海老原嗣生のレビュー一覧

  • 静かな退職という働き方

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    本書は、今日本でも注目されている「静かな退職」の背景と、日本社会での今後の対応策を紹介した一冊。
    特に、2000年代の女性の出産ラッシュが契機となったという視点は新鮮で興味深かった。
    また、欧米で静かな退職が当たり前とされる環境を丁寧に説明しており理解が深まった。

    著者は、日本でも「忙しい日常から離れること」がケアワークなどの社会課題解決につながると提案。
    高度プロフェッショナル制度を労働条件改善と合わせて進めるという考えには共感したが、ジョブローテーション廃止など現実的な実行には課題も感じた。
    AI導入の影響にも今後触れてほしいと思う。

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    2025年10月20日
  • 「就職氷河期世代論」のウソ

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    前期就職氷河期世代に就職活動した身として、データ解釈を矮小化しすぎかと。

    一番疑問に思ったのは、新卒学卒者数と求人数の比較 及び 有効求人倍率の通年比較がないこと。及び失業率の比較。
    各年比較で就職率の落ち込みが酷かったので右往左往したと認識している。ついで従業員人数就職率。ここもまずは押さえた上での議論が前提と感じた。筆者は認識はしているものの、世代論のウソのテーマに引きずられデータの取り方に恣意性が感じられたように感じた。

    統計データの取り方として、割合と絶対数を厳密に定義しなくてはならない。
    バブル世代と就職氷河期世代では絶対数が違う。従ってパーセンテージの誤差は絶対数の誤差ではない

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    2025年10月06日
  • 静かな退職という働き方

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    途中まではとても興味深く読んでいたのたが、静かな退職を助長、促すようなところから、なんだかな、もったいないなと思った。
    そこまでは主に欧米社会の成り立ちや、なぜ日本よりも欧米の方が生産性が高いのかについて様々な事例を元に話を進めてくれたりと、とても面白かった。
    完全に同意することは難しい(というより、静かな退職のシステムを日本社会が導入することが難しい)とは思うが、生産性という視点で見れば、著者の主張は正しいのかな、とも思うが。

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    2025年09月29日
  • 静かな退職という働き方

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    静かな退職、キーワードは新しそうだけどもうあまり珍しくもないことでは?マネジャーになりたくない若手が多くて困ってたし。
    なるほどーと思ったのは、職能等級制度=ポストが無限に発生する仕組み、のカラクリとその結果→使えないおじさんの末路。
    欧州では資格と職業が厳格に結びついていて、気軽に転職もできない。職業資格数はドイツで400、フランスは8000もある。
    アメリカの企業では職務記述書に書いていないようなタスク化できない仕事には特別報酬(リワード)がある。日本ならあたりまえの行動が付加給の対象。
    働き手不足を補う仕組みへの改善余地はまだまだあるのではないかと思う。

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    2025年09月26日
  • 静かな退職という働き方

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    タイトルに惹かれて読んでみた。

    うーん、大企業中企業で働く、ポスト競争に疲れた男性社員向けという感じでした。女性社員向けではない。
    前半の欧州の働き方を書いている章は面白かった。

    静かな退職者の仕事術が書かれている章は、会社員として当たり前の振る舞いだと思う。
    自分のすべき仕事をこなして、無理せずに気配を消して(前に出ずに)仕事すれば、少なくとも静かな退職者にはなれると思う。

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    2025年09月20日
  • 「就職氷河期世代論」のウソ

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    「就職氷河期世代」はそんなに悲惨じゃないという前提に立っている。
    解釈の仕方によってはそうなるのかなぁと思えなくはない。

    4,6,7章は読みごたえがあった。
    が、7章の「対策」はやや疑問に感じるところがあったのと、受け入れがたいと感じる人も少なくないんじゃないかと思う。

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    2025年09月15日
  • 静かな退職という働き方

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    一部欧州と米国を主に比較対照として数字で示しながら、静かな退職という働き方について解明し、実生活に適用していく。そして解決しうる「忙しい(だけど生産性の向上が見られない国家単位での)毎日」の課題を浮き彫りにしていて、だいぶ実践的で建設的な内容だった。全体的に男主体の考え方だな~というお気楽さみたいなものをうっすら感じたけどまあ本筋に大きく影響はしないのかな…。日本人って労働においてもかなり感情主体で動いてしまっている癖があるんだろうな~。私はこれを実践して生きていきます。

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    2025年08月28日
  • 静かな退職という働き方

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     「静かな退職」は、2022年にアメリカのキャリアコーチが発信し始めた「Quiet Quitting」の和訳とのようです。出世を目指してがむしゃらに働きはせず、最低限やるべき業務をやるだけの状態とのこと。出世を目指さないというよりは、限界かな、出世はできないかな、というのが自分の実状というのが本音のところです。最低限やるべきことをやるのはもちろんのこと、組織のためでなく、専門性を磨くこと、自分にとってや周りにとって幸せになれるようなことをやっていくこと、これらを大切にしていくのが自分にとっての「静かな退職」ということにしようと思います。

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    2025年08月04日
  • 静かな退職という働き方

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    前半の欧米との労働比較は面白かった
    たしかに数年いたアメリカの小売店や飲食店、輸送業者はサービスレベルがかなり低かった
    手を抜くことで生産性が数値的には上がるというけれど、彼らは仕事に全く喜びを見いだしておらず、労働時間=生きていない時間のように感じた
    なのでこの例は、やることだけやるという状況を肯定的に捉える理由には私の中ではなり得なかった。
    また、本書で書かれている静かな退職の対象がホワイトワーカーということを考えると上述の欧米のやることだけやって帰る店員たちの例は、前提の異なる話だと思った。

    また、日本の労働環境を変えてきたのが、女性だという点を数十年単位で流れも含めてまとめていたのが

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    2025年08月03日
  • 無理・無意味から職場を救うマネジメントの基礎理論

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    内発的動機はどうしたら上げられるのか
    ① ちょうどよいレベルの機会を与える
    ②その機会に対して、うまく乗り越えていけるよう支援をする
    ③成功したら正当に評価する。その評価を周囲で共有し、承認する
    ④周囲の承認と同時に、昇給や昇進など会社として報酬を与える
    ⑤1つの難関を乗り越えたら、その成長に見合う程度の難易度の機会を再度与える
     これだけなのです。平たく言えば「機会~支援~評価~承認~報酬」のサイクルです。


     心理学者であり、経営者としても成功をおさめた大沢武志は、マネジメントの根幹とはつのWと2つのR」だと説いています。このあと出てくるエドウィン・ロックやリチャード・ハックマン、グレッ

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    2025年07月30日
  • 静かな退職という働き方

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    サラリーマン人生もピークを越えて下り道、本書で言うところの「遮二無二働いたものの、部長にもなれずにヒラで終わる」ゴールが見えてきたので、そろそろ「静かな退職」と思っていたところに、うってつけの本が出ていたので読んでみた。著者は寡聞にして存じ上げないのだが、リクルート社 Works 編集長を経て労働政策審議会委員も勤めた、HR 界隈では有名な人らしい。前半、従来の日本の雇用慣習に反して「静かな退職」が普及しつつある現象と背景を、女性の社会進出に絡めてポジティヴに解説した部分は秀逸。長らく女性の社会進出に対しては「本来、(ケアワークとの両立が求められた)女性の働き方に男性の働き方を合わせるべきだっ

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    2025年07月19日
  • 静かな退職という働き方

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    私は62歳の元会社員、退職後アルバイトをして生活しています。
    海老原さんが指摘される通り、会社には「働かないおじさん」がたくさんおり、しかもその方々の給料は、とてもよく働く若い職員より相当多く、問題視されていました。
    大量採用されたおじさん達を年功で給料を上げ、無駄なポストもたくさん作ってきました。
    今後70歳までの継続雇用が求められる中、こんなことしてたら経済が持ちません。
    若いうちに「静かな退職」を選択し、夫婦両方の力で家庭を築く人生の方が本人にとっても会社にとっても良いと私も思いました。
    会社のために働くのでなく、自分と家族のために働くほうが良いですから
    (^^)

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    2025年07月11日
  • 静かな退職という働き方

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    「静かな退職」という言葉が気になり、この本を手に取った。友人が、管理職になりたくないし、年功序列による昇給もやめてもらい、職責に応じた給料にしてほしい。その方が、自分らしい働き方を、若い子に気兼ねなくできると言っていたのを思い出した。「静かな退職」は、会社の中の居場所の一つとして必要なのではないかと思う。

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    2025年07月08日
  • 静かな退職という働き方

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    fireとか資産運用の話かと思ったら(そういった話題も含まれるが)、それだけじゃなかった。
    企業側、労働者側それぞれの立場で歴史的背景を紐解きながら、労働と経済についてわかりやすく論じられていて、大変読みやすい。

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    2025年06月26日
  • 静かな退職という働き方

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    これからの時代は、静かな退職も一つの生き方になる。

    最近よく聞かれる「静かな退職」について、特に欧米との比較も含めて触れていく。 自分も特に欧州の状況は知らず、今回この本に触れて、そんな対応も宜なるかなと感じた。
    途中まで欧米に比べて日本は…的論調かと思ったが、後半で日本は日本の良さがある点触れつつ、じゃあこれからどうするかに触れているのは、良いポイントと思う。また具体的な生き方の中で、節税の部分は頭に入れないといけないとも、思ってしまった。

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    2025年06月23日
  • 静かな退職という働き方

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    日本の生産性を上げるためにはという視点でなかなか興味深い指摘がある。
    ゆるく働き続けるための指針やマインドの持ち方にも触れられていて面白い。

    残念だったのは、2024年に執筆したようだけど、「つみたてNISA」という言葉があること。資産運用については斜めに読んだ方がいい印象。

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    2025年06月12日
  • 働き方改革の世界史

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    労働・雇用の二大巨頭といえる濱口桂一郎氏と海老原嗣生氏の共著。
    といっても、本文の7割程度は労働思想の古典からの引用で占められている。
    内容は「働き方改革の世界史」ではなく、「労働組合世界史」「労働思想史」。売れそうなタイトルにしたのは出版社の意向だろうか。
    予備知識が必要で難解、議論レベルが高く、僕を含めた普通の人は、要旨だけつかむのがやっとで、一読では消化できないと思う。

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    2024年07月25日
  • 人事の企み~したたかに経営を動かすための作戦集~

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    三部作のうちの実践編。第一作戦の経営環境篇が面白かった(第二作戦以降の方が筆が乗っている感じだったが)。作戦ごとに濱口先生の解説と行ったり来たりしながら読むと良いと思った。解説は、ゼミの教室のような雰囲気。

    少子化で人材の質が落ちるのでは→これまで短大コースに載っていた女性が総合職として労働市場に出てくるので、そんなことはない。高齢者は増えるが、前期高齢者は激減。技術の進歩で、技能の習熟がたやすくなり、職務間の壁が低くなる。技能実習制度自体は割合きちんとしているが、日本そのものの問題が顕在化してしまう。

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    2024年03月10日
  • 働き方改革の世界史

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    タイトルは「働き方改革の世界史」だが内容は組合ばっかり。
    正しくは「産業革命以降の組合史」。
    日本特有の一企業内にある労働組合が左翼思想と親和性を持つ理由など書かれており興味深い。

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    2023年08月01日
  • お祈りメール来た、日本死ね 「日本型新卒一括採用」を考える

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    ネタバレ

    基礎能力と将来性、肌合いでの採用になっている
    肌合い重視のため、新卒未経験を取りたがる
    成績重視はできない。GPAがバラバラ。

    インターンシップの目的
    社会人生活を知る、会社仕事内容のカタログ、職務のミスマッチ削減、風土のミスマッチ削減、職業訓練。

    日本型雇用慣行
    年功序列、企業内組合、終身雇用、メンバーシップ型

    日本型だから、取締役が一人抜けても、新卒を一人採用すればよい。配置転換が自由、昇格がある。社内のモチベーションを保ちやすい。
    OJTで育てる=なれたら難しい仕事をさせる。欧米ではポストの変更は難しい。
    仕事を決めていないから、無くなっても解雇はできない。無限定社員の雇用を守るた

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    2023年07月13日