佐川光晴のレビュー一覧

  • 虹を追いかける男
    社会で生きることの問いと結論を描いた物語二編。

    佐川光晴作品は『金色のゆりかご』に続き2冊目。
    屠殺場で働く自分自身への自問自答と説明を描いた『生活の設計』は、自答な文章なだけにやや堅苦しい印象を受けた。
    しかし内容は面白い。
    一種の新書や教科書を読んでいる説明文で、屠殺場の世の中の偏見を訴えてい...続きを読む
  • 永遠の誓い
    今回の佐川さんの小説は、著者の地元を舞台に、ある教育一家に生ずる波紋を巧みな設定で描いている。フィクションだけれど、かなり知り合いのキャラクターや家族関係が投影されているような色合い。 埼玉県の公務員から希望して中学校教師に転じた男と教育一家に育った保育士の妻。著者の住む埼玉県志木市を舞台に、若い教...続きを読む
  • 虹を追いかける男
    著者のデビュー作である『生活の設計』(2001年1月、新潮社刊)と『虹を追いかける男』(2003年6月、双葉社刊『極東アングラ正伝』を改題)の2編を収録。どちらの作品も、作家・佐川光晴の創作の背景がうっすらと見えてくるような内容。もっとも、これまで読んだのは数作品にすぎないのだから、大きなことは言え...続きを読む