佐川光晴のレビュー一覧

  • おれのおばさん

    大手銀行に勤める父親が、愛人へ貢ぐ資金の為に、顧客の金3,500万円を横領し、逮捕。
    故に、主人公の中学二年生で勉学優秀な息子は東京から北海道の児童養護施設へ移住することに。
    母は夫の失態を許し、また家族で暮らすため、自宅も売っ払い、一人住込みの仕事を始める。

    児童養護施設の主である、主人公の叔...続きを読む
  • あたらしい家族
    内容(「BOOK」データベースより)

    医学部入学を目指し大学浪人中のアキラは、いとこの善男が営む老人グループホーム「八方園」に下宿することになる。三十半ばでバツイチ、元役者、めっぽう口が悪くて老人たちを婆ぁ呼ばわりする善男だが、なぜかホームに暮らすみんなからの信頼は厚い。赤の他人ながら共同生活を送...続きを読む
  • あたらしい家族
    『おれのおばさん』に続くお話。
    医者を目指す浪人中のアキラは、従兄の善男が営む「八方園」に下宿しながら、手伝いながら…
    そこには7人のお婆さんが生活している。
    その後も色々と人が加わってくるのだが、
    あとがきにもあったように、まさしく「八方園」での形は『あたらしい家族』である。
    今後、現実にもこんな...続きを読む
  • 主夫になろうよ!
    家庭での仕事は、どちらかが負うのではなく、
    両方ができたほうがいい。
    掃除、洗濯、料理は、
    家族の健康、家族のシアワセにダイレクトに繋がる仕事。
    やるほどに頭も使い、感性も鋭くなり、技術も上がる。
    「自分が作ったもので、子供が大きくなる」
    これほどのやりがいはない。
    男性側の視線で主婦(主夫)の仕事...続きを読む
  • ぼくたちは大人になる
    勉強もスポーツもできる医学部希望の高校三年生・達大。顔もいいので、女子高生たちの密かな憧れでもある彼だが、性格はかなり屈折している。正義感が尖り過ぎていて、その言動が周囲を傷つけるのだ。18歳の少年が、本当の大人になる前の挫折と揺れる心、そして新たな出発を描く青春小説。
    人間の価値は、いかに他人との...続きを読む
  • あたらしい家族
    『おれのおばさん』シリーズ外伝。老婆ばかりの老人グループホーム「八方園」に下宿することになった大学浪人中のアキラ。彼の視点で、ホーム経営者の後藤善男と老婆たちの不思議な共同生活を描く。
    何とも賑やかな毎日から、一転して一人の老婆の死亡、そして新しい家族の誕生。慌ただしくも、そこにはお互いの信頼と敬う...続きを読む
  • 山あり愛あり
    人と出会うタイミングってやはり出会うべくして出会うのでしょうか。やりたい事とやるべき事も違うのかも。これを読むとこれから出会える人が、どんなタイミングでどんな人を連れてくるのか楽しみになります。
  • あたらしい家族
    佐川さんは、以前『おれのおばさん』を読んでましてこれで2冊目。
    この作品は『おれのおばさん』続編にあたります。とはいえ『おれのおばさん』の内容はすっかり忘れてるのですが。

    なかなか面白い人物設定です。役者崩れの年の離れたいとこの善男と彼が面倒を見る8人のしたたかな婆さんたち。そこに飛び込んだ浪人生...続きを読む
  • おれのおばさん
    都内名門中学に通う主人公が、父親の不倫→横領→逮捕で叔母の児童養護施設に急遽預けられる所から物語が始まる。冒頭で自分を表す一人称の話が興味深い。本来''ぼく"であった主人公が"おれ"と言わなければならない程人生が変わってしまうが、色々な過去を持つパワフルな叔母や児童養護施設の仲間等と触れ合ううちに少...続きを読む
  • おれたちの青空
    前作のおれのおばさんの続編。前回主人公の陽介は最後だけ。スピンオフ的なものでなかなかに青春なのと、おばさんの過去がちょっとわかった。
    皆旅立ったのでこの後は無さそうだな。
  • 永遠の誓い
    ほんわか恋愛ものかと思って読んだら、意外とハードな面もあり、可愛い嫁と、新米教師の夫がほんとの夫婦?になっていく姿と、いった話だった。子どもが出来て、ベテラン教師になってからの二人を読んでみたいかも。

    再読。
    全く覚えてなかった…。
    テンポの良い会話に引き込まれてサクサク読んだ。
    新婚さんが夫婦に...続きを読む
  • 主夫になろうよ!
    理屈でなく現実に、子供を育て、掃除洗濯をし、料理をつくりながら、小説家として主夫を実践している佐川氏の、屈託なく、前向きで、すがすがしい実践を基にしたエッセイ。
    半面、主夫の生き方に感心するということは、女性で同じことを実践している人(主婦で仕事を持っている人)が現実には多いかもしれない現実を思うと...続きを読む
  • おれたちの青空
    『おれのおばさん』の続編。
    児童養護施設で育つ子供たちの成長と施設を運営するおばさんの過去を回想する三作。
    子供たちはそれぞれの過去や現状の中、強くたくましく育っていく。
    そして施設を旅立つ日がやってくる。
    強い絆で結ばれていることが伝わり、温かい気持ちになれる。

    2015.5.10
  • 主夫になろうよ!
    主夫になるには!主夫歴数十年の佐川氏によるハウツウ主夫。
    こんなふうに、さらり(見てくれや、自分の立ち位置にウロウロしない)とやっていける人でなければ、主夫は難しい。
    社会の制度だけでなく、本人や周りの意識改革のほうが必須なんだろうなあ。
  • 主夫になろうよ!
    奥さんが学校の先生で日々忙しくされてる。
    そして著者は、もちろん作家。そして主夫。
    こういう作家さんもいらっしゃるんだな~
    出来る方がやればいいのです。そしてそれを自然に出来るって凄い事。
    羨ましい夫婦です。
    面白くてサクサク読めました。
  • 牛を屠る
    作者が作家になる前に勤めていた埼玉の屠畜場での日々を綴る自伝的エッセイ。
    職業的に、差別問題や命のあり方に重きをおかれそうだが、職の尊さをテーマにしているので、親近感を覚える作品だ。
    大卒の作者が、初日に先輩から「おめえみたいなヤツが来るところじゃねぇ!」と怒鳴られてから10年間、職を全うした経験を...続きを読む
  • おれのおばさん
    冒頭から魅き込まれる筆力は安定しているし、多様な登場人物の設定も背景も生々しく生き生きと活写されている。中でも表題のおばさんのキャラとその経歴は強烈。主人公、陽介の視点から日々起こる様々な事件が報告され、同時におばさんの過去も少しずつ紐解かれていく展開も絶妙なバランス。ただそのせいか、全編が過去形、...続きを読む
  • おれたちの青空
    「おれのおばさん」の続編ですが、短編式で3作収録されています。
    主人公は父親の逮捕が原因で養護施設に預けられるが、そこで多くの事を学んで成長していく。
    今回は養護施設を立ち上げた「おばさん」の話と、主人公の仲間の過去と成長の話と、主人公のその後を描いていて、内容は感動もあるが、短編だけにあまり満足感...続きを読む
  • おれのおばさん
    中学生が大人になっていく過程の、成長物語、かなぁ。
    あの事件が起こらないまま成長したら主人公はちょっと鼻持ちならない大人になっていてもおかしくないけど、周りの人たち(大人も子どもも)のいろんな事情を知って、たくましくなったんじゃないかな。
  • 「とうさんは、大丈夫」
    仕事熱心で家庭でもよきお父さんである児童福祉士の主人公がある出来事をきっかけにだんだんとうつ症状に陥り理想と現実の中で妄想にさいなまれ病んでいく。ただこの主人公には支えてくれる家族、奥さん子供達がいたから、ギリギリでのところでなんとか持ちこたえることができた。これって現実社会の一端なの…と気分は沈む...続きを読む