海老原嗣生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ<ポイント>
・手を抜くほど、労働生産性が上がる。今までのパラダイムが変換することばです。
・2割の商品で、8割の売り上げということを実践せよという働き方であるのかなという印象です。
<ピックアップ>
〇「静かな退職」とは、会社をやめるつもりはないものの、出世を目指してがむしゃらに働きはせず、最低限やるべき業務をやるだけの状態。
〇世界では、「静かな退職」は当たり前。
〇手を抜けば抜くほど「労働生産性」は上がる。
〇本質さえしっかり保っている「静かな退職者」ならば、誰も否定しない。
〇世界では、平均59%の労働者が「静かな退職者」に該当する。筆者的には、欧米に関して言えば、7~8割の従業員が「静かな退職者」にあたると考えている。おそらく、彼らはそんな手抜き仕事を真っ当と考えており、だからこそ「自分は静かな退職なんて不埒な働き方なんてしていない」と、数字が下振れしていると分析している。
〇昇進して短命に終わるのも、ステイして楽に長くも「自分次第」。上に行けば行くほど、死期が早まるという暗黙の了解もある。「分相応なとこ」に留まろうと思う。ここから先は危険だからやめとこうとか。
〇全員一律のキャリアではなく、選択肢から自分で選ぶ。
〇上司と顧客の言うことを聞き、馬車馬のように働く。その見返りは、昇給と昇級。そして年次管理による僅少差異の法則。
〇私生活を優先しながら、組織にとって厄介者にならないためにはどうすればよいか、その基本となるのは、「あなたにとって、持ち出しが少ないにもかかわらず、最大限のパフォーマンスを残せる行動をする。この基準を大原則として、重要となるのが、心証です。
〇まず第一に気をつけるのは、「身なり」「言葉遣い」「マナー」。
〇反論するエネルギーほど無駄なことはない。負荷が少なく心証点稼ぎをするためには、「反論をしない」という鉄則も心得る。反論するには、根拠を用意しなければならず、疲れる。そのうえ、相手は概ね不快に感じ、心証点が下がる。ただし、一つ例外として、「自分の業務が増えるような場合」のみ、上手に反論をすること。余計な仕事の話が沸き起こった時は、それこそ頭をフル回転させて、以下の構文に当てはめ、反rンをしてみる。きっと心証は良く保たれる。「賛成します。ただ、○○のところだけが気になります」これでひとまず時間を稼ぎ、その間に相手を見ながら「私だと、△の部分で無理が出ます。尖閣いい案なのだから、もったいない気がします。」と無視部。その時、「私よりも○○さんが向いている」という話は現金。そこで名前を出した人はあなたに対して必ず悪い心証を持つ。ただ単に、私ではもったいないから、ほかをあたってほしいと伝えるにとどめる。結果、上司はいったん引き下がり、周囲へ仕事の打診をすることになる。その後、「それでも君にやってほしい」と言われた場合は、潔くよく請け負う。その前段階で、上司からの要望を受け入れる同僚も多いだろうから、本来来るべきだった仕事は半分以下に減っている。そして、自分がそれをやらなければならなくなったときは、実は快く請け負い、そこでも心証点を稼ぐべき。最後に残ったピースを自分が請け負って、仕事は完遂できたこと。そして、上司の悩みの種も解消できたこと。こうした点をしっかり理解してもらい、自らの存在感を大いに高めることにする。
〇心証点稼ぎで重要なのは、「空き時間」の有効活用である。
〇やらなくてよいことは潔くやめる。「本当に効果があるのかどうかわからないけど、やっておくべきだ」というような意味のない常識をすべて排除すること。そのために、これは業績アップにつながるかを考えるクセをつける。
〇プラスを重ねるよりもマイナスの排除をする。成果の芽とリスクの芽を並んだら、後者を優先さえる。静かな退職者は、静かな毎日を送ることが最大の目標であるため、リスクテイクを優先する。
〇評価で下位2割にだけは絶対に入らない。身なりや言葉遣いなど、マナーに則した行動をしたとしても、業務負荷が増えることはない。「反論をしない」という原則は、「本気で色々考える」行為よりもはるかにラク。「本気で色々考える」行為はうまく言えば評価は一気に高まるが、そう簡単に実を結ばないので、なかなか心証を上げることはできない。同じ子同僚で考えるなら、明らかに「反論しない」方が、着実に心証点を上げられる可能性が高い。
〇完全フリーな空き時間は、「あすへの投資より、今日の心証点」を鉄則にする。そして、成果の芽とリスクの芽が並んだら、後者を優先さえる。
〇まず、「高い確率で業績につながる可能性が見える」仕事はしっかりやる。そして、評価や業績に関しては「下位3割には入らない」こと。本当に仕事のできない人は、ほとんど成果の上がらないタスク」に力を入れていたり、かすかな成果を追いかけ、リスクの芽をほったらかしにする。
〇次には、「メリハリ」。顧客やタスクをどれも同じと考え、自分の労力を公平にそそぐのは厳禁。ツボとなるところに集中し、あとは簡素に終える。
〇後輩指導の4つの鉄則
①マナー。いつも笑顔、丁寧な言葉遣い。決して怒気を含んではいけない。
②業績につながる可能性が高いことに集中的に伝える。
③自分の静かな退職哲学をうまく伝えること。「私は、合理的な人間で、うまくいく可能性が高いことに絞って仕事をする。やっておけば将来どこかで役に立つ、というような確率の低いことはしない。そういう部分は襲えられrないが、仕事の中核である業績に直結した部分については、私から学べるはずだ。あとは、ほかの先輩についたときに、学んでほしい」
④「Way」で指導する。「この通りにやれば、うまくいく」という成功への道筋を示すやり方。
〇面倒な仕事を後輩に渡すコツとして、面倒な仕事をやってもらう場合には、前もって計画的に、いつ、どのような仕事を任せるかを伝え、その意義もしっかり伝える。
〇チーム活動では、2,3番手で楽をする。
〇まとめとして
・身なり、言動に気をつけ、マナーよく接する。
・基本、反論しないで肯定する。
・自分がかかわる業務が増えるような上司の提案には、「大賛成です。ただ、○○のところが気になります。」これでひとまず時間を稼ぎ、その後「私hがそれを請け負うとすると、△な部分が足りない気がする。せっかくいい案なのだから、もったいない気がしますね」と結ぶ。
・ブラックボックス化した自分の得意領域に逃げ込む。
こうした基本則を一二分に活用しながら、あとは、あなたは早く帰るために、「業績に直結する可能性が高い仕事」を猛烈にこなせばいい。黙々と仕事をしていれば、「忙しいオーラ」が出る。そして、暇な時間ができたら、電話取りや雑用のような周囲への奉仕にいそしむ。心証点を上げる。
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匿名
購入済みためになる
私としては結構ためになったなって思いました。特に就職人気ランキングが最悪(ここまでは作中で言ってないけど)の理由とかね。薄々自分も思ってたけど、実際調べたらやっぱりそうなんだっていう。すごく勉強になりました。
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Posted by ブクログ
一躍トレンドワードになった「静かな退職(Quiet Quitting)」
先日、同期の飲み会の中でも50歳が賃金カーブや退職金のピークになるという話題でちょっと盛り上がった。また、最近退職した同僚の送別会でもこの手の話題が出た。なんか飲み会になると働き方を話すのが流行ってるんか?!(笑)Youtubeで著者が話しているのを見ていて元気なおっさんだなぁ、と思っていたところこの本に出会う。せっかくだし読んでみるか、ということで読んでみた。
著者には大変失礼ながらも想像以上にデータを用いて興味深い話を拝読させていただけたと思う。会社に就職してから退職までの時系列と賃金の関係性と各国の制度的な影響を知ることができて大変勉強になった。確かに日本って変わってるよねぇ、と思える。女性の進出の影響が一つの背景としてあることはよく理解できる。また、労働力不足を補うには、モチベーションなんてどうでもいいから言われたことやってくれる人が必要だよね、というのはとても合理的。このあたりの話を現状こうなっています。というファクトと分析はなかなか素晴らしい。さらに、定年後の働き方含めてセカンドキャリアを静かな退職モードで働くという働き方改革の処方箋的提案を出しているところが想像以上に興味深いと思った。確かに資産形成の助言は素人感満載と指摘する人のおっしゃるとおりかもしれないが、副業や仕事を考える点はすごく有益だ。実際に著者の提案する流れに乗ってキャリアを送ることもできるが、アレンジして自分はこうしてみようといった考えをもつこともできる。第6章(「静かな退職者」の生活設計)の話は、これを参考にして考えれば無謀なチャレンジを回避して身の丈に合ったチャレンジができるかもと期待できる。この本は、人生100年時代、リスキリングに惑わされすぎずに、遊びながら明るく楽しい生存競争を生き抜く一つの働き方アイデアのレシピをもらった感じがした。 -
Posted by ブクログ
自分が雇用制度周りについていつも参考にさせてもらっている海老原さんの新刊。
あらためて、ジョブ型(ポスト型といってもいいかもしれない)の欧米と、メンバーシップ型の日本では、雇用に関する前提が全く違うだということが理解できた。
メンバーシップ型のよさ(人事異動や転勤のさせやすさ)を会社が放棄しない限り、日本の根本的な雇用制度は変わらない。誰しもが会社幹部の候補であり、会社のための雑務をやることになる。だから、忙しくなるし、効率悪いし、結果的に母親ペナルティが大きい雇用になってしまう。
この雇用状況の暗黒面を個人で乗り越えようとする姿勢が「静かな退職」であり、欧米のような決まった範囲内の職責のみを全し、さっさと帰る。全員が会社幹部になれない以上、このような働き方も全然ありだろう。
一度、自分の労働を客観的に見直したい人にはおすすめ。
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Posted by ブクログ
最近、日本では「ジョブ型人事制度」に関しての議論が盛んである。欧米は「ジョブ型人事制度」であり、それに対しての日本型雇用制度は生産性が低くなるので、ぜひ、ジョブ型人事制度に転換すべきである、というような議論である。
筆者は本書で、それに異論を唱えている。
1)そもそも「ジョブ型人事制度」というのは何?という共通の理解・定義がないままに議論が行われていること。
2)人事制度は、人事制度単独で成り立つわけではない。その国の雇用慣行や社会制度等のOSの上に成り立っているアプリのようなものである。「ジョブ型人事制度」はアプリであり、それを成立させているOSが欧米と日本では異なるのだから、アプリの良し悪しだけを議論しても意味がない(アンドロイド上でiPhoneのアプリは動かないが、どちらが良いかという議論ではない)。
というようなことが骨子の異論である(もちろん、書中、もっと制度やOSのもっと具体的な内容に触れた議論がなされている)。
私の理解したところの、ジョブ型人事制度の本質はジョブディスクリプションにあるのではないというのが、筆者の主要な主張の一つである。
欧米、特に欧州では、人事制度は一部のエリート層向けのものと、その他大勢のためのものに分かれる。ジョブ型制度は、その他大勢のためのものであり、基本的にずっとその仕事、ずっとそのポジション、ずっとその報酬、を続けるものである。ポジション(管理職の役職以外の一般職のポジションを含め)に定員が設けられ、仕事の内容が決まり、それに合った人を外部市場から採用し、ずっとその仕事をしてもらう。仕事に対しての報酬水準は市場的に決まっているので、基本的にその報酬額を支払う、というようなものである。
一方で、日本でイメージされているジョブ型人事制度とは、①職種コースを設け②ジョブディスクリプションを準備し③人につける(職務につけるのではなく)ジョブグレードを新設し④成果評価で給与を支払う、という内容のものであり、欧米でのジョブ型人事制度とは内容がかなり異なる。筆者は、「このような制度をとっている国はない」と断じている。
私は人事部門で仕事をしているので、ジョブ型人事制度の議論とは無縁ではない。
私自身は、「(精緻な)ジョブディスクリプションを作成する」ことがジョブ型人事制度の前提である(と言われている)ことに、最も大きな違和感を持っていた。こんなに変化の激しい時代に、特にホワイトカラーに対して、詳細な職務記述書を作成する意味が分からなかったということである。まぁ、普通の人はここでひっかかる訳で、幸いなことに(?)当社では、ジョブ型人事制度に変革すべきという議論は全く起こっていない(人事からも現場からも経営からも)。
人事の業界では、今回のジョブ型人事制度的なムーブメント(筆者は「祭り」と呼んでいる)が、時々起こってきた歴史がある。コンピタンシーしかり、成果主義人事制度しかり。その都度、一部のコンサルタント会社が儲けてきたという以外に、何も起こらなかった。
本書でもそのあたりのことを皮肉をこめて触れている。
本書からの最も大きな教訓はそのあたりのところにある。
「現場の実態をきちんとみて、自分の頭でものを考えよう」ということだ。