佐川光晴のレビュー一覧

  • 猫にならって

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    初読みの作家さん。表紙のイラストとタイトルに釣られて読みました。
    8編からなる短編集。必死に生きる人達の人生の一部に、ひょこっと猫が登場します。
    ほっこり系かと勝手に予想していましたが、少し違いました。あと、猫が愛らしく描かれていなくて残念。

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    2023年02月21日
  • 猫にならって

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    猫に関わった人たちの、それによって変わっていく物語。
    猫って、賢く、愛情深いから。
    1編目のミー子が芳子を変えてくれたことが全ての始まりなのね。
    2編目のミカズは、最初は好きになれないタイプかと思ったんだけど、話が進む中に何度も登場していって、ああ、この人も猫との関りの中で大きく変わったのだ。
    気がかりなのは、チビのその後かな。
    でも、きっとしっかり生きたはず、と信じたい。
    兄妹たちがもらわれた行って家出をして、でも、それは心が折れたからではないと信じたい。
    最後、あの人があったのが、その子孫かはわからないけれど、そう信じてみるもも素敵かもしれないと思う。
    ただ、この作品に限るのか、そういう癖

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    2023年02月12日
  • 校長、お電話です!

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    母校である百瀬中学校に校長として就任した柴山緑郎 
    通称 “シバロク”
    47歳の若き新米校長の奮闘記

    前任の校長は、市長の教育政策により採用された民間人校長だった。
    しかしその政策は早々に失敗し、学校は荒れ放題。
    引き継ぎもないままに、後を任されたシバロクだが、どう立て直していくのか。

    民間人校長の実態や、先生達の忙しい日々、校長の重責等、なかなか興味深い。
    へぇー、と思ったのは、中学の教員は男性の方が多く、女性なら体育会系の身長の高い方が採用されやすい事。
    小学校は女性の教員が多いらしい。
    今もそうなのかな。

    そして、
    窓ガラスが何枚も割られる
    ドアが壊される
    タバコの吸い殻……
    と、

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    2023年01月14日
  • 大きくなる日

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    ネタバレ

    中学受験の題材となったとのことで息子と読んでみた。
    太二という少年を取り巻く人々のストーリー短編集。
    太二の年長から中学卒業までのほぼ1話ずつの構成となっており、全体を通して太二やその周囲の成長が描かれており、読み終わったあとには爽やかな風が吹き抜けるような、清々しい気持ちになれる作品。
    主人公の太二は品行方正、文武両道の理想的な男の子。こんな出木杉くん・・・すごく理想的だけど、リアルで出会うことはまぁないな。。。息子も同じ意見らしく二人で「優等生すぎ〜」とツッコミながら読み進めた。
    私がこの本で一番ありがたいと思ったところは、登場人物の行動の裏付けとなる行動動機や思考の段階が省かれずに描かれ

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    2022年10月09日
  • 駒音高く

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    短編としては面白い。読者のわがままかもしれないが長編が読みたい。なんかいいところで終わるような、一人の登場人物をしっかりと追いたいかも。

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    2022年01月27日
  • 駒音高く

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    ネタバレ

    うーん……丁寧だけど普通の本。将棋界の中身を知る上では興味深いかもだけど、短編としてはオチや展開が弱いかも。最初の掃除婦のおばさんの話が爽やかでよかった。

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    2021年11月28日
  • おれのおばさん

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    ネタバレ

    良くありそうで、なさそうなお話。父親が横領で逮捕され、おばさんのもとに預けられることになった中2の陽介。おばさんは児童養護施設に訳あっていられなくなった中学生14人の暮らすグループホームを営んでおり、そこに暮らす卓也や健司、ありさ、奈津と共同生活を送ることになる。
    まず感じたのは、陽介のおばさんの器の大きさ。中学生って自分の子どもでさえもてあますような、大変な思春期真っ只中なのに、14人も面倒を見る。いやいやすごい。大量の卵が割れてしまった時に、ホットケーキ大食い選手権をしたり、子どもが施設に入っている事情を教師がうっかり保護者に漏らした時には正面切って学校と対決したり、夏休みに子どもたちを奄

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    2021年08月07日
  • おれのおばさん

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    時間をかけて、やっと読み終わった。

    主人公が結構客観的に物事を捉えてたし、友達の卓也もすごく大人だな〜と思った。卓也カッコイイ。
    それに対して、おばさんは奔放な人だな〜という印象。最後の下りとか、さすがにちょっと自由すぎるでしょ笑と思った。その突拍子のなさがおばさんの魅力ってことは分かるんだけど、身内にいたら多分嫌いになってる笑
    最後の方はわりと畳み掛けるような展開だった。
    続きも読むかな〜

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    2021年05月22日
  • 大きくなる日

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    短編を読み進めながら、登場人物たちの成長を、一緒に感じることができました。文書も読みやすく、おすすめです。

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    2021年03月24日
  • おれのおばさん

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    おばさんのような大人がそばに居てくれたら、子どもは安心だろうなぁと思う。こういう感じ好きだなぁと思う人と人との距離感が描かれていて、この感覚を子どもの頃に持てたら、大人になってからも生きるのが楽に、おおらかになるだろうなぁと思いました。こういうことを声を大にして言ってほしいよね、大人に。

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    2021年03月22日
  • おいしい育児――家でも輝け、おとうさん!

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    “「週に一回でいいから、お財布にお金を多めに入れて、スーパーに行きなさい。野菜や肉や魚を見て、これは食べたいと思ったら、それを買って、炒めるか焼くかして食べなさい。人間は、自分に不足している栄養が含まれたものを見ると、食欲がわくようにできているんだから」”(p.64)

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    2021年03月20日
  • おれたちの青空

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    『おれのおばさん』のシリーズ。主人公だった陽介が暮らすおばさんの養護施設の同級生・卓也とおばさんが主人公の2編が中心。どこか小説のようなつくり話に思えた『おれのおばさん』の陽介の境遇に対し、卓也の生い立ちのほうが壮絶なんだけどありそうな感じに思えて、そんなことがありがちな話に受け取れてしまう現代ってどうなんだろう。
     おばさんのエピソードは豪放磊落なようで意外と繊細な彼女の様子が知れた。こちらのエピソードでも親と一緒に暮らせない子どものことが。

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    2020年11月24日
  • おれのおばさん

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    何かタイトルから、思春期の少年がきれいな叔母さんにあこがれるみたいな話かと思いきや、そういうおばさんじゃなかった。父親が会社の金を横領して捕まって一家離散状態になり、埼玉から札幌で児童養護施設をやってる母の姉に預けられた少年の話。
    わりと冒頭で自分で自分のことを考えるときの一人称が「ぼく」から「おれ」になったって話が出ていて、「おれ」になったのは立ち向かわないといけない状態になったからみたいな主人公の思いが書かれていて、なるほどなと思った。
    東大進学率も高い私立の進学校に通っていた主人公が、頭がいいだけでなくけっこういい人だった。思春期の頃ってもっと仏頂面だったり頑なだったりしそうだけど、わり

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    2020年11月24日
  • 校長、お電話です!

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    問題が頻発していた母校である中学校に、校長として着任したシバロクこと柴山緑郎。情熱と愛情をもって、生徒や教師に体当たりでぶつかってゆく新米校長の奮闘を描く物語。
    教育の本来あるべき姿がここにある。建前論や虚飾で見せかけの教育を語るよりも、生徒と本音でぶつかることでお互いが理解できる。教師の鏡のようなシバロクの言葉は、学校の世界だけじゃなく社会全体に通じる。

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    2019年06月26日
  • 鉄道少年

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    JRがまだ国鉄だった頃、北海道から東京まで一人で旅する男の子がいた。『鉄童』と呼ばれた少年の真実とは?謎と希望に満ちた、人と鉄道の絆の物語。
    コンプライアンスに縛られた現代に比べ、昭和の時代のおおらかさがとても温かい。人々の懐の深さが孤独な少年を救い、また大人になって次の世代の成長を促していた。鉄道に関する蘊蓄が、おそらくマニアも納得のヒューマンストーリー。

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    2019年04月20日
  • おれたちの青空

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    前作に続き面白いのだが、ページ数が短すぎてあっという間に読み終わってしまった。どんな人生でも幸せはあると思わせてくれる一冊。

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    2019年03月13日
  • おれのおばさん

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    父が横領で逮捕され、名門中学二年の陽介は学校を変え母から離れ、伯母が運営する児童養護施設に預けられる。施設に深入りしない描写の為に陽介も共に旅行に行ったり暮らしたりする仲間たちとの日々もごく普通であるように感じられる。伯母にとっての芝居も描写はなくただ文があるだけで脇道だからかなという印象。爽やか。

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    2018年10月10日
  • おれのおばさん

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    佐川光春さんの本は2冊目。
    最初に読んだのが『おれのおばさん』に続く物語である『あたらしい家族』
    どちらが先でも問題ないのだけれど、本作品を読んでからの方が、なるほど~、と思ったかも。

    突然、父が逮捕されてしまった中学2年生の陽介。
    母の姉が経営する児童養護施設で暮らすことになる。
    様々な問題を抱えながら、中学生なりに前に進んでいく姿が気持ち良い。

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    2018年08月07日
  • 山あり愛あり

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    元銀行員が新たな道として選んだのは、母子家庭を支援するNPOバンク。人生の岐路に立つ男が自分を見つめ直す長編小説。
    人間には常に支えが必要だと思う。それは、家族であったり友人知人だったり、夢や趣味だったり。人生の行き先に迷った時、絶体絶命の時に、支えがあるかないかで選択の正誤が決まる。

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    2018年04月08日
  • おれのおばさん

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    大手銀行に勤める父親が、愛人へ貢ぐ資金の為に、顧客の金3,500万円を横領し、逮捕。
    故に、主人公の中学二年生で勉学優秀な息子は東京から北海道の児童養護施設へ移住することに。
    母は夫の失態を許し、また家族で暮らすため、自宅も売っ払い、一人住込みの仕事を始める。

    児童養護施設の主である、主人公の叔母。
    豪快。
    本来ならシリアスになるであろう状況ではあるが、非常に明るく前向きな一冊。
    青い春の真っ只中にいる思春期の少年が、「ぼく」から「おれ」に脱皮する青春物語。


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    2018年01月15日