佐川光晴のレビュー一覧

  • あけくれの少女
    1971年頃広島で育った真紀、英語の勉強を頑張る。金のない親やバブル前後の時代に流されながらも自分の人生は自分で決められるのか?

    好みだ。今年ベスト。真紀の内面がいい。ストーリーもいい。出会う人もいい。困難があってもそれもいい。こういう小説をあと百冊は読みたい。
  • あけくれの少女
    先を見据え、やるべき事はやる。 目標達成の為には手段を選ばず、やり遂げる。大きな壁にぶち当たっても、めげずに、プランBを遂行する。

    こんなタフな生き方を、子供の女の子が教えてくれるなんて。

    時代は変わった  と、言いたかったけど、時代背景からして、二度びっくり!
  • 大きくなる日
    一人の人間が成長する事をゆっくりと緩やかに描いている作品だと思いました。
    特にいいなと思った場面が、
    幼い頃は、自分のことで泣くしか出来なかったのに、いつの間にか相手を思い想像して泣く所。
    物語の些細な箇所でしたが、こうやって人って多くの事を知って、成長していくんだとじんわり感じました。
  • 駒音高く
    息子の国語のプリントに載っていて、続きが気になって…から手に取った一冊。将棋のことは全く分からない私でも、そこに向き合う人の感情や、取り巻く人々の気持ちがものすごく流れ込んできた。年齢かかわりなくなんとも爽やかな青春小説だと感じた。
  • 牛を屠る
    表紙のイラストのイメージ通りに骨太で力強い。屠殺の是非よりも職業人、プロとしての誇りを感じる文章。この光景が今だって全国で繰り広げられている。
  • おれのおばさん
    元気がもらえる物語!
    現実味感は薄いけれど、この様な環境を子供達に与えられる様な自分になりたいという思いを強くさせてくれる。
  • おれのおばさん
    非常に読みやすい文だった。揺れ動く人の心(大人も子供も。)の描写がとてもリアルで、自分の身の振り方をこれから考えていかなければいけない今の私自身にもとても刺さった。

    また、個人的には、自分の属する集団とは「自分と大体同じレベル」であることが多いと思う。お金持ちの子供が良い学校へ行き、いい企業に就職...続きを読む
  • 牛を屠る
    文章が上手い。
    エアナイフ等うまく想像ができない作業も多かったが、仕事として淡々と牛を捌いていく職場の雰囲気が伝わってくる本だった。前作も読もうと思う。
  • おれたちの故郷
    第一部完結編としてとても良い話だと思った。

    このシリーズは、登場人物のプロフィールがかなり重複するが、解説者曰く、出発点からの彼らの成長ぶりを読者も作者も強く感じ取れるのだと。
    たしかに年齢と共に心身共に逞しく、周りに優しさや強さを持ってリーダーとして活躍する姿が、読んでいてもとても心地よい。

    ...続きを読む
  • おれたちの青空
    男子中学生の陽介、卓也がそれぞれ家族と暮らせない事情を抱えつつも、自分なりの目標をみつけて前に進んでいく感じが爽やか。前作『おれのおばさん』では、色んな背景を明らかにする必要があって、個々の心情には今一歩踏み込めていない感じがあったが、今作では丁寧に描かれている。中学生なら一人になって考えたいと、突...続きを読む
  • おれたちの約束
    面白かった。
    シリーズ第3段、陽介の高校生活。

    仙台の進学男子高生となり、寮生活を始める。そこへは入試上位3名、返済なしの奨学金を得ての入学。
    同点2位のイケメン中本と仲良くなり、生徒会立候補を企む中本の、ひょんな事から1年全員の前で父親、家族の話をする陽介。それは札幌時代の親友卓也が以前してくれ...続きを読む
  • 大きくなる日
    いろんな人が様々な困難にあう中で、でも、周りの人とのつながりと助け合いで困難を乗り越えていく姿がすごいと思った
  • 牛を屠る
    ーー働くことの意味、そして輝かしさを描いた作品だ(p.162 巻末対談より)
    ーー天職を探すのが先決と思っているよりは、わからないままでも飛び込めば、ブレイクスルーできる地点に辿り着く。(p.164 同上)

    就活の時に読んでみてはどうでしょうか。
    散々迷って自己評価さげまくってズタボロになった果て...続きを読む
  • 牛を屠る
    圧倒された。
    作家となる前に10年以上にわたって埼玉の屠畜場で働いた作者のノンフィクション。私たちがスーパーで綺麗にパック詰めされた牛肉を買う前段階にはこのような作業があることをしっかりと認識させてくれる。
    屠畜、という仕事から被差別部落問題に直結させたり、「命の尊さ」などという「美しい」価値を持ち...続きを読む
  • 昭和40年男 ~オリンポスの家族~
    金メダルを目指した体操選手が大会で鉄棒から落下し脊椎損傷になる。同じ体育大学で走り幅跳びの元日本記録保持者だった彼女と結婚し、キャリアウーマンに変身した彼女の支えのもと、主夫として二人の娘の父親として暮らしている。妻の父親は「巨人の星」の星一徹さながらの高校バレーボール界に知れ渡る鬼監督。
    新体操の...続きを読む
  • 昭和40年男 ~オリンポスの家族~
    昭和40年生まれの三男、体操、オリンピック、歌謡曲、がんこ親父に専業主夫、昭和から平成の出来事てんこ盛りで、楽しく読める。
    家族のありかたもよかった。
    佐川さんの本は読みやすいけど、これは特にするする読めた。
  • 牛を屠る
    一昔前の大宮と場に勤務した佐川光晴さんの体験記。と畜場作業員としては異色の経歴であった佐川さんがなぜと畜場作業員になったのか、そしてそこでどのように「働いていく」ことを自身の気持ちの中に落ち着かせていったのかということが感じられる作品でした。

    牛を屠るというタイトルから想像するほど、血なまぐさい風...続きを読む
  • 昭和40年男 ~オリンポスの家族~
    佐川光晴先生得意の主夫の話。
    すごく引き込まれましたが、読んでいる間に何度も三男(ミツオ)を三男(サンナン)と読み違え、ストレスが溜まりました。
  • 日の出
    いろいろ感想を書くと面倒な事になりそうな背景だけど、筋の通った生き方をしてみたいものだと思う物語でした。

    様々な世代、立場の人が、こっそりと読んで、その気持ちが共有できたら、明日は今日よりも気持ちよいい日になるだろうな。
  • 鉄道少年
    物語全体を覆う謎解き、佐川作品には珍しくミステリー?かと思いきや、謎解き要素はあるものの、やはりそこは佐川光晴、上手くて読ませる職業小説であり家族小説として展開していく。

    温かい小説を読みたい鉄道ファンは是非読んでほしい。

    交通手段は生活を便利にするためにある。より早くより快適に目的地につくこと...続きを読む