佐川光晴のレビュー一覧
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この読後の清涼感はSNSにいくら時間溶かしても得られないものだよなぁ…。「いい話」だけれど単純な薄っぺらい話じゃなくて、登場人物たちの情熱を感じる。フィクションとはいえ、将棋に魅せられた子供たちの生き方に圧倒された。これは強くなるはずだ…。
解説もまた変に飾らなくて素敵。「女性に好かれる人間的魅力も一つの才能」って、ほんとそう。人によっては何もかも犠牲にしてその道一本に生きるばかりが近道ではないはず。一方で「お父さんは不人情なまま、将棋に命かけていればいいのよ」と娘たちから言われる棋士人生もなるほどコレはコレで子育て成功例…(きっと奥様の功績)など多様な人生が詰まってて面白かった。 -
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2024.12.23〜26
インスタのおすすめで見かけて。
主人公が、とても、勉強が出来るにしても、出来すぎている感じがした。それとも今の時代の子はこういうやつもの?と思ったら15年前の本だった。やっぱり、自分の事を客観的に見る事が出来すぎていると思う。
けど、おばさんのような人がいて、福祉を受ける人たちが幸せになれるといいし、問題になったクラスメイトたちのように、こういう人と触れてきっと何かを考える機会に出会える人がいる、っていうのはいいなぁ、と思った。
自由に生きてるように見えるおばさん。強い。
歳を取れば取るほど自由に生きるのが難しいと分かるし、若い頃よりは世間も分かって、やりたい事をす -
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第一部完結編としてとても良い話だと思った。
このシリーズは、登場人物のプロフィールがかなり重複するが、解説者曰く、出発点からの彼らの成長ぶりを読者も作者も強く感じ取れるのだと。
たしかに年齢と共に心身共に逞しく、周りに優しさや強さを持ってリーダーとして活躍する姿が、読んでいてもとても心地よい。
今回は魴鮄舎が耐震問題で閉鎖に追い込まれるか⁈
陽介も卓也も居ても立っても居られない。
それぞれの葛藤と行動力と、そこには仲間が必ずいて、助け合える。
おばさんもやはり強く、苦労しつつもとても明るい未来が来るような感じも良い。
面白かったー
また続きでないかなぁ〜 -
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男子中学生の陽介、卓也がそれぞれ家族と暮らせない事情を抱えつつも、自分なりの目標をみつけて前に進んでいく感じが爽やか。前作『おれのおばさん』では、色んな背景を明らかにする必要があって、個々の心情には今一歩踏み込めていない感じがあったが、今作では丁寧に描かれている。中学生なら一人になって考えたいと、突発的に家出をしたり、凍死寸前の寒さに無謀にも突っ込んでいったり、いろんな思いが頭の中をかけめぐって眠れなくなったり、そういうことがあるだろうなあと共感。そして彼らが卒業したあとに入ってくる予定だった二人の女子小学生の登場も興味深い。教育のあり方、児童養護施設で育つ子ども、子どもの成長、強さ、といった
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ネタバレ面白かった。
シリーズ第3段、陽介の高校生活。
仙台の進学男子高生となり、寮生活を始める。そこへは入試上位3名、返済なしの奨学金を得ての入学。
同点2位のイケメン中本と仲良くなり、生徒会立候補を企む中本の、ひょんな事から1年全員の前で父親、家族の話をする陽介。それは札幌時代の親友卓也が以前してくれた事だったのか。
ここでも仲間ができてきて、芸大を目指す菅野、1位で誰も寄せ付けなかった中国人留学生、周は、囲碁で中本と対戦して仲良くなる。
勉強だけでなく、波子さんとは喧嘩しながらも繋がっていて、学園祭では再会。
ただそれは、東北の震災を乗り越えた上での2回目の学園祭。
そこで、両親も揃い、友 -
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ーー働くことの意味、そして輝かしさを描いた作品だ(p.162 巻末対談より)
ーー天職を探すのが先決と思っているよりは、わからないままでも飛び込めば、ブレイクスルーできる地点に辿り着く。(p.164 同上)
就活の時に読んでみてはどうでしょうか。
散々迷って自己評価さげまくってズタボロになった果てに手にした仕事がブルシットジョブ。なんてことが珍しくない世の中ですが、羨ましがられない仕事ほど人の役に立っていて、しかもやりがいがあるんだということがとてもよく描かれていると思います。資本主義は労働者を労働から解放するのではなく、労働を中身から解放する、とはマルクスの指摘ですが、中身から解放される前 -
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圧倒された。
作家となる前に10年以上にわたって埼玉の屠畜場で働いた作者のノンフィクション。私たちがスーパーで綺麗にパック詰めされた牛肉を買う前段階にはこのような作業があることをしっかりと認識させてくれる。
屠畜、という仕事から被差別部落問題に直結させたり、「命の尊さ」などという「美しい」価値を持ち出したりすることなく、仕事をするとは、真剣に対象に向き合い、工夫して、熟練度を上げていくことであることを力強く提示してくれる書。
巻末の対談で、「他人や他人の仕事に対してちょっとでも舐めた口をきくような人間に自分をしたくなかった」とあり、この姿勢がよく表れていると思った。