【感想・ネタバレ】人事の組み立て~脱日本型雇用のトリセツ~のレビュー

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Posted by ブクログ 2022年07月02日

今話題のジョブ型雇用というものの問題点などを理解するための入り口で読むと良い本だと感じた。
特に後半のキャリアに関する部分は自社の抱える課題と全く同じで非常に読み応えがあった。一通り読み終えたが、後半部分は再度読み直して、自身の理解を深め、業務に活かしていきたい。

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Posted by ブクログ 2021年08月17日

非常にわかりやすかった。
日本と欧米の人事、働き方のちがい。
すべて網羅にかかれていて、納得しやすい。

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Posted by ブクログ 2021年08月08日

高齢者問題、女性問題、ワークライフバランス問題、ブラック問題、非正規雇用問題。
残業代を高くするなど残業を規制する法律が必要

本当のジョブ型はポスト型である

広くどこでも使える知識と、業界内でしか使えない知識、経験がある。

日本のメンバーシップ型雇用では誰もが階段を上り続けないといけない風な...続きを読む仕組みになっている。

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Posted by ブクログ 2021年06月20日

最近、日本では「ジョブ型人事制度」に関しての議論が盛んである。欧米は「ジョブ型人事制度」であり、それに対しての日本型雇用制度は生産性が低くなるので、ぜひ、ジョブ型人事制度に転換すべきである、というような議論である。
筆者は本書で、それに異論を唱えている。
1)そもそも「ジョブ型人事制度」というのは何...続きを読む?という共通の理解・定義がないままに議論が行われていること。
2)人事制度は、人事制度単独で成り立つわけではない。その国の雇用慣行や社会制度等のOSの上に成り立っているアプリのようなものである。「ジョブ型人事制度」はアプリであり、それを成立させているOSが欧米と日本では異なるのだから、アプリの良し悪しだけを議論しても意味がない(アンドロイド上でiPhoneのアプリは動かないが、どちらが良いかという議論ではない)。
というようなことが骨子の異論である(もちろん、書中、もっと制度やOSのもっと具体的な内容に触れた議論がなされている)。

私の理解したところの、ジョブ型人事制度の本質はジョブディスクリプションにあるのではないというのが、筆者の主要な主張の一つである。
欧米、特に欧州では、人事制度は一部のエリート層向けのものと、その他大勢のためのものに分かれる。ジョブ型制度は、その他大勢のためのものであり、基本的にずっとその仕事、ずっとそのポジション、ずっとその報酬、を続けるものである。ポジション(管理職の役職以外の一般職のポジションを含め)に定員が設けられ、仕事の内容が決まり、それに合った人を外部市場から採用し、ずっとその仕事をしてもらう。仕事に対しての報酬水準は市場的に決まっているので、基本的にその報酬額を支払う、というようなものである。
一方で、日本でイメージされているジョブ型人事制度とは、①職種コースを設け②ジョブディスクリプションを準備し③人につける(職務につけるのではなく)ジョブグレードを新設し④成果評価で給与を支払う、という内容のものであり、欧米でのジョブ型人事制度とは内容がかなり異なる。筆者は、「このような制度をとっている国はない」と断じている。

私は人事部門で仕事をしているので、ジョブ型人事制度の議論とは無縁ではない。
私自身は、「(精緻な)ジョブディスクリプションを作成する」ことがジョブ型人事制度の前提である(と言われている)ことに、最も大きな違和感を持っていた。こんなに変化の激しい時代に、特にホワイトカラーに対して、詳細な職務記述書を作成する意味が分からなかったということである。まぁ、普通の人はここでひっかかる訳で、幸いなことに(?)当社では、ジョブ型人事制度に変革すべきという議論は全く起こっていない(人事からも現場からも経営からも)。

人事の業界では、今回のジョブ型人事制度的なムーブメント(筆者は「祭り」と呼んでいる)が、時々起こってきた歴史がある。コンピタンシーしかり、成果主義人事制度しかり。その都度、一部のコンサルタント会社が儲けてきたという以外に、何も起こらなかった。
本書でもそのあたりのことを皮肉をこめて触れている。
本書からの最も大きな教訓はそのあたりのところにある。
「現場の実態をきちんとみて、自分の頭でものを考えよう」ということだ。

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Posted by ブクログ 2021年04月23日

おお、人材マネジメント関係でこれまで疑問だったことが、わかった気になった!

問題を解決しようとしても、いろいろなものが組み合わさってできているシステムなので、うまく行かないんだ〜。

外国のシステムとか、先進事例をいれようとしても、ダメなんだね。

まずは、自分の組織の現実とその背後にあるシステム...続きを読むをみることが大事だね。

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Posted by ブクログ 2021年04月11日

長い間1企業に勤めているが最近感じる人事や処遇に関する違和感の正体が良く分かった。
人事担当者が机に張り付いてしまって、現場を知らなくなったことの弊害って色んなところに影響を及ぼしているんですね。
人事総務部門の人間として肝に命じて仕事をしようっと❣

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Posted by ブクログ 2022年09月12日

著者つながりで読み始めた本。

前半は別の著書にもあるように、欧米と日本の雇用システムの違いについて概観した内容。
中盤以降は、欧米と日本とそれぞれのいいとこ取りはできないと言うものの、今の日本の仕組みを少しいじりながらどうすればみんなが比較的幸せに生きていけるのかについて、様々な提案をしている。
...続きを読む
印象に残ったのは、マミーに陥らないようにすること、また、会社のビジネスのスタイルに応じた、人事制度(年収や育成のあり方)、リーダーの抜擢及び育成のやり方など。

16時に帰る日を作ることにより、後ろが切られている人(例えば育児がある社員)を体感できる、もいう側面はなるほどと思った。

加えて日本の企業にありがちな、緻密に横一線で進めるのやり方には強く批判をしている。確かに前職においても、現職においても、思うところはあるが、うまく立場を利用して、一石を投じるような働き方をしてみたいものだ。

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Posted by ブクログ 2022年02月11日

よく言われるジョブ型雇用の意味が理解できた。
これ、日本人のほとんどが理解していないはず。人事MGRである妻も理解していなかった。
欧米には「エリート雇用」「ジョブ型(非エリート)雇用」が並列して存在すると言うのは、本当に目から鱗。

・コンピテンシーは「体現すべき理想的な活動」ではない
・ジョブ型...続きを読む雇用は「ジョブディスクリプションをきちっと書くこと」ではない
・HCは「雇用人数」ではない

欧米システムの換骨堕胎は日本のお家芸だと皮肉が書いてあるが、むしろ換骨堕胎は日本の強みであり、これを生かすべきである。逆に弱みは、本質を理解する人が少なすぎて、変化の効率が異常に悪いことである。

まずはこれらシステムをきちっと理解した上で、日本流に換骨堕胎すべき。

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Posted by ブクログ 2022年01月31日

巷でもてはやされている「ジョブ型雇用」や、それに対比される「メンバーシップ型雇用」についてザックリと知りたい場合は、最初に手に取ると良いと考える。 主要な論点は網羅されつつ、具体的にジョブ型とメンバーシップ型は何が違うのかといった、日経新聞を読むだけでは正確に理解しきれない部分が、豊富な図解も交えて...続きを読む解説されている。 一方で、ゴリゴリの人事制度(等級・評価・報酬制度)について細かく突っ込んだ話は書かれていない。それらを知りたい場合は、マーサージャパンの新書などを読むと良いかもしれない。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年08月25日

年功型から職能型への移行問題は、所得倍増計画の時代からあった。
欧米型との違いは、JDではない。JDは欧米でも抽象的。
欧米の給与はポストによって決まる。ポストの数は決まっている。職務主義=やっている仕事が同じなら能力がある人であっても給料は同じ。
日本は能力によって決める。ポストの数はきまっていな...続きを読むい。都合によってつくる。職能主義。

日本型は総人件費が上がる一方になりやすい。新卒一括採用と定年制の矛盾を非正規雇用で解決してきた。
日本は賞与で業績給を調整した。
成果主義は、管理職の給与を抑えるために生まれた。職能給の割合が多いので一般社員はさほど変わらない。

欧米のジョブ型とは、ポスト限定雇用、の意味。=日本の非正規雇用と同じだが、給料は高い。
日本では、ポストがあくと、内部で探す。その結果、平社員が空く。新卒が埋める。

人事権と解雇権はトレードオフ=日本は転勤命令など人事権があるかわりに解雇権がない。

欧米では、籠の鳥労働者=給料はさほど上がらず仕事も変わらない。エリートと一般ジョブワーカーが分かれている。
移民に仕事を奪われている、のではなく籠の鳥から出られない労働者の不満がたまっている。

欧米の評価は、ナインboxという優良可と行動と業績の2つの軸。
ジョブ型のジョブとは、仕事ではなくポスト。

一般社員はモチベーションが高くない。WLBが充実する。
日本では、階段を下りる選択肢がない。降りたら非正規になる=待遇が極端に悪くなる。
職種別組合だと最低時給より高くなる。

日本型雇用の問題点5つ
全員が階段を上がる前提=WLBの悪化。
幹部候補という名のブラック企業化。
高給な熟年、働かない管理職
出産した女性のキャリアが途切れる問題。
コースアウトすると待遇が低くなる非正規問題。

日本の労働現場には二人の神さまがいる=顧客と上司。
顧客第一でないほうが生産性は高い。
階段を上がれる可能性がある以上、文句が言えない。
欧米は、上司に対しては職種別組合が文句を言える。ブラック企業は生まれない。

階段を下りる仕組みを作るべき。

女性管理職は2030年になれば増えるはず。
結婚出産を経てキャリアを上げるのは難しい=少子化になりやすい
女性も高収入の男性と結婚したがる。そのほうが社会構造から暮らしやすい。その結果、女性が階段から先に脱落する。
テレワークで育児は無理。

老後は女性のほうが豊かな人生を送る=将来はいつでも階段から降りられる制度が必要。
階段を下りるコースを作ることこそジョブ型雇用。

日本は企業内労働組合のため、ストライキをしにくい。
2020年の改正労働者派遣法が風穴を開ける可能性。平均給与から算出した時給を割り込むことはできない。

どこの会社にいっても通用するキャリア、とは簡単にはない。OSは鍛えられるが、アプリ部分はその会社業界特有のもの。OSが大事な会社ならあり得るが、アプリが重要な会社では、難しい。リクルートはOSだけで活躍できる。しかし離職率が高い。
OSだけで活躍できない会社は、年功序列になる。

昇進が早いOS型、経験の積み上げが必要なアプリ型、どっちもそこそこの形もある。
商社、メガバンクはアプリ型、メインでない職種は中途採用できる。日本は、この形の会社が多いので、人事制度がそれに倣っている。

部下にNOを言えないのは、成長の階段ができていないから。
コンピテンシーは、人の能力ではなく、ポストに必要な能力、のこと。
35歳で階段を下りる道を作るべき。企業としてはずっと課長を目指してモチベーションをもって働いてほしいので、その宣言はしないことになっている。

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Posted by ブクログ 2021年08月21日

共働きやライフスタイルの多様化により、人々の思考は多種多様となった。日本のいわゆる総合職サラリーマンは、みんなが階段を登り、みんなが出世をするという幻想を抱き、働いている。これからの時代は、選択的にキャリアを降りるという働き方も必要なのかもしれない

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Posted by ブクログ 2021年08月19日

欧米では「エリートとノンエリは別」が前提。根底となる人生観が違う。ノンエリは最初に就いた仕事をやり続ける。定時あがりで年収は緩やかに上がっていく。

日本では「頑張りゃなんとかなるかも」が前提で、最初から割り切ることを良しとしない。教育実績をデータで見ること自体に嫌悪感を催すのも、根幹にこの感覚があ...続きを読むるのではないか。ここから、ポスト固定採用をしない、本来出せる利益に比して人件費が上がりがち、新卒一括採用をやり続ける、などに繋がっていく。


著者の結論とは異なるかもだが、
そういう日本だから生み出せる在り方に張ったほうが面白いのではないか。昭和のままが良いとか言いたいわけじゃないしそれは違うが、そういう他国にはない「変なセンス」がある国なりの歩み方がいいのでは?AKIRA万歳。幻の開会式は心の中に。

お前のものは俺のもの、俺のものは俺のもの、それはお前も同じだろう?だって俺たち友達だろ?
この感覚は日本人が持ちうる独特のものかもしれない。ジャイアンは全てを語らない不器用な男なのだ。

※右でも左でもありません念のため。あと本書にジャイアンやAKIRAは登場しません。

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Posted by ブクログ 2021年07月11日

新卒一括採用が廃れない理由
→重役が辞めようがヨコヨコタテの異動で最終的に末端にエントリーレベルの空席を大量にさせる仕組み。
→日本の雇用はポストは恣意的にできる。
人事権と解雇権はトレードオフ。
日本型
→できそうな仕事を集めてやらせ慣れてきたら少しずつ難しい仕事に変えていく。
欧州
→その仕事さ...続きを読むえできれば良いので慣れた仕事を同じ給料でずっと続ける人も多い。
→同じ仕事で熟練度が上がるのと倦怠感が高まるので労働時間は短くなる。
欧州と日本の最大の違いは、人事の基本をポスト管理に置くか人材管理に置くか。
欧州の雇用の仕組みは高速でキャリアの階段を登る一部のエリートとストップモーションで同じ仕事を同じ年収で続ける大多数に分かれる。
日本の雇用の課題
→登れるキャリアであり登らなければいけないキャリアであった。 
■キャリアの形
・OS:ポータブルスキル
・アプリ:業界内でしか使えない
→この二つのバランスによって活躍までの時間軸が変わりそれに伴い採用、育成、報酬も変えていくべき。
例)リクルートは2.3年目で辞めて欲しくない人、どっちでも良い人、辞めても良い人がわかる。その人が辞めたとしてもフレッシュな人を採用して1年育成すれば良くその方が原石を見つけられる。給与減資を年配の滞在者ではなく若者に多く配分できるようになる。初任給が高く、若くして活躍できると言う人気企業になる。その裏でダメなら年収が上がらず早めに辞めるがあるが多くの夢見がちな若者にはこの不都合な事実には目を向けない。ただ初期の徹底教育で一定の市場価値があるので転職などができる。
例)メガバンク、商社
10年ー15年で立派に育ち辞めてもらっては困る存在に。長期育成。階段を登れば登るほど売り上げや付加価値が増すためその分給与を大幅に上げても経営的には問題ない。
■この見極めは3年目と8年目の業績の差に着目すると良い。

個人差が大きいと言うことは長期蓄積よりも個人能力が業績の決め手となる。
→営業地から、企画力、ひらめきなど半ば先天的な個人能力が決め手となる。

■TypeB型→R
上位2割の引き留めで、表彰や昇給、高額賞与を与えても深みのない事業のため、倦怠感が生まれやすい。それを防止するには役職を与えて、経営への階段を登らせるのが一つ。

■育成の基本
①ボトムアップ
→全員一律の底上げ教育
会社が成長ステージをしっかり定義する!
②トップエクステンション
→優秀層の幹部教育
経営人材の明確化、人材プールと育成計画、成長促進施策
→タフアサインメント
海外法人、新規事業、社内出向、グループ企業社長など

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Posted by ブクログ 2021年05月09日

昨今、「日本型ジョブ雇用」などという呼称もさることながら中身を垣間見るだに何とも珍妙な議論が日本でされているな…と思っていましたが、少し前から言われている「ワークライフバランス」だとか「男性の育児参加」だとか「幹部社員の男女比率」の問題だとかもひっくるめて、なぜ日本で議論が迷走しているのか、本当に必...続きを読む要なことは何か、について明確に整理し処方箋を示してくれています。さすがは海老原嗣生さんです。
とても頭の整理になります。そして、日本における雇用改革の議論をするのであれば、これらの大前提知識を理解してからでないと話が噛み合わず話になりません。良書。

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Posted by ブクログ 2021年05月09日

ジョブ型の根本を知ることが出来た。
一方でこれからの日本の人事制度の向かうべき方向性については、考えがまとまらなかった。
再読必須かな。

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Posted by ブクログ 2021年04月12日

人事の構造が本当にクリアに理解。さすがえびさん。。欧米の人事システムはポストによって規定され、日本は人に紐づく。ボトムアップのよさとトップエクステンションの使い分けを、その会社や業種のあるべきキャリアの特性に合わせて設定する。すべてが文脈の特殊解であるべき。

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Posted by ブクログ 2023年04月30日

人事制度における欧州と日本の差分や、ジョブ型、女性雇用など、雇用にまつわる内容を理論やデータ、実務と共に書いてくれている本。
疑問に対して回答している構成であり、雇用周りで気になる事はほぼ網羅されている印象。過去の歴史にも触れてあるため、理解が進みやすいと思う。

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