田沢恭子のレビュー一覧

  • 世界一わかりやすい量子力学

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    最初にひとこと言わせてもらう。「どこが『世界一わかりやすい』ねん!!」です。以上。
    と、これではレビューにならないのでもう少し。著者は実験物理学者で、2022年にノーベル物理学賞を受賞している。
    本書の肝は「量子もつれ」「量子テレポーテーション」「ベルの不等式の破れ」であると、私は解釈しました。「量子もつれ」に関しては、私は一応存じ上げているつもりなのですが、後の2つについては正直よくわかりません。いや、「ベルの不等式」がそもそも知らない。
    それぞれの言葉の説明については、本書を読めば書いてあるのですが、私の理解の範囲を今のところは超えています。著者が実験物理学者なので、実際に行った実験をモデ

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    2025年11月15日
  • 世界一わかりやすい量子力学

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    私たちが量子という言葉を作り、発見し、研究し、実用可能な現代(2025)まで長い月日を経過した。これもひとえに量子力学視点からすると量子という存在が発見して確定した時から今日や未来の先までが創られているのだろう。
    本著はとても図解を通してわかりやすく教えてくれる。量子力学とは何か、それがどういうことが出来るのか。私たちが知っている通常のパソコンとは次元が異なる演算能力を持っていることは確かだろう。
    本著を読んで思ったことは、量子や量子もつれという存在は人間に似ているなと思った。量子力学では観測した瞬間に確定するという。人間も何か意識して行動した瞬間に確定すると似ていると思うのだ。私たちは120

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    2025年11月11日
  • 「夢のエネルギー」核融合の最終解答

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    ネタバレ

    核融合は、投入エネルギーよりも高い出力があるか、が問題。ブレークイーブンを目指している。ここに到達するか、はライト兄弟の飛行機の発明くらい革命的。あとは改良すればいい。
    地場閉じ込め核融合と慣性閉じ込め核融合の2つの方法がある。
    水素がヘリウムになる核融合のほかに、大きな構成は炭素窒素酸素(CNO)サイクルもある。

    恒星は安定化装置があって、概ね同じ大きさを保てる。質量が増えるとサイズが収縮する。密度が上がるので各有業反応が高速に起きる。温度が上がるので、重力に逆らって膨張する。密度が下がって核融合の速度が落ちる。温度が下がる。再び収縮する。

    欧州のJET、トーラス共同研究施設。地場でプラ

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    2025年08月22日
  • クッキーをつくれば宇宙がわかる

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    ネタバレ

    「宇宙の本かぁ、、よし読むぞ!」と身構えて開いたら、冒頭でいきなりチョコチップクッキーのレシピが出てきて拍子抜け。思わず笑ってしまった。

    高校・大学で学んだこともあり、遺伝子工学や胚発生の章は特に面白かった。
    「クッキー工場に監禁されている」という突飛な設定から遺伝子工学に繋げるこじつけが絶妙で、ゆるいイラストとも相まって気楽に読み進められる。

    内容そのものは少し難易度が高く、理系を若干かじった程度の自分にはすべてを理解するのははなかなか大変だった。しかし、気になる章を拾い読みするだけでも十分楽しめる本だと思う。

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    2025年08月17日
  • クッキーをつくれば宇宙がわかる

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    クッキーを題材に宇宙や生物、化学、量子力学に至るまで科学全般についてわかりやすく書いてあり、楽しく読めた。だけど、正直クッキーのくだり(だいたい各テーマの冒頭にある)はけっこう無理矢理感はあるし、意外に本題は本格的なので、クッキーの話が本題の理解を助けてるかというと疑問ではある。が、それはそれでいいのだろう。まずはいろんな人に手に取ってもらうこと、大事だもの。

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    2025年08月15日
  • 「夢のエネルギー」核融合の最終解答

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    ワクワクしたくて買った本だけど、なーんかワクワクしなかったなー

    これは内容難しすぎて私がわかってないだけ説も濃厚なのだが、「核融合、もう少しでできそう!」の根拠が乏しく感じた
    みんな長中期的に核融合の実現を目指してるのは伝わるけど、短期的な資金調達ゲームになってる感があるのよなー

    なんかそれも、核融合というドデカドリームを掲げつつ、その過程で生まれる様々な技術に期待したの資金投入にも見えて、なーんか核融合が絵空事に見えてしまった。

    決して核融合というロマンに資金が集まってるわけじゃないのは、なんか冷めるけど、納得感はあったけど。

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    2025年05月27日
  • 「夢のエネルギー」核融合の最終解答

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    もはや、問題は科学ではなく技術らしい。
    実現できるかどうかではなく、いつできるのか。
    それにしてもスタートアップ的な企業が沢山参入してるのは驚いた。

    この著者の主眼がどうも温暖化削減であって、太陽光バンザイ(でもない)な感じが気になるのだけど、個人的には核融合以外にエネルギーの解決はないと思ってるので。
    化石燃料だろうが風力だろうが、太陽光だろうが、要は大元は太陽、核融合。だったら直接エネルギーを取り出すのが効率いいのは目に見えてる。

    ただまあ、規模とコストだよね。
    生きてる間に人工太陽を見たい。

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    2025年04月28日
  • 人はなぜ物を愛するのか 「お気に入り」を生み出す心の仕組み

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    「物」を手に入れてウットリした経験がある。

    キラキラするものや精巧なもの、自分自身のステイタスを上げてくれるようなもの。人は物を何故愛するのか。その前に、何故、物を必要とするのかを考えてみたい。

    それは生存のための日用品だったり、帰属や権威を示すためのものや自己表現のためのものだったり。生活必需品、家電、玩具、ファッションアイテム、書籍、ガジェット、家や車。それに留まらない。飛躍するが、ペットや他者を所有品としてみたり、自らの身体の一部、能力や集団だってモノ化して見る事さえある。

    所有の対象を「モノ」とする。しかし、私自身も「モノ」化する事で、所有の対象になり得る。人間社会は人間以外と人

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    2025年04月26日
  • 人はなぜ物を愛するのか 「お気に入り」を生み出す心の仕組み

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    モノへ愛着を持つ過程やその愛着との付き合い方についての本かと思っていたけれど…内容はどのように人はモノを愛するのかという例の羅列という印象。
    人はさまざまな側面でモノを愛しているということがわかる。
    これだけモノが溢れている時代ではあるが、モノを愛することとうまく付き合えば自分の心を満たしながら、他者や社会とも繋がれるのだと思う。

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    2025年04月18日
  • オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史2 ケネディと世界存亡の危機

    sun

    購入済み

    2巻目

    2巻目では、冷戦の初期からキューバ危機、そしてケネディ政権の政策やその後のジョンソン・ニクソン政権下でのベトナム戦争までを詳細に取り上げており、特に、キューバ危機を中心にケネディのリーダーシップとその背景にある歴史的文脈が非常に詳しく描かれている。ストーンはケネディにかなりの比重を置いており、その決断や政策が世界の平和にどのように影響を与えたかを掘り下げ、ケネディの歴史的役割を再評価するうえでの新たな視点を示している。

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    2025年02月15日
  • 宇宙の超難門 三体問題

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    お世辞にもわかりやすい本とは言えないが、知りたいことは大体理解できたので満足。前半の歴史の話はやや退屈。

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    2025年01月30日
  • 宇宙の超難門 三体問題

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    理系の自分にはもっと数式が並んでる方がわかりやすいのに、と少し不完全燃焼。

    でも、三体問題について歴史から最新動向まで網羅的に解説されていて、内容だけでなく一連の流れも理解を深めることができた。

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    2025年01月03日
  • 人生が変わる宇宙講座

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    訳者後書きにあるように、薄い小冊子ながら知識の細切れというよりは著者のユーモアも交えながら天文学の歴史を感じることができた。

    一貫して著者の念頭にあったのは
    「地球でのふつうは宇宙でのふつうではない」
    という言葉に集約できるだろう。

    ただ、最終章には著者の想いが強く出てしまったのだろう。読んでいて非常に違和感を感じてしまった。
    本書のタイトルが著者の想いであることから主旨としては良いのだが、これまでの宇宙スケールの話が極端に一個人のスケールにまで収束してしまい(書いてある内容は宇宙視点の話なのが皮肉である)、言い方は悪いが著者がアメリカ人気質が全面に出てしまった感が否めず、残念であった。

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    2021年01月27日
  • 人生が変わる宇宙講座

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    単行本『忙しすぎる人のための宇宙講座』から改題されたそうだけど、元のタイトルの方が良かったんじゃないか?しつこくつっこむなら「忙しい人のための」が。
    確かに最後の部分は、価値観というか近視眼的なものの見方の変革を迫る感はあるけど、そこに辿り着くまでは、どうにもタイトルへの違和感がつきまとう。
    このレベルの内容をさらっと理解できる人には、目新しいこと書いてるわけでもないし、この内容が人生変わるほど新しく感じる人は、多分内容を理解できない気がする。

    あと、薄さから「このくらいなら読めるかも」と思うと、それなりに時間かかるかも。読みやすいことは読みやすいけど。

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    2021年01月24日
  • なぜデータ主義は失敗するのか? 人文科学的思考のすすめ

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    「問い」の重要性に関する本。
    適切な問いにたどり着くためには、人文科学的アプローチによって顧客の立場に立ち、商品(店舗)などはその文化的コンテクストの中でどのように存在しているかを理解する必要がある。
    デフォルト思考(いわゆるデータ分析)ではいつまでも自社のドメインレイヤーを変えることができない。
    アディダス、レゴなどの事例を折り込みながら、丁寧に説明してくれる。
    あとに出た「Sense Making」よりこっちのほうがいいかなぁ。あっちも前半は好きだけど。

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    2021年01月10日
  • ダーウィンの覗き穴――性的器官はいかに進化したか

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    各所の評判に違わぬ面白さ。
    雄と雌で化かし合いをしているけれど、雌の方がやや優勢って感じですかね?(^^;
    研究としてはそれこそどうやって繁殖しているのかという大事なところなのに、ちょっと本道から外れているような扱いになっている(なっていた)ところが気の毒ですね。(^^;
    一般教育における性教育で学んだ知識とは幾分異なったことが事実だったりしそうなので、これは必読かも。

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    2018年11月02日
  • バッテリーウォーズ 次世代電池開発競争の最前線

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    シカゴ近郊のアルゴンヌ国立研究所のバッテリー・ガイたち。電池のスタートアップ企業園ビアの歩み。モバイル機器、電気自動車とともに重要度が増す電池開発競争。

    進んでいる日本の遅れている米国とか、外国人研究者家族が日本で暮らす困難とか、さりげに出てくる日本の描写が、新鮮でした。

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    2018年04月09日
  • バッテリーウォーズ 次世代電池開発競争の最前線

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    超絶読みにくい。電池産業と電気自動車に興味があればお読みください。
    しかし米国の電池産業では、日本は技術泥棒で韓国はパートナー扱いなのね。

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    2017年02月23日
  • 重力波は歌う アインシュタイン最後の宿題に挑んだ科学者たち

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    アインシュタイン最後の宿題を成し遂げるための科学者たちの苦闘の歴史。重力波発見を巡る悪しき前例を乗り越えるべき開発した装置(LIGO)でも科学者たちが対立し軋轢を高めてゆく。それが約50年も続き、ようやくLIGOが稼働した直後に重力波を検出できたのは奇跡的だったのかもしれない。
    今後、日本のKAGRAも稼働し世界的な重力波天文学が発展していくことを期待したい。
    それにしても今年(2016年)のノーベル賞はこれだと思っていたのだが、来年以降に持ち越しなのか?

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    2017年09月26日
  • 重力波は歌う アインシュタイン最後の宿題に挑んだ科学者たち

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    『重力波は歌う』、タイトルがいい。

    アインシュタインが存在を予言し、2016年2月にその存在が確認された、ブラックホール同士の衝突で発生するエネルギー波。宇宙の遥か彼方で起こる極微な波をどう捉えるか、LIGOチームを追ったドキュメンタリー。

    但し内容はサイモンシンのような本格的科学ドキュメンタリーではなく、LIGOの主要メンバーであるワイス・ソイス・ドレーヴァー・ヴォードたちの人間模様を描いている。天才たちが集うと色々あるんだなぁと思いつつ、著者のジャンナ レヴィン氏自身物理学者なので、もうちょっと学術寄りの内容が読みたかったというのが率直な感想。ゴシップ感が強い。

    重力波の直接観測は旬

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    2016年10月28日