海老原嗣生のレビュー一覧
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クンデラの『存在の耐えられない軽さ』が手元に見当たらなかったので、むしゃくしゃして代わりに読んだ。当然ながら代わりにはならなかった。
前半は学歴の話。大学の入学者が激増しているため学生のレベルが下がっているという話。後半は就職の話で、大企業じゃなくて中小企業に目を向けろみたいなことが書かれている。
全体的に「なんでこんな簡単なこともわからないんだよ」という侮蔑的なメッセージが全体に漂っているが(別にそれ自体は問題ない)、それでいて後半には「ん?なんか言っていること矛盾してないか」という部分も。具体的に言うと、中小企業に目を向けろと言いつつ、とりあえずどこでもいいから正社員になって、好況期に -
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私はバブル世代だと認識していますが、最近の若者は就職を見つけるにしても大変だなと思っていますし、マスコミもそのような論調で報道していると思っています。そのような中で、データで裏付けられた「雇用不安」の正体を示して、「必ずしも若者は可哀相ではない」と主張している本には興味をもちました。
新規採用者数はこの20年間で変化していないこと、就職氷河期は大学数が増えたこと(p115)というのは目からウロコでした。確かに私の若かった頃と比べてみると、携帯電話があり、インターネットがあるので恵まれている面も多くあると思いますし、私の時代にも不遇な思いをしている人達はいたと思います。
なんとなく若者は -
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珍しく新書などを手に取ってみたり。一~二章は「若者はかわいそう」論を流行らせた本3冊やニュースなどへの反駁。三章は対談。四章が解決策の主張。最終章は対談。
一章はベストセラー本3冊への論駁なので、対象となる本を読んでからの方が理解できそう。という訳で1.門倉貴史「ワーキングプア」、2.玄田有史「仕事のなかの曖昧な不安」、3.城繁幸「若者はなぜ3年で辞めるのか?」を読んでみる。就活も数年前に過ぎてるし、雇用問題にあまり興味がないので3冊とも読み通せるか不安だけど。とりあえず手に入れてきたい。
一~二章は「こうなっているからデータを鵜呑みにしちゃ駄目ですよ!」って感じの解説なんだけど、筆者にも騙さ -
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この数年間、景気が悪くなってきたために就職活動が難しくなってきて、それを行っている若者は大変だなと思っています。そう思っていたところへ、この本の帯に書かれている「正社員は増加している、若者=犠牲者は間違い!、」という内容は衝撃的でした。
この本では、それらの内容を客観的なデータ(だれでもホームページからダウンロード可能なもの)で説明しているところに説得力がありました。物事を判断するには、正反両者の意見を聞くことが大切であると思いました。
以下は気になったポイントです。
・1960年代に日本の経営は終身雇用であるとアベグレンが彼の著作の中で記したが、彼が調査したのは典型的な大資本の大 -
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ネタバレ世代間不平等、新卒一括採用、非正規雇用、ワーキングプアなどにまつわる「若者はかわいそう」という論調をさまざまなデータによって論駁した本。
確かに実情を顧みず、安易なムードで若者が語られることは多いと思います。マスコミは「新卒学生の就職率が史上最低だ!」などと他人事のように語るが、「で?それがどうした?」としか言いようがない。情報の精度もあてにならないものばかり。不安と悲惨さを煽るだけ煽って、あとは野となれ山となれ状態。
ですが、やはりこの本の総論には賛成しかねる。「本当に悲惨なのは若者よりも中高年」、「新卒で失敗しても第二新卒があるから大丈夫!」なんて論調で語られても… マスコミ -
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世間の「若者はかわいそう」を打ち崩す論が展開されている。
若者を巡る状況に昔と今でそう大差は無い。
確かに日本の労働環境は昔とは変わっている。
しかし、メディアが大きな声を出していることで、本当に見るべき構造の変化を見逃していると指摘する。
データについては、世間に使われているものよりも信頼出来るものを出しているとしている。
が、自分で検証していないためわからない。
ただ、データの嘘の様々な方法については本書も疑いの対象としながらも学ばなければいけないだろう。
また、本書中で述べられている「期限付き移民政策」は現実的で非常に良いと感じる。
詳しくはぜひ読んでほしい。 -
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ネタバレ[ 内容 ]
就職難・派遣叩き・ロスジェネ・貧困etc.はやりの俗説は間違いだらけ!
『エンゼルバンク』のモデルとなった雇用のカリスマが解決策を大胆に提言する。
[ 目次 ]
第1章 「若者かわいそう」ベストセラーを論駁する(論駁1『ワーキングプア』(門倉貴史著)
論駁2『仕事のなかの曖昧な不安』(玄田有史著) ほか)
第2章 流布された「怪しいデータ」を検証する(「貧困率」をめぐるOECDのミスリード;多発するトンデモ「若者かわいそう数字」 ほか)
第3章 対談・教育と雇用の現場から(vs私立4大学キャリアセンター職員―就活の最前線に立つ4人に聞く、就職氷河の本当の理由;vs鈴木寛参議院議 -
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「若者の貧困はウソで貧困なんてない」ではなく、「若者の貧困という偏った問題意識では、より大きな貧困問題を見過ごしてしまう」という話。筆者も文中で「タイトルが誤解を生むかもしれない」と述べているが、そう思うなら副題で分かるようにすればいい。というか、主題である「ウソ」として挙げている統計のごまかし等は、本書発行時点でもよく指摘されている内容で、特に目新しい感じはなかった。
筆者の主張では正社員を幹部候補と実務職員とに分けて採用、処遇するべきというのには同感。また、公的派遣という提案はありかなと思った。最終章での、筆者の持論を湯浅さんにぶつけた対談が一番面白かったが、終わりがずいぶん尻切れトンボで -
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豊富な資料と数字で現在の就活事情を批評している。その話は大学の経営システムから戦後日本の状況、インターンシップ制度の罠、偏差値トリックなど多岐にわたり、幅広い視野から現在の就活をとりまく状況を分析している。特に筆者の「就職より就社」理論はそれまでの「やりたい仕事に就く」といった常識を否定する独自の主張であったが、大変納得のいく論調でとてもわかりやすく、なるほどなぁそうかもしれないと納得してしまった。この本を読んだことで現在の就活はおかしい、異議ありっという立場に変化したわけではないが(笑)、とても刺激になった。いま就いている仕事が人生のすべてではない、そう思える本であった。