木原音瀬のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ妻を病気で亡くしてから、二年。
柏原岬は、小学生である自分の子どもと、二人で慎ましく生活をしていた。
高卒で自動車工場に勤める岬は、収入は少ないけれど、仕事の仲間に恵まれ、何とか生活をしていた。
そんな岬の元に、突然、生き別れになっていた兄・仁の会社の人間が現れた。
彼らは、兄が記憶喪失になったと言い、岬の名前を呼んでいるので会いに来て欲しいと言うが、二年前、病気の妻に手術を受けさせるために、お金を借りに行った際に、仁に冷たくあしらわれて以来、縁を切ったつもりでいた岬は、そっけなくその話を断る。
ところが三日後、岬の家の前にその仁が置き去りにされていたのだった。
おまけに仁の様子は、明らかにおかしい。
どうやら仁は、記憶を失った上に6歳の子供に戻ってしまったのだ。
岬は、冷たい態度だった仁のことを忘れられず冷たく当たるものの、さりとてその状態の仁をほうっておけるはずもなく、一緒に生活をし始める。
見た目の大きさとは裏腹に中身はまるっきり六歳の子供である仁に、岬は戸惑うけれど、仁の何処か怯えた様子に胸を打たれ、次第に六歳の仁を受け入れ始める。
ところが今度は仁が、六歳の子供の無邪気さで、岬を好きだと言い出して……
という話でした。
えーっと、中身がどうとか言うのではなくて、個人的にはものすごく不完全燃焼で頭を抱えているんですが、これってハッピーエンドなんですかね?
結局のところ、岬は中身が六歳の仁を受け入れて体の関係まで持っちゃうんですが、当然のごとく、記憶喪失の定番として、仁の記憶が戻って、仁は一度、岬の元を去って行く。
でも結局は記憶の戻った仁ともう一度くっついてハッピーエンド、なんですが。
岬は記憶の戻った仁をよく知らない。
おまけに仁は、手術代を貸してくれと頼まれた後に、お金を祖母経由で岬に渡してきた殊勝なところはどこにもない口調で、どうにもこうにもいけすかない上に、上から目線で。
祖母の語る「優しい仁」とちっとも私の中で一致しなくて。
むしろ、最初に岬が反発を覚えていた仁像との方がよっぽどしっくりくる感じなのに。
「相手のことをよく知らないから」という理由で受け入れてしまうことにびっくり。
更に、仁にまずは体からと言われて、そこから始めちゃう岬に完全に置いてきぼりをくらって、そしてそのまま物語が終わる……という。
す、すみません……
続きが欲しいです……。
えーっと、ものすごくものすごく、記憶が戻った仁とラブラブしている岬が見たい! 見たかったです!
こんな状態で始まって、二人はラブラブできるんです? というか、岬は幸せになれるんです? と言いたい。
読み切りの話が、岬の息子に関わる話だったので、それから後も、二人は同棲を続けてそれなりに幸せにしているってことはわかるんですけど、丸いというか甘い受け答えをする仁も見たかったし、幸せになった岬も見たかった私としてはものすごく不完全燃焼でいま、泣きそうです。
話としては、とっても面白かったので、もうちょっと続きがあれば大満足だったのにすごくすごく残念です。
読み切りにいたっては、完全なるアンハッピーエンドで、たまにはこんなBLがあってももちろんいいと思うんですが、何せモヤモヤが消えてくれないので、残念、という感想しか抱けませんでした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ里見浩一は、友人が持ってきたゲイ向けの雑誌を、他の友人と共にふざけて眺めていた。
そのうちに誰かが文通コーナーに書いてある相手に「手紙を出そう」と言いだし、相手が好みそうな内容をみんなで並べ立てる。
その手紙を「里見の名前で出していいか?」と聞かれ、「いいよ」と答えてしまう。
数日後、里見の下に届いたのは、「一度会いたい」と書いた手紙の返事であった。
「人の真剣な気持ちを笑うような真似をするな」と友人に言われたものの、里見の想いを寄せる相手が「見に行きたい」と言い出したことから、里見は断りきれずついつい「いいよ」と言ってしまう。
待ち合わせ場所に指定された喫茶店で、指定された席にいたのは、ホストのような見た目をした派手な男で、しばらくすると席を立っていってしまう。
それでほっとしたのだが、店を出て行く寸前、実は里見に返事を送ってきた男が店を出て行った男とは違う男であることに気がつく。その男は、里見の通う高校の教師・高橋だった。
一度はその店を後にしたものの、その高橋が、まだ待っているような気がして、里見は電車に乗って帰る前に再度店に戻ると、やはり高橋はいた。
「自分はゲイではないから、付き合うつもりはない」
そう告げようと思ったのだけれど、高橋の怯えるようなすがるような顔を見ると、ついつい言いそびれてしまう。
それどころか、帰り際に相手の連絡先を受け取ってしまい、途方に暮れてしまう。
その後、直接言うよりはいいだろうと思い、「付き合えない」という言葉を告げるために何度か電話をかけるけれど、そのたびに話が弾み、言い出せないままに終わってしまう。
そのままずるずると週に一度、会って話す関係が続き――
という話でした。
まさにミイラ取りがミイラになってしまったお話。
最初はそんなつもりのなかった里見が、高橋と逢瀬を繰り返しているうちに、次第に彼に惹かれていって、片時も離れられなくなって、最後には養子縁組までしてしまう。
なんか、若さって怖いって思うけど、そこまでいったらもう若さじゃないですよね。
優柔不断だった始まりがいつしか本当になってしまったお話でした。
ちょっとしっとり落ち着いた話なので、そういう話がお好きな方にはオススメします。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ裸ん坊3部作2作目。
前作でも大概でしたが、今作ではもうフルスロットル。
敷き詰められた地雷をいかに避けながら走破するかというデスレースもかくや、なお話です。
木原作品で嫌いな攻を三人挙げなさいと言われたら、迷わず飛び出す
谷脇、甲斐谷、寛末!!
そんな谷脇が主役の2作目。ムカムカ度は相当です。
人として色々と終わってる男ですが、適当にみつけた松本を酒で潰してレイプし、それだけでは飽きたらず偽りの告白をし、弄ぶだけ弄び、浮気はわざとのし放題。
この時点でもう色々とあり得ないんですが、松本が○んでもこの男は薄情でした。
けれどその薄情が、読んでて何だか途中から哀れになってきます。
そうやって、読者が可哀想な人を見る目で谷脇を見始めた頃になって、漸く谷脇は自分の恋心に気づくという愚かっぷり。
いやぁ……ここまで徹底した愚か者だと、余計に松本が可哀想に思えてくる。
とんでもない鬼畜、といえばこの男だと思います。
書き下ろしは松本視点でした。
次巻の主人公、祐哉とのエピソードで、これがまたせつなくて堪らなかった……。 -
Posted by ブクログ
あらすじ…自宅がラブホテルの万(よろず)は、ある日AV撮影の為に やって来た監督の十亀(とがめ)と出会う。
初日から男優と間違えられたり、男優が足りないからとズボンを下ろされたり、とにかく印象は最悪。
しかもゲイだと公言する十亀が弟の悟と仲良くなっていくのが気になってしょうがない。
心配した万は十亀を弟に近付かせない為に、ある行動をとるのだが…。
ラブホテルを舞台に、2人の物語が今動き出す-!
ラブホテルがおうちという、なんとも葛藤しそうな人生を背負っている主人公です笑)
主人公万は眼鏡をかけた線の細い、クールで若干人間不信なタイプ。
そんな万が十亀によって感情を表に出していくようになるのが面白いです。
…この万が弟を心配するあまり既成事実をでっちあげるのには驚きました。
また最初は自分勝手で印象最悪な十亀は巻後半になるにつれて甘く、なんとか万と距離を縮めるためにデートに誘ったりと、可愛らしい部分が見え、読んでいて顔がニヤけます笑)
この漫画は続くようなので、次巻で大人・学生それぞれの葛藤を楽しめたらと思います。
あらすじ、レビューを見て気になった方はぜひご一読下さい。
自身も続編を楽しみに待っています。