海老原嗣生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ本書は、今日本でも注目されている「静かな退職」の背景と、日本社会での今後の対応策を紹介した一冊。
特に、2000年代の女性の出産ラッシュが契機となったという視点は新鮮で興味深かった。
また、欧米で静かな退職が当たり前とされる環境を丁寧に説明しており理解が深まった。
著者は、日本でも「忙しい日常から離れること」がケアワークなどの社会課題解決につながると提案。
高度プロフェッショナル制度を労働条件改善と合わせて進めるという考えには共感したが、ジョブローテーション廃止など現実的な実行には課題も感じた。
AI導入の影響にも今後触れてほしいと思う。 -
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前期就職氷河期世代に就職活動した身として、データ解釈を矮小化しすぎかと。
一番疑問に思ったのは、新卒学卒者数と求人数の比較 及び 有効求人倍率の通年比較がないこと。及び失業率の比較。
各年比較で就職率の落ち込みが酷かったので右往左往したと認識している。ついで従業員人数就職率。ここもまずは押さえた上での議論が前提と感じた。筆者は認識はしているものの、世代論のウソのテーマに引きずられデータの取り方に恣意性が感じられたように感じた。
統計データの取り方として、割合と絶対数を厳密に定義しなくてはならない。
バブル世代と就職氷河期世代では絶対数が違う。従ってパーセンテージの誤差は絶対数の誤差ではない -
Posted by ブクログ
静かな退職、キーワードは新しそうだけどもうあまり珍しくもないことでは?マネジャーになりたくない若手が多くて困ってたし。
なるほどーと思ったのは、職能等級制度=ポストが無限に発生する仕組み、のカラクリとその結果→使えないおじさんの末路。
欧州では資格と職業が厳格に結びついていて、気軽に転職もできない。職業資格数はドイツで400、フランスは8000もある。
アメリカの企業では職務記述書に書いていないようなタスク化できない仕事には特別報酬(リワード)がある。日本ならあたりまえの行動が付加給の対象。
働き手不足を補う仕組みへの改善余地はまだまだあるのではないかと思う。 -
Posted by ブクログ
前半の欧米との労働比較は面白かった
たしかに数年いたアメリカの小売店や飲食店、輸送業者はサービスレベルがかなり低かった
手を抜くことで生産性が数値的には上がるというけれど、彼らは仕事に全く喜びを見いだしておらず、労働時間=生きていない時間のように感じた
なのでこの例は、やることだけやるという状況を肯定的に捉える理由には私の中ではなり得なかった。
また、本書で書かれている静かな退職の対象がホワイトワーカーということを考えると上述の欧米のやることだけやって帰る店員たちの例は、前提の異なる話だと思った。
また、日本の労働環境を変えてきたのが、女性だという点を数十年単位で流れも含めてまとめていたのが -
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内発的動機はどうしたら上げられるのか
① ちょうどよいレベルの機会を与える
②その機会に対して、うまく乗り越えていけるよう支援をする
③成功したら正当に評価する。その評価を周囲で共有し、承認する
④周囲の承認と同時に、昇給や昇進など会社として報酬を与える
⑤1つの難関を乗り越えたら、その成長に見合う程度の難易度の機会を再度与える
これだけなのです。平たく言えば「機会~支援~評価~承認~報酬」のサイクルです。
心理学者であり、経営者としても成功をおさめた大沢武志は、マネジメントの根幹とはつのWと2つのR」だと説いています。このあと出てくるエドウィン・ロックやリチャード・ハックマン、グレッ -
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サラリーマン人生もピークを越えて下り道、本書で言うところの「遮二無二働いたものの、部長にもなれずにヒラで終わる」ゴールが見えてきたので、そろそろ「静かな退職」と思っていたところに、うってつけの本が出ていたので読んでみた。著者は寡聞にして存じ上げないのだが、リクルート社 Works 編集長を経て労働政策審議会委員も勤めた、HR 界隈では有名な人らしい。前半、従来の日本の雇用慣習に反して「静かな退職」が普及しつつある現象と背景を、女性の社会進出に絡めてポジティヴに解説した部分は秀逸。長らく女性の社会進出に対しては「本来、(ケアワークとの両立が求められた)女性の働き方に男性の働き方を合わせるべきだっ
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私は62歳の元会社員、退職後アルバイトをして生活しています。
海老原さんが指摘される通り、会社には「働かないおじさん」がたくさんおり、しかもその方々の給料は、とてもよく働く若い職員より相当多く、問題視されていました。
大量採用されたおじさん達を年功で給料を上げ、無駄なポストもたくさん作ってきました。
今後70歳までの継続雇用が求められる中、こんなことしてたら経済が持ちません。
若いうちに「静かな退職」を選択し、夫婦両方の力で家庭を築く人生の方が本人にとっても会社にとっても良いと私も思いました。
会社のために働くのでなく、自分と家族のために働くほうが良いですから
(^^) -
Posted by ブクログ
ネタバレ基礎能力と将来性、肌合いでの採用になっている
肌合い重視のため、新卒未経験を取りたがる
成績重視はできない。GPAがバラバラ。
インターンシップの目的
社会人生活を知る、会社仕事内容のカタログ、職務のミスマッチ削減、風土のミスマッチ削減、職業訓練。
日本型雇用慣行
年功序列、企業内組合、終身雇用、メンバーシップ型
日本型だから、取締役が一人抜けても、新卒を一人採用すればよい。配置転換が自由、昇格がある。社内のモチベーションを保ちやすい。
OJTで育てる=なれたら難しい仕事をさせる。欧米ではポストの変更は難しい。
仕事を決めていないから、無くなっても解雇はできない。無限定社員の雇用を守るた