【本の内容】
作家専業となる以前、埼玉の屠畜場に勤めていた日々を綴る。
「おめえみたいなヤツの来るところじゃねえ!」と先輩作業員に怒鳴られた入社初日から10年半。
ひたすらナイフを研ぎ、牛の皮を剥くなかで見いだした、「働くこと」のおおいなる実感と悦び。
仕事に打ち込むことと生きることの普遍的な関わり
...続きを読むが、力強く伝わる自伝的エッセイ。
平松洋子氏との文庫版オリジナル対談を収録。
[ 目次 ]
1 働くまで
2 屠殺場で働く
3 作業課の一日
4 作業課の面々
5 大宮市営と畜場の歴史と現在
6 様々な闘争
7 牛との別れ
8 そして屠殺はつづく
文庫版オリジナル対談 佐川光晴×平松洋子―働くことの意味、そして輝かしさ
[ POP ]
2009年に解放出版社から刊行された『牛を屠る』が文庫化。牛や豚の解体作業を通して、働くこと、生きることの本質に迫る。
巻末に、佐川光晴と平松洋子との対談(文庫版オリジナル)を収録。
人生は流れであるという感覚について、「のめり込んでいた場所でできる限りのことをやったら、次の世界が始まっていく」という著者の言葉は説得力がある。
「自分の手と直結した何かを使って働」(平松)いたからこそ紡げる言葉があると知る。
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