって、
    でも、グレる暇もめげる暇もなく怒涛の展開で
    一歩ずつ知らない間に成長している姿が
    清々しくて、応援したくなりました

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    2015年01月02日
  • おれのおばさん

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    父親が横領で逮捕され、名門中学退学を余儀なくされた陽介。
    母の姉である児童養護施設を運営するおばさんに預けられる。
    そこで出会った仲間たちに助けられながら、色々なこと学びながら、将来の夢も諦めない陽介はたくましい。
    作中の『人と人はお互いの何もかもを知らなくてもつきあっていけるのだし、だからこそ、いつかすべてを知っても、それまでと変わりなくつきあいつづけられるのだ』という一節が心に残った。
    ここでは言い切ってあるけど、これって意外と難しいことじゃないかなって気もする。
    だけど、みんな頑張って生きているって感じられる作品って好きだなぁ。
    続編も読みたい!

    2014.12.21

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    2014年12月21日
  • ぼくたちは大人になる

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    まっすぐではなく、屈折した高3男子の成長物語。頭がよく、顔もよく、スポーツもできるけど、人間関係に不器用な達大が不器用なりに人と関わっていくのがリアルでよかった。

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    2014年11月07日
  • 牛を屠る

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    屠畜場での就労経験に基づいた興味深いエピソードの数々。毎日のように肉を口にしながら屠畜に関する知識に乏しい読者にとって現場の描写は衝撃的だ。決して快適とはいえない労働環境や被差別部落に対する偏見が影を落とす職場にあって働くことの本質が見えてくる。

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    2014年10月26日
  • 牛を屠る

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    【本の内容】
    作家専業となる以前、埼玉の屠畜場に勤めていた日々を綴る。
    「おめえみたいなヤツの来るところじゃねえ!」と先輩作業員に怒鳴られた入社初日から10年半。
    ひたすらナイフを研ぎ、牛の皮を剥くなかで見いだした、「働くこと」のおおいなる実感と悦び。
    仕事に打ち込むことと生きることの普遍的な関わりが、力強く伝わる自伝的エッセイ。
    平松洋子氏との文庫版オリジナル対談を収録。

    [ 目次 ]
    1 働くまで
    2 屠殺場で働く
    3 作業課の一日
    4 作業課の面々
    5 大宮市営と畜場の歴史と現在
    6 様々な闘争
    7 牛との別れ
    8 そして屠殺はつづく
    文庫版オリジナル対談 佐川光晴×平松洋子―働くこと

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    2014年08月27日
  • おれのおばさん

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    養護施設『魴鮄舎』。そこは陽介の迫力ある個性的な叔母さんが仕切る場所。エリート一家が崩壊して、ここ北海道の叔母の施設に世話になることになった秀才陽介が、本当の賢さ優しさ逞しさを獲得していく様が小気味よい。本当に中学生?と思うことしばしばではあるけれど。人は困難にあったときが、成長する最大のチャンス。陽介と魴鮄舎のこれからの成長が楽しみですね。

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    2014年08月17日
  • 虹を追いかける男

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    「生活の設計」は先に「牛を屠る」を読んでいた為か、少し冗長な印象を受けた。

    その分「虹を追いかける男」は純粋にたのしめた。スピード感もあって飽きさせない上に、「縮んだ愛」のように終わり方に違和感もなかった。

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    2012年10月08日
  • ぼくたちは大人になる

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    両親が離婚し母親と暮らす高校3年男子の1年を描いた青春小説。ただの爽やか物語でなく屈折して不安定なこの時期の男子の心情をリアルに描いていて共感する事がたくさん。主人公が成長するエピソードもユニークだし良かった。

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    2012年06月23日
  • 「とうさんは、大丈夫」

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    ちょっと想像していた内容とは違ったな・・。
    「とうさんは、大丈夫」というタイトルではあるが、内容は全然大丈夫じゃなかったです・・(~_~;)
    真面目な仕事人が陥りやすいと言われる「うつ病」・・
    特に主人公の澤村が仕事に真摯な姿勢を持つ人物だけに、精神が崩壊していくさま?に心を痛めた。
    結局のところ、家族の愛で自分の舵を取り戻すので救われたけど。

    仕事に余裕を持つなんてことは、きっと現代社会では難しいこと。
    しかし、オンとオフを切り替えないと、やりきれなくなる時があるように思う。

    埼玉県が舞台の小説ゆえ、リアリティを感じました。

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    2012年02月20日
  • 縮んだ愛

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    障害児学級を受け持つ教師の告白。
    過去の教え子(直接ではない)が暴漢に襲われ意識不明となるが、その容疑で逮捕される。告白を読む限り、彼は犯人ではないのだが、彼は事件当日のことを語らない。
    物凄く想像力をかき立てられる作品である。容疑は事実なのか、誰かを庇っているのか。そして、その真相を想像するのが作者の意図する事なのか。安易に決め付けられない。

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    2012年01月25日
  • 永遠の誓い

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    相当面白かった~!
    さりげなくとってもリアルなんだけど、佐川さん特有の雰囲気で
    べちょっとしていないから、嫌悪感がなく読めました。

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    2010年12月25日
  • 虹を追いかける男

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    二篇。ふとしたことで屠殺場で働くことになった男が、共働きの妻と子どもそれなりに楽しく暮らしているが、自分が働く屠殺場というものに注がれる世間の目に苦悩する。詳細な屠殺描写が必見。もう一篇は、両親の死をきっかけに北海道へ旅した男が、以前は山谷でアングラ演劇をやっていた怪しげな男と出会い、その男の生き様にある種惹かれつつ、自分たちの居場所を探す物語。面白かった。

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    2010年10月26日
  • 縮んだ愛

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    大学時代の恩師から、お勧めされた作家の初読書。読みやすい文章で、ボリュームとしても薄い方なのでサクサク読んでしまった。
    「わたし」は障害児学級を担任する教師。この小説全体は、「わたし」の元に現れたかつての教え子・牧野(障害児ではなかったが、問題児として有名だった)が何者かに襲われ、意識不明の昏睡状態になった、その数ヶ月のことを「わたし」が記した手記となっている。
    結末にわかりやすい何かを期待してはいけない話である。面白くないと感じる人も多そうな小説だ。
    しかし、私はこの手の一人称小説が謎めいていて結構好きだ。手記という体裁は解説文の言葉を借りるなら「信用できない語り手」なのだ。
    妻との

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    2009年10月04日
  • 見えなくても王手

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    盲学校を舞台にした将棋を学ぶ子供たちのお話。
    出てくる人がみんな聖人君子のようだったけど、早い段階からどうやって生きていくか真剣に考えざるを得ない人生だと精神的に早く大人になる、というのはありそう。

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    2025年07月08日