あらすじ
「若者は昔から3年でやめていた」「成果主義で給料は変わっていない」――。マスコミや専門家たちが唱えてきた定説を“人事・雇用”のカリスマがデータをもとに一刀両断。厳しい雇用情勢の下、知っておきたい驚きの真実がわかる。
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Posted by ブクログ
15年ほど前に出版された本であるが、声の大きい人々の政策や認識において、いまだに当時の状況を引きずっているどころかさらに悪化の一途を辿っているように感じる。大卒はもはや大した学歴とは言えないし、大企業に就職することを目指すだけが就職活動ではないことがよくわかる。
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これは、目からウロコ。
大学生の学力低下は入試制度と偏差値のトリックが原因
人気企業が危ない
就職氷河期の学生は転職ができる
35歳以上の終身雇用は揺らいでいない
非正規労働者の増加は、大学進学率アップが原因
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タイトル通りの内容は第1章のみで,後半は近年の(といっても5年以上前ですが)新卒生達の就職事情が中心です。
私が注目したのは,その後半部分です。
「若者はけっこうカワイソウじゃない」という著者の持論に,私も強く同意します。
「カワイソウな若者」の状況を生み出したのは,企業・政治・教育機関などの大人達であることは間違いありませんが,それにしても日本の雇用環境はそれほど悪くないと著者は主張します。
それは,①選り好みをしなければ新卒者の就職は容易(有効求人倍率が1を切ることは殆どない),②景気の波による転職チャンスが20歳代に2度訪れる可能性が高い,③日本企業の「総合職」には意外と弾力性がある,といった理由によります。
欧米に比べると,日本には若手を「育てる」意識が強い企業が多いことは間違いありません。そのことは,日本の若年層の失業率の低さが如実に表しています。
中小企業であっても選り好みせずに就職して経験を積み,チャンスが訪れれば転職をしたらいいし,そもそも日本の企業には企業内での流動性(移動など)は高いので,配置転換などで自分の「居場所」を求めることも十分に可能だということです。
若者達には,とにかく「大手企業」「名の通ったB to C企業」ばかりを目指すのではなく,数多の優良な中小企業への就職を検討して,「置かれた場所」で花を咲かせてもらいたいと願います。
ワーク・ライフバランスを考えれば,大手企業に入って高収入や安定を得ることだけが人生の幸せではないことは明らかです。
著者の着眼点は素晴らしく,分析は鋭く,提案も斬新で興味深いのですが,何だろうこの読後のモヤモヤ感・・・
たいへん失礼ながら,文章がやや雑である印象を持ちました(校正の問題かもしれません)。
時々,何を言いたいのかがわからなくなる時がありました。同著者の書いた「女子のキャリア」の方が,全体的に完成度は高いという印象を持ちました。
Posted by ブクログ
201008/
大学はブランド作りのために、見せかけの偏差値アップを行い、それは、数学のできない上位校生、社会科1教科さえ勉強していない中位校生を大量増産していくことになる/
学歴があることで、人物選考が甘くなる、そのことにより、企業に一穴あけられるような人材が、一定数うまく採用できていく/
「大多数の優等生と少数の異能者」という最強組織作りに向くのが学歴採用なのだ/
年寄りがたくさんいるエスタブリッシュな会社に入れないこと、それが「カワイソウ」という価値観がおかしいのだ/
フリーター問題は、心優しき弱者が、安心して働ける職場がなくなったことが大きな原因なのだ。彼らは昔から存在していた。しかし、かつてなら、彼らを包み守ってくれる避難場所があったのだ。それは農業であり、自営業であり、大企業の工場であった。こうした「他社からとやかく言われず働ける」職場群が、まずは農業人口の減少で減り、次に、中小商店の敗退でまた減り、最後に工場の海外移転でで無くなっていった/
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なかなか評判になるだけのことはある。
マスコミ等(?)が意識的か無意識かは別としてミスリードしていることの本質が垣間見える。
過去の常識にとらわれていてはいけないということか。
大学も企業も大変。
特に弱小なところが生き残るには本気で発想の転換ができるかどうかにかかっているのだろう。
Posted by ブクログ
課長はクビにならないがおもしろかったので。
第1章学歴のインフレ
私の受験のころはまだAO入試というものもなかったので学内で早稲田の指定校推薦なんか取れる人はかなりの優秀な人っていう印象だったけど、ええっ早稲田一般入試4割か?とびっくり AO入試も成績を重視していない・論文は先生の添削済みってあやしすぎるやろそれ((+_+))でも調べたらAO入試やってないところが少ない。こりゃ会社の採用もくじを引くようなもんだ。今までの受験の勝ち組は①地頭がいい②要領がいい③継続力があるってことで企業もどれかは当てはまるだろってんで採用できたはずなのにね。早稲田も慶応もそれ専用の受験勉強というイメージだったけど変わったもんですね。
社会に通用する一般教養は確かに欲しいね。文学・社会学っていうのだけじゃなくって、地誌・簿記・税務・価格理論・マーケティング・労働法・商法・会社法・特許法・給与・社会保険・年金計算・組織心理・経営文学・商業金融 これはあったらぜひとも受けたい一般教です。大卒の大半は営業が事務っていう現実があるなら必要よね。資料整理・データ入力・営業の実習があればなおよし。
第2章人気企業が危ない
企業のランキングはあてにならないっていうのが分かった。そもそも何年もそこで過ごすつもりならすでに大きいところは結局落ち目ってことに気づかんなあかん。ピン芸人の一発屋みたい・・・学生が顧客視点で就職先を選ぶという視点もうなづける。従業員視点・株主視点というのも必要なのだね。生物・食品・農学部は理系ながら冷や飯を食っているってのが笑える。
第3章 若者はかわいそうじゃない
日本の景気は4年で①サイクル 就職から20代のうちに転職のチャンスが2回ある 終身雇用は4割だが30代までに半分が転職を経験する 30代から転職をするひとはかなり少ない。新卒で不景気なら20代中盤に第二新卒として転職が可能(全く違う職種でも可)景気によっては20代後半に転職のチャンスがやってくることも・・・ただしこの場合経験職種になる。
総合職はなりたい職種ではなく合う職種を見つけやすい。営業・事務・経理・企画など合うところをさがしてくれるシステムがある。これらを経験する間にサラリーマンは変化に適応して業績を上げることを求められる。
職にこだわるとリアリティショック・異動のときに大変なのね。(まあだから看護師の離職率が高いのかも・・・)
とりあえず150人以上の中小企業で就職 ある程度経験を積んで転職っていう道がフリーターや就職浪人よりはるかによさそう。
フリーターは正社員になれなかったのではなく、素質として向いていない人も多いらしい。かつては農業や自営業を継ぐ・工場に勤めることでこのフリーターを吸収していたらしい。うんうん・・・
とりあえず大学はランキングにこだわらず、場合によっては海外の大学も視野に入れつつ選ぶ必要があるのね・・・
Posted by ブクログ
近年の、「超就職氷河期だ」、「就職できない若年層がカワイソウ」という風潮に『おやっ?』と思う人は読んでみると良いかも。上記に対する反論が、データを交えて海老原節で炸裂してます。自分は共感できる部分が多かったんで、スカッとしました。(さすがに、まるっと鵜呑みするつもりはないけど)
偏差値トリックのクダリはなるほどなーって感じ。大学経営も大変だ。
直接の内容とは関係ないけど、出てくるデータの使い方・見せ方はちょっと勉強になるなぁ。
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日本の労働市場構造に関して世間に流布するイメージに対して斬新な視点を提供する筆者。モーニング連載中の「エンゼルバンク」のモデルとなった人らしい。
本書のテーマは章ごとに分かれた3つ。
第一章: 学歴のインフレーション
第二章: 人気企業が危ない
第三章: 若者はけっこうカワイソウじゃない
いずれもスコミに代表される見方は短期的であったり本質を掴んでいない、ということなのかと思います。
自分の子供が、大学を出て就職をするときにはどうなっているのか、どういうアドバイスをすることができるのかな。
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えびさんの本なので購入。
あいかわらず鋭い舌鋒で、世の中の現実を直視する力はすごいの一言。
論旨しては納得度が高い。自身の学歴の実感値とも合致する内容。
個人的には悔しいことが書かれてはいるが。。間違っていたといえるくらいがんばりたい。
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良い大学を出て、大企業に入っても知識・能力が伴っていない。そういう人たちが増えた理由を、世論とは少し違った視点から、大学・企業の考え方をデータを使って説明しています。
Posted by ブクログ
クンデラの『存在の耐えられない軽さ』が手元に見当たらなかったので、むしゃくしゃして代わりに読んだ。当然ながら代わりにはならなかった。
前半は学歴の話。大学の入学者が激増しているため学生のレベルが下がっているという話。後半は就職の話で、大企業じゃなくて中小企業に目を向けろみたいなことが書かれている。
全体的に「なんでこんな簡単なこともわからないんだよ」という侮蔑的なメッセージが全体に漂っているが(別にそれ自体は問題ない)、それでいて後半には「ん?なんか言っていること矛盾してないか」という部分も。具体的に言うと、中小企業に目を向けろと言いつつ、とりあえずどこでもいいから正社員になって、好況期にもっと大きな会社に転職してキャリアップだとも書いている。
でもまあ、「ふむふむ」という内容ではあった。60分もあれば読める。
Posted by ブクログ
読み物として面白かった。経験談とデータが程よい割合で存在する。3分の2近くが、「『若者はかわいそう』論のウソ」と内容がかぶっているので、そこはマイナス。刊行順から見ても、本書を煮詰めたものが、その本なんだと思うけど。
企業が取り扱っている分野(広告とかITとか)ではなく、実(社風とか、職種だとか)で会社を選ぶという考えは、私に合っている。私の考えでも間違いじゃないと分かって嬉しい。
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エンゼルバンクの主人公(?)海老沢さんのモデルになった海老原さんの著作。
雇用問題・労働問題に関して、ほとんど知らないので、本の価値はよく分かりません。
が、ニュースや新聞で報じられる雇用問題を、データに即した独自の切り口で解説してくれていると思います。
Posted by ブクログ
豊富な資料と数字で現在の就活事情を批評している。その話は大学の経営システムから戦後日本の状況、インターンシップ制度の罠、偏差値トリックなど多岐にわたり、幅広い視野から現在の就活をとりまく状況を分析している。特に筆者の「就職より就社」理論はそれまでの「やりたい仕事に就く」といった常識を否定する独自の主張であったが、大変納得のいく論調でとてもわかりやすく、なるほどなぁそうかもしれないと納得してしまった。この本を読んだことで現在の就活はおかしい、異議ありっという立場に変化したわけではないが(笑)、とても刺激になった。いま就いている仕事が人生のすべてではない、そう思える本であった。
Posted by ブクログ
秋田県も知らない学生が、なぜ一流企業に就職してしまうのか? 人気企業に就職したからといって、将来は約束されない? 学歴やキャリアの定説を、人事・雇用のカリスマが統計を駆使して斬る。
「秋田県も知らない…」はもちろん極端な例なのだけれど、AO入試などが盛んになると起こりうる事態というのは説得力があった。大学入試の偏差値トリックもうすうす感じていたことをしっかり説明されて納得がいった。大学生の就職に関する著者の主張はイマイチ共感できなかったけれど…。
(C)
Posted by ブクログ
会社風土のチェックポイント
①スピード感
速さ優先か・緻密さを問うのか
②チャレンジ精神
冒険派か・堅実派か
③活動性
活動派か・知性重視か
④自律性
自由が楽か・規律に従うのが楽か
⑤気持ちの浮き沈み
高揚的か・安定的か
⑥人との関係
情を重視か・理屈を重視か