田沢恭子のレビュー一覧

  • 量子テレポーテーションのゆくえ 相対性理論から「情報」と「現実」の未来まで
    ノーベル賞受賞者による量子テレポーテーションの解説本。
    量子力学の本は何度も挑戦しては挫折してるけど、これも相変わらず挫折しました。なんとなく雰囲気ではわかるんだけど、細かい部分になるとどうしてもなー。

    量子テレポーテーションとは、私達が一般に想像するテレポーテーションではなく、むしろ情報がテレポ...続きを読む
  • 重力波は歌う アインシュタイン最後の宿題に挑んだ科学者たち
    重力波とは何か、その謎を追う科学者たちのノンフィクションストーリー…というよりは、身内争いや政治圧力や対立などを克明に描いた告白本に近いかな。

    ブラックホールは光すら逃れられない強力な重力を持っており「どんな直接的観測結果も得られない」はずだった。
    だからこそ重力が生み出す空間の歪みが重力波となり...続きを読む
  • オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史1 2つの世界大戦と原爆投下
    ここに書いてあることの全てが真実かどうか、僕には分からない。
    けれど、これが事実であると考えた方が、対戦後のアメリカの振る舞いが、あるいはアメリカに対する他国との反発が、あるいはロシアの西側諸国に対する言動が、説明しやすくなるような気がする。

    そういう意味で興味深い本だと思う。
    翻訳本ならではとい...続きを読む
  • ダーウィンの覗き穴――性的器官はいかに進化したか
    面白いことは面白いんだが、大規模雪崩のように襲ってくる様々な生物とその生殖器と交配サンプルの多さに、途中からちょっとしんどくなってくる。網羅?って感じ。オランダの生殖器進化研究者。生殖器研究の歴史、現在の研究最前線、古生物から人間までのありとあらゆる生物の性行為について。先日、性淘汰というか、少し前...続きを読む
  • アルゴリズム思考術 問題解決の最強ツール
    思っていたより内容は濃かった。

    くじをn回試行して当たりがw回の場合、期待される当たりの割合は、(w+1)/(n+2)となる(ラプラスの法則)。

    べき分布の場合、これまでの実績と今後の期待値は比例する。
    正規分布の場合、これまでの実績に従って今後の期待値は減少する。
    これまでの実績にかかわらず、...続きを読む
  • ダーウィンの覗き穴――性的器官はいかに進化したか
    最近、『○○なんてことするのは人間だけだ!』みたいなセリフを聞かなくなったのは、生物の多様性が人間の範疇を超えていることが知れ渡ってきたからだろうか。

    ・オスのアゴとメスの腰の穴で交尾するコシボソダニ
    ・振動して音を鳴らすペニスを持つガガンボ
    ・メスの役割を押し付け合う雌雄同体のカタツムリ
    ・交接...続きを読む
  • 物語創世 聖書から〈ハリー・ポッター〉まで、文学の偉大なる力
    文字と文学の歴史、テクノロジーと文化がどのように発展してきたか。
    文字は楔形文字から表音文字、メディアは粘土板からパピルス、羊皮紙、紙、インターネットへ。印刷は、彫り、手書き(写生)、印刷、テキスティングへ。その発展とともに文字の総量が増大して行って文化に対して影響を与えていった。受けては、古代は特...続きを読む
  • アルゴリズム思考術 問題解決の最強ツール
     計算機科学で培われた「戦略」は、実生活の中に活用できる力を持っている。そりゃそうだ、計算機自体、何かに活用するべく作られているんだから。
     読み物として面白いし、考え方のベースとしての活用もふんわりと感じる。ハッと、までは行かなくても、ナルホド、と思わせられる部分は多々ある。(緩和法とか、ゲームの...続きを読む
  • アルゴリズム思考術 問題解決の最強ツール
    2019/1/19:目新しさはない。
    追記:5/25再読。この本で紹介された手法がどれだけ実際の仕事に応用できるかを前提に読み直した。巷には実践にすぐ活用できる本も多いが、この本はそれと違いこれを足がかりにして、自分でやり方を考えることが必要な本である。そのため読者も次を考えないと意味がない。数学的...続きを読む
  • バイオハッキング テクノロジーで知覚を拡張する
    人間が持つ(或いはまだ持っていない)知覚について、最先端の研究の現場から酒場や病院での会話、さらには実験的デバイスを自らの体に埋め込んでその効果を検証するオタク(「バイオハッカー」)まで、様々な人々への取材を通じて、人間の感覚とは何か、脳の可能性はどこまで拡張できるのかを探求した一冊。

    我々が何か...続きを読む
  • オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史1 2つの世界大戦と原爆投下
    ・西洋が世界の勝利者になったのは、西洋の思想、価値観、宗教が優れていたからではなく、
    むしろ組織的な暴力をふるうことに優れていたからである。
    ・我が国の歴史の中で日本人ほど忌み嫌われた敵はいないだろう(ピュリッツァー賞受賞歴史学者アラン・ネヴィンス)
    ・原爆被爆者、峠三吉の詩「八月六日」 ”あの閃光...続きを読む
  • ダーウィンの覗き穴――性的器官はいかに進化したか
    フォアプレイがまえがきとなっている時点で、すでに性的なニュアンスがプンプンの本書。
    生物の誕生に必要な性交とそのための装置である生殖器を、様々な生物についてじっくりと観察した様子が、盛りだくさん。
    ヒトの祖先にはペニスにトゲがあったらしく、その時代の雌は大変だったろうな、などどワケのわからない感想を...続きを読む
  • 重力波は歌う アインシュタイン最後の宿題に挑んだ科学者たち
    重力波の検出に命を懸けた科学者たちの物語。著者自身が物理学者。当事者のインタビューを通じて、この壮大なプロジェクトの遂行がいかに難しかったかを浮き彫りにしている。
  • 重力波は歌う アインシュタイン最後の宿題に挑んだ科学者たち
    重力波検出に至る科学者たちの人間ドラマ。邦題も、原題の「BLACK HOLE BLUES」も実にしゃれている。
  • 重力波は歌う アインシュタイン最後の宿題に挑んだ科学者たち
    LIGO(レーザー干渉型重力波観測所)で2015年9月14日に直接観測された重力波。4キロメートルのパイプを2本、L字型に組み合わせた干渉計で重力波の直接観測に挑んだ科学者のドキュメンタリ。LIGOはアインシュタインの一般相対性理論の正しさを証明するための計測機関だ。大型の加速器と同様に建設するだけ...続きを読む
  • なぜデータ主義は失敗するのか? 人文科学的思考のすすめ
    これ自体が「厚い記述」(?)。。センスメイキングとは何か、一言であらわすのでなく、言葉を割くことで表したような一冊。

    センスメイキングは、デフォルト思考と対照的で、仮説を定めず、質的な証拠をもとに、「なぜ」に答える思考方法。
    デフォルト思考と補完しあいながらつかうことで、人の行動の背後にあるものを...続きを読む
  • オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史2 ケネディと世界存亡の危機
    フランクリン・ルーズベルト大統領時代の1941年1月から45年1月まで副大統領であったヘンリー・ウォレスを忘れてはいけない。その後商務長官となっても核兵器廃絶と東西対立回避のために孤軍奮闘する。
    1946年4月ニューヨーク市庁舎での演説から。
    「私は4年前にアメリカの世紀を否定しました。そして今日、...続きを読む
  • オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史1 2つの世界大戦と原爆投下
    ウッドロー・ウィルソンのまさしくTPP条約ISD条項を彷彿させる発言。
    「門戸を閉ざしている国々には、その扉を叩き壊してでも開国させねばならない……。資本家たちによって獲得された利権は、たとえそれに反感を抱く国々の主権がその過程で蹂躙されようとも、我が国の使節によって保護されねばならない」
    これが1...続きを読む
  • バッテリーウォーズ 次世代電池開発競争の最前線
    アメリカのLiB開発の話。細かいところは分からないところも多く、カタカナを覚えられないこともあり、スムーズには読めなかったが、自国・他国へのステレオタイプの差など面白かった。日本を愛する普通の日本人としては、日本は知財を守る側侵害される側という認識だが、まったくそんなこともなく。一方のアメリカのアメ...続きを読む
  • オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史3 帝国の緩やかな黄昏
    訳はいまいちだったが、公に語られてこなかったアメリカの歴史がよく分かった。改めてアメリカへの見方が変わった。